(真願録の方は諸事情によりもう少しお待ちを)
(あぁ…考えて見れば…糞ったれな人生だったなぁ…)
彼の名前は天宮悠斗、特別勉強が出来たり運動神経が良かったりもしない、只の普通の高校2年生だ。但し、彼は自殺志願者でもあった。そしてそれは、今日この夜…彼の誕生日に達成すると決めていた。
(本当に散々だよなぁ…親父からの暴力…学校でのイジメ…先生達からは何故か目の敵にされるは…不良にまで絡まれ…あげくの果てには17回の事故…本当についてない…いや、ここまで来ると憑いてるよな…)
考えたのは彼にとって他愛もない事…けれども確かに有った、悲惨な出来事。そして、最期に彼はこう呟いた…「来世は幸運でありますように…」と…そう言って、彼は落ちて逝った。
(……………あれ?)
彼は気がついた、痛みが無い事に…そして地面に触れている事にも。
「こ、ここは?」
そんな当然の、しかし誰に向けて放たれるでもない言葉に答える者がいた。
「ここかい?ここは三途の川の此岸さ、あんたも死んだのかい?」
「え…誰っすか…?」
「あたい?あたいは小野塚小町、この三途の川の渡し人さ。」
(あ、あぁ、やっぱり死んだのか…けど、こんなにあっさりと行くものだったんだ…)
「あんた、この川渡りたいのかい?」
「え?あ、あぁ、まぁ。」
「渡し賃は六文だよ。」
「エ………」
(か、金取んのかよぉおお!)
それから、彼が黙ってしまった事に疑問を感じたのだろう、小町はこう尋ねてきた。
「ひょっとしてあんた…お金無いのかい?」
「あー…ちょっと待ってください、探してみますんで…」
実のところ、彼は先程不良共に絡まれて金を奪われていたので、あるかどうかはかなり怪しかった。て言うか六文がどのくらいなのかが分かっていなかった。
「と、とりあえずこのくらいで良いですか?」
そう言って、彼は辛うじてポケットに入っていた500円玉を渡した。
「うん、問題無いよ。さあ、お乗り。」
そう言われた彼は、そのままおとなしく船に乗った。だがしかし、これから自分に地獄のような事が起こるとは思ってもみなかったのだった。
~三途の川~
「ねぇ、ところであんた、何で死んだんだい?」
「え?……何でいきなり?」
「あぁ、気を悪くしたかい?実はこっちに来てからも喋れる奴なんて珍しいからね、ちょっと気になったのさ。」
「俺は…自殺ですよ、生きているのが嫌になったんですよ、俺が生きてたって…意味が無い。」
「ふーん……あ、着いたよ。」
え、反応それだけ?流石にそれだけだと結構傷付くんすけど。
「あぁそうそう、あんたも頑張りなよー」
「?…まあ、はい、ありがとうございます?」
俺はその言葉の意味が分からなかったが、とりあえずお礼を言っておいた。
~彼岸~
そこから俺はただただぼんやりと、そのまま何かを待っていた。何かって何だって?そんなのは知らない、只待っているように言われただけだから。しばらく待っていると、どうやら俺の順番が来たようで、大きな部屋に通された。
そこには変な帽子をかぶった女性が居たので、俺はとりあえず挨拶をする事にした。
「えーと……こんばんは…」
「判決を言い渡します。」
「え、え、速くないですか?」
取りつく島も無ぇ…
「判決は…」
その女性に判決を降されようとする瞬間、いきなり後ろの扉が開き、大勢の男達が乱入してきた。その状況がまだ分からない内に、男の一人はこう言った。
「四季映姫、お前の首を貰うぞ!」
その言葉が引き金となり、他の男達も次々と部屋になだれ込んで来る。その間、俺はどうする事も出来ず只ぼうっとしていた。そんな俺を、ここの職員(?)の一人のような女性は物陰に引き入れてくれた。
「あ、ありがとうございます…」
だが、先程四季映姫と呼ばれた方の女性は、逃げる事も隠れる事もせず、男達と戦っている。
「あ、あの、助けなくて良いんですか?」
「大丈夫、映姫様はとてもお強いですから。」
そういう彼女の声からは、映姫と呼ばれる人物への、確かな信頼と尊敬の念が感じとれた。
(けど…あの人数相手に大丈夫なのか?)
~30分後~
彼の懸念は現実になってしまった…次々と、際限無く現れては攻撃を浴びせかかる男達。それが30分間もだ、むしろここまで耐えた事に驚くべきだろう。
最初は勝利を確信していた女性も、次第に追い詰められて行く映姫を見て驚きを隠せないようだ…
「映姫様……」
そう呟いた今の彼女の声には、焦りと不安が感じられた。
天宮悠斗は考える。
(考えろ…今この状況で、今の俺に何が出来る…)
そんな限界ギリギリの状況の中、彼は一つの…策とも言えない行動を思い付いた。
(くっ…私一人ならこの程度は逃げられる…ですがあの二人が居る、私が逃げたせいであの二人に危険が及べば…ッ、戦うしか無い…)
四季映姫、彼女はこの状況を打開する策を考えようとした、だが酸欠状態の脳は妙案を浮かばせてはくれなかった、分かったのはこの状況が最悪だと言う事だけ…そして更に、気を逸らしていた彼女は、自分に迫る竜巻にすら気付けなかった、かなりの距離まで近づいて、気づいた時にはもう遅い、彼女は竜巻に巻き込まれた…かに見えた。
「なっ……!」
巻き込まれたのは、天宮だった。そう、彼が思い付いた行動は、映姫が攻撃を受けようとした時、自分が身代わりになる事だった
(痛っう……やっぱり痛いなぁ……けど、こうでもしないとどのみち全員助からないし、しょうがないか…)
彼…悠斗はそのまま吹き飛ばされ壁を破り二回三回と転がりながら血塗れで倒れていた。この様子では助からない事は容易に想像が出来る。
「……………………」
四季映姫は膝から崩れ落ちた、自分のせいで天宮を死なせた事により、言い様の無い苦い気持ちを感じていた。そのせいで、映姫は大事な事を忘れていた。【天宮悠斗の能力】を。
…どうでしたか?うん、下手ですね、はいすいません。ですがそれでもこれから頑張って行くので、応援してくださる方はこれから宜しくお願いします!