第22話「僕とペンデュラムと戦わなければ生き残れない!」
side:明久
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LP/ 2700 手札:1枚
場:??????????? ATK:2600
「魔法・罠」:強欲なカケラ(永続魔法)強欲カウンター:1
伏せなし
ペンデュラム・ゾーン:??????????????(スケール:?)
??????????????(スケール:?)
吉井 明久
LP/ 3200 手札:0枚
場:スターダスト・ドラゴン ATK:2500
「魔法・罠」:伏せなし
そんな……どうして……さっきまで平和だった、いつもの日常だったはずなのに
それなのに……僕達は今なにをやっている!? どうしてこんな風に戦わなきゃならない!?
「どうした、お前のターンだ」
戸惑う僕に気遣うことなんて微塵もなく、相手は急かしてくる。
その瞳には明確な敵意が向けられていた
相手のモンスターが1体もしここで僕が攻撃力2800以上のモンスターを
召喚できるカードを引けば、スターダストとのダイレクトアタックで
奴のライフを0にでき、僕の勝ちだ。……でもそれは同時に相手の命を奪うことに繋がってゆく
今僕がしているのはいつもと変わり映えしないデュエル
……だけどこれはゲームであって遊びじゃない、
敗者は闇に葬られる、正真正銘の生死をかけた戦いであった
「怖気ついたか、ならそのままターンをしな、俺が引導を渡してやる!」
「っ!」
そうだ、何を迷っているんだ僕はっ! 殺らなきゃこっちが殺られる
今は躊躇っている場合じゃない、やるんだ!
「僕のターン! ……いくぞ雄二!」
なぜ僕と雄二が戦うことになったのか、話は1時間前に遡る
――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――
ことの発端は、もうすぐ学年最初の行事である『清涼祭』の準備が始まる数日前、
大事な話があるという雄二からの電話で呼ばれ、いつものメンバー8人と、ゆうくんと
その妹さんであるヒナさんの計10名が、僕の住むマンションに集まっている
全員が集まっていても雄二が話を切り出そうとしないため、皆それぞれで過ごしている
「でさ、そこで美味しそうなクレープ屋さんを見つけたのよ。瑞希も今度一緒に食べに行こうよ」
「いいですね、でもあんまり食べ歩いてますと太っちゃいそうです」
ガールズトークで華やかに盛り上がっている、姫路さんと美波
「カードを3枚伏せてターンエンドです!」
「甘いわよヒナっ! 速攻魔法、マスク・チェンジでアブソルート・ゼロをリリースして
変身召喚! 現れなさい、M・HERO アシッド! この瞬間、アシッドとリリースしたゼロの
効果で、ヒナのモンスターと伏せカードを全て破壊する!『Acid rain』! 『Absolute Zero』!」
「私のフィールドのカードが全滅っ!」
「あたしのターン、ヒナを守るカードはない。アシッドでダイレクトアタック!
『Acid bullet』!」
「あうっ、負けました。お姉ちゃん、少しは手加減してください」
「はっ、はっ、勝負とは非常なもの。それに手を抜いたらヒナの特訓にならないでしょ」
テーブルを挟んで、仲良くデュエルをしている如月姉妹
「…………」
いつも手に持っているカメラの手入れに余念がないムッツリーニ
「……ふむっ、どうしものかのぉ」
「秀吉君、難しい顔をしてどうしたの」
「いや、このまえ買ったパックに面白いカードが出たからのぉ。ワシのデッキに入らないか
検討しておった所じゃ」
「そうなんだ、どんなカードなの」
「これじゃ」
「へぇ、確かに面白そうだね。だったらこのカードを組み合わせてみたら面白そうかも」
「なになにヒデちゃん、私にも見せて、見せてっ!」
デッキ調整を行う秀吉に、それに付き添うヒロと雨宮さん
「ぐっああああっっ!!」
「……雄二、どうして私も誘ってくれなかったの?」
「ち、違うんだ別にお前を呼ばなかったわけじゃあ、ぬぉおお頭蓋骨が軋むぅ
翔子おおおっ!」
いつの間にか部屋にいた霧島さんにアイアイクローを掛けれ、
ミシミシと軋む音を上げながら悲鳴をあげる雄二。学校にいるのと変わらぬ光景だ
「大丈夫、雄二?」
ようやく霧島さんのアイアンクローから解放された雄二に、僕は声を掛ける。
体が無駄に丈夫なこいつなら、平気だとは思うが
「ああ、明久か。オイラは平気ラビっ、ふと方向音痴なチーターと気弱なゴリラみたいなのが
見えたが、あれくらいのダメージなら慣れっこだ、ラビっ」
全然大丈夫じゃなかった! 一人称も語尾も変だし、気のせいかいつものたてがみのように
立っている前髪が、ウサギの耳のように、ぴくぴく動いているように見える
「チェイサーッ!」
「ジュエキッ!!」
取りあえず古いテレビを直す感覚で、ナナメ45度の角度でチョップを与えてみる
「はっ! 明久、俺はいったい……何をしてたんだ」
「戻ってきて何よりだよ、雄二。で、いい加減僕達を呼んだ理由を話してよ」
いまだ困惑している雄二を無視して話をするよう促す。それを皮切りに皆の視線が
雄二に向けられる。それに気がつくと、頭を切り替え皆の様子を確認すると
ゆっくりと雄二は語りだした
「皆を呼んだのは他でもない、知ってるとは思うが今度の『清涼祭』が始まる頃に
デュエルモンスターズのルールが一部変更することだ」
そう、これまでは、マスターズルール2というルールを元にデュエルをしてきたが
それが近日変更されることになったのだ、その名も『マスターズルール3』
僕が説明するかぎり変更された所はだいたい3つだ
1つ目は、フィールド魔法は今まで1枚しか貼れなかったのが、自分と相手の2枚で
共存できるようになったこと
2つ目は、ダメージステップのタイミングが5つに明確化されたことだが、そもそも
僕はダメージステップについてはあまり詳しくはないので、大して気にはならなかった
それよりも3つ目だ、先行ドローの廃止。これが一番厳しい、たかが1枚だと思うが
偉人の言葉で『手札の数だけ可能性がある』といわれる程である。なら先行の5枚と、
後行の6枚とではこの差は大きいのだ
「でもさ坂本、それだけでウチ達を呼びだしたっていうの?」
美波が言ったことに僕は内心で同意する、確かに多少ルールは変更されるが、
それでも一部の人はデッキ調整が必要にはなるだろうが、言ってしまえば結局それだけだ。
これまでのデュエルと特に変わりはない
「いや、それも重要だがもう1つあるだろう・・・・・・ペンデュラムだ」
「っ!!」
雄二の意外な言葉に僕ら皆目を丸くする。いや霧島さんだけは表情を変えずにいた
おそらく霧島さんは知っているのだろう
ペンデュラムとは、従来の召還方法である融合、シンクロ、エクシーズ、
アドバンス召還に次ぐ新しい召還方法である。ただ、今は名前だけが判明しただけで、
その詳細等はまったく不明であった
一度ご両親がカードデザイナーをされている雨宮さんにも聞いてみたが、
彼女も何も聞かされていないらしい。それが今度の清涼祭で発表されるという情報を聞いて、
ここにいる全員がその日を来るのを楽しみにしているはずだ
一企業でしかないうちの学校で、そんな重大な発表がされるのか腑に落ちない点はあるが
今はそこは問題じゃない。雄二の口ぶりからするとただペンデュラムの話題を出しただけ
じゃないはずだ、こいつは何かを掴んでいる
雄二は目線だけを霧島さんに向け、それに気付いた霧島さんは雄二の意図を察したのか
コクリと頷く、それを確認するとポケットから2枚のカードを取り出し、
それを皆に見える位置にカードを置いた
「これがその『ペンデュラムカード』だ」
「どれどれ『時読みの魔術師』に『星読みの魔術師』……ん?」
僕達はそのカードを覗くと、皆ある疑問を抱いた
ペンデュラムカードと呼ばれたカードは通常のカードと違って、
効果やステータスが書かれている枠の真上にまるで魔法カードのような
薄緑色のテキストがあるのだ。さらに両脇には青と赤のクリスタルのようなものがあり、
その下に数字が書かれていた
「順をもって説明はするが、その前に……如月、少しの間これを借りてもいいか」
「ええ、構わないわ」
ゆうくんが雄二に渡したのは。さっきまで彼女が使っていた、テーブル用の
デュエルマットだ。それを広げるとその上に、ペンデュラムカードを左右の端に置く
位置は左側がフィールド魔法とエクストラデッキ、右側が墓地とメインデッキを置く場所の
中心だ
「ルール変更に伴い、カードゾーンにも少し変化がある。ペンデュラムカードはここ、
ペンデュラムゾーンに魔法カード扱いとしてセット出来るんだ」
次に雄二は、赤と青のクリスタルの真下にある数字を指さす
「この数字は『ペンデュラムスケール』、ペンデュラム召喚を行うのに
この数字は大きな意味を持っている。2か所のペンデュラムゾーンに設置されてある
ペンデュラムスケールの数字間のレベル以下のモンスターを同時に召喚できる」
つまり時読みの魔術師のスケールは『8』、星読みの魔術師のスケールは『1』
この場合だとその間の数字、2から7のレベルを持つモンスターが手札から召喚できるのか
「なるほど、だいたいわかった」
「まぁこんな所だろう。何か質問はあるか」
「では坂本君、ここにモンスター効果の上に書かれています、これは何でしょうか?」
「いい質問だ姫路、この欄に書かれているのは『ペンデュラム効果』と言って
モンスターとしての効果とは別に、ペンデュラムゾーンに設置されて発動できる
魔法としての効果だ」
「ふむ、モンスターでありながら、魔法としても使うことができるとは
なかなか風変りなカードじゃのぅ」
「ちょっと待ってよ雄二、まだ肝心なことを聞いてないよ」
「俺がペンデュラムについて知っている理由だろ。俺がペンデュラムを知ることに
なったのは大会の後でのことだ」
「大会?」
「……以前からペンデュラムの研究はされていて、4月頃には最終調整の段階まで
進んでいたんだが、その調整には色んな実戦データが必要でみたいでな。
それもなるべくデュエルの腕がたつデュエリストの協力が不可欠らしい」
「つまりあの大会は、腕の立つデュエリストを選別する為にあったってこと?」
「そういうことだ」
「でも、それだと雄二はなんでモニターに選ばれたのさ」
「……それは私が頼んだから」
「霧島さんが?」
「……優勝者にはカードの他に、1つだけお願いを聞いてもらえる話だった。
私は皆と話し合ってその権利を譲り受けた。それで始めは雄二を私のクラスに
引き入れようと思ったのだけど――」
「その提案は却下されたんだ、俺としては助かったが」
「どうしてさ?」
「考えてもみろ、底辺であるオシリス・レッドの俺がいきなり、
最上位のオベリスク・ブルーになってみろ。周りから反感を買うだけだろ」
「なるほどね」
「……だからモニターを頼まれたときに、権利を使って雄二にも、ペンデュラムのモニターを
手伝ってもらうことにした。少しでも雄二といられるように」
「おかげで、俺はここんとこ……寝不足だ」
「なるほど、なるほど……ん?」
つまり、こいつはあれから毎日霧島さんと同じ部屋で過ごしていたってことになるのか、
2人っきりで……ジェラシィッットォ!!
「……初めての共同作業」
「その表現はやめろっ!」
霧島さんが幸せそうな顔をするもんだから、僕としても雄二を殴る気が引けてしまった
なので振り上げかけた手を下ろし……背後に捻じ込まれる!
「雄二……! どうして僕の手首を押さえるのかな……!」
……け、決して、雄二に腕を極められているから、止めたわけじゃないからね!
「今、何をしようとした」
「も、もちろん僕の今の気持ちを伝えようと、爆裂強打の肩がもげるほどに痛いぃっ!」
わかった、わかったからぁ!」
「……」
なんとか解放された。尋常じゃないほど痛かったぁ
「坂本君もかなりやるわね。服の上からでもわかる鍛えられた身体、
あれは普段から鍛えられているとみたわ、つまりデュエルの腕も相当な――」
ゆうくんは何か解説しだした!?
「……あたしもそれなりに場数を踏んできたせいか、つい鍛え方で
人を判断してしまったわね。別に危険が迫ってきているわけでもなんでもないのに」
「いやいや、それは関係ないんじゃ――ん?」
リアルファイトの実力とデュエルの腕を同じにしている彼女に、
とある疑問がわいて思わずきいてしまう
「なら姫路さんとかはどうなの。彼女は体は丈夫じゃないほうだけど」
「どれどれ……ゴフッ!」
僕の質問にゆうくんは試しに姫路さんを観察してみると、
急に吐血を掃き出して倒れこんだ
「……な、なんなのあの大玉・ビッグバンは!? どうやってあれだけのエネルギーを
……理不尽だわ」
彼女の視線がある一点に釘付けになっていることに気づいて、
彼女から目をそらす
「……あーちゃん」
「ひゃいっ」
「君は何も質問しなかった、そしてあたしは何も聞かなかった。OK?」
「ハハーッ!!」
有無をいわせぬゆうくんの迫力に、思わず片膝をついて頭を下げていた
「優希ちゃんどうかされたんですか?」
「……なんでもないわ、姫路さん。ただ、あまりの胸囲……じゃなくて
脅威を知っただけのことよ」
「理由は分かりませんが元気を出してください。そうです、じつは――」
突如、どこからかともなく悪寒が走った
「――じつは私、頽刺亜跳(デザート)を作ってきたんです」
――フリーズベント!!――その一瞬、世界は止まった――
「「「「っ!?」」」」
その瞬間、僕達は悟った、すでに危険がデッドヒートマッハ全開でやってきていることに。
……いや、1人だけ反応が違った
(……どうしてだろう、姫路さんが手作りデザート手作りと聞いたとたん、
身体の震えが止まらない。まるで姫路さんの手料理を身体が拒むんでいるような。
そんなはずは、だって姫路さんの手料理なんて僕は一度も食べて――あれ?
何だかとても大事な事を忘れてしまっているような……だめだ、思い出そうとすると
頭に痛みが!?)
生まれたての小鹿のように身体を震わせているヒロ、きっと以前に姫路さんの料理を口にした
時の恐怖が無意識の内にさせているに違いない。彼には刺激が強すぎたのだ
戦意喪失のヒロは別として、そのとき僕達4人の行動は速かった。
それは特に示し合わせての行動ではない、だがお互いの目を見れば
『デュエルで負けた奴が手料理を食べる』という意志が込められている
なぜこうなったのか、おそらくはデュエリストの生存本能が
僕達を突き動かしたのではないかと予想するが、まぁ細かい話は
この際どうでもいい。問題は――
「「「デュエルっ!」」」
戦わなければ、生き残れないということだ!
――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――◇――――――
こうして今に至るわけだ
「僕のターン……」
僕はドローカードを見てほくそ笑む、雄二は初めて見るデッキを使っているが、
不慣れなデッキで思うように動けていない、ドローカードも悪くないし今がチャンス!
「魔法カード、貪欲な壺を発動。デッキに戻すモンスターはこの5枚」
デッキに戻したカード
『スクラップ・コング』
『スクラップ・ゴブリン』
『スクラップ・オルトロス』
『スクラップ・ソルジャー』
『スクラップ・デスデーモン』
「2枚ドロー」
引いたカードも……悪くないっ!
「スクラップ・キマイラ召喚、効果で墓地からスクラップ・ビーストを
特殊召喚」
「レベル4のキマイラに、レベル4のビーストをチューニングッ!」
☆4 + ☆4 = ☆8
「瓦礫に眠りし屑鉄の竜が目覚める時、鋼の鼓動が木霊する。その雄叫びで全てを
破壊せよシンクロ召喚! 起動せよ スクラップ・ドラゴン!」」
「ここで来るか、スクラップ・ドラゴン!」
「カードを1枚伏せ、スクラップ・ドラゴンの効果で今伏せたカードと、
ペンデュラム・ゾーンのカードを破壊する『ダスト・ブレイク』!」
「くっ、ペンデュラムを狙ってきたか」
「もう一方も逃がさない、破壊された荒野の大竜巻の効果で、もう1枚も破壊だ!」
「……何も発動するカードはない」
「バトル、スクラップ・ドラゴンで雄二のモンスターに攻撃!
『瓦礫のスクラップ・バースト』!」
坂本 雄二 LP:2700 → 2500
「これで、止めだっ! スターダストでダイレクトアタック、
響け、『シューティング・ソニック』!」
勝った!
「だが甘いぜ! 手札から『バトルフェーダー』の効果だっ!」
『バトルフェーダー』
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。
このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、
フィールドから離れた場合に除外される。
バトルフェーダー DEF:0
「こいつを特殊召喚し、バトルを強制終了させる」
「ぐっ、僕はこれでターンエンド」
止めを刺せず苦虫をかむが、こうして対峙してわかったことがある。
モンスターを大量に召喚できるペンデュラム召喚は確かにすごい、けど逆にいえばそれは
手札を多く消費することを意味する
現に今の雄二の手札は0、次のターンでカケラにカウンターが2つ貯まるが、
それを使っても手札は3枚、仮に2枚ともペンデュラムカードだったとしても
召喚できるのはわずか1体のみ
つまりペンデュラム召喚の弱点は長期決戦には向かないというわけだ。
ならばペンデュラムはもう恐れる必要はない。次のターンで雄二に引導を渡してやる!
「俺のターン、この時強欲なカケラにカウンターが2つになり、
俺はこのカードを墓地に送って、さらに2枚引く。……明久」
「なに」
「さっきのペンデュラムの説明で1つ教えてなかったことがある。
いまからそれを見せてやるぜ!」
「いったい何を……むっ?」
ふと雄二のフィールドに違和感があることに気づく、より正確に言えば
エクストラデッキにさっきまでなかったはずのカードがあった、しかもそれは――
「な、なんで、僕が破壊したペンデュラムカードが雄二のエクストラに」
「その答えはこれからわかる。行くぜっ! 俺はスケール10の『DD魔導賢者ケプラー』と
スケール6の『DDケルベロス』でペンデュラムスケールをセッティング!」
雄二のペンデュラムゾーンに再びカードが揃った
「これで、俺はレベル7から9のモンスターが同時に召喚可能になった。
手札から、『DDD制覇王カイゼル』を、……そしてエクストラデッキから2体のモンスターを
ペンデュラム召喚する!」
DDD制覇王カイゼル ATK:2800
DDD反骨王レオニダス ATK:2600
DDD死偉王ヘル・アーマゲドン ATK:3000
さっきまでほぼ無人だった雄二の場が、瞬く間に3体の上級モンスターが現れた!
「え、エクストラデッキからペンデュラム召喚だって!?」
「そうだ、破壊されたペンデュラムカードは墓地にはいかず表側で
エクストラデッキに置かれ、スケールの範囲内のレベルならエクストラから
直接ペンデュラム召喚が出来る。これがペンデュラム最大の特徴だ!」
悠然と言い放つ雄二に、僕は言葉が出ない。つまり、何度倒そうとも
スケールがそろっている限り、ペンデュラムモンスターは不死身の如く甦ってくる
なにが長期向けじゃないだ! むしろターンが長引くほどペンデュラムは厄介になってくる
「まだ終わりじゃない、ペンデュラム召喚で場に出たとき、カイゼルは相手の表側の
カード効果を無効にする。これでスターダストの効果は発動できない」
『DDD制覇王カイゼル』
効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻2800/守2100
(1):このカードがP召喚に成功した場合に発動する。
相手フィールドの表側表示のカードの効果はターン終了時まで無効になる。
(2):このカードがP召喚に成功したターンのメインフェイズに1度、
自分の魔法&罠ゾーンのカードを2枚まで対象として発動できる。
そのカードを破壊する。
このターン、このカードは通常の攻撃に加えて
この効果で破壊したカードの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃できる。
「次に、DDケルベロスのペンデュラム効果、カイゼルを対象に攻撃力を上げる」
『DDケルベロス』
ペンデュラム・効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1800/守 600
【Pスケール:青6/赤6】
(1):1ターンに1度、自分フィールドの「DD」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターのレベルを4にし、攻撃力・守備力を400アップする。
DDD制覇王カイゼル ATK:2800 → 3200
DEF:2100 → 2500
LV:7 → 4
「さらに俺はカイゼルの効果で、ペンデュラムゾーンのケプラーとケルベロスを破壊して
カイゼルの攻撃回数を3回にする」
「攻撃力3200の3回攻撃だって!? そんな事されたら――」
「一溜りもないよな、バトルだカイゼルで明久のスターダストとスクラップ・ドラゴンに
攻撃」
吉井 明久 LP:3200 → 2500 → 2100
「スターダストッ!? くっ、だがスクラップ・ドラゴンの『サイクル・リバイブ』は墓地で
発動する効果だ。カイゼルの無効効果も墓地でなら発動できる。ビーストを特殊召喚!」
スクラップ・ビースト DEF:1300
「ならそいつをレオニダスで攻撃、3回目のカイゼルとヘル・アーマゲドンで
ダイレクトアタック!」
僕に守る手段はもう残ってない
「ぐあああああっ!!」
吉井 明久 LP:2100 → 0
坂本 雄二:WIN!
「明久、最後に言い残すことはないか?」
僕の手元には姫路さんの必殺料理がある、秀吉とムッツリーニが姫路さん達の気を
反らしているうちに、早く食べきらないと……でもやっぱり命は惜しい
「知っているか明久、古来よりスパイスは毒消しとして使われたものが多数ある。
冷蔵庫のない時代はその高い殺菌力を食料の保存に役立てていた」
「……」
「そして女の子の手料理では愛情こそが最高のスパイスと言われている」
「それは……まさか!」
「そうだ明久、愛情という名のスパイスで毒を中和するんだ」
そうか、わかったよ雄二。これは僕に与えられた試練だ、愛の為に
どんな苦難も乗り越えてみせるよ。愛情という名のスパイスがあれば
たとえどんな毒物だって!
「がつ、むしゃむしゃ、ばくばく……ごくんっ!」
やった、姫路さんの料理を食べきれた! 解毒が成功したんだ! 助か――
「ぶるふぁっ!?」
腹部から突然の衝撃が体中に響き渡った。こうして、僕の中の天使と悪魔の
『イッテイーヨ!』の言葉とともに、僕はこの世を旅立った
「愛に解毒作用はなしとっ……合掌」
……ああ、三途の川の水って真っ赤なんだね
TO BE CONTINUE : 番外編に続く
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