バカと精霊とデュエルモンスターズ   作:鯖Enter

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なんか最近どんどん話が長くなっているような気がします(汗)


第19話「僕とゆうくんと新たな学園生活」

 

 

 

第19話「僕とゆうくんと新たな学園生活」

 

 

side:明久

 

 

「ゆうくん、今頃どうしているのかな」

 

 

 僕は学校に向かうなか、昨日のことを思い出す。

デッキの調整や今後のことで話し合っている時

 

 

「そういえば明日から学校があるけど、ゆきちゃん達は学校どうするの?」

 

「学校? そうねぇ……ま、いずれわかるわよ。いずれね」

 

 

 いくら聞いてもその度にはぐらかされたけど、どういう意味なんだろうね

まさか自主退学とかしてこのままナンバーズ集めを続けたりして……まさかね

 

 

「おはよう! って、雄二どうしたのさ。まるでフ○ントムでも生み出しそうなって程

絶望な顔をしているけど」

 

 

 教室に入ると、そこには僕の悪友である雄二がいた。

だけど、いつものツンツン頭が萎れているように見えるけど何かあったんだろうか

思わず声をかけてみると

 

 

「あぁ……明久か、いや現実を受け入れるのに戸惑ってな。まぁ、いずれわかるさ。いずれな」

 

 

 なんて答えてきたけど、そのセリフ流行ってんの!?

 

 

「HRを始めるぞ、席に付け!」

 

 

 雄二に詳しいことを聞こうと思ったけど、タイミングよく僕らの担任である鉄人

(西村先生)がきたことだし、僕も自分の席に着くとしよう。

雄二のことは少し気になるが……ま、別にいっか雄二だし

 

 

「HRの前に今日はお前らに転校生を紹介する」

 

 

 鉄人の言葉に僕だけでなく、クラスのみんなも首を傾げてる。こんな時期に

転校だなんていったいどんな人だろう?

 

 

「如月、入れ」

 

「は~い」

 

 

 鉄人の呼びかけで入ってきたのは……え?

 

 

「如月 優希です。今日から皆さんと同じクラスになりました、よろしくお願いします」

 

「ええええええっ!!」

 

 

 そこには文月学園の制服を着た、再会したばかりの幼馴染の姿があった

それからも彼女にわけを聞こうと試みるが、休み時間の度にクラスの皆が集まり

彼女に話や質問なんかをしていて、なかなか聞けずにいた。

 

 気づくともう昼休み、そのゆうくんはといえば

今もクラスの皆から質問責めを受けている最中であった

 

 

「前の学校とかどんなだったの」

「こんな時期に転校だなんて、何か理由があるの」

「罵ってください!」

 

 

 1人明らかに変なのがいるけど

 

 

「きっ、如月さん、よければ俺が学校の案内しますよ」

「須川てめぇ! 抜けがけなんてずるいぞ、俺も俺も案内付き合います!」

「方向音痴が何を言いだすんだ福村」

 

 

 男子の比率が圧倒的に多いこのクラスに女子が増えるってだけで貴重だからね、

皆ゆうくんと知り合いになろうと必死になっている。でも彼女はそれらを丁重に断った

 

 

「ごめんなさい、案内でしたらもう吉井くんに頼んでありますので」

 

 

 なんて言い出した、えっ! そんな約束なんてしてないけど。

するといつの間にか回りの視線が僕に向いていた

 

 

「じゃ、行きましょあーちゃん」

 

「き、如月さんは吉井とはずいぶん親しげだけど、一体どんな関係なの?」

 

 

 戸惑う僕をよそに部屋から出ようとする彼女を、須川くんが遠慮気味に聞いてくるが

ここで本当のことを言うのは少しまずい、どんな関係なんて聞かれたら、

無難に友達かな。いやそれも少し違うかな

 

 

「あたしと吉井くんは幼馴染なのよ」

「「「んなぁにいいいいぃぃいいいい!!!!」」」

 

 

 僕がいかにして誤魔化そうと頭を悩ませているのに、

この幼馴染はさも当然とばかりに、このクラスに爆弾を投げちゃったよ!!

 

 

「馬鹿な! 如月さんが吉井の知り合いだと!?」

「いやだけど、さっき如月さん吉井のことを『あーちゃん』って親しげに」

「夢だ! そうこれは夢なんだ! 誰か俺を殴ってくれ!」

「わかった、そらっ!」

「痛い! でも気持ちいい……じゃなかった。ってことはこれは現実なのか!」

「須川隊長! ここに異端者がいます」

 

「うむ、これより異端審問会(通称:FFF団)の血の盟約により――」

 

「「「「「異端者には死の鉄槌を!!」」」」」

 

 

 須川君その他多数の生徒が、黒マスクに黒マントを羽織り一斉に襲いかかってくる!

 

 

「まずい、逃げるよ! ゆうくん!」

 

「えっ、ちょっと、あーちゃん!?」

 

 

 僕はゆうくんの手を引き走りだす。彼女は後ろで文句を言ってくるが

ここは無視して全力で逃げに専念する。今捕まると僕は多分、紐なしバンジーやら

磔に火葬とかきっとそんな目にあう、だから――

 

 

「死んで、たまるかあああああっ!!」

 

 

 僕は走りだす、命ある限り!!

 

 

「どういうことなのよ!?」

 

 

 しばらく走っていると都合がいいことに隠れられそうな空き部屋が見つかったので

すかさずそこに飛び込み息を押し殺す

 

 

「どこだぁああああ! 吉井いいいぃぃ!!」

「まだ近くにいるはずだァ、草の根をわけても探し出すぞ」

「ヨシイガネタマシイ、ネタマシイ、ネタマシイィ!!」

「見つけ次第やつを血祭りに上げるぞぉ!」

 

 

 しばらくすると須川君たちの足音が遠のいていくのを感じとり、

ようやく一息つける。取りあえずの危機は脱したか

 

 

「もうなんなのよ」

 

「なんなのはこっちが言いたいよ! ゆうくん、どうして急に転校してきたんだよ」

 

「別に急じゃなかったわよ、実を言うとこっちに来る前に既に手続きは済ませてあったのよ」

 

「ええっ!?」

 

「パパはここの学園長とも顔が利いててね、それなりに大変だったけどね」

 

「でもどうして僕らの所なのさ」

 

「あーちゃん達にはまだ言ってなかったけど実はあたし、

ここがナンバーズを流通している場所じゃないかって思っているのよ」

 

「えええっ! それって――」

 

「しっ、声が大きいって! 少し調べたところ、この学園にはよくない噂があるのよ」

 

「……噂って」

 

「あーちゃんも見たでしょ、さっきの人達の豹変ぶりをきっとナンバーズにとり憑れるに

違いないわ」

 

「………へっ?」

 

「驚くのも無理はないよね。クラスメイトがいきなり襲いかかってくるなんて

普通の日常じゃあ考えられないもの」

 

「いや……あの、ゆうくん」

 

「まさかいきなり本性を現すなんて、迂闊だったわ。やっぱりヒナはこっちに転校させる

べきじゃなかったかなぁ。いやでも前の学校には転校手続きも出したし、かといって

中卒のままにさせるわけにもいかないし――」

 

「おーい」

 

「えっ、大丈夫よあーちゃん。デュエルでナンバーズにさえ勝てば

みんな正気に戻るはずだから」

 

「あの~非常に言いにくいんだけど」

 

「何? ここも長くはいられそうにないんだから、手短にね」

 

「うん、じゃあ。多分ナンバーズは関係ないと思うよ、あれくらいならいつものことだし」

 

「……!?」

 

「ゆうくんが聞いた噂がどんな内容なのかは知らないけど、

さっきくらいならここでは割と日常的なんだよ」

 

「はぁあ! じゃあここの男子生徒に、他校の男子告白しているって噂は?」

 

 

 秀吉のことかな、それならそれは役所の間違いで、本当は女の子だよ

まぁ本人は男だと言い張っているけど、性別なんて関係ないけどね。秀吉は秀吉だし

 

 

「素行が悪かった生徒が急に真面目になったって話は」

 

 

 それは僕らの担任である鉄人(西村先生)による教育的な指導(洗脳)の賜物だね

 

 

「男子生徒の流血事件が多発してるって話は!」

 

 

 ムッツリーニの鼻血のことだね、うん特に変でもなんでもない事だね!

 

 

「女生徒から貰った手料理を口にした瞬間倒れて入院行きになった話はどうなのよ、

これは流石にいないでしょ!」

 

「…………ウン、ソレハシラナイナー」

 

 

 ゴメン、ゆうくん。こればっかりは真相を話すわけには行かない!

 

 

「……ハハハっ」

 

「ゆ、ゆうくん? ゆうきさん?」

 

「ええ、そうよ。間違えたわよ、思いっきり調査不足でしたよ!

あたしはろくに調べもしないでここがアジトだと勝手に思い込んでいたわよ

滑稽でしょう、笑えばいいでしょ! 笑えばいいわ! あーっはははって!!」

 

「いや、その」

 

「あーっはははっ!!」

 

 

 そして、しばらくして

 

 

「落ち着いた?」

 

「……うん、大丈夫よ」

 

「じゃあ、そろそろ行こっか。学園を案内するって約束もあるし」

 

「わかったわ(ん? という事はあーちゃんそっくりの女の子もいるってのも本当なのかしら、

さっきその写真っぽいのを持っている人も見かけたし)」

 

「どうしたの?」

 

「な、なんでもないわ。行きましょう(……今度探してみようかしら)」

 

 

 あっ、まだ聞きたかったことがあったっけ

 

 

「そういえば聞きそびれたけど、どうしたのその髪型?」

 

「もぅ、やっと気がついたの」

 

 

 そう、今まで聞くタイミングがなかったが今のゆうくんの髪型は

いつものストレートヘアではなく後頭部の両サイドで結って、

尚且つ毛先の部分を白いリボンで纏めているのだ

 

 

「まぁ、理由はいくつかあるけどやっぱ一番の理由は、誰かさんに性別を間違えられた

わけだし少しでも女の子として見てもらえるため、かな」

 

「う、それは……ごめん」

 

「冗談だよあーちゃん、久しぶりに君の慌てる顔が

見たかっただけだよ」

 

「もぅ、ゆうくんてば! これでも気にしてだよ」

 

「ごめんなさい、ならこれで御愛顧ってことでこの話はおしまいにしましょう。

それにしてもこうしてあーちゃんに会う事になるなんて、あの頃は思ってもみなかったなぁ」

 

「そうだね」

 

 

 こうして目を閉じてみると鮮明に思い出すよ、ゆうくんと過ごした楽しい日々が――

 

 

「ぼくのたーん、モンスターとカードをせっとして、たーんえんど」

「ドロー、サイクロンとブラックホール、そしてサモプリサモプリネコベルンベルンDDB!」

 

 

ん? これは違うな楽しかった日々が――

 

 

「シンクロ召喚! ガイアナイト、デス・デーモン、ガオドレイク」

「おろ埋、蘇生、単三型、暴走召喚、漏電、ダイレクトアタック!」

 

 

 あれ? 楽しかった日々が――

 

 

「今度はゆうくんが先行だよ」

「わかった、ドロー高等儀式、神光の宣告者、ボチテンシヨンタイ、クリスティア!」

 

 

 日々が――

 

 

「カオス・エンペラードラゴン、効果、クリッターデヤタガラスを加えて召喚、ダイレクトアタック!」 

 

 

「…………」

 

 

 思わず顔が上に向いてしまう、そうしないとこぼれ落ちそうだから

 

 

「ど、どうしたのよあーちゃん、急に目頭なんて抑えて」

 

「いや、ちょっと雨が目に入ってきてね」

 

「雨? ……ってここは室内だよ」

 

 

 小さい頃の僕、よくデュエルをやめなかったね

 

 

「ん?」

 

 

 と、僕がチョット感傷に浸っているとゆうくんの足を止めていることに気づく

気になって彼女の見ている方に視線を向けてみると――

 

 

「なんですかこれ! レアカードって言ってたのにこれ、『モリフェン』や『シーホース』

通常モンスターばっかりじゃないですか!」

 

「おいおい、俺は珍しいカードがあるとは言ったが別にレアカードなんて

一言も言ってないぜ」

 

「そうだ、そっちが勝手に勘違いしておいて嘉儀(かぎ)さんに難癖つけるなよ1年坊主!」

 

「そんな! カードは返すから、私のデッキを返してよ!」

 

「何勝手なこと言ってるんっか、トレードは成立しているんだから今更クーリングオフ

なんてできないっすよ!」

 

 

 1年生の女の子が2年生らしき数人に絡まれている、話を聞く限りだと

カードトレードでもめているみたいだけど。

うーん、なんかヒロと出会った頃によく似ているなぁ

 

 

「どうする?」

 

 

 僕は視線を彼女の方に戻して問いかける。まぁこういう場面で

彼女がなんて答えるかはわかったいるけどね

 

 

「あーちゃん知っているでしょ、あたしがこういうのを見て見過ごすわけないでしょう」

 

「だよね」

 

 

 さも当然とばかりに答えて、先輩達に一直線に足を運ぶ彼女を見て、自然と頬が緩む

なんか懐かしいな、昔もゆうくんに連れられていじめっ子退治とかしたっけ。

なんだかんだ言ってあの頃と変わっていない彼女(彼)を懐かしく思い

僕もあとを追いかける

 

 

「ちょっとそこのあんた!」

 

「あん? 誰だてめぇら」

 

「通りすがりのデュエリストよ」

 

 

 どこの世界の破壊者ですか

 

 

「はぁ?」

 

「それよりあんた下級生相手に鮫トレなんかして、恥ずかしくないの?」

 

「おい! 嘉儀さんに対してなんて口の利き方をしてんだ!」

 

「この方は、いずれこの学園のトップ……になる予定の嘉儀さんを知らないのか……おそらく」

 

「今日転校したばっかりなのに、そんなの知るわけないわよ」

 

 

 僕も全く知りませんでした

 

 

「人聞きが悪いなぁ、これはお互いが了承してのこと。無関係なやつが

首を突っ込むんじゃね」

 

「う、嘘つき!」

 

「嘘なんかついてないさ元をただせば、お前が確認しないのが悪いんだろうが、

どうしてもって言うんなら、これで白黒つけてもいいんだぜ」

 

 

 先輩はデュエルディスクを突きつける、要は文句があるならデュエルで決着を

つけろってことみたい

 

 

「ならその勝負あたしが挑むわ、その子から奪ったカードを賭けてデュエルしなさい!」

 

「威勢だけはいいなお嬢ちゃん……だがなさっきも言ったがこれは俺たちの問題だ

別に受ける必要はないのさ」

 

「逃げる気? なんだったらハンデをあげてもいいのよ。そうね、あなたが5ターンの間

生き残ればそっちの勝ちでいいよ。仮に引き分けだった場合はあたしの負けでいいわ」

 

 

 ちょっ! それはハンデありすぎでしょう!?

 

 

「冗談はそれくらいにするんだな。大体俺が勝ったとしてこっちにメリットなんて1つもない

やるだけ時間を浪費するだけだ」

 

「そっか、仕方ないよね……あたしが相手じゃあね」

 

「なに?」

 

「女相手に、しかもハンデまでつけて負けたんじゃあ、あんたのメンツは丸つぶれだもんね。

別に気にすることじゃないのに、あたしが相手じゃ当然のことなのにね!」

 

「……」

 

 

 いやっ、あの……ゆうくん煽るのもほどほどにしないと、ほら取り巻きの方々も

青筋を立ててますし、人数も多いんだし……さすがに僕でもリアルファイトはチョット

 

 

「そうだ! なんならもっとハンデをあげようか? 例えば1ターン目のドローなしとかさ」

 

「このやろう、舐めるのもいい加減に――」

 

「嘉儀さん、すみませんちょっとお耳を」

 

「なんだよ、取牧(とりまき)」

 

 

 怒った取り巻きの1人がゆーくんに飛びかかろうととするが、別の取り巻きがそれを止める

何か耳打ちをし始めたけど

 

 

(今思い出しましたけどあの子、睦月高校の如月ですよ。

噂ですとあっちじゃあHERO使いとしてかなり名の知れたデュエリストみたいっす)

 

(だからなんだよ)

 

(これは嘉儀さんが勝てば名をあげるチャンスっす)

 

(そうか、そりゃあいいぜ。しかもHEROといやぁ融合で手札消費が激しいデッキ、

俺のデッキとの相性は抜群、とまでは言わないがいい線いけそうじゃねぇか)

 

(はい、、ここは嘉儀さんの強さをびしっと見せてください!)

 

「わかったよ! そこまで言われちゃあ黙っていられねぇ乗ってやるよその挑戦、

ただし貴様が言うハンデ付きでなぁ! ……ついてきな」

 

 

 そういうと先輩は振り向き歩き出す、行き先はおそらく屋上だろう

 

 

「いいのゆうくん!? あんな条件をのんで」

 

「ああでも言わないと乗ってきそうになかったからね。でも心配はいらないよ

あたし、負けるつもりでデュエルはしない主義だから」

 

「あ、あのっ!」

 

「どうしたの?」

 

 

 気づくと 1年生の女の子が戸惑いならも声をかけてくる

まぁ戸惑うのも無理ないか、本人そっちのけで話進めちゃったからね

 

 

「ご、ごめんなさい。私のせいでこんなことになってしまうなんて」

 

「こっちが勝手に首を突っつこんだだけだから、気にしないで。

……それよりどうしてあんな連中に関わったの?」

 

 

 それは僕も気なっていた。見た感じ大人しそうなこの子が、さっきの先輩達みたいなのに

積極的に関わりたがるような感じじゃない

 まして、デュエリストの命でもあるデッキを渡すなんて……僕には思えなかった

 

 

「それは…………その。私が弱かったから」

 

 

 一瞬話そうか悩んだけど、弱々しくあるが語りだしてくれた。けど、弱かったから?

 

 

「少し前にデュエル大会があったんです。私は友達と4人で出たんですが、

私みんなの足を引っ張ってばかりで、最後は私のミスで負けて予選にいけませんでした」

 

 

 大会って……僕も出たあの大会のことか

 

 

「みんなは『私のせいじゃない』って言って励ましてくれました、でも私は弱いままの

自分が許せなくって、だから強くなりたかったんです。

そんな時あの人達が声をかけてきたんです『珍しいデッキがあるけど、交換しないか』って」

 

「……それであいつらにデッキを?」

 

「はい……デッキを渡すのはいやでした、でも強くになるには

強いカードが必要だったんです……でも」

 

 

 見せてくれたデッキは見事に通常モンスターばっかり、魔法もトラップも少しはあるけど

『闇』とか『城壁』とかどれも初期にでたカードばかりだった

 

 

「……そう、あいつらはあなたの弱みに漬け込んできたってわけね。ますます許せないわね

あーちゃん、ちょっとあいつら懲らしめてきますか」

 

「えっ、えっ? あの、ちょっと」

 

 

 戸惑う女の子をよそに、ゆうくんは屋上に向かいだした。今の話を聞いて

より一層彼女の闘志に火が付いたみたい、こうなったら僕じゃ止められそうにない

そして歩くこと数分、僕らは屋上にたどり着く

 

 

「そういえば自己紹介がまだだったな、俺の名はオベリスクブルー2年の嘉儀式だ」

 

「そちらが名乗ったのならあたしも……あたしは今日でオシリスレッドに入った

1年の如月優希よ」

 

「如月か、いくぜ」

 

 

「「デュエル!」」

 

 

【先行】如月優希

LP/ 8000

 

【後行】嘉儀式

LP/ 8000

 

 

 

「せめてもの情けだ、先行はくれてやる。言っておくが先行のドローは無しだからな」

 

「ハンデをもらっといてよく言うわ、あたしのターン! 

まずは『強欲で謙虚な壺』を発動』」

 

 

『強欲で謙虚な壺』

通常魔法

自分のデッキの上からカードを3枚めくり、

その中から1枚を選んで手札に加え、

その後残りのカードをデッキに戻す。

「強欲で謙虚な壺」は1ターンに1枚しか発動できず、

このカードを発動するターン自分はモンスターを特殊召喚できない。

 

 

 めくったカード

『E・HERO プリズマー』

『E・HERO フェザーマン』

『ミラクル・フュージョン』

 

 

「あたしは『E・HERO プリズマー』を手札に加え、モンスターセット、

さらにカードを1枚伏せそして永続魔法『補給部隊』発動」

 

 

『補給部隊』

永続魔法

1ターンに1度、自分フィールドのモンスターが

戦闘・効果で破壊された場合にこの効果を発動する。

自分はデッキから1枚ドローする。

 

 

「これでターンエンドよ」

 

「(やっぱりデッキはE・HER0か……なら俺がすべきことは当然)

俺のターン、『リチュア・アビス』召喚」

 

 

『リチュア・アビス』

効果モンスター

星2/水属性/魚族/攻 800/守 500

このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、

デッキから「リチュア・アビス」以外の守備力1000以下の

「リチュア」と名のついたモンスター1体を手札に加える事ができる。

 

 

 先輩の場に現れたのは、サメの頭と顔を持つ人型のモンスター、

その姿を見て彼女は軽く嘲笑する

 

 

「あら、持ち主がブサイクだとモンスターまで醜いのが出てきたわね」

 

「言ってろ! こいつの効果でデッキから守備力1000の『シャドウ・リチュア』を

手札に加える、さらに今加えたシャドウ・リチュアを墓地に送ることでさらなる効果発動!」

 

 

『シャドウ・リチュア』

効果モンスター

星4/水属性/海竜族/攻1200/守1000

水属性の儀式モンスターを特殊召喚する場合、

このカード1枚で儀式召喚のためのリリースとして使用できる。

また、手札からこのカードを捨てて発動できる。

デッキから「リチュア」と名のついた儀式魔法カード1枚を手札に加える。

 

 

「デッキから儀式魔法『リチュアの儀水鏡』を加えてそく発動! 手札からレベル6の

『イビリチュア・ガスクラーケ』を儀式召喚する」

 

 

『リチュアの儀水鏡』

儀式魔法

「リチュア」と名のついた儀式モンスターの降臨に必要。

自分の手札・フィールド上から、儀式召喚するモンスターと

同じレベルになるようにモンスターをリリースしなければならない。

また、自分のメインフェイズ時に墓地のこのカードをデッキに戻す事で、

自分の墓地の「リチュア」と名のついた儀式モンスター1体を選択して手札に戻す。

 

 

「手札にあるレベル6の『イビリチュア・マインドオーガス』を儀式への供物に捧げ

現れよ! 『イビリチュア・ガストクラーケ』!」

 

 

『イビリチュア・ガストクラーケ』

儀式・効果モンスター(制限カード)

星6/水属性/水族/攻2400/守1000

「リチュア」と名のついた儀式魔法カードにより降臨。

このカードが儀式召喚に成功した時、

相手の手札をランダムに2枚まで確認し、

その中から1枚を選んで持ち主のデッキに戻す。

 

 

 儀式召喚にり姿を現したのは、赤い髪の少女但し下半身は10本のイカのような足を

動かすその姿は異形であった

 

 

「儀式召喚に成功したガストクラーケは、相手の手札から2枚まで確認し

1枚をデッキに戻す!」

 

「「「「出た! 嘉儀さんの儀式コンボだ!!」」」」

 

 

 急に取り巻きたちが騒ぎ出す、って儀式コンボって

 

 

「あら、ピーピングとハンデスの能力を持つモンスターなのね」

 

「その通りだやれ! ガストクラーケ!」

 

 

 主人の命令を受けガストクラーケは触手を伸ばし、ゆうくんの手札2枚を絡め取る

 

 

 確認したカード

『E・HERO プリズマー』

『闇の量産工場』

 

 

「当然俺が選ぶのは、E・HERO プリズマー! デッキに戻してもらおうか」

 

「初っ端から女の子のを相手に触手プレイなんて、いやらしいわね」

 

「誤解を招く言い方すんな! 俺は手札の『ヴィジョン・リチュア』を捨てる、

こいつはシャドウ・リチュアと似たような効果でデッキから儀式モンスターを呼び寄せる

俺は『イビリチュア・ジールギガス』を手札に!」

 

 

『ヴィジョン・リチュア』

効果モンスター

星2/水属性/海竜族/攻 700/守 500

水属性の儀式モンスターを特殊召喚する場合、

このカード1枚で儀式召喚のためのリリースとして使用できる。

また、手札からこのカードを捨てて発動できる。

デッキから「リチュア」と名のついた儀式モンスター1体を手札に加える。

 

 

「そしてリチュアの儀水鏡をもう1度発動だ!」

 

「なんですって!?」

 

 

 儀式魔法をもう1枚握っていたの!?

 

 

「フィールドにいるレベル2のリチュア・アビスと手札のレベル8

『イビリチュア・ソウルオーガ』を儀式への供物に捧げ、出てよ!

禁断の儀式に身を捧げた暴食の悪魔! 『イビリチュア・ジールギガス』!」

 

 

『イビリチュア・ジールギガス』

儀式・効果モンスター

星10/水属性/水族/攻3200/守 0

「リチュア」と名のついた儀式魔法カードにより降臨。

1ターンに1度、1000ライフポイントを払って発動できる。

デッキからカードを1枚ドローし、お互いに確認する。

確認したカードが「リチュア」と名のついたモンスターだった場合、

フィールド上のカード1枚を選んで持ち主のデッキに戻す。

 

 

 次に出てきたのはレベル10の儀式モンスター、攻撃力3200もある大型モンスターを

こうも簡単に召喚するなんて

 

 

「イビリチュア・ジールギガスの恐ろしさは攻撃力だけじゃない、こいつはライフを

1000払うことでカードを1枚ドローし、そのカードがリチュアモンスターだった場合

フィールド上のカードを1枚戻すことができるんだ、それもデッキにな!」

 

 

 嘉儀 式 LP:8000 → 7000

 

 

「ドロー、さぁ確認と行こうか」

 

 

 ドローしたカード

『神の宣告』

 

 

「ちっ!、だがいいカードが来た」

 

 

 外れたことで僕はほっとするも安心はできない、ライフを半分にすることで

あらゆる効果を無効にする事ができる、神の宣告が手札に来たんだから

 

 

「……」

 

「さてお待ちかねのバトルだ! イビリチュア・ガストクラーケで守備モンスターに攻撃!

お前の手札に融合はない! 融合が来てないE・HEROデッキなんざ敵じゃないぜ!」

 

 

 先輩のモンスターが襲ってくるも、ゆうくんはただ不適に笑う

 

 

「ふふふ、E・HEROですって? よーく見ておきなさいあたしのモンスターは!」

 

 

 『おジャマ・ブルー』 DEF:1000

 

 

 現れたモンスターを見て、対戦相手や取り巻きだけでなく、これには僕も目を丸くする

 

 

「おジャマだと!? ばかな! HEROじゃあなかったのか!?」

 

「……あたしがいつHEROを使うと錯覚していたの? チョットした事情があってね

悪いけどサブデッキを使わせてもらっているわ」

 

「サブデッキで俺に勝つつもりかよ! おちょくるのも大概にしろ!」

 

「あら、あたしは何時だっておおまじめよ。それにオジャマをあまり舐めないでちょうだい

この子達にはHEROとはまた違う可能性があるのだからね。戦闘破壊された

『おジャマ・ブルー』の効果発動!」

 

 

『おジャマ・ブルー』

効果モンスター

星2/光属性/獣族/攻 0/守1000

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分のデッキから「おジャマ」と名のついた

カード2枚を手札に加える事ができる。

 

 

「デッキから『おジャマジック』と『おジャマ・レッド』の2枚を手札に加え、

さらに補給部隊の効果で1枚ドロー」

 

「なら、イビリチュア・ジールギガスでダイレクトアタックだ!」

 

 

 如月 優希 LP:8000 → 4800

 

 

 一撃でライフを半分近く減らされたけど、

この状況でもゆうくんの表情は曇ることはなかった

 

 

「あら、この程度ならカスリ傷にもならないわよ」

 

「ふん、俺はカードを1枚伏せてターンを終了す――――」

 

「待ちなさい、エンドフェイズにあたしは『鳳翼の爆風』を発動させるわ」

 

 

『鳳翼の爆風』

通常罠

手札を1枚捨て、相手フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。

選択した相手のカードを持ち主のデッキの一番上に戻す。

 

 

「おジャマジックを捨てて、あなたが今伏せたカードをデッキトップに

戻してもらいましょうか」

 

 

 カードから飛び出した突風がカードを呑み込む、巻き込まれた伏せカードは

右に左に風に飛ばされながらも、最後にはデッキの上に戻っていく

 

 

「これだけじゃないわ、コストにした『おジャマジック』の効果であたしはデッキから

おジャマ3兄弟を手札に加えるわ。まだあなたのターンだったわね、どうぞ続けて

まだ何かあるのかしら」

 

 

『おジャマジック』

通常魔法

このカードが手札またはフィールド上から墓地へ送られた時、

自分のデッキから「おジャマ・グリーン」「おジャマ・イエロー」

「おジャマ・ブラック」を1体ずつ手札に加える。

 

 

 相手のカードを除去したと同時に手札を増やした、さすが!

 

 

「ちっ、ターンエンドだよ!」

 

 

如月 優希

LP/ 4800  手札:6枚 

場:なし

 

「魔法・罠」:補給部隊(永続魔法)

 

嘉儀 式

LP/ 8000  手札:0枚

場:イビリチュア・ガストクラーケ ATK:2400

  イビリチュア・ジールギガス ATK:3200

「魔法・罠」:伏せなし

 

 

「あたしのターンドロー、フィールド魔法『おジャマ・カントリー』発動」

 

 

『おジャマ・カントリー』

フィールド魔法

1ターンに1度、手札から「おジャマ」と名のついたカード1枚を墓地へ送る事で、

自分の墓地に存在する「おジャマ」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。

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「手札のおジャマ・イエローを墓地に送って、墓地からおジャマ・ブルーを特殊召喚」

 

 

 おジャマ・ブルー ATK:0

 

 

「さらに! 『おジャマ・レッド』を通常召喚。おジャマ・レッドは召喚に成功したとき

手札にある仲間を4体まで攻撃表示で特殊召喚できる。来なさい、あたしのモンスター達!」

 

 

 おジャマ・レッド ATK:0

 おジャマ・ブラック ATK:0

 おジャマ・グリーン ATK:0

 

 

「おジャマ・ブラックを墓地に送って、馬の骨の対価を発動して2枚ドロー。

さらに闇の量産工場で墓地からおジャマ・イエローとブラックを回収」

 

 

 大量召喚をして消費した手札を魔法カードを駆使して回復させる

 

 

「『融合』を発動! 手札のおジャマ・イエローとブラック、そしてフィールドの

おジャマ・グリーンを融合して『おジャマ・キング』を融合召喚!」

 

 

『融合』

通常魔法

自分の手札・フィールドから、

融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、

その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。

 

 

『おジャマ・キング』

融合・効果モンスター

星6/光属性/獣族/攻 0/守3000

「おジャマ・グリーン」+「おジャマ・イエロー」+「おジャマ・ブラック」

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

相手のモンスターカードゾーンを3ヵ所まで使用不可能にする。

 

 

「おジャマ・キングが場にいる限りあなたのモンスターゾーン3ヶ所を使用不能にする

これでこれ以上の展開はできないわね」

 

「構うもんか、いくら数を並べたところで所詮は攻撃力0のモンスターどもだ、

2体いれば十分だ!」

 

「あら、まだ気づかないのあなたはの運命(さだめ)はもう決まっていることに、

ご自慢のモンスターを見てみなさい」

 

「なに?」

 

 

 イビリチュア・ガストクラーケ ATK:2400 → 1000

 イビリチュア・ジールギガス ATK:3200 → 0

 

 おジャマ・キング ATK:0 → 3000

 おジャマ・レッド ATK:0 → 1000

 おジャマ・ブルー ATK:0 → 1000

 

 

 よく見るとフィールドのモンスターのステータスが変化していることに気づく

 

 

「おっ、俺のモンスターの攻撃力が! それだけじゃないお前のモンスターまでも

……どういう事だ! 説明しろ」

 

「フィールド魔法の効果よ、おジャマ・カントリーはあたしの場におジャマがいる限り

フィールド全てのモンスターの攻撃力と守備力を入れ替える」

 

「なんだと!?」

 

「バトルに入るわ。まずはおジャマ・ブルーでイビリチュア・ガストクラーケに攻撃」

 

 

 本来なら勝てるはずもないが、今ならフィールド魔法の影響で攻撃力は互角

ゆうくんのモンスターがイカのモンスターと相打ちになる

 

 

「補給部隊と、おジャマ・ブルーの効果でデッキからおジャマ・レッドとブルーを手札に

加えて、1枚ドロー」

 

「俺のモンスターがそんな雑魚モンスターに倒されるだと」

 

「あたしは続いておジャマ・レッドで、イビリチュア・ジールギガスに攻撃!」

 

 

 嘉儀 式 LP:7000 → 6000

 

 

「あなたの場にモンスターはいない、おジャマ・キングでダイレクトアタック!

『フライング・ボディアタック』!」

 

「のわあああああああ!」

 

 

 嘉儀 式 LP:6000 → 3000

 

 

「あらあら、さっきまでの威勢はどこにいったのかしらねぇ」

 

「……まだ俺のライフは残っている、まだチャンスは――」

 

「悪いわね。あなたにチャンスなんてもうないわ。メインフェイズ2に入って、

2枚目の融合を発動。手札のおジャマ・レッドとブルーで融合して

『おジャマ・ナイト』を融合召喚」

 

 

『おジャマ・ナイト』

融合・効果モンスター

星5/光属性/獣族/攻 0/守2500

「おジャマ」と名のついたモンスター×2

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

使用していない相手のモンスターカードゾーンを

2ヵ所まで指定して使用不可能にする。

 

 

 おジャマ・ナイト ATK:0 → 2500

 

 

「おジャマ・ナイトが場にいる限り、あなたのモンスターゾーン2ヶ所は使用できない

残念ね、これであなたはモンスターを召喚する事さえ出来なくなったわ。

カードを1枚伏せて、ターンエンドよ。さぁこれがラストターンよ」

 

「俺にはまだ、ドローカードがある! ド――」

 

「あなたは神の宣告を引くわ」

 

「なに!? バカな!」

 

 

 そんなっ!? 相手のドローカードが分かるなんて、さてはマインドスキャン?

 

 

「もう忘れたのかしら? 前のターン、鳳翼の爆風の効果でそのカードをデッキトップに

戻したことを」

 

「カードをセット、ターンエ――」

 

「エンドフェイズ、サイクロンを発動するわ。今伏せた神の宣告を破壊するね」

 

 

 わずか数ターンで先輩の場には何も残っていなかった、手札も、伏せカードも、

モンスターさえも。うわぁ、これはひどい

 

 

「あたしのターン、これが約束の5ターン目ね、おジャマ部隊で総攻撃!」

 

「くそおおおおおおおお!!」

 

 

 嘉儀 式 LP:3000 → 0

 

 

 如月 優希:WIN!

 

 

「これが結束の力よ!! さぁ約束よ、デッキを返しなさい」

 

「なにが結束の力だ!! 約束なんかしるか! おい、お前らやっちまえ!!」

 

 

 リーダーの号令で、取り巻きたちは一斉に僕達を取り囲む

 

 

「へっへっへっ、お前らも運がないな。俺達に楯突かなきゃあ痛い目にあわずに

済んだんのにようゥツベッ!」

 

 

 近いづいてきた取り巻きの一人をゆーくんが繰り出す右ストレートが顎にヒットしていた

その光景を先輩たちだけでなく僕も呆然と見つめていた

 

 

「えっ?」

 

「全く、せっかく穏便に済ませようとしてたのに、そっちがその気ならあたしも

それなりの対応をしないと……ねぇ」

 

「……あっ! 思い出した、ということはあんたはまさか……いやあなた様は!」

 

 

 指をポキポキと鳴らしながら不敵な笑みで近づくゆーくんに、取り巻きの1人が何かを

思い出す

 

 

「きっ、聞いたことがあります! 7年前に当時の不良連中からかつて恐れられた

その名前は――!」

 

「チョッ!? あんたらそれ以上言うなああ!!」

 

「紅夜叉!」

 

「いやあああああああああっ!! その名前で呼ばないでぇ!! 恥ずかしんだから!」

 

 

「取牧! どうして今までんな大事なこと忘れていたんだよ」

「しょうがないじゃないっすか! 随分前のことでしたし、なんか雰囲気変わってて

昔とは別人みたいじゃないですか! そもそも女の子だとは思わなかったし」

 

 

「ああもう! で、どうするわけ? このまま引き下がるならそれでよし、

でも口で言ってもわからないのなら。これ(拳)でじっくりと語り合おうじゃない

なに痛みは一瞬だから」

 

「ま、まさか紅夜叉が相手だったなんて、だが! これだけ人数がいるんだ!!

紅夜叉が相手でも勝てるはずだ、者共かかれぇええ!!」

 

 

 さっきまでの余裕はどこに行ったのやら、取り巻き全員で一斉に襲いかかるも

 

 

「ホッ、ハッア!! セイヤーッ、セイハー!!」

 

 

「スゴーっ!!!」

「ヤートットー!!」

「ゲラッパーッ!」

「クローズッ! ありがとうございましたっす!!!!」

 

 

 彼女は格闘漫画みたく、素早い蹴りやパンチを繰り出し取り巻きは奇声を上げ1人、

また1人と倒れていった。残ったのはリーダーの男1人だけだった

 

 

「で、残りはあんた一人だけどどうする」

 

「ぼ、暴力反対! 暴力をやめないと……」

 

「やめないと?」

 

「ぼ、暴力しちゃうぞ!」

 

「てい!」

 

「ふもっふ!!」

 

 

 最後のあがきとばかりに飛びかかるも、ゆうくんの回し蹴りであっけなく倒した

 

 

「ゆうくん、格闘技なんかやってたっけ」

 

「いろんな国を旅して、その国の武術とか教えてもらってたのよ」

 

「えっと……例えば?」

 

「空手、ブラジリアン柔術、中国拳法、ムエタイ、あとこっちじゃ使えないけど銃や剣とか

武器の使い方なんかも。まぁかじった程度だから大したことはないんだけど」

 

「この……1人多国籍軍め!! ……ガクッ」

 

 

 最後の力を振り絞って、捨て台詞を言い残した先輩は力尽きた 

 

 

「はい、あなたのデッキもうこんな連中と関わっちゃだめよ」

 

「あっ、ありがとうございます! 如月さん、吉井さん」

 

「いやぁ、僕はなんにもしてないよ」

 

「さてやることもやったし、あーちゃん教室に戻りましょう」

 

 

 そうして僕らはその場を去った 

 

 

 ――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――

 

 

 side:女の子

 

 

「如月さん、かっこよかったなぁ」

 

 

 綺麗でデュエルも強くて、私なんかと比べたら本当にすごい人だった

サブデッキでもあんなに凄かった、本当のデッキは一体どんなにすごいのだろう

 

 

「……私もあの人みたいに強くなれたらなぁ」

 

 

 そうすれば、今の自分に自信がもてるのかなぁ

 

 

「いいですねぇ、あなた」

 

「だ、誰ですか!?」

 

 

 振り向くとさっきまでいなかった場所にその人はいた。6月にもなり暑くなりだした

この時期に黒いフードとマントを着ていた、フードを深くかぶっていて顔はよく見えない。

声も変声機で変えてていて男か女か判別できない、かなり薄気味悪かった

 

 

「強くなりたいというその純粋な『欲望』実に素晴らしいぃ!! だから―――」

 

「あっ……ああ」

 

 マントの人がゆっくりと近づいてくる、私は怖くてその場から

逃げ出すことさえできなかった。そして――

 

 

「その『欲望』開放しなさい」

 

 

 私の意識は一旦ここで途切れた

 

 

 

 ――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――

 

 

 side:明久

 

 

「そういえば」

 

「どうしたのゆうくん」

 

「あたし達、どうして最初逃げていたのかしらって思って」

 

「ああ、それはもちろん。……あっ!」

 

 

 教室の扉を開けるとそこは―――

 

 

「ア~キィ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「明久くん、少しO ☆ HA ☆ NA ☆ SHIがあるんですが」

 

「須川隊長! 異端者を発見しました!」

「よろしい、やつをデュエルで拘束……めんどくせぇ! 殺っちまいな!」

 

 

「しまった! 逃げなきゃ――ぎゃああぁあっ!」

 

 

 ここで僕の意識は闇へと落ちていった

 

 

 

おわり

 

 




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