第17話「闇のゲーム」
「「デュエル!」」
【先行】遊佐弘人
LP/ 8000
【後行】影山 黒斗
LP/ 8000
「……影山 黒斗(かげやま くろと)だ」
「えっ?」
「これから貴様を地獄に落とす男の名だ。さすがに名前すら知らずに消されるのは忍びないと
思ってな。小僧、貴様の名は?」
「……生憎、僕は負けるつもりもないし、君に名前を覚えてもらうつもりもない」
「なら、精々足掻いて1ターンでも長生きするんだな」
ヒロは、この異様な光景に呑まれそうになりながらも平常心を保ち、
デュエルをはじめる
「僕のターンドロー、モンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンド」
まず守りを固め、相手の出方を見ることにする。そしてターンは相手……影山黒斗に移る
「俺もモンスターをセット、そしてカードを2枚伏せ、これでターンを終了する」
遊佐 弘人
LP/ 8000 手札:4枚
場:伏せ1枚
「魔法・罠」:伏せ1枚
影山 黒斗
LP/ 8000 手札:3枚
場:伏せ1枚
「魔法・罠」:伏せ2枚
1ターン目は互いに動かない、両者にらみ合う中。ヒロが動いた
「攻めてこないならこっちから行くよ、僕のターン!、『復讐の女戦士ローズ』を反転召喚、
さらに『アチャチャアーチャー』を召喚。このカードは召喚・反転召喚したときに
相手に500ポイントのダメージを与える」
召喚されたアチャチャアーチャーは矢筒から矢を装填し、構えをとる
すると、矢先に火が灯り矢を放つ、矢は弧を描きながら影山へと向かい、
彼を貫きダメージを与えた
影山 黒斗 LP:8000 → 7500
「…………」
先制ダメージを与えはしたが、影山は微動だにしない
「まだまだ、レベル3のアチャチャアーチャーに、レベル4のローズをチューニング」
☆3 + ☆4 = ☆7
「轟く雷光が新たな戦士を呼び覚ます、紫電の如く駆け抜けろ
シンクロ召喚! 轟け! 『ライトニング・ウォリアー』」
『ライトニング・ウォリアー』
シンクロ・効果モンスター
星7/光属性/戦士族/攻2400/守1200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、
相手の手札の枚数×300ポイントダメージを相手ライフに与える。
召喚するのは、銀色の鎧を身に纏い、首に赤いマフラーをなびかせる金髪の戦士
「バトル! ライトニング・ウォリアーで裏守備モンスターを攻撃
『ライトニングパニッシャー』」
ライトニング・ウォリアーの両腕より発する雷が、影山のモンスターに迫る
だがここで影山が動く。デュエルディスクのボタンを押し、伏せカードを発動させる
「俺は、罠カード『マジカルシルクハット』を発動する」
『マジカルシルクハット』
通常罠
相手のバトルフェイズ時に発動する事ができる。
自分のデッキからモンスター以外のカード2枚を選択する。
その2枚をモンスター扱い(攻/守0)として、
自分フィールド上に存在するモンスター1体と合わせてシャッフルし裏側守備表示でセットする。
デッキから選択して特殊召喚した2枚のカードはバトルフェイズ終了時に破壊される。
「デッキから2枚のカードと俺のモンスターをシャッフルし、裏守備で再セットする」
影山が選んだカード
『黄金の邪神像』
『黄金の邪神像』
3つのシルクハットがモンスターを隠す、ライトニング・ウォリアーの攻撃は、
攻撃対象を見失い止まる
「(確率は1/3なら)ライトニング・ウォリアー! 右のシルクハットを狙うんだ、
『ライトニングパニッシャー』」
再び主人の指示により狙いを定めるライトニング・ウォリアー、
この攻撃は彼の直感が見事的中し、シルクハットに隠れていたモンスターを見事に捉えた
「ほぅ、よく見つけたな。だが破壊された『スネークポット』のリバース効果により、
俺の場に毒蛇トークンを特殊召喚される」
『スネークポット』
効果モンスター
星2/地属性/爬虫類族/攻 600/守 300
リバース:自分のフィールド上に「毒蛇トークン」
(爬虫類族・地・星3・攻/守1200)を1体特殊召喚する。
「毒蛇トークン」が戦闘によって破壊された場合、
相手ライフに500ポイントダメージを与える。
「だがけどライトニング・ウォリアーがモンスターを破壊したとき、相手の手札の枚数かける
300ポイントのダメージを与える、君の手札は3枚、よって900のダメージを受けてもらう!
『ライトニング・レイ』」
ライトニング・ウォリアーが光線を放ち、影山に900のダメージを与える
影山黒斗 LP:7500 → 6600
「よし、まずは先制攻撃だ!」
「……弱い」
「なにっ」
「少しは骨があるかと思っていたが、この程度のフィールしか出せないようじゃ
期待はずれもいいところだぜ」
「(フィール……いったい何の事?)カードを1枚伏せてこれでターンを終了」
「おっと、お前のバトルフェイズが終了したなら、シルクハットの効果で出したカードを
破壊させてもらうぜ」
シルクハットが消える……だがそこには新たに黄金色の体に、
仮面をつけたヘビ型のモンスターがいた
「なっ!? モンスターが増えただって? これはどういうことなの」
「何を言っている? 俺は『黄金の邪神像』の効果を発動しただけだ」
『黄金の邪神像』
通常罠
セットされたこのカードが破壊され墓地へ送られた時、
自分フィールド上に「邪神トークン」(悪魔族・闇・星4・攻/守1000)1体を
特殊召喚する。
「俺のターン、魔界発現世行きデスガイド召喚、デスガイドの効果で、
もう1体のデスガイドをデッキから特殊召喚」
影山の場に5体のモンスターが揃う
「見せてやるナンバーズの力を、俺はレベル3のデスガイド2体でオーバーレイ!
2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!
姿なき死神よ、深淵より現れ、生者を惑わせ エクシーズ召喚!!
さぁ姿を現せ『No.48 シャドー・リッチ』」
『No.48 シャドー・リッチ』
エクシーズ・効果モンスター
ランク3/闇属性/アンデット族/攻1800/守 0
レベル3モンスター×2
相手のターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。
自分フィールド上に「幻影トークン」
(悪魔族・闇・星1・攻/守500)1体を特殊召喚する。
また、自分フィールド上に「幻影トークン」が存在する限り、
相手はこのカードを攻撃対象に選択できない。
このカードの攻撃力は、
自分フィールド上の「幻影トークン」の数×500ポイントアップする。
影山が呼び出したのは、上半身しかない骸骨、ボロボロのマントを羽織り死神を思わせる
鎌を持っているモンスター、何より印象的なのはその鎌に数字の48が刻み込まれている
「……これが、ナンバーズ!」
ナンバーズから発する並々ならぬ威圧感に、圧倒されそうになる
「で、でも! 攻撃力はたったの1800じゃないか!」
「ふん、それはどうかな? 俺はカードを3枚伏せ、ターンエンドだ」
遊佐 弘人
LP/ 8000 手札:3枚
場:ライトニング・ウォリアー ATK:2400
「魔法・罠」:伏せ2枚
影山 黒斗
LP/ 6600 手札:0枚
場:No.48 シャドー・リッチ ATK:1800 (ORU:2)
邪神トークン ATK:1000
邪神トークン ATK:1000
毒蛇トークン ATK:1200
「魔法・罠」:伏せ4枚
(なんで、あいつはあんなに余裕なんだ……あの伏せカードに余程自信があるみたいだけど)
「僕のターン、ドロー! 魔法発動、『ナイト・ショット』これで
君の場の伏せカードを1枚破壊する」
『ナイト・ショット』
通常魔法
相手フィールド上にセットされた魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。
このカードの発動に対して相手は選択されたカードを発動できない。
破壊されたカード
『聖なるバリア‐ミラーフォース‐』
「よし! 当たりだ!」
「ふっ、果たして破壊するのはそれで良かったのか?」
「負け惜しみを! バトルフェイズ、ライトニング・ウォリアーで、シャドー・リッチに攻撃!
ライトニング・パニッシャー!」
「ならこの瞬間、シャドー・リッチの効果発動。相手ターンに1度、ORUを1つ使い
俺の場に『幻影トークン』を呼び出す」
使用したORU
『魔界発現世行きデスガイド』
シャドー・リッチの周囲に浮かぶ光る玉が消えると、シャドー・リッチによく似た
しかし、一回り小さいモンスターが現れる。そのトークンはシャドー・リッチの前に
回り込み、ライトニング・ウォリアーの攻撃を阻む
幻影トークン ATK:500
「幻影トークンが場にある限り、お前のモンスターの攻撃がシャドー・リッチに届くことはない!」
「でも、トークンの攻撃は500。本体に届かないのなら、まずはその影を叩く、
攻撃対象を幻影トークンに!」
ヒロの指示に従い、ライトニング・ウォリアーの攻撃はトークンに向かう
「……確かにこいつは影さ、だが影は形を持たない。故にいくらでも姿を変えることは
できるのさ、こんなふうに、な! リバースカード、『暴走闘君』発動」
『暴走闘君』
永続罠
このカードがフィールド上に存在する限り、
攻撃表示で存在するトークンの攻撃力は1000ポイントアップし、
戦闘では破壊されない。
「さらにもう1枚、暴走闘君を発動! これでトークンどもの攻撃力は2000ポイントアップ!」
邪神トークン ATK:1000 → 3000
邪神トークン ATK:1000 → 3000
毒蛇トークン ATK:1200 → 3200
幻影トークン ATK:500 → 2500
「なっ! トークン達の攻撃力が!」
「それだけじゃない、シャドー・リッチは幻影トークンの数だけ攻撃力が増すのさ」
No.48 シャドー・リッチ ATK:1800 → 2300
「まだ攻撃の途中だったな、さぁ攻撃してもらおうか。そしてお前は身をもって知ることになる、
闇のゲームの恐ろしさをな」
遊佐弘人 LP:8000 → 7900
「ぐっ! ぐぁぁ」
突如、衝撃がヒロを襲う
『ヒロ! どうしたの!?』
「……大丈夫だよマジス(今の衝撃は、一体)」
マジスをなだめながらヒロは考える、ソリッドビジョンの筈の衝撃がまるで本当に
ダメージが来たような。ヒロは1つの仮説を立てる
(……まさか! 闇のゲームは――――)
「ようやく気づいたようだな。そう、このゲームではプレイヤーへのダメージは
全て現実のものとなる」
「なんだって!?」
「くっ、くっ、くっ。はたしてお前はデュエルが終わるまで立っていられるかな?
どうする、まだお前のターンだ」
「くっ、メインフェイズ2、モンスターをセットし、永続魔法『強欲なカケラ』を発動。
これで、ターンエンド」
『強欲なカケラ』
永続魔法
自分のドローフェイズ時に通常のドローをする度に、
このカードに強欲カウンターを1つ置く。
強欲カウンターが2つ以上乗っているこのカードを墓地へ送る事で、
自分のデッキからカードを2枚ドローする。
自分の仮説を影山に立証され、理解はできないが納得する事はできた。
だが、それにより新たに謎が増えてしまう
(「ダメージは全て現実になる」そう言ったけど、僕の攻撃が通った時、相手はまるで
ダメージが効いていたようには見えなかった。どうして?)
いくら考えようが答えがでるはことなく、ターンは影山に移る
「俺のターン、バトルフェイズ、幻影トークンで伏せモンスターに攻撃」
「っ、セットモンスターは『マッシブ・ウォリアー』だ」
『マッシブ・ウォリアー』
効果モンスター
星2/地属性/戦士族/攻 600/守1200
このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。
瓦礫を抱えたモンスターがそれを盾にし、幻影トークンの攻撃を防ぐ
「このモンスターは、1ターンだけ戦闘では破壊されない!」
「なら、邪神トークンで攻撃して、毒蛇トークンで攻撃!」
「ガード・ブロック! ダメージを0にして1枚ドロー! ……くっ」
ガード・ブロックのバリアにより、ダメージは受けなかった。
だが、モンスターが破壊された時の衝撃がヒロの体にダメージを与える
(……モンスターが破壊されただけでも、この威力!)
「耐えるねぇ、ならこいつはどうだ。もう1体の邪神トークンで、ダイレクトアタック!」
「攻撃宣言時、手札のジャンク・ディフェンダーを特殊召喚!」
ジャンク・ディフェンダー DEF:1800
「いいねぇ、いいねぇ! 最高だ! トークンで、ジャンク・ディフェンダーを破壊し、
シャドー・リッチでダイレクトアタック!」
「ぐあああああっ!!」
遊佐弘人 LP:7900 → 5600
『ヒロっ! 本当に大丈夫なの!?』
「だ、だい、じょうぶ、だよっ」
シャドー・リッチの攻撃を受けた腹部を押え、苦しむヒロ。出血こそないが、
攻撃を受けた箇所から、痛みと熱が彼の全身に走りだす
それでも彼は立ち上がり、「何でもないよ」と言う。彼の相棒をこれ以上心配させない為に。
その様子を見ていた影山の表情に苛立ちが見える
「ちっ、俺はカードを伏せ、ターンエンドだ」
遊佐 弘人
LP/ 5600 手札:1枚
場:なし
「魔法・罠」:伏せ1枚
強欲なカケラ(永続魔法)強欲カウンター:0
影山 黒斗
LP/ 6600 手札:0枚
場:No.48 シャドー・リッチ ATK:2300 (ORU:1)
邪神トークン ATK:3000
邪神トークン ATK:3000
毒蛇トークン ATK:3200
幻影トークン ATK:2500
「魔法・罠」:伏せ2
暴走闘君(永続罠)
暴走闘君(永続罠)
「僕のターン、ドロー! (……これは)」
ドローしたカードと手札を確認し、ヒロは反撃の糸口を見つける
「魔法カード、大嵐を発動! これで魔法、トラップカードを全て破壊する!」
「それくらいの事、警戒してないと思っているのか! ライフを半分払い、
カウンタートラップ『神の宣告』発動!」
『神の宣告』
カウンター罠(制限カード)
ライフポイントを半分払って発動できる。
魔法・罠カードの発動、モンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚の
どれか1つを無効にし破壊する。
影山 黒斗 LP:6600 → 3300
「こいつで、貴様の大嵐の発動は無効だ!」
起死回生のカードはあっさりと防がれる、でもヒロに落胆の表情はなかった
(防いできた、でも大嵐は最初から囮、本命はこっち!)
「魔法カード、調律を発動、デッキからジャンク・シンクロンを手札に」
墓地に落としたカード
『神剣-フェニックスブレード』
(これで伏せカードを使ってジャンク・デストロイヤーに繋げれば形勢は逆転だ)
「その程度か? その瞬間、邪神トークン2体をリリースして『暴君の暴言』発動!」
『暴君の暴言』
永続罠
自分フィールド上に存在するモンスター2体をリリースして発動する。
このカードがフィールド上に存在する限り、
お互いに手札及びフィールド上で発動する効果モンスターの効果を発動できない。
「さらに、このカードにチェーンして、シャドー・リッチのORUを1つ使い、
再び幻影トークンを特殊召喚、暴君の暴言の効果で、互いにモンスター効果は発動できない」
No.48 シャドー・リッチ ATK:2300 → 2800
幻影トークン ATK:500 → 2500
「なっ! なんだって!?」
本命のカードさえ、影山に届くことができなかった。
だが、それよりも納得のいかない事がある、なぜ攻撃力3000の邪神トークンを
コストにしたのか。その疑問はすぐに解消される
「おっと、ついうっかり、リリースする対象を間違えてしまったぜ」
嘲笑気味に、そう告げる影山を見たとき分かってしまった『舐められている』
そう理解した瞬間、憤りを感じられずにはいられなかった
「(守りを固めないと)ジャンク・シンクロンを召喚……効果は使えない
そしてジャンク・シンクロンの召喚にチェーンして『コピー・ナイト』発動」
『コピー・ナイト』
永続罠
自分フィールド上にレベル4以下の戦士族モンスターが召喚に成功した時に発動する事ができる。
このカードは発動後、その召喚されたモンスターと同じレベルの同名モンスターカード
(戦士族・光・攻/守0)となり、モンスターカードゾーンに特殊召喚する。
このカードは罠カードとしても扱う
「レベル3のコピー・ナイトと、マッシブ・ウォリアーに、レベル3のジャンク・シンクロンを
チューニング!」
☆3 + ☆3 = ☆6
「瓦礫の鎧を身に纏い 汝、仲間を守る鉄壁の盾となれ!
シンクロ召喚! 守護せよ、『ジャンク・ガードナー』!」
『ジャンク・ガードナー』
シンクロ・効果モンスター
星6/地属性/戦士族/攻1400/守2600
「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度、相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、
表示形式を変更する事ができる。
この効果は相手ターンでも発動する事ができる。
このカードがフィールド上から墓地へ送られた場合、
フィールド上に存在するモンスター1体を選択し、
表示形式を変更する事ができる。
ジャンク・ガードナー DEF:2600
「……ターンエンド」
「俺のターン、永続魔法『絶対魔法禁止区域』発動」
『絶対魔法禁止区域』
永続魔法
フィールド上に表側表示で存在する全ての
効果モンスター以外のモンスターは魔法の効果を受けない。
「これで、俺のトークンは全て魔法の効果を受けない」
「そんな! 確か毒蛇トークンには効果があったはずだ」
「お勉強が足りないようだなぁ、なら教えてやる。トークンてのはなぁ、
効果の有無にかかわらず、通常モンスター扱いなんだよぉ!!」
「なんだって!?」
「お楽しみのバトルフェイズだ、まずはシャドー・リッチでジャンク・ガードナーを攻撃!」
「ジャンク・ガードナー! でも破壊されたジャンク・ガードナーの効果発動。
フィールドのモンスターの表示形式を変更する! 僕が選ぶのは毒蛇トークンだ
『コンフィクト・リバース』!」
毒蛇トークン ATK:3200 → DEF:1200
「知っているさ、だがこれでお前を守るものは何もない!
幻影トークンで、ダイレクトアタックだ!!」
遊佐弘人 LP:5600 → 3100
「ああああああ! がはっ、はぁ! あぐっ! ぐぅ、うううっ」
衝撃により吹き飛ばされるヒロ、痛みを堪えながらも立ち上がるがそれも限界に近い、
後もう1回攻撃を喰らえば、立ち上がれる力は残っていないだろう
「まだ、耐えるか、だがこれはモンスターの攻撃が実体となる『闇のゲーム』
いくらライフが残ろうとこの攻撃でお前はもう立ち上がれまい。残った幻影トークンで
ダイレクトアタック!」
(もう……ダメだ!!)
ヒロは訪れるであろう衝撃に、少しでも耐えるために目をつぶった。
だから気づく事ができなかった。この時、彼の近くで動いていたものがいたことに
――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――
(……ぼくは、また何もできないの? ヒロが今傷ついているのに、ぼくは何もできずにいるの?
手を伸ばせば届く、こんなにそばに居るのに)
(……イヤだ。もう、あんな惨めな思いはしたくない! ……だから!)
『ヒロォォォォ!!』
ドン!
「………えっ?」
(ヒロは、ぼくが守るんだ!!)
デュエルを諦め、ただモンスターの攻撃を待つ僕に訪れたのは。強烈な衝撃ではなく、
小さな、いつの間にか実体化したマジスが僕を突き飛ばした衝撃だった。そしてマジスは
ヒロの変わりに――――
『うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
遊佐弘人 LP:3100 → 600
「マジス!? マジスぅぅぅぅう!!」
目の前で起こった光景が信じられず、マジスの元へ駆け寄るも今までのダメージのせいか、
その足取りは遅い、1歩歩くごとに激痛が走るがそんなのは気にしてられなかった
どうにかたどり着くと、その小さな体を抱き寄せる
「マジス! なんて無茶を、僕をかばうなんて」
『へへっ、よかった。ヒロが無事で、ボク、ヒロの役に立ったでしょ?』
「……バカっ!! 今はそんな事言ってる場合じゃないだろ!!」
『……大丈夫だって、これくらい、へっちゃら……だよ。ヒロは心配性だなぁ』
何でもない様に振舞おうとしているが、それが痩せ我慢だと言うのは一目瞭然であった。
彼もヒロ同様にボロボロで……限界が近い
「……マジス、ゴメン、僕が弱いばっかりに君までこんな目に」
弱気だな、自分でもそう思ってしまう。けどマジスは首を横に振る
『そんなことないよ。僕は信じてるよ、ヒロは強い、だから絶対あきらめないで』
「……マジス」
「おいおい、どこからガキが出てきたか知らねぇが
んな茶番さっさと終わらて、デュエルを続けるぞ」
「お前!!」
「バトルフェイズは終了、毒蛇トークンを攻撃表示に変更してターンを終了する。
さぁ、お前のラストターンだ」
遊佐 弘人
LP/ 600 手札:0枚
場:なし
「魔法・罠」:伏せなし
強欲なカケラ(永続魔法)強欲カウンター:1
影山 黒斗
LP/ 3300 手札:0枚
場:No.48 シャドー・リッチ ATK:2800 (ORU:0)
毒蛇トークン ATK:3200
幻影トークン ATK:2500
幻影トークン ATK:2500
「魔法・罠」:伏せなし
暴走闘君(永続罠)
暴走闘君(永続罠)
暴君の暴言(永続罠)
絶対魔法禁止区域(永続魔法)
手札は0枚、場にはモンスターなく、あるのは永続魔法が1枚、そしてライフは僅か600。
対して向こうには攻撃力2500以上は4体、シャドー・リッチはトークンを破壊しない限り
攻撃は届かない上に、そのトークンは戦闘でも魔法でも破壊できない。
極めつけはモンスター効果も発動できなく、体はボロボロだ
――――だが、それがどうした?――――
少し前の彼ならここで諦めていただろう。だが小さな相棒が体を張って助け、
こんな自分を強いと言ってくれた
その期待に応えないまま、ここで倒れるわけにはいかなかった
「僕のターンドロー、このドローで強欲なカケラに2つ目のカウンターが乗る、
そしてカウンターが2つ乗ったこのカードを墓地に送り、2枚ドローする」
ドローカードだけでは、まだ足りない。ヒロは残された勝利の可能性を手にするため、
デッキの上に手を乗せ、静かに祈る
(たのむ僕のデッキ。僕とマジスの思いに答えてくれ!)
「ドロオオオオオォォォ! ……!!」
ドローカードを確認し、心の中で小さく呟く
(ありがとう、僕のデッキ、そして―――)
もう考える必要はない、勝利の方程式はすでに手の中にある。後は、行動に移すだけだ
「僕は死者蘇生を発動、墓地からライトニング・ウォリアーを特殊召喚!
そしてマジック・ストライカーを召喚!」
『マジック・ストライカー』
効果モンスター
星3/地属性/戦士族/攻 600/守 200
このカードは自分の墓地に存在する魔法カード1枚を
ゲームから除外し、手札から特殊召喚する事ができる。
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。
このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
「こりゃあ傑作だ! 何が来るかと思えば、死者蘇生? ライトニング・ウォリアー?
挙げ句の果てに死にぞこないのチビときたか。そんな雑魚どもに何ができる!!」
「確かに、マジスやライトニング・ウォリアーだけの力じゃ勝つことは難しい。
でもどのモンスターにも無限の可能性がある……それを引き出すのが僕達デュエリストの役目だ」
「ほざくじゃねぇか。なら見せてみろよぉ!」
「見せてやるさ! まずは墓地の神剣-フェニックスブレードの効果、
墓地の戦士族モンスター2体をゲームから除外してこのカードを手札に、
そしてマジスに装備させる!」
除外したカード
『ジャンク・シンクロン』
『ジャンク・ガードナー』
マジック・ストライカー ATK:600 → 900
「それっぽっちか? それじゃあ俺にはダメージなんか通らねぇよ」
「届かせてみせる! ……これが最後の希望だ! 魔法カード『シンクロ・ギフト』発動」
『シンクロ・ギフト』
通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在するシンクロモンスター1体と
シンクロモンスター以外のモンスター1体を選択して発動する。
このターンのエンドフェイズ時まで、選択したシンクロモンスターの攻撃力を0にし、
その元々の攻撃力分もう1体のモンスターの攻撃力はアップする。
マジック・ストライカー ATK:900 → 3300
ライトニング・ウォリアー ATK:2400 → 0
「このカードの効果で、ライトニング・ウォリアーの攻撃力をマジスに与える
そしてマジスはダイレクトアタックできる効果がある」
「バカか! 俺の場に暴君の暴言がある限り、モンスター効果は発動できないぜ!」
「どうやら君も勉強不足のようだね、そのカードは永続効果は無効にはできない。
つまり、マジスの攻撃を止めることはできないんだ!」
「なに!?」
「マジス、ダイレクトアタックだ! 『ダイレクト・ストライク』!」
『やあああああああっ!!』
(これは予想外だが所詮、フィールが低い攻撃大したことはない。
それにゲームには負けたが。それならこの後腕づくでナンバーズを奪い取るまで)
影山黒斗 LP:3300 → 0
「ぐふはぁぁぁ! この衝撃は(ば、バカな! さっきよりフィールが上がっただと!?
こいつはいっ……た、い)
予想外の衝撃に戸惑う影山、だが答などでることはなく、影山の意識はここで途切れた
「見たか! これが、君が見下した、僕とマジスの……力だ!!」
WIM:ヒロ&マジス
――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――
吉井明久は混乱している。
彼の前には黒い霧のようなものが、辺りを覆い尽くしていて
ヒロがそれに飲みこ荒れてしまった。この状況が全く把握できていない
「ん?」
しばらく様子を見ていたら、霧が急に晴れていき、霧の向こう側からヒロがマジスを抱えて
ながらやってきた
よかった……無事だった、と思うのも束の間 よく見ると2人とも何故かボロボロの状態だ
明久は慌てて2人に駆け寄る
「ヒロ大丈夫!? いったい何があったの!?」
「……明久くん、僕のことはいいから、マジ……スを、おっ、お…‥ねが…い」
「ヒロっ! ヒロ!!」
まるで糸が切れた人形の様に突然ヒロが倒れ、明久は困惑した
「急いで霊柩車を! じゃない救急車を……って119番って何番だっけ!?
くそっ、思い出せない!」
誰がどう見ても慌ただしくしている明久に、背後から声をかける者がいた
「落ち着いて、彼は気を失っただけ。どこかで休めば大丈夫よ」
突然声をかけられ振り向く明久。そこにいたのは、膝程まである長い黒髪に
隣の少女と同じ制服を着た、おそらく明久と同年代くらいの女の子がいた。
「いろいろと説明してあげてもいいんだけど……ここじゃあ、ね。
ねぇ、どこか安全な場所に案内してくれないかしら」
突然そんな要求を出してくる彼女、だが明久も何が起こっているのか理解していない
事情を説明してくれるのはありがたい話だ。ヒロも休ませないといけないし
なら、彼女の提案は飲むべきだ
「(ここから一番近いのは、僕のマンションか)わかったよ。 なら僕の家に案内するよ」
「それは好都合だわ、じゃ案内よろしく。吉井明久くん」
「えっ?」
なぜ彼女が自分の名前を知ってるのだろう、戸惑う明久の様子に
気づいた彼女は軽くため息をつく
「もしかして、気づいてないの? まぁ、あれから何年も経っているんだし、しょうがないっか。
なら、これならわかるでしょう」
なにやら不機嫌になったかと思いきや、明久には聞こえないく位の声で
小さく呟いている。
それが終わると、彼女は数歩近づくと優しく微笑み、手を差し出す
……まるで握手でもするかのように
「久しぶり……あーちゃん」
「っ!!」
明久は今日一番で驚き、困惑する、『あーちゃん』確かに小さい頃、そんな名で呼ばれていた
記憶がある、でも明久の中でその名で呼ぶ人物は1人しかいない。
だから聞かずにはいられなかった
「……君は、いったい誰なの」
だって、その人は……
おわり
ご意見・ご感想、誤字・脱字の指摘などお待ちしています。