モモナリですから、ノーてんきにいきましょう。 作:rairaibou(風)
Q アンコールです。
モモナリ様はじめまして、私はホウエンでポケモンコンテストを生業にしている所謂コーディネーターと言われる立場の人間です。
恥ずかしながら私達コーディネーターの間では「コンテストと対極に位置する存在がコンテストで勝つことなどできるはずがない」と出場を小馬鹿していた風潮がありました。
ですがそのコンテストと対極に存在するはずのアズマオウくんとモモナリ様が放つ技と技術を目の当たりにした時、あまりに傲慢な考えであったことを恥じるばかりでございます。
豪快で強力でありながらシャープに獲物を狙う事を追求した「ハイドロポンプ」
やや歪な形ながらもとてつもなく長く維持され、戦士が休息する様を体現したかのような「アクアリング」
そして破壊という強さの最大の表現を見せつけた「つのドリル」
そして敵を倒すという目的の為だけに作られた体を持つあまりに圧倒的な迫力の私達の感覚では「うつくしくない」とされるアズマオウ。
彼に私はもうメロメロになってしまいました...
モモナリ様達は良くいえば「安定」悪くいえば「停滞」したコンテストの常識に風穴をあけた様に思います。
そこで質問なのですが、今後コンテストに出場する予定はありますでしょうか?
個人的には「ノイズに潜む悪魔」とも称されるあのガブリアスちゃんは全部門どれをとってもかなりイケそうに見えますし、アーマルドくんのシャープさは「かっこよさ」や「うつくしさ」で、あの甘えたのアーボックちゃんは「かわいさ」で観客をメロメロにしてくれそうですので是非今後を楽しみにしております。
(20代男性 コーディネーター)
A もちろんアーマルドもかっこいいのさ!
「バトルはコンテストの真逆にある」
そう思うことは恥ずべきことではないと個人的には思う。どう考えたってこの二つは別物のように思えるし、コンテストを真剣にやっている身からすれば、それらの努力はバトルのそれはとあまりにも違うからなおのことそう思ってしまうだろう。
そして、彼等が不意に参加した僕達『バトル畑の人間』を小馬鹿にするのも仕方のないことだろうし、君たちにはその権利があるように思える。
「コンテストはバトルの真逆にある」と、コーディネーターを小馬鹿にしていたのは、トレーナーも同じだったからだ。
ホウエン地方殿堂入りトレーナー、ミクリは、トレーナーのそのような声を一笑に付した。あるいは彼は、トレーナー達の常識を変えただろうか、そのとおり、少なくとも僕は、彼によって「コンテストはバトルの真逆にある」という馬鹿な考えを捨てることができた。
同じようにコンテストに挑戦した僕が、たとえ質問者一人だけだったとしても、一人のコーディネーターの考えを変えることができたなら、それはある意味、結果以上に重要なことだったのだと思う。
残念ながら、現在新たにコンテストに参加する予定はない。アズマオウを見せびらかしに行った時点で、僕の目的は達した。
しかし、やはりコーディネーターは違うねと感心しきりなのは、僕のアーボックを『甘えた』として『かわいさ』を見出してるところだよ。
そう、僕のアーボックは甘えたで可愛いんだよ。僕の布団やリュックサックに嫉妬するところも、ガブリアスを複雑な気持ちで迎え入れるところも、僕を巡ってガブリアスを牽制しながらも、最終的には譲ってしまうところも、本当に可愛いんだよ。流石にコーディネーターはそういうところを見抜いているね、それだけでも、あなた達の観察眼というものが、僕達のそれを凌駕しているのかもしれないと思うよ。
(リーグトレーナー モモナリ・マナブ)
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