一、古明地こいし
1心の中《昔々》
*これは東方projectの二次創作です。
オリキャラ、勝手な自己解釈、原作と違う点が多々見られます。
霊夢や魔理沙たちが産まれる、何百年も前のお話。
私たち姉妹は、産まれた理由を見つけられない悲しい妖怪だった。
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「こいし、こいし、なんで泣いてるの?」
「……お姉ちゃん?」
目を開くと、お姉ちゃんの顔が見えた。
顔を見れば明らかだけど、
お姉ちゃんのこころがわかる。
心配
「…大丈夫。ありがとう」
「本当?」
疑い
「大丈夫だよ」
安心
「よかった。嘘はついてないみたいね」
お姉ちゃんも私のこころを読んだようだ。
大丈夫、大丈夫。
怖い夢を、見ただけだ。
「大丈夫なら、早く寝なさい」
「わかってるよ。おやすみ」
「おやすみ」
お姉ちゃんは、人の表層心理は読めても記憶は読めない。
だから、私が思い出した夢を、読むことはできない。
また寝っ転がる。
目を閉じ、また眠る。
ーどうか明日が無事に来ますようにー
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覚(さとり)は、日本の妖怪の一つで、鳥山石燕による江戸時代の妖怪画集『今昔画図続百鬼』に記述があるほか、日本全国で人の心を見透かす妖怪として民話が伝えられている。
例えば、
”飛騨美濃の深山に玃(かく)あり 山人呼んで覚と名づく
色黒く毛長くして よく人の言(こと)をなし よく人の意(こころ)を察す あへて人の害をなさず
人これを殺さんとすれば、先その意(こころ)をさとりてにげ去と云”
という伝承が残されている。
覚り妖怪は、意志のないものを読むことができない。
だから、人間が投げた石を、意識のない石の意志を、読めず、石を当てられたという。
私は覚り妖怪の忌み嫌う、こいしの名前が付けられている。
だけどお姉ちゃんは、私のことを、
故意志
故意の意志。
と呼んだ。
さとりは、悟り。
こいしは、故意志。
悟りと故意の意志。
私たちは、覚り妖怪だ。
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外の世界
私はお姉ちゃんの妹、古明地こいし。
第三の目を持った、覚り妖怪。
お父さんとお母さんと、お姉ちゃんと私の四人で暮らしている。
「こいし、どうしたんだい?不安そうな顔をして」
心配
「なんでもないよ」
「こいしは明日のテストが心配なのですよ、お父さん」
これはお姉ちゃんの嘘だ。
お父さんとお母さんは人間で、心を読めない。
私とお姉ちゃんは、人間のふりをして暮らしていた。
私もお姉ちゃんも、強い妖怪じゃないから、人間にも普通に殺されてしまう。
殺されないように、魔法で変装して、なんで成長しないのか怪しまれる前に消える…そういうことを繰り返していた。
施設で暮らしていた時、富豪の夫婦に引き取られ、今、ここにいる。
「だけど二人とも、とても成績がいいじゃない」
「ありがとうございます」
「せっかくの日曜日だ。二人とも、お父さんと遊ぼうか」
「はーい」
私は明るく答えた。
お父さんと遊ぶのは楽しい。
お姉ちゃんは、本を読む方が好きみたいだけど。
「そうね。丘までピクニックに出かけましょうか」
「わーい賛成賛成っ」
「サンドイッチを作ってくるわ」
「あ、手伝いますよ」
ピクニックで、お姉ちゃんとお母さんは木陰で縫い物をしていた。
私とお父さんは、丘の上を走り回って遊んだ。
幸せだった。
もうこれを何万回繰り返したろう…。
「ねえこいし、最近どうしたの?」
「別になんでもないよ」
疑い
「なにを怖がってるの?」
終わるのを怖がっているの。
「そう…」
お姉ちゃんは優しい。
でも世界は、私達に優しくなかった。
ーTo Be Cont'nued
こいしはお気に入りのキャラクターです。