バカと精霊とデュエルモンスターズ   作:鯖Enter

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第21話「ツユリと誤解と初めての……」

 

 

 前々回、明久と優希が屋上でデュエルを行う少し前

 

 

 

「あれ、ツユリさんどこかに行かれたのですか」

 

「ツユリちゃんならお弁当を忘れてたみたいで、ちょうど家に叔母さんがいたみたいだから

今受け取りに行ってるよ」

 

「そうなんですか。あ、あの遊佐君にお願いしたいことがあるのですが、お時間いいですか?」

 

「僕に出来ることならいいけど、なにかな?」

 

「ここではチョット……場所を変えませんか」

 

 

 

第21話「ツユリと誤解と初めての……」

 

 

 

side:ツユリ

 

 

「はい、お弁当。しっかり食べて午後も頑張りなさいよ」

 

「ありがとう、お母さん! お仕事忙しいのにわざわざゴメンね」

 

「ちょっと資料を取りに家に戻っていたから、そのついでよ気にしないで。

それはそうとツユリ」

 

「なっ、なに?」

 

「あんたヒロトちゃんとはその後どうなの」

 

「ぶっ!! な、なな、急になに言い出すのお母さんっ!」

 

 

 お母さんの口から、この場にはいない幼なじみの名前が出てきて

おもわず吹き出してしまった

 

 

「だってあんた達、今は一緒に暮らしているんでしょ? それにあんた小っちゃい頃は

ヒロトちゃんにベッタリだったじゃない、はたから見たら兄妹みたいだったわよ。

そうそう、将来の夢は『ヒロ君のお嫁さんになる』って言ってたわねぇ」

 

「それは幼稚園の頃の話で、それに誕生日は私の方が早いから

私がお姉ちゃんなんだよ!」

 

「そういうところが、いつまでたっても子供の頃のままねぇこの子ったら、

あんたがそんなんじゃあ、その内ヒロトちゃんに彼女ができちゃうかもしれないわよ」

 

「もう! この話は終わり! 私もう行くからじゃあ! お仕事がんばってね!」

 

「ツユリもね、お母さんあんまり家にいること少ないけど体にだけは気をつけてね。

それとあんまりヒロトちゃんに迷惑かけちゃだめよ」

 

 

 半ば強引に話を切り上げ、この場から逃げるように立ち去っていく

まったく、お母さんは心配性なんだからいつまでも私を子供扱いして

 

 

 確かにお母さん達が家にいなくて寂しい時期もあったけど、今は口は多少悪くて

素直じゃないけど本当は優しいドロロや、マー君がいて、アキ君やヒメちゃん

最近ではゆきちゃんやヒナちゃんとも友達になれた……なによりヒロ君が一緒だから

そう思うと自然と頬がゆるんでしまう

 

 

「~~~~~っ♪」

 

『おっ、ツユリどうしたんだよ。やけにご機嫌じゃねぇか。

ひさびさに、かあちゃんに会えてうれしかったか』

 

「それもあるけど、今日のお弁当はちょっと凝ってみたからね!

忘れたときはどうしようかと思っていたよ」

 

『へぇ、お前にしては珍しいじゃねぇか』

 

「うん、今日はねタコさんウィンナーの足の数を……なんと8本にしてみたんだよ!」

 

 

 渾身の出来を披露したのにドロロの反応は微妙だった、むしろ反応に困るような顔をしていた

まったく、この8本足を再現するのにどれだけ苦労したか、この凄さがわからないかなぁ

 

 

『こだわる方向がおかしいんだよ! 他にはねぇのかよ!』

 

「これだけじゃないよ、卵焼きだってちょっとこだわってみたんだよ」

 

『ほう、どんなんだ出汁でも変えてみたのか、それとも卵や焼き方を――』

 

「いつもなら右巻きに巻くところを、今回は左巻きにしてみたんだよ!」

 

『んな所にこだわってどうするんだよ! 味をよくしろ、味を!!』

 

「もぅドロロは文句ばっかりだなぁ、ならこれならどう? 野菜で牛さんとお馬さんを

作ってみたんだよ!」

 

『それは野菜アートってやつか、なかなか凝っているじゃねぇか』

 

「へへへっ、でもそんなに凄いものじゃないよ、材料も余りもので作る時間も

なかったから結構見た目はシンプルだよ。手足なんて割り箸で作っちゃったし」

 

『……ん? ちょっと聞くが、いってぇ何の野菜で作ったんだ?』

 

「えっとね、キュウリとナスだよ。キュウリがお馬さんで、ナスが牛さん」

 

『それお盆に出すやつじゃねぇか! 早く片付けなさい、霊的なものが見えたら

やべぇだろ!』

 

(それなら今目の前にいるんだぇどなぁ)

 

 

 なんて考えが頭を過ったけどそれは口にはださないでおいて、

早く教室に戻ってヒロ君たちとお昼を一緒にしよっ!

で、教室を見渡してみたが2人の姿は見えなかった

 

 

「ねぇねぇ、ヒロ君どこにいるか知らない?」

 

「遊佐君ならさっき転校生と一緒にいるのを見かけたよ、多分屋上だと思うよ」

 

「屋上だね、ありがとう!」

 

 

 教えてくれた人にお礼も軽く済ませ屋上に足を運ぶことにする

 

 

「…………」

 

『ん?』

 

「ドロロどうしたの?」

 

『いやぁ、今すれ違った女生徒がちょっと気になってな』

 

「気になるって、私はそんなに気にならなかったけど」

 

『いやぁ、雰囲気とかじゃなくてなんというか嫌な匂いがしたつーか』

 

「ちょっと! 女の子の匂い嗅いでいたの、ドロロにそんな趣味があったなんて」

 

『ばっ、んなんじゃあねぇ!』

 

 

 ドロロとそんなやり取りを楽しみながらも屋上に向かうのだった

 

 

「――それで、話ってなにかな」

 

「――あ、あのこんな事突然言うと困惑すると思うんですが、

私もうじっとしていられなくて――」

 

 

(おや、お話中だったかな? ならあとにした方がいいかな)

 

 

 踵を返そうとしたとき、僅かに二人の会話が聞こえてきた

 

 

「――ですから私と――――付き合ってください!」

 

(……ふえっ!?)

 

 

 突然のことに変な声がでちゃった! き、気づかれていないよね

 

 

(ど、ど、ど、ど、どういう事! 付き合うって……ヒロ君とヒナちゃんが!?

まさかさっきお母さんが言ってたことが現実に!)

 

 

 本当はこういうのはよくないけど、私はそっと扉越しに耳を澄ませる、

けど風音のせいか会話は途切れとぎれしか聞こえてこない

 

 

「だ、だめでしょうか」

 

 

(ヒ、ヒロ君はなんて返事をするの!?)

 

 

「…………」

 

(そりゃあヒナちゃんは可愛いし、優しそうだし……おっぱいも大きいし、それに比べて私は

ちっちゃいし、ちんちくりんだし……なんというか貧しいし)

 

「わたし、こういう事したことないですからよくわからなくて」

 

「……わかったよ。僕でよかったら……最後までつきあうよ」

 

 

(最後までって……いったい何をするの!?)

 

 

「でもやめたくなったら、その時は言ってね。無理しても仕方がないし、

じゃあ早速始めようと思うんだけど、まずは見せて」

 

 

(ヒロ君いきなり何てこと言ってるの!? こ、こんなところで)

 

 

『おい、どうしたんだツユリ。おめぇ茹でタコみたいに顔が真っ赤だぜ』

 

「しー! ちょっと黙ってて!」

 

 

「こ、ここでですかっ、い、いきなりは恥かしいですしせめて他の場所にしませんか」

 

「でもそれだと、人目についちゃうよ。ここなら人気もないし丁度いいと思うけど」

 

「そ、そうですね。誰かに見られるのは、ちょっと。では、お、お願いします!」

 

 

(~~~~~っ! も、もう見てられない)

 

 

 私は恥ずかしくなり逃げるように駆け出した!

 

 

 ――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――

 

 

(なんで逃げちゃったんかな? よく考えてみたらあの2人は出会って間もないのに

あんなことをするはずない――)

 

 

 とは思う。けど、もしヒロ君とヒナちゃんがそういう関係なのかと思ったら、

胸の中がモヤモヤしてきて、なぜだか一刻も早くあの場から離れたかった

 

 

(……やっぱり戻ろう、私の聞き間違いかもしれないし2人がどうしているのか

気になるし)

 

 

 踵を返し屋上までの階段を少し早足であがる。もう一度屋上に来てみると――――

 

 

 

 

「諸君。ここはどこだ?」

「「「最後の審判を下す法廷だ!」」」

 

「異端者には?」

「「「死の鉄槌を!」」」

 

「男とは?」

「「「愛を捨て、哀に生きるもの!」」」

 

「宜しい。これより――第2回オシリスレッド異端審問会を開催する!」

 

 

 そこには簀巻きにされたヒロ君が黒装束を被った人達に囲まれていた

…………って、ふええっええええっ!! ちょっと目を離した間に何があったの!?

 

 

「ヒナちゃん、なにが起こったの!?」

 

「え、えっと、どう説明したらいいか……あの人たち急にが現れてきて、

私達を見ると一斉に遊佐君に飛び掛って……あっという間にあんな風に」

 

 

 うん、まったく意味がわからないよ!

 

 

「ち、ちょっと」

 

 

 声をかけると黒装束さん達が一斉にこっちに振り向く。

みんな、目が赤く光ってて、ちょっと怖い

 

 

「あなたは何者なの? ヒロ君をどうするつもりなの」

 

「……問われて名乗るもおこがましいが、問われなくても聞かせてやるぜ!!」

 

「はぁ」

 

 

 そこまで知りたいわけでもないのに、勝手に名乗りだしちゃった

 

 

「ひとーつ、ひいきは絶対せず! ふたーつ、不正は見逃さず! みっつ、見事にジャッジする!

よっつ、容赦はせずに制裁! 我らは!」

 

「「「「「異端審問会、またの名をFFF団だ!!」」」」」

 

「「「………」」」

 

「俺達はここに異端者がいると通報があって来た、彼には異端者の容疑がかけられている

これより異端審問会の血の盟約に従いって判決をするところだ」

 

「容疑って、ヒロ君なにやったのさ!」

 

「誤解だよ! 僕はなにもやってない、無実だ!」

 

「異端者は決まってそういうものだが、ところでお嬢さんはこの者と親しげだが

どんなご関係であろうかな」 

 

 

 どうって聞かれても、ヒロ君とは幼なじみだけど今は一緒に暮らしているから、

こういうのなんて言うんだっけ……そっか!

 

 

「同じ浴場で入浴する間柄です!」

 

「「「許すまじ!」」」」

 

「それだと混浴しているみたいじゃないか! それをいうなら同じ釜の飯を食うでしょ!

それもなんか違うし」

 

「え、でも裸の付き合いって意味では間違ってないと思うよ? 

このまえ見ちゃったしヒロ君の――」

 

「お願いだからそれ以上余計なこと言わないで!」

 

「隊長! 判決を!」

 

「有罪、死刑!」

 

「待って! お願いだから誤解をとかせて!」

 

「聞く耳もたん、お前が異端者であることはもはや明白……ということで有罪、

これは我々の間では常識。決して私怨はない異議はないだろうか」

 

「「「「「異議なしっ!!」」」」」

 

「ひいきだ! 不正だ! そんな常識があるわけないじゃないかっ!」

 

「ふっ……常識なんか誰かが勝手に決めたことだっ!」

 

 

(あわわっ、ヒロ君を助けようとしたのに、かえって状況を悪化しちゃったドロロ、

どうしよう!?)

 

『俺にいい案がある! まずツユリが色仕掛けでこいつらの気をひいてその隙に……、

悪い、お前には荷が重そうだな』

 

 

 こら……人の体の一部を見て、そんな申し訳なさそうな顔しないでよ

なんか悲しくなってきちゃうじゃないっ!

 

 

(……ん?)

 

 

 階段から『ドシンッ!』『ズシンッ!』と重量感漂う足音が聞こえてきた

しかも音が段々大きくなってこっちに近づいてくる

 

 

「貴様ら! さっきから騒がしいとおもって来てみたら、何をしているか!」

 

「やべっ、鉄人だ散れ! 散会するんだ! 物理的に地獄(補修室)に落とされるぞ!」

 

 

 姿を現したのは筋骨隆々なハルク……ではなく、西村先生だった

黒装束さん達は先生の姿を見るなり、蜘蛛の子を散らうように一目散に逃げていった

 

 

 

 

 ――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――

 

 

 

 その後詳しい話を聞こうと思ったんだけど、午後の授業が迫り

西村先生が睨みを効かせていたので、私たちはその場を後にしたのだった

2人のことが気になって、気になって、授業のことは身に入らなく、

気が付いていたらノートに世界地図を描いてたみたいだけどそれはまたの話

 

 

 そして今は休み時間、ようやく事情を聞けるわけだけど

 

 

「それで、ヒロ君達は屋上で何を話していたの、ちょっと聞こえたけど

付き合うとか、最後までとか言ってたけど」

 

「ツユリちゃん、ヒナさんはね――」

 

「遊佐君、私から説明します。わたし、強くなりたいんです」

 

「強くなりたい?」

 

 

 ん? これだけじゃあいまいち話が見えてこない、

そんな私の顔が表に出てたのか、ヒナちゃんは少し申し訳なさそうな顔をしてた

 

 

「すみません、説明不足でした。えっと私達がナンバーズのカードを集めているのは

ご存知かとおもいます」

 

「うん」

 

「でも今まで手にしたナンバーズは全部お姉ちゃんが集めてきたもので、

私はそれをいつも見てるだけでした」

 

「うんうん」

 

「本当は私も一緒に協力したかった、でも私じゃあきっとお姉ちゃんの足を引っ張ってしまう、

お姉ちゃんに迷惑がかかる、そう思うと怖くて何も言い出せなかった」

 

「なるほど」

 

「でもそのせいで遊佐君を巻き込んでしまった、もうあんな後悔はしたくないんです! 

だからっ!」

 

「わっ!」

 

「ああっ! す、すみません急に大きな声をあげて」

 

「い、いや大丈夫ちょっとビックリしただけ……それで」

 

「はい、だから私デュエルを覚えようと思ったんです。今はまだ身を守るのがやっとでも

……いつかはお姉ちゃんと一緒に戦えれるように、』強くなりたいんです」

 

「そっか、でもそれなら、ゆきちゃんに頼めばよかったんじゃないの?」

 

「それは……1度お姉ちゃん頼んでみたんですけど、断られました」

 

「どうして!?」

 

「それが、『あたしには教えることは何もないし、ヒナにはその必要もない』の一点張りで」

 

 

 そんな! ヒナちゃんはゆきちゃんの事を想って頑張ろうとしてるのに

そんな冷たい態度をとるなんて酷いよ!

 

 

「でもやっぱり諦められなくて、けど転校したばっかで知り合いもいない私は

どうしたらいいかわからなくて」

 

「そっか、それでヒロ君に教えてもらおうと」

 

「はい、ご迷惑だとは思ったのですけど、もう遊佐君だけが頼りで」

 

「なんだ、そうだったんだね。よかった私はてっきり――」

 

「てっきり?」

 

「……そ、それは」

 

 

 早とちりだったとはいえ、あんなこと想像をするなんて、今思い出したら

恥ずかしくなってきたよ! とりあえず話を逸らすことにしよう

 

 

「そ、そういうことなら私も協力するよ! なんたってヒロ君にデュエルを

教えたのは私なんだから!」

 

「いいんですかっ!」

 

「うん! それで、強くなったヒナちゃんを見せてゆきちゃんを驚かせよ!」

 

「お願いします! 遊佐君、ツユリさん!」

 

「じゃあまずは――」

 

「(いけないっ!)ツユリちゃん! 彼女は一通りのルールとかは予習しているみたいだから、

一度デュエルを体験したらと思うんだけど」

 

 

 せっかく教えようとしてたのにヒロ君が急に間に入ってきた

 

 

「いいけど、ヒロ君はしないの?」

 

「……僕は2人のデュエルを見てみるよ、なにか気づくこともあるかもしれないし」

 

「そっか、あっでもヒナちゃんデッキは持ってる?」

 

「はい、昔お姉ちゃんが使っていたデッキを1ついただいていますので問題ありません」

 

「じゃあ大丈夫だね。ならデュエルは放課後にってことで僕は残りの時間を使って、

デッキの調整を手伝おうと思うんだけどツユリちゃん、ヒナさんそれでいい?」

 

「はい、お願いします」

 

「うん! 放課後にだね!」

 

(ふぅ)

 

『おい小僧、おめぇさっき慌ててツユリを止めようとしたみてぇだが、なんかあったのか?』

 

「ツユリちゃんは人に教えるのは上手じゃないから『ズッバーン!』とか『シャッキンキーン!』

とかって抽象的なことをいうんだよ」

 

『お前はそれで覚えきったのか?』

 

「必死に教えようとしているあの姿を見ていたら、とても『わかりません』って言いづらくてね

教えてくれた後こっそりと自分で調べて覚えたんだよ」

 

『……苦労してんだな』

 

 

 ヒロ君とドロロが、私の顔を見るなりため息ついてるけど何かあったのかな?

それにしても、ヒナちゃんがどんなデッキを使うのか、今から思うと楽しくなって来ちゃった

そして、放課後

 

 

「いくよヒナちゃん!」

 

「は、はい……ところで、たんこぶ大丈夫ですか?」

 

 

 ヒナちゃんが心配そうな声をかけながら、目線を私のおでこに向けている

まさか夢中になりすぎて、何もないところで転ぶなんて!

 

 

「これくらい、だ、大丈夫だよ! ヒロ君、審判よろしく!」

 

 

 本当はまだ少し痛むけど、ここはおとなの余裕で振る舞わないと

なんたってヒナちゃんは初心者、私は(デュエルの)先輩なんだから

かっこ悪い姿を晒すわけにはいかない!

 

 

「うん、じゃあ2人とも構えて!」

 

 

「「デュエル!」」

 

 

【先行】雨宮露理

LP/ 8000

 

【後行】如月比奈

LP/ 8000

 

 

「私のターンドロー、氷結界の軍師を召喚! 手札の『氷結界の虎将 グルナード』を

墓地に送って1枚ドローそしてカードを2枚セット! これでターンエンドだよ」

 

「私のターン、ドローです。えっと、手札から『サンダー・ドラゴン』の効果を発動です」

 

 

『サンダー・ドラゴン』

効果モンスター

星5/光属性/雷族/攻1600/守1500

自分のメインフェイズ時に、このカードを手札から捨てて発動する。

自分のデッキから「サンダー・ドラゴン」を2体まで手札に加える。

 

 

「このカードを墓地に送って、デッキから同じモンスターを2体手札に加えて

そして融合を発動します、エクストラデッキから――」

 

「ちょっと待った!」

 

「えっ!? 遊佐君、私なにか間違えましたか」

 

「いや、特にヒナさんのプレイングには問題はないはずだけど。ツユリちゃん何か

チェーンするカードでもあるの?」

 

 

 不思議そうな顔でこっちの様子を伺うヒロ君たち、ヒナちゃんは初めてだから仕方ないけど

まさかヒロ君も気づいていないなんて

 

 

「せっかくの融合召喚なのにそのまま召喚だなんて味気ないよ!

なにかカッコイイ名乗りを言わないと!」

 

「「ええっ!!」」

 

「ええっじゃないよ、ヒロ君には前に教えたはずだよ」

 

「でもツユリちゃん、デュエルには問題ないんだし、別に無理して言わなくてもいいんじゃあ」

 

『何言ってるんだよ! んなんじゃあ、盛り上がりに欠けるだろうだろぅが』

 

「ドロロっ!」

 

『名乗りがねぇ召喚なんて、福神漬がついてねぇカレーと同じじゃねぇか!』

 

「だよね、だよね! ドロロもそう思うよね!」

 

『「ねぇー―っ!!」』

 

(なんで、こういうところは息ぴったりなんだろう)

 

「え、えと。いっ、雷の力秘めし2体の龍よ、その身を一つに束ねて新たな姿がここに降臨する

融合召喚! 『双頭の雷龍(サンダー・ドラゴン)』

 

 

『双頭の雷龍(サンダー・ドラゴン)』

融合モンスター

星7/光属性/雷族/攻2800/守2100

「サンダー・ドラゴン」+「サンダー・ドラゴン」

 

 

 双頭の雷龍 ATK:2800

 

 

「うんうん、やっぱこうじゃないとね」

 

「これは思っていたより、はっ、恥ずかしいです」

 

「これくらいで恥ずかしがっていたら、一人前のデュエリストにはなれないよ!」

 

「ば、バトルフェイズ行きます、双頭の雷龍で氷結界の軍師に攻撃です……も、もしかして

技名も叫ばないといけないんですか?」

 

「もちろん!」

 

「……ら、『ライトニング・ホーン』!」

 

「させないよ! 永続罠『グラビティ・バインド―超重力の網―』を発動!」

 

 

『グラビティ・バインド―超重力の網―』

永続罠

フィールド上のレベル4以上のモンスターは攻撃できない。

 

 

「超重力の網にかかったモンスターは攻撃できない、どうするヒナちゃん」

 

「ならメインフェイズに入りまして、トラップカードを3枚セットして――」

 

「あっ!」

 

「えっ?」

 

「ヒナさん、伏せるカードはトラップか魔法かを言う必要はないんだよ」

 

「そ、そうだったんですか。わわわ、私はこれでターンエンドです」

 

 

雨宮 露理

LP/ 8000  手札:3枚 

場:氷結界の軍師 ATK:1600

 

「魔法・罠」:グラビティ・バインド(永続罠)

       伏せ1枚

 

如月 比奈

LP/ 8000  手札:1枚

場:双頭の雷龍(サンダー・ドラゴン) ATK:2800

  

「魔法・罠」:伏せ3枚

 

 

「私のターンドロー、けど何枚トラップがあったって私は攻めるけどね! 

軍師の効果で氷結界を墓地に送って1枚ドロー、『氷結界の伝道師』召喚」

 

 

 墓地に送ったカード

『氷結界の術者』

 

 

『氷結界の伝道師』

効果モンスター

星2/水属性/水族/攻1000/守 400

自分フィールド上に「氷結界」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚する事ができる。

この効果で特殊召喚するターン、

自分はレベル5以上のモンスターを特殊召喚できない。

また、このカードをリリースする事で、

「氷結界の伝道師」以外の自分の墓地に存在する

「氷結界」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。

 

 

「伝道師は自身をリリースすることで墓地の氷結界を呼べるの。私は伝道師をリリースして

氷結界の虎将 グルナードを特殊召喚」

 

 

『氷結界の虎将 グルナード』

効果モンスター

星8/水属性/戦士族/攻2800/守1000

このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、

自分のメインフェイズ時に1度だけ、

自分は通常召喚に加えて「氷結界」と名のついた

モンスター1体を召喚できる。

 

 

 氷結界の虎将 グルナード ATK:2800

 

 

「グルナードがいると私はもう1度だけ氷結界モンスターを召喚できる

『氷結界の決起隊』を召喚」

 

 

 氷結界の決起隊 ATK:1500

 

 

「モンスターが2体も! でもツユリさんのトラップカードある限り、攻撃はできませんよ」

 

「もちろん対策はしてるよ。リバースカードオープン! リビングデッドの呼び声、

これで墓地から今さっき墓地に送った氷結界の術者を特殊召喚」

 

 

 氷結界の術者 ATK:1300

 

 

「レベル4の氷結界の軍師に、レベル2の氷結界の術者をチューニング!

この間考え直した名乗りいくよ!」

 

 

 ☆4 + ☆2 = ☆6

 

 

  ――氷結を守護せし虎王よ、その気高い雄たけびを戦場に響かせろ!――

 

 

「シンクロ召喚! 出てきてドロロ!」

 

 

『うっしゃあ! 俺、久々にフィールドに参上!!』

 

 

 氷結界の虎将 ドロロ ATK:2000

 

 

「補給部隊を発動しておいてドロロの効果! 私の場にあるグラビティー・バインドと

リビングデッドと補給部隊を手札に戻して、ドロロの攻撃力を戻した枚数かける500の

1500ポイントアップさせるよ」

 

 

 氷結界の虎将 ドロロ ATK:2000 → 3500

 

 

「ドロロで双頭の雷龍に攻撃!」

 

『へっ竜田揚げにしてやるぜ!、必殺 俺の必殺技パート1!』

 

「ブリザード・クラッシュ!」

 

「キャアッ!」

 

 

 如月 比奈 LP:8000 → 7300

 

 

「グルナードと決起隊でヒナちゃんにダイレクトアタック!」

 

 

 如月 比奈 LP:7300 → 4500 → 3000

 

 

『へへっ、やっぱぁ久々に戦えて燃えてきたぜ、ツユリ! このまま一気に――』

 

「私はカードを2枚伏せて、補給部隊を発動してターンエンドだよ」

 

『おい! 最後まで言わせろよ!』

 

(ヒナさんは双頭の雷竜でペースを掴もうとしてたが、ツユリちゃんの発言でペースが

乱れて、逆にツユリちゃんのペースだ。ここから挽回するのは難しいが――)

 

「私のターン、ドローです」

 

「じゃあ、グラビティ・バインド発動! これでレベル4以上のモンスターは攻撃できないよ」

 

「まずは手札を増やします。ライフを1000ポイント払って、活路への希望を発動します

ライフ差2000につき1枚ドローできます。ツユリさんとのライフ差は6000よって

デッキからさらに3枚ドローします」

 

 

 如月 比奈 LP:3000 → 2000

 

 

「来ました! 私は手札から『サンダー・シーホース』の効果を使います」

 

 

『サンダー・シーホース』

効果モンスター

星4/光属性/雷族/攻1600/守1200

自分のメインフェイズ時に、このカードを手札から捨てて発動できる。

デッキから雷族・光属性・レベル4・攻撃力1600以下の

同名モンスター2体を手札に加える。

「サンダー・シーホース」の効果は1ターンに1度しか使用できず、

この効果を発動するターン自分はモンスターを特殊召喚できない。

 

 

「このカードを墓地に送って、デッキから雷族・光属性・レベル4・攻撃力1600以下の

同名モンスター『OKa(オカ)サンダー』を2体手札に加えます」

 

(ここで手札を増やしたということは、ここで勢いを取り戻すつもりだね)

 

「いきます! OKa(オカ)サンダー召喚」

 

 

『OKa(オカ)サンダー』

効果モンスター

星4/光属性/雷族/攻1400/守 700

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。

手札から「OKaサンダー」以外の

雷族・光属性・レベル4のモンスター1体を召喚する。

 

 

「OKaサンダーを召喚したこの時に、トラップカード『雷の裁き』を発動です」

 

 

『雷の裁き』

通常罠

自分フィールド上に雷族モンスターが

召喚・反転召喚・特殊召喚された時に発動できる。

相手フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。

 

 

「ツユリさんのグラビティ・バインドを破壊します」

 

「うわぁ!」

 

「これで攻撃ができますOKaサンダーの効果で、私の手札の雷族・光属性・

レベル4のモンスター1体を『OKo(オト)サンダー』召喚」

 

 

『OTo(オト)サンダー』

効果モンスター

星4/光属性/雷族/攻1300/守 600

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。

手札から「OToサンダー」以外の

雷族・光属性・レベル4のモンスター1体を召喚する。

 

 

「OToサンダーもOKaサンダーと同じ効果を持っています。

私は2体目のOKaサンダーを召喚、さらに『ONeサンダー』召喚です」

 

 

『ONe(オネ)サンダー』

効果モンスター

星4/光属性/雷族/攻 900/守 400

このカードが召喚に成功した時、

「ONeサンダー」以外の自分の墓地の

雷族・光属性・レベル4・攻撃力1600以下の

モンスター1体を選択してゲームから除外できる。

このターンのエンドフェイズ時にそのカードを手札に加える。

 

 

 

「ONeサンダーの召喚に成功したとき、墓地のサンダー・シーホースをゲームから除外します

そして『一族の結束』を発動です」

 

 

『一族の結束』

永続魔法

(1):自分の墓地の全てのモンスターの元々の種族が同じ場合、

自分フィールドのその種族のモンスターの攻撃力は800アップする。

 

 

「私の墓地には雷族のモンスターのみ、よって同じ雷族である私のモンスターの攻撃力は

800アップです」

 

 

 OToサンダー ATK:1300 → 2100

 OKaサンダー ATK:1400 → 2200

 OTaサンダー ATK:1300 → 2200

 OKeサンダー ATK:900  → 1700

 

 

「でもそれじゃあドロロは倒せても、グルナードには届いないよ」

 

「なら、もう1枚使います」

 

「うそぉ!?」

 

 

 OToサンダー ATK:2100 → 2900

 OKaサンダー ATK:2200 → 3000

 OTaサンダー ATK:2200 → 3000

 OKeサンダー ATK:1700 → 2500

 

 

「私は攻撃に入る前に、このカードを発動しておきます。永続魔法『エレキュア』」

 

 

『エレキュア』

永続魔法

自分フィールド上に存在する雷族モンスターが

相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、

与えた戦闘ダメージの数値分だけ自分のライフポイントを回復する。

 

 

「バトルフェイズ、2体のOKaサンダーでグルナードとドゥローレンさんに攻撃!」

 

『ぬおおぉお! シビッ、ビ、シビ、シビッ、ビビデビ!』

 

「ドロロ! でも戦闘で破壊されたから補給部隊の効果で1枚ドロー!」

 

「戦闘でダメージを与えましたので、エレキュアでそのダメージ分だけ私のライフが回復します」

 

 

 雨宮 露理 LP:8000 → 7800 → 6800

 如月 比奈 LP:2000 → 2200 → 3200

 

 

「OToサンダーで決起隊に攻撃してONeサンダーでダイレクトアタック!」

 

「ひゃあっ! やるねヒナちゃん!」

 

「この戦闘で私のライフはさらに回復します!」

 

 

 雨宮 露理 LP:6800 → 5400 → 2900

 如月 比奈 LP:3200 → 4600 → 7100

 

 

「さらにトラップ発動、『ソーラー・レイ』」

 

 

『ソーラー・レイ』

通常罠

自分フィールド上に表側表示で存在する光属性モンスターの数

×600ポイントダメージを相手に与える。

 

 

「私の場にいる光属性のモンスターは全部で4体、2400のダメージを与えます」

 

 

 雨宮 露理 LP:2900 → 500

 

 

「わわっ! まさか1ターンでここまで減らされるなんて、すごいよヒナちゃん!」

 

「あ、ありがとうございます。私はこれでターンエンドします。この時にONeサンダーの

効果で除外していたカードが手札に戻ります」

 

(本当はここでエクシーズ召喚したいところだけど、手持ちのカードだと

エクシーズモンスターはなかったからビートよりにしてみたけどうまく機能してよかった)

 

 

雨宮 露理

LP/ 500  手札:2枚 

場:なし

 

「魔法・罠」:伏せ1枚

       永続魔法:補給部隊

 

如月 比奈

LP/ 7100  手札:1枚

場:

  OToサンダー ATK:1300 → 2900

  OKaサンダー ATK:1400 → 3000

  OTaサンダー ATK:1300 → 3000

  OKeサンダー ATK:900  → 2500

 

 

「魔法・罠」:伏せなし

       永続魔法:一族の結束 ×2

       永続魔法:エレキュア

 

 

 まさかヒナちゃんがここまでやるなんて、ライフが逆転された上に私のデッキには

攻撃力3000を超えるモンスターなんていない、けど負けないんだから!

 

「ドロー! やったドローカードだ! 速攻魔法『魔力の泉』発動」

 

 

『魔力の泉』

速攻魔法

「魔力の泉」は1ターンに1枚しか発動できない。

(1):相手フィールドの表側表示の魔法・罠カードの数だけ

自分はデッキからドローする。

その後、自分フィールドの表側表示の魔法・罠カードの数だけ

自分の手札からカードを選んで捨てる。

このカードの発動後、次の相手ターンの終了時まで、

相手フィールドの魔法・罠カードは破壊されず、発動と効果を無効化されない。

 

 

「ヒナちゃんの場にある表側の魔法・トラップカードは3枚、私の場には2枚あるから

3枚ドロー」

 

 

 ドローしたカードはっと、うん、この手札なら!

 

 

「そしてこの2枚のカードを墓地に送るね」

 

 

 捨てたカード

『氷結界の三方陣』

『アイスバーン』

 

 

「ドロロッ! この前考えた決めゼリフいくよ!」

 

『おうっ! いくぜ、ここからは俺達のクライマックスだ!』

 

「まずはこの子『深海のディーヴァ』召喚!」

 

 

『深海のディーヴァ』

チューナー(効果モンスター)

星2/水属性/海竜族/攻 200/守 400

このカードが召喚に成功した時、

デッキからレベル3以下の海竜族モンスター1体を特殊召喚できる。

 

 

「ディーヴァの効果で、私はデッキからレベル3以下の海竜族モンスターを特殊召喚できる

……なんだけど、それにチェーンしてリビングデッドも発動するよ! 

対象は氷結界の伝道師だよ」

 

「そのカードがあったのでしたら、どうしてダイレクトアタックの時に使わなかったのですか?

そうすればダメージは抑えれたはずですのに」

 

「最初はそうしようと思っていたんだけど、補給部隊のドローでこのカードが引けたから

予定変更したんだ、速攻魔法『サモンチェーン』発動!」

 

 

『サモンチェーン』

速攻魔法

チェーン3以降に発動できる。

このターン自分は通常召喚を3回まで行う事ができる。

同一チェーン上に複数回同名カードの効果が発動している場合、

このカードは発動できない。

 

 

 チェーン1:深海のディーヴァ

 チェーン2:リビングデッドの呼び声

 チェーン3:サモンチェーン

 

 

「あの、さっきも遊佐君が言ってましたけどチェーンて、なんですか」

 

「えっとねこう、カードの発動に対してガーチャ! してキャシャーン!

ってなって、最後に蒸着! みたいな感じかな」

 

「チェーンっていうのは、細かいことは後にするけど簡単に言うといくつもの

魔法、トラップ、効果を発動したときにその処理を行うために必要なプロセスみないなものかな」

 

「はぁ、なるほどです」

 

「うん、まさに私が言いたかったのはその通りだよ」

 

「「…………」」

 

「この場合だとチェーン3で、私は召喚が後2回出来て、チェーン2で伝道師を蘇生、

最後にチェーン1のディーヴァの効果で、デッキからもう1体のディーヴァを特殊召喚

する流れになるんだよ!」

 

「でも、通常召喚が増えてもツユリさんの手札は1枚だけじゃないですか」

 

「それはどうかな……なんちゃって、死者蘇生を発動! 出番だよドロロ!」

 

『俺、再び参上! へへっ、おあつらえ向きなフィールドじゃねぇか、いくぜいくぜいくぜ!』

 

 

「ドロロの効果で私が戻すのはこの5枚!」

 

 

 戻したカード

『深海のディーヴァ』

『深海のディーヴァ』

『氷結界の伝道師』

『リビングデッドの呼び声』

『補給部隊』

 

 

 氷結界の虎将 ドロロ ATK:2000 → 4500

 

 

「これで手札は増えたね、2回目の召喚権を使って深海のディーヴァを再び召喚

デッキから『氷結界の輸送部隊』を特殊召喚」

 

 

『氷結界の輸送部隊』

効果モンスター

星1/水属性/海竜族/攻 500/守 200

1ターンに1度、自分の墓地の「氷結界」と名のついた

モンスター2体を選択して発動できる。

選択したモンスター2体をデッキに戻してシャッフルする。

その後、お互いにデッキからカードを1枚ドローする。

 

 

「輸送部隊の効果で墓地の氷結界モンスター2体をデッキに戻して1枚ドロー!

この効果はお互いだからヒナちゃんもドローしていいよ」

 

「ではドローします」

 

 

 戻したカード

『氷結界の術者』

『氷結界の決起隊』

 

 

「最後の召喚権を使って三度、深海のディーヴァ召喚、

デッキから『真海皇(しんかいおう) トライドン』を特殊召喚」

 

 

『真海皇(しんかいおう) トライドン』

効果モンスター

星3/水属性/海竜族/攻1600/守 800

このカードと自分フィールド上の海竜族モンスター1体をリリースして発動できる。

手札・デッキから「海皇龍 ポセイドラ」1体を特殊召喚する。

その後、相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は300ポイントダウンする。

 

 

「トライドンと深海のディーヴァをリリースしてデッキから『海皇龍 ポセイドラ』を

特殊召か……あれ?」

 

 

 ちゃんとリリースして召喚条件は満たしたはずなのにモンスターがなかなか出てこない

まさかデュエルディスクの故障!? と思っていたら、どこからか軽快な音が聞こえてきた

そして――

 

 

 ドロォン! トライドン タァ~イプ! ポセイドラァ!

 

 

 海皇龍 ポセイドラ ATK:2800

 

 

「「「…………」」」

 

 

 音声がデュエルディスクから聞こえてきて、何か叫んだらと思ったらそれに続くように

出てきた私のモンスター

 

 

「何だったんだろう、いまの音声は?」

 

「何だったんでしょう? でもお姉ちゃんならこういう時『ソリッド・ヴィジョンの演出よ』

とか言いそうですけど」

 

「そっか演出なら仕方ないね! トライドロン……じゃないライドロンでもなかった

トライドンの効果はまだ残っているよ、相手のモンスター全ての攻撃力を300ポイント下げる」

 

 

  OToサンダー ATK:2900 → 2600

  OKaサンダー ATK:3000 → 2700

  OTaサンダー ATK:3000 → 2700

  OKeサンダー ATK:2500 → 2200

 

 

「攻撃力がツユリさんのモンスターより下回りました!?」

 

「まだまだいくよ! ポセイドラをリリースして『モンスターゲート』」

 

 

『モンスターゲート』

通常魔法(準制限カード)

自分フィールド上のモンスター1体をリリースして発動する。

通常召喚可能なモンスターが出るまで自分のデッキをめくり、

そのモンスターを特殊召喚する。

それ以外のめくったカードは全て墓地へ送る。

 

 

「デッキをめくって一番最初にでた通常召喚が可能なモンスターを特殊召喚して、

それ以外は墓地いきだよ、さぁ何がでるのか、な!」

 

 

 めくったカード

『デモンズ・チェーン』(トラップ)

『氷結界の神精霊』(スピリット:特殊召喚不可)

『強欲なカケラ』(魔法)

『氷霊神ムーラングレイス』(レベル8:特殊召喚不可)

『氷結界の紋章』(魔法)

『御前試合』(トラップ)

『氷結界のブリズド』(レベル1:通常召喚可能)

 

 

「氷結界のブリズドを特殊召喚」

 

「攻撃力2800が300になってしまいましたね」

 

「いいや、目的はモンスターを墓地に送ることと、レベル3以下を3体そろえることだよ!

これで準備が整った! 私は場にいる、氷結界のブリズド、輸送部隊そしてディーヴァの3体を

リリースして墓地の『海皇龍 ポセイドラ』をもう1度、特殊召喚!」

 

 

 

『海皇龍 ポセイドラ』

効果モンスター

星7/水属性/海竜族/攻2800/守1600

自分フィールド上のレベル3以下の

水属性モンスター3体をリリースして発動できる。

このカードを手札または墓地から特殊召喚する。

この効果で特殊召喚に成功した時、

フィールド上の魔法・罠カードを全て持ち主の手札に戻す。

この効果でカードを3枚以上手札に戻した場合、

相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力は

手札に戻したカードの数×300ポイントダウンする。

 

 

 もう1回さっきの声が聞こえるかなと、期待してたんだけど特に何もなく出てきた

ポセイドラ、この違いはどうしてだろう?

 

 

「ポセイドラがこの方法で特殊召喚したとき、フィールドの魔法・トラップを全て手札に戻す!

『タイダル・ウェーブ』!」

 

「私の一族の結束が!」

 

(うまい! バウンスなら魔力の泉でのデメリットは関係ない! 一族の結束が

なくなったことで攻撃力が大幅にダウン、でもそれだけじゃない))

 

「さらに戻した枚数が3枚以上ならその枚数かける300ポイントの数値だけ

相手モンスター全ての攻撃力を下げる。ちょうど3枚だから900ポイントダウン!」

 

 

  OToサンダー ATK:2600 → 1000 → 100

  OKaサンダー ATK:2700 → 1100 → 200

  OTaサンダー ATK:2700 → 1100 → 200

  OKeサンダー ATK:2200 → 600 →  0

 

 

「ラストバトル! ポセイドラでOKaサンダーに攻撃『アクア・ボルテージ』!」

 

 

 如月 比奈 LP:7100 → 4500

 

 

「ドロロでONeサンダーに攻撃」

 

『待ちくたびれたぜ! 必殺、俺の必殺技パート2!』

 

「『ブリザード・ベノム』!」

 

『っておい! ベノムってなんだよ、俺は毒なんて出せねぇよ!』

 

 

 如月 比奈 LP:4500 → 0

 

『っちょ! まっ、待て! こんな終り方ありかよぉ!』

 

 

 雨宮 露理:WIN!

 

 

「負けちゃいました」

 

「ねぇねぇヒナちゃん、どうだった初めてのデュエルの感想は?」

 

 

 私の問いにヒナちゃんは少し間をあけてからこたえてくれた

 

 

「そう……ですね、正直に言って負けて悔しかったです、けど」

 

「けど?」

 

「いつもはお姉ちゃんがしてたのを見てるだけでしたけど、

今日ははじめて自分のデッキで、自分の意志でデュエルができて、

……それがすごくうれしくて、楽しかったです」

 

「……そっか、うんよかった」

 

「えっ?」

 

「だってヒナちゃん、お姉ちゃんの為とかナンバーズのこととか色々気にかけてて、

デュエルを楽しめないんじゃないかって、少し心配だったんだ」

 

「ツユリさん」

 

「私にはナンバーズのこととか、闇のゲームのこととか今でもよくわからないんだけど

それでもヒナちゃんには知ってて欲しかったんだ」

 

「……」

 

「だからその、何が言いたいかっていうと、あ~もうっ! つまりニキニキだよ!」

 

「……ニキニキ?」

 

「やっぱゲームなんだからさ頭の中でウジャウジャって考えるより、まずは楽しもうってこと!

うん、やっぱ色々考えたけどこれが一番しっくりくるよっ!」

 

「そっか、それでツユリちゃんはデュエル中にあんなことを言って

……少しでも楽しませようとしてたんだね」

 

「へっ? ううん、あれは本音だよ」

 

「「……くすっ」」

 

「ちょ! どうしてそこで笑うの!? 私なにか変なこと言った」

 

「ご、ごめん、ごめん。そういうところはツユリちゃんなんだなって思って」

 

「なによもう! ふーんだっ、もう許してあげないんだか……ら」

 

 

 あれ……ヒロ君たち、いつの間に横になっているの

 

 

「「ツユリちゃん(さん)!!」」

 

 

 ああっ、横になったのは私の方なんだ……どうしたんだろう、

急に足に力が入らなくなってきた、足だけじゃない全身からも、

まるで体力が底をついたかのような、ああそうか――

 

 

 ぐぅ~~~~、ぐっきゅるるる~~~~!

 

 

「お、お腹すいたよぉ~」

 

「……ツユリちゃん、ひょっとしてお昼食べてなかったの」

 

「うんっ、すっかり忘れてたよ。ヒロ君、悪いけどそこにある私のカバン持ってきてくれない

まだ少し動けそうにないんだ」

 

「わかったよ……はい」

 

「ありがとう、いっただきま――」

 

『やっぱ納得いかねぇ! ツユリさっきのデュエルやり直そうぜ!』

 

「うわぁあ!」

 

 

 さっきまで大人しかったドロロが、急に大きな声を出すからビックリしてしまい

その反動で手が滑りお弁当がゆっくりと地面に――落ちてしまった

 

 

「「「…………あっ」」」

 

『いっ! いや、その……悪い』

 

「ド、ドロロぉおおおお!」

 

『ごっ、ぐぉめんなさぁ~~~いっ!!』

 

 

 ――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――

 

 

「まったく! ドロロッたら酷いよもう、もう! もう!」

 

「まぁまぁ、ドロロだって悪気があったわけじゃないし、機嫌を直してよ」

 

 

 ヒロ君はそう言うが、それでもまだ私の腹は収まりそうになかった

(空腹だってこともあるけど)こうなったら菓子パンでも食べて気分転換をしよう、

そう思った私は近くの自動販売機に向かうのだった

 

「何にしようかな、メロンパンかなそれとも……あっ」

 

 

 おサイフから500玉を取り出そうとしたら、勢いがあったのか落としてしまう

しかもお金はそのまま転がり、自販機の真下にまでコロコロと行ってしまった

 

 

「もう、ついてないなぁ。う~んっ! だめだ届かないよぉ」

 

「どうかしたの?」

 

「えっとね、お金を自販機の下に落としちゃったの」

 

 

 ヒロ君も手を伸ばしてみるけど、思ったよりも奥の方にあって取れそうになかった

 

 

「あっあの私に任せてください!」

 

 

 そう言ってヒナちゃんは自販機を両手でしっかりと掴み

 

 

「ふんにゅ!」

 

 

 そんな掛け声でとともに自販機を……持ち上げ、って!

 

 

「「ええっ!」」

 

「どうですか? とれそうですか」

 

「えっ? う、うんっ!」

 

 

 ヒナちゃんの声で我に返り、すぐにお金を回収するとヒナちゃんは持ち上げた姿勢のまま

ゆっくりと自販機をおろした。すっ、すごい、軽く50センチ以上は持ち上げていたはずなのに、

汗一つかいてないなんて

 

 

「意外だね、ヒナちゃん力もちさんだったんだ、トレーニングでもしてたの?」

 

「? いえ、特にそのようなことは」

 

「へぇそうなんだ……ってどうしたのヒロ君、急に難しい顔をして」

 

「……い、いや何でもないよ」

 

「ふーん」

 

 

(あれ? もしかして優希さんはヒナさんが言った『強くなりたい』って意味を

デュエルじゃなくて、腕力と勘違いしてたってだけじゃあ)

 

 

 それから数日が過ぎ

 

 

「お姉ちゃん、このカードを入れてみようと思うのですがどうですか?」

 

「どれどれ、うん。悪くはないね、それを使うならこっちのカードを入れてみない?

ほらこれとこのカードを組み合わせると――」

 

「なるほど、さすがお姉ちゃんです!」

 

「ほっ、褒めたって手加減はしないわよ! じゃあ、実戦してみようか

あたしはビシバシいくから覚悟しなさいよ」

 

 

 そこには、ヒナちゃんとゆきちゃんが姉妹仲良くお話ししている姿があった

 

 

「でも急にどうしたんだろうねぇ? ゆきちゃん、教えるの反対だって言ってたのに」

 

「誤解が解けたんじゃないかな」

 

「誤解? ヒロ君なにか知っているの」

 

「僕は何もしてないよ、ただもう1度2人でよく話てみないかって言っただけだよ

どんな思いでもきちんと説明すれば伝わるはずだって」

 

 

 ふーん、2人の間に何かすれ違いがあったのかな? 私には兄妹がいないから

そういうのよくわからないや、でもこれだけはわかる

 

 

「よかったね、2人が仲直りできて」

 

「そうだね」

 

 

 おわり

 




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