-恋するサシャ編-
もぐもぐもぐもぐ。
あなたいい人ですね、私に芋をくれるなんて。
もぐもぐもぐもぐ。
欲張ればパァンかお肉が良かったんですけど、貰った身ですからね。
もぐもぐもぐもぐ。
文句は言えません。
あ、名前ですか?サシャ・ブラウスです。
え?芋代として好きな人とエピソードを話せ?
はめられたんですか!?私!
酷いじゃないですか!
まぁいいです。私もたまには誰かにエレンの良さを話したいって思ってたんです。
あ、ええ。私の好きな人はエレンです。
エレン・イェーガー。
エレンは凄くいい人なんです。
私は山育ちで、訛りが酷くて…ありのままの自分を見せたら、笑われるんじゃないかって…そう思ってたんです。
それに私は過度な暴食…人の食べ物も"貰う"なんて言いながら、盗っていってました。
あの日も食料庫から食べ物をいただくために、倉庫の中に入っていったんです。
勿論、教官にバレてご飯抜きと死ぬ寸前まで走れとプレゼントまでいただきました。
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-グラウンドの片隅-
サシャ「も、もう…駄目っ」
辛い訓練の後、4時間でしょうか?
走り続けた私は遂に体力がきれ倒れ込みました。
喉はカラカラ、お腹もグゥグゥと鳴り響く。
それに視界がボヤけてきたんです。
そんな時、エレンが助けに来てくれたんです。
エレン「大丈夫か?」
サシャ「こ、この匂いは!パァン!」
エレンは走って疲れた私の元に、パンとお水を持ってきてくれたんです。
以前にクリスタにも同じ事をしていただきましたが、異性の方から優しくされたのは初めてでした。
エレン「ははっ、がっつき過ぎだぞサシャ。水も飲めよ」
サシャ「エレンは神ですか!?神ィィィィイイイ!!!」
エレンの優しさはそれだけではありませんでした。
エレン「サシャは勘違いしてないか?これはタダじゃないぞ」
サシャ「えっ!?」
エレン「お前、最近元気ないだろ?俺に話してみろ。話すだけでもかなり楽になるからな」
私の事を気にかけてくれてたんです。
そう、最近私はみんなの前で初めて訛ってしまったんです。
その事が恥ずかしくて、笑われるのが辛くて、
その事が気になって仕方なかったんです。
私はその事をエレンに話してみました。
エレン「………サシャ」
サシャ「……はい」
エレン「お前って馬鹿なんじゃないか?」
サシャ「へっ!?」
初めの言葉は馬鹿。
普通は馬鹿にするか、励ますかどちらかですよね。
エレン「そんなこと気にするなよ。俺は個性があっていいと思うぞ?ギャップ萌えってやつか?……俺がいうとなんか変かもしれないけどあえて言わせてくれ」
エレン「サシャ、お前のそういうところ可愛いと思うぞ?訛りを気にしてる所も、それを必死に隠してる所も、訛った話し方も、美味しそうに食べ物を食べるところも。少なくとも俺はそう思う」
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嬉しかったんです。
もし、それが嘘だとしても、それが計画的に言ったことだとしても、私を理解してくれてる。私のコンプレックスを笑わない。
そんなエレンに惹かれたんです。
私はこの時、初めて人を好きになりました。
好きな人をみたり、好きな人と話したり…。
今まで当たり前にしていたことも、凄く凄く幸せに感じました。
あの…話したので、もう一つ貰えませんか?