女神と歌と踊りと笑顔   作:浅瀬の雨

1 / 2
物語はいつも急にはじまる

非現実と現実はもしかしたら隣り合わせなのかもしれない

 

 

 

ため息が出てしまうような休日を過ごしている。どうして人間は「平日」と「休日」なんてものを作ってしまったんだろう。と、ぼんやりと考えていた。

 

大学の夏休みは長い。長いのである。しかしだからといってダラダラしていいわけではない。バイトをしたり、自分の研究をしたり、要するに忙しいのである。

そんな事も考えつつ、僕は山積みになったやらねばいけない事達から全力で目をそむけていた。

 

 

「何か面白いことでも起きないものか・・・・・」

朝の9時からバイトに行き、夜は勉強。友達もいなければ彼女もいない。そして一人暮らし。およそ大学生らしくない大学生である僕は起きもしない事が起きないかと、雲一つない夏の空に向けて話しかけた。

 

 

「気分転換に散歩でも行くか」

今思えば、この時僕の人生の歯車は動き出した。いや、正確には歯車が壊れて外れたのだろう。とにかくここがはじまりなのだ。

 

 

ぼんやりと歩く20歳。僕の住んでる地域は駅から離れていて静かで、緑もそこそこにあり散歩するには最適な環境である。

これは僕の悪い癖だが、知らない道を開拓するのが好きなのである。そのせいで迷子になるのは日常茶飯事という情けない事がよくある。

 

 

具体的には、今である。

 

 

いつもならすぐに知っている道に着くはずなのだが一向に着かない。やはり藪の中をかき分けて入ったのは間違いだったようだ。

戻ればいいのかもしれない、けれどこういう状態は久しいせいか僕は気にせず進んだ。いや、進んでしまった。

 

 

道が開けた。

 

 

そこにあったのはまるで映画にも出てきそうな庭園というべきものだろうか。

アコーディオンが似合いそうなそんな風景である。

僕はこの上ない胸の高まりを抑えつつ、探索をしてみた。まさか本当に面白いことがおこるとは、人生捨てたものでもない。

 

 

「君」

 

ふと名前を呼ばれ振り返ると

 

 

風景が変わっていた

目の前に広がるのは外の風景ではなくどこか家の中だった。

天井が異様に高く。魔法使いでも住んでそうな場所だった。まわりにたくさん扉があったり、梯子を使わなければ確実に届かない本棚があり

 

 

「え・・・これ・・」

自分でも感心するくらい間抜けな事を言ってしまった。

「まあ、そんなに驚かずに。座りなよ」

そこにいたのは恐らく先ほどの声の主。パーマがかった眼鏡をかけた男であった。

椅子が差し出される。とりあえず座った僕は

「あなたは・・・人間ですか?」と、きいてみた

「最初の質問がそれとは、君は面白いね」くすくすと笑いながらその男は言った。

「とりあえず僕は君たちが言う「人」ではないよ」にこやかにそう言った。

 

混乱

今の僕の状態をこんなにも適格に表しているのはまさに「混乱」だった。

落ち着け、落ち着けと心に念じ、表情は何とか取り繕いながらきいてみることにした

 

 

「ここはどこですか?それと、なぜ僕に接触したのですか?」

「ここは僕の家だよ。で、なぜ君に接触したか?きまぐれさ」

そんなとこだろうと思った。われながら変な質問だとも思いつつ

「きまぐれでしたら、元いたところに帰してくれませんか?」

「おや、もうそんなに話せるのか。すごいな、もっとパニックになると思ったんだけどね」

この後もきっと想像がつく

「でも帰すことはできないな」

 

「なぜです?」

「きまぐれさ」

その瞬間、怒りがわいてきそうだったが堪えた。ここで血が上っては解決にならないことを知っているからだ。交渉はスマートにクールにである。

「僕のきまぐれ。そう、きまぐれ。でもいいじゃないか。こうして君は非現実的な僕に出会えた。そしてこれから、非現実的な体験をするのだから。」

「君もそれを望んでいたんじゃないかな」

何もかも見透かした目で見て、何もかも理解した口調で話してくる。

 

悔しいが間違っていない

 

僕は好奇心に負けてしまった。いやあきらめたのかもしれない

「・・・・非現実な体験とは」

男は微笑むと鍵を渡した。そして右手にある扉を指さして

「そこの扉を開く鍵さ。そこには君がいた世界とは別の世界が広がっている。そこに君は行くんだ」

「行くということはそこで生活するということですか?」この時僕は好奇心に支配されていた。つくづく損する性格である。

「そう。ああ、生活の心配はしなくていいよ。僕からのプレゼントがあるから安心して」

もう、引き返せないところまで来てしまったらしい。一度きりの人生だこういうことがあってもいいだろう。

 

「帰れるのですか?」

「君がそれを望むならね」

 

僕が鍵を握るの見て男が言った。

「さあ、いっておいで。きっと楽しいよ」

「あなたは何者ですか?人間ではないのはわかりましたが・・・」

ここでも彼は微笑みながら

「いうなれば旅人さ。君たちの世界では「ヘルメス」なんて呼ばれているよ」

 

僕が扉をくぐる瞬間、彼が言った。

 

こうして僕の物語が始まってしまった。




初めまして。「浅瀬の雨(あさせのあめ)」と申します。
色々な人の小説を読んでいくうちに自分も読みたくなり書いてみました。

小説を書くのは初めてで緊張してますがどうか暖かい目でご覧ください。

次回からメンバーが出てきます。最初はだれにしようか(まだ決まってない)
主人公の名前や性格等は話が展開していくにつれて明らかになります。

一つだけ言うと
主人公君はラブライブの事を知りません。聞いたことがあるだけでメンバーの名前はおろか顔すら知らないという感じです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。