根本的なことを聞こう。どうして悪は無くならないのか?
答えは単純、正義がいるからだ。正義が無ければ悪は成り立たない。逆もまた然り。
そして、正義にも悪にも何らかの『力』が必要になる。
たとえ、それがどんな力だろうとでも…………
『番組の途中ですが、臨時ニュースをお伝えします。ーー市のーーデパート付近で
彼は静かにニュースを見ていた。
「……………………よし、行くか」
彼は立ち上がり、さっとスーツを着た。
『正義執行』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ぐはははは!来るもんなら来やがれ!こいつらがに締め付けられてもいいがな!」
「へへっ、こいつらを拘束してる糸は糸は結構食い込んで痛いぜぇ?」
「ママー!こわいよー!」
「せ、せめて娘だけでも開放してください!」
「あぁ?無理に決まってんだろ?ふざけてんのかゴラァ!」
「ふざけてるのはどっちかと言うとヒーローじゃないですかねぇ?」
「違いねぇな!…………ん?なんかおかしくないか?」
一人の
「マジか!あいつらどこ行った?ああ、中に待機してんのか」
「まぁ、そんな事は置いといて、こいつらどうしようか」
「やめとけよ、面倒臭い目に遭うぞ」
「そうだな…………ん?誰だお前!?」
この屋上には人質とある程度の仲間しかいなかった筈、
「他の奴らは何してる!」
「俺がぶっ飛ばしたぞ」
「はぁ!?てめぇやはりヒーローか!」
「…………少し違うな。とりあえず、お前らをぶっとばす」
ハゲの男は手をポキポキと鳴らして
「てめぇ!それ以上近寄ったらこいつらを縛ってる糸をきつくするぞ!人質を苦しめてもいいのか!」
「あ、もうその糸ちぎったから」
「うそぉっ!?あ、本当だ」
「嘘だろ!?くそっ、ならあのハゲをボコボコにすぎゃぼぅぅっ!!?」
一人がハゲの男に殴りかかろうとしたが、男のパンチによって吹っ飛んだ。それも、一撃で。
「な、舐めゲバラっ!!?」
残っていたもう一人も男のチョップでコンクリの床にめり込んで気絶した。
『ワンパン』、まさに言葉通りだった。
「やっぱこんなもんか…………んじゃ、後は下にいるあいつらに任せりゃいいでしょ」
「ちょ、ちょっと待ってください!あなたは誰ですか!?見たこと無いヒーローですけど…………」
「俺?趣味でヒーローをやってる者だ。それじゃ!」
男は屋上から隣のビルに飛び移った。屋上に残されたのは人質になっていた親子と倒れた
この事件、ニュースでは正体不明の『趣味でヒーローをやってる者』と名乗る人が解決したと報道され、問い合わせが殺到したが、当時、その正体が判明することは無かった。
「んー、あの男イイネ!」
そして、別のビルの屋上で一部始終を見ていた男が居たのは誰も知らない。
「ふぅ、帰ってこれ…………あれっ?家の鍵どこいった!?」
また、ビルを飛び移る時に家の鍵を落としてしまい、スキンヘッドの男が必死に探しているのも誰も知らない。