モモナリですから、ノーてんきにいきましょう。   作:rairaibou(風)

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月刊誌スタジアム『ボス達の見解』⑥

Q 伝説はもはや過去の遺物でしかないのか?

 

 かつて伝説として駆け抜けたレッド、そしてそのライバルであるシゲル。

 彼らはともにリーグに残ることなくどこかへと去っていった。

 しかし鮮烈な彼らの強さは未だ記憶に刻まれているトレーナーは多いように思う。

 もしも彼らが再びリーグに挑戦したとしたのなら、果たして記憶の通り伝説の強さを見せてくれるのだろうか。

 それとも、時代の進んだ現代バトルにおいてはもはや通じぬ過去の遺物となってしまっているのか。

 かつてを知る者、知らぬ者の視点でリーグトレーナーの方々の見解をうかがってみたい。

 

 

 

 

A 間違いなく通用する

(殿堂入りトレーナー ワタル)

 

 私はチャンピオンとして彼等と戦い、破れ、そして現在に至るまで彼等より若手のトレーナー達と戦っている。

 その上で断言したいが、彼等は必ずリーグで通用するだろう。

 あの日我々を襲った衝撃は、未だに我々の中で最大の衝撃であり、今日に至るまでそれを超える衝撃に出会ったことはない。最初の数戦をこなせばすぐさまに適応するだろう。彼等の手持ちのポケモンも鈍ってはいない。私はそう思う。

 彼等のスケールの大きさを舐めてはいけない。当事者だからこそ私はそう思う。

 だが、私はそれを待ち望んでいる。

 次こそ、私は負けないぞ。

 

 

 

 

A 世界一対策されたトレーナー達

(第〇〇代カントー・ジョウトリーグチャンピオン キシ)

 

 レッド氏やシゲル氏が現在のリーグで活躍することは難しいと考えられる。

 ジムリーダーとして未だ現場の近くにいるシゲル氏にはまだ可能性があるが、現場を離れて長いレッド氏は厳しいのではないだろうか。

 決して彼等の実力を過小評価しているわけではない。当時の四天王を勝ち抜いたその傑出度は今でも比類なきものだと思われる。

 だがそれ故に、彼等はこの世界で最も対策されたトレーナーでもある。あるいはワタル氏やカリン氏に勝利するため、あるいは彼等に勝利するという欲望のため、彼等ほど想像の中で倒されたトレーナーは存在しないだろう。

 もちろん、僕の想像の中でも彼等は幾度となく倒されている。そして、そのような僕の都合のいい想像の先にあったのがチャンピオンという立場だ。

 憧れられるのも良いことばかりではない。

 

 

 

 

A そのどちらが勝利したにしても

(カントー・ジョウトAリーガー オグラ)

 

 正直な話、そう極端なことが起こるとは思えませんね。

 お二人が傑出したトレーナーであることは残された資料からでもわかりますし、それが時代の古さに保護されたものだとは思えません。お二人は稀有な実力の持ち主でしょう。

 可能性としては、どちらもあり得るのではないかなと思っています。お二人がリーグを荒らし回って再び伝説になる可能性も、箸にも棒にも触れない可能性もあるでしょう。

 ですが、そのどちらにしても、そのままリーグが終わったり、お二人が終わったりするようなことはないんだろうなと漠然と思っています。

 お二人が勝利すればリーグが、リーグが勝利すればお二人が、それぞれ努力してリベンジを果たさんとするでしょう。

 優れたトレーナーというものは、総じて負けず嫌いなものです。

 

 

 

 

A 奴らを遺物にすることが未来の義務

(カントー・ジョウトAリーガー ワゴー)

 

 逆に聞きたいが、リーグから尻尾巻いて逃げたその二人が突然現れて、颯爽とチャンピオンになるなんてことが起きたら、俺達は何のために存在しているんだ?

 醜態を晒す前に現場から消えることがこんなにも得なんだということがよく分かる。俺もチャンピオンになったらさっさと辞めてやろうか、そうすれば三世紀後でも俺が最強なんだろう。

 その二人が弱かったとは言わない。ケンタロスがふぶきをメインウェポンにしていた時代では大層な強さだったんだろう。それは認める。

 だが、そういう過去を葬るのが俺達の役割だろう。怒りと、嫉妬と、敬意を持って、そういう存在を過去に葬ることが今であり、未来だ。

 奴らが今現れて戦うのは俺達じゃない、奴らから見た未来なんだ。

 

 

 

 

A まずは僕のところまで上がってこないと

(カントー・ジョウトAリーガー モモナリ)

 

 シゲルはトレーナーとしては異常にガードが硬いし、レッドさんはどこにいるのか見当つかないし、そんな二人が自分からリーグに来てくれるのならこんなに嬉しいことはないね。

 Cを抜けることはできるだろう、Cリーグレベルでワタルさんに安定して勝つことができる人材は居ないだろうし。そう考えるとBで力不足ということもないだろうね。Aに上がることが出来ないってことはないんじゃないかな。

 そうなると僕もうかうかしていられないね、なんとしても彼等の昇格と僕の降格が被るなんてことにはなりたくないし、彼等がBにいるときには血反吐吐いてでもAリーグにしがみつかなくちゃね。

 チャンピオンになりたいのならば、まずは僕のところまで上がってこよう。話はそこからだ。




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