魔法少女リリカルなのはStrikers~風と桜の記憶~   作:strike

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更新遅くなってすみません!!

全然、アイディアが浮かばずに放置してしまっておりました……。
最近になってやはり小説を絶えず投稿できる方々を本気で尊敬します。

私の投稿スピードはかなり遅くなっていますが、なるべく続きを早く書けるように努力していきますので、今後ともよろしくお願いします。

さてさて、今回は各本部に乗り込んだ翔馬達のお話です。
これから、翔馬達、機動六課はどうなっていくのか。
ご期待ください。

それではお待たせしました、第14話スタートです!!




第14話 嵐の前兆

 

「翔馬さん……」

「分かっている。だが、今は情報を聞き出す方が優先だ」

 

 シエルの不安げな視線を受けながら足を進める翔馬はそれ以上何も言わず、目的地へと向かっている。

 翔馬とシエルは3つある本部の内、時空管理局空中本部へと出向いて上層部との打合せをする予定となっていた。翔馬たちの予測ではこの打合せの場すら設けられないと踏んでいたのだが、その予想はことごとく打ち砕かれ、約束を取付けるのも、ここに入る事も全てが順調に進んでいた。そのことに違和感を持たずにはいられなかったが、中に入って歩いていると更にその違和感が強まってくる。

本部の中はまるで人が存在しないかのようにあまりに静か過ぎた。

 今頃、他の本部で打合せを行おうとしているなのはや、フェイトも同様のことを感じているのだろうかと、少し考えながら歩いていると打合せを行う予定の会議室にたどり着いていた。

 

「シエル、念のために準備はしておけよ?」

「はい、翔馬さんも十分にお気をつけて」

 

 このまま何もなしに終わると思えなかった2人はそれぞれに準備を整えて中にいるはずの人物に向かって声を掛けた。

 

「機動六課所属、藤田翔馬三等空佐、並びにシエル・アウローラ二等空尉、到着しました」

「お、やっと来たか。入れ」

 

 翔馬は聞き覚えのある声、そして雰囲気に少し安堵しながら部屋の中へと足を踏み入れる。すると、そこにはたった1人で椅子に座ってこちらを嬉しそうに見つめる男性の姿があった。

 

「お久しぶりです、レスト・ハーメンス二佐」

「おう、あれからずいぶんと活躍してるみたいじゃねぇか。シエル嬢ちゃんもな」

「ご無沙汰しております」

 

 翔馬に続いてシエルも畏まって一礼すると、レストは席に座るよう促した。翔馬達はそれに従ってテーブルを挟んで対面の椅子に腰掛けてざっと周囲とレストの様子を見たところ、何か異変があったようには全く見えず、この部屋に何かが仕掛けられているようにも見えない。

 この状況のせいで更に、状況に謎は深まるばかりだった。

 

「まぁ、旧交を暖め合うのもいいが、こっちに来たのはそれが目的じゃねぇんだろ?さっさと本題に入ろうや。そういうのは後でいくらでも出来る」

 

 こちらの視線の動きを見られていたのか、先ほどまでの目とは打って変わり、真剣な目で翔馬達を射抜くように見つめると、翔馬達はそのスイッチの切換えの早さに舌を巻いた。流石は自分たちの元上司であり、ここ、空中本部で上層部に食い込んで仕事をこなす人物なだけはある。そんなことを考えながらも、翔馬達も真剣な表情に切替えて話し出す。

 

「本日こちらに伺ったのは現在、本局を巻き込んで捜索しているロストロギアの状況についてです。あの事件から2週間がたったにも拘らず、情報が何も出てこない。このことについて説明を求めにきました」

「まぁ、その事だろうな……」

 

翔馬の言葉に手を組んでその上にあごを乗っけると、少しばかり目を閉じて黙り込んでしまった。何時まで経っても口を開かないレストにシエルが耐えられなかったのか、怪訝そうな表情を浮かべながら声を掛ける。

 

「何故黙り込むのですか? レスト二佐、このことについて何か知っているのではないですか?」

「……」

「レスト二佐!!」

「やめろシエル、ここは公共の場だぞ」

 

 翔馬の言葉にシエルはしぶしぶレストに留めよりかけた腰を下ろして黙ってレストの様子を伺う。しかし、その視線は先程までの物とは違い、事件に関わって何か動いているのではないかと言う疑惑の視線だ。

 それから10分強の時間が経ち、翔馬はこれ以上ここにいても何も情報を得ることはできないと考え、その場から立ち上がって背を向けたとき、レストがゆっくりと口を開いた。

 

「もうそろそろ、13時か。 地球にゃ、美味しい物があるんだと。……そういや、この情報は海の方から流れてきたんだっけな。 あいつらが大層欲しがっていてな。それが何なのかは分からないが全員で休暇を取り、次元渡航して旅行にしゃれ込もうって話もあるらしい。 だが、俺もその何かが気になってな? 悪いんだが、責任を持つからそいつらの欲しい物を地球から持ってきてくれないか?」

「「え?」」

 

 翔馬達は唐突に呟かれた言葉の意味が分からずレストに視線を向けるが、当の本人はもう用は無いと言わんばかりに立ち上がって背を向けている。翔馬とシエルはお互いに顔を見合わせると、その背中に静かに頷いた。

 

「わかりました。 もし機会があれば手土産を持参させて頂きます……」

 

 そして、翔馬達はその場で一礼すると入ってきた扉から出て行き、それを背中で見送ったレストは歯を食いしばりながら呟いた。

 

「俺ができるのはここまでだ、翔馬。 くっ……。昔からそうだ。どうして翔馬がこんな目に会わなきゃいけねぇ……どうしてアイツばっかりが……!!」

 

 そこには純粋に翔馬の事を想って悔やむ、心優しい上司の姿があった。

 

 

 

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 会議室を後にした翔馬は早足で本部から出て行こうと出口に向かい、その後ろをシエルが必死に付いていく。

 

「翔馬さん、速過ぎです!! そこまで急がなくても」

「今急がないで、何時急ぐんだ!!」

 

 翔馬の表情は何故か焦った雰囲気でシエルもそれ以上言わずに翔馬の後をついていく。そして、本局から出て直ぐに自分の愛車に乗り込むと迷わずサイレンを鳴らして、助手席に座ったシエルのシートベルトを確認もせずにアクセルを踏み込んだ。

 

「ちょっ!! 翔馬さん!! いい加減、説明を」

「……俺にもまだ分かっていない事があるが、レスト二佐の言葉は俺達に何かを伝えようとしての言葉だった」

「それは、私もそう思いましたけど……いきなりお土産の話をされても何の事だか」

 

 翔馬は、レストが何かを伝えようとしていたが、直接的に言えない理由があってあの言葉を伝えたのだと考えた。それならばあの言葉の中に何か大事な事が含まれている筈だと先ほどから頭をフル回転させているが、その答えにたどり着けない。

 そのため、今は六課にこの情報を持ち帰り、全員の情報と照らし合わせることが最優先事項であると信じて今は機動六課隊舎に向かっている。

 

「でも、どういうことなんでしょう……13時にはまだ4時間もありますし、地球のお土産なんて言われても、直ぐに行ける訳でもないですしね……というより、私達の部署で地球なんて行っている余裕も無いんですけど」

「……13時……地球……美味い物……海……情報……次元渡航……」

 

 翔馬は単語毎に羅列してその意味を1ずつ考えていく。すると、いつの間にかその様子に合わせてシエルが翔馬の気付かない場所を補足していく形になっており、ぼんやりと先が見えてくる。

 

「13時は単純に何かの時間だな、美味しい物が地球にある、とは……」

「単純に、美味しい物って事ではなさそうなんですよね……誰かが得できる物とかはどうです?」

「その情報は海。つまり、海上本部から出てきたってことか? 次元渡航はそのまんまだな」

「それでは簡単に纏めると、地球に誰かが得できそうな物があって、情報は海上本部から上がってきた。それを手に入れるために海上本部は13時に全員で地球へと次元渡航をしますよ。ってことでしょうか?」

「「……」」

 

 翔馬とシエルは顔を見合わせると、何かに気がついたようで、翔馬はすぐさまハンドルを切って車体をドリフトさせると、反対方向に向かってアクセルを全力で踏み込んだ。

 

「シエル!! 今すぐ、フェイトに連絡を入れろ!! 何かやばい事が起きてるかもしれない!!」

「今、応答要請をかけていますが、反応無しです!!」

「ちっ!! なのはと待機部隊は!!」

「同時に連絡中……繋がりました!!」

 

 翔馬の言葉を先回りして、色んな場所へと連絡を入れた中から待機部隊と連絡が繋がり翔馬に代わる。

 

「翔馬か、どうした?」

「シグナム!! 今は詳しく説明してる暇が無い、直ぐに海上本部への転送ゲートを開くように要請してくれ!! 緊急対応でだ!! シグナム達はそのまま待機、こっちで何かあればシグナムの判断で動いてくれ」

「分かった、今は言うとおりにしよう、ヴィータ!!」

「わ~ってる!!」

 

 翔馬の言葉に何かを感じたシグナムは直ぐに指示を飛ばして、遠くでヴィータが動き出した事を確認すると、そのまま回線を閉じてなのは達のいる地上本部と翔馬達がいる海上支部へと向かう。そして、次に反応があったのはなのは達だった。

 

「藤田君!! 今状況を聞いたけど」

「こっちもある程度把握してる!! 直ぐに本局の転送ポートまで向かってくれ!! これから海上本部へ向かう」

「うん、了解!! こっちは近いから20分くらいで着くよ、社員用の転送ゲートで待ってるから」

「ああ、こっちも飛ばしてるから30分弱で着くはずだ!!」

 

 翔馬はそう言って回線を閉じると更にギアを上げて速度を出す。転送ポートに翔馬たちが到着するのは、次元渡航が始まってしまう3時間前。まだ間に合うはずだと信じて翔馬達は先を急いだ。

 

 

 

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 地上でそのような事態になっているとは知らず、フェイト達が来ているのは海上本部。

 そこでは久々に会った兄に現在の状況について、話し合いの場を設けて貰い、フェイトとクロノ、エリオの3人で会議をしているところだった。

 

「それじゃ、ここでは次元渡航の監視をしていて、今のところ犯人達の動きはないって事でいいのかな?」

「ああ、少なくとも奴らがこの管理世界から出たという記録は無いな、まだ地上に潜伏している可能性が高いだろう」

 

 フェイトは普段と何も変わらない兄と会話や、この会議が出来て安堵したのか少し胸を撫で下ろした。少なくともクロノ提督が洗脳されている可能性は極めて低いと考えて、本当に聞きたかったことについて口にする。

 

 「クロノ、あんまり疑いたくはないんだけど……実は管理局本部の3箇所で犯人達の関係者と思われる人物が監視カメラに映っているのを見つけたんだけど」

「何だと!?」

 

フェイトが話している途中でクロノは驚きで声を上げ、何かを考えるようにして表情を険しくすると、クロノは唐突に立ち上がってどこかに連絡を入れた。

 

「急に済まない。 今、信用の出来る監視官に本局の監視カメラを全て洗い出させている。 結果が出るまでここにいてくれるか? もしかしたら……ここが戦場になるかもしれない。僕は辺りを少し見てくるよ、不審な者がいたら直ぐに呼びつける」

 

クロノの言葉にフェイトとエリオは真剣な顔で頷くと、部屋を出て行くクロノを見送った。そして、2人はいつの間にか肩に力が入っていたのか、少し脱力するとお互いに顔を見合わせて微笑んだ。

 

「いつの間にか緊張してたみたいだね」

「仕方ありませんよ、フェイトさんのご家族の方ですし。 万が一の事もあったんですから」

 

 フェイトはその言葉にありがとうと言って頭を撫でると、エリオは顔を少し赤くしてなすがままにされるが、複雑の表情を浮かべていた。

 

「フェイトさん、こういうのはそろそろ……その、恥ずかしいと言いますか」

 

エリオがそう口にした瞬間にフェイトは固まってしまい、絶望したような目でエリオを見つめる。そのフェイトの視線に慌てたエリオは少しおどおどしてしまい

 

「いや、フェイトさんに頭を撫でられるのは嫌じゃなくて……むしろ嬉しいんですけど、その、やっぱり僕も男なので……」

「……やっぱり、エリオは……もう…………」

 

 と、フォローのつもりが更にフェイトを落ち込ませてしまったようで、エリオはフェイトを励ますのに尽力する事になってしまった。

 そんな出来事もありながら、2人でゆったりした時間を過ごしていたのだが、あまりにクロノが戻ってくるのが遅いことに気がついた2人は少しだけ緊張が走り始める。

 

「フェイトさん、少し遅くないですか?」

「うん、私もそう思い始めてた。 何かあったのかな?」

 

 想像しても、いい事は全く浮かばない。そんな状況で2人は頷き合うとその会議室から外に出ようとして立ち上がった。その瞬間。

 

「なっ!? エリオ!!」

「フェイトさん!!」

 

 椅子から立ち上がった瞬間に嫌な感じがしたと思った瞬間には、体が完全にバインドで固定されていた。

 

「これはっ!!」

「ストラーダ!! セット……」

「させませんよ~ってね!!」

「「ぐっ!!」」

 

 エリオは異変に気がついた瞬間に逸早くデバイスを起動させようとしていたが、何者かの襲撃によってそれは阻止されてしまう。

 身動きの取れない2人は突然の衝撃に地面を転がり、衝撃を受けた方向を見上げると、そこにはここで一番見たくなかった人物の姿があった。

 

「初めまして、機動六課所属の管理局魔導師さん。 確か高町一尉を追い込み、PS事件の元凶であるプレシア・テスタロッサの娘のクローンであるフェイト・T・ハラオウン執務官とプロジェクトFの残滓であるエリオ・モンディアル二等陸士ではないですか。 これはまたずいぶんと粋な事をしてくれますね。 お二人に会えて私はとても嬉しいですよ」

「テトラ・エドウィン……」

 

 そこにいたのは、大層嬉しそうに顔を歪めたテトラだった。

 

 

 

----------------------------------------------

 

 

 

「シエル!! フェイト達とはまだ連絡がつかないのか!?」

「さっきから何度も応答要請をかけていますが、……全く反応がありません」

 

 翔馬は車を運転しながらシエルに尋ねるがその反応はいいものではなく、悔しげにハンドルをきつく握り締めながら、もう目前まで迫っている転送ポートに向かって更に加速し、緊急時用の出入口に車体を滑り込ませて駐車場に乱暴に止めると、車から飛び出してなのはたちとの待ち合わせ場所に向かう。

 

「藤田君!!」

「スバルもいるな? 直ぐに海上本部へ向かうぞ!!」

「「「了解!!」」」

 

 翔馬の言葉に3人は頷き、海上本部へと向かうために転送ポートに入り込む。すると、直ぐに転送が開始されて目を開ければそこは海上本部のエントランスだった。

 

「静かだね……」

「地上の方とは比べ物にならないくらいにな」

 

 なのはの言葉に静かに頷いた翔馬は一歩を踏み出して、辺りを警戒しながら進んでいく。しかし、何時まで経っても人に合う事はなく、翔馬達は更に不信感を高めながら会議室が集中しているフロアに足を踏み入れた。

 

「フェイトさん達は会議室で打合せと言っていましたよね?」

「このフロアにはいらっしゃるはずですが……」

 

 スバルの言葉に頷いたシエルが呟いた途端、静かだった廊下に耳を塞ぎたくなるような轟音と共に奥の方で扉が吹き飛んだ。

 

「「っ!?」」

「きゃ!!?」

「わっ!?」

 

 4人が突然の爆音に驚きながら視線を凝らすと、そこには地面を転がって廊下に出てきたバリアジャケット姿の2人がいた。

 

「はっ!!」

「フェイトさん!! ストラーダ!!」

 

 フェイトがサイズフォームのバルディッシュで目の前を薙ぎ払うと、その瞬間を狙ってエリオが奥の何かに向かってストラーダを突き出す。

 何が起こっているのか全く理解できない4人だったが、直ぐに警戒態勢に入るとバリアジャケットを身に纏って2人の元へと急いだ。

 

「フェイトちゃん!!」

「っ!? なのは!? くっ!!」

 

 ここにいるはずの無い親友の声に驚きの声を上げて視線を動かそうとした瞬間、唐突にやってきた衝撃を受け流すと、エリオと共にその場から下がって翔馬達との合流を果たす。

 

「どうしてなのは達がここに?」

「各本部で同じような情報が流れてきたからな」

「ここが怪しいと思って連絡してたのに、フェイトちゃんからの応答が無かったから」

 

 フェイトはなるほどと呟いて納得したのか、笑みを浮かべると視線を扉が壊れた部屋に向ける。

 

「ゴメン、少し厄介な事になっちゃったかも……」

「みたい、ですね」

 

 フェイトの言葉にシエルが答えると、タイミング良く部屋の中からテトラが現れた。

 

「おや? おやおや? これは、これは機動六課の皆さんお揃いで。 嬉しいですね、こんなにお見送りをして頂ける方がいらっしゃるなんて」

「悪いが見送りに来たわけじゃない、お前の目的は一体なんだ?」

「答えて!!」

 

 翔馬達は全員が自分の得物を構えて、テトラにきつい視線を向けるが当の本人は気にした様子は全く無く、ただ不気味な笑みを浮かべるだけだった。

 

「エリオ、スバルの2人はなのはと一緒に戦艦の出撃ハッチに向かってくれ。 何か嫌な勘がする」

「藤田君!?」

 

 翔馬の言葉に驚いた表情を浮かべるなのはだったが、直ぐにシエルとフェイトが頷いた。

 

「なのは、悪いけどここは翔馬の指示に従って」

「一度、彼の魔法に囚われたあなたにまた何かあっては困るのです」

「フェイトちゃん、シエルちゃん……わかった、気をつけてね」

「「「了解」」」

 

3人の言葉を受け止めたなのはは、そのまま2人を連れてその場から背を向けて去っていく。その姿をただ見送ったテトラに不審な目を3人が向けると、大げさに手を振った

 

「そんなに警戒しなくてもいいじゃないですか、別に今日は何もしませんって」

「ふざけるな!! ここでこうして管理局に入り込んでいる時点で何もしないはずが無いだろ」

 

 翔馬の怒りの言葉に、納得したような表情で頷くと口元をゆがめた。

 

「すみません、言葉が足りなかったですね。 ええ、何もしませんよ、あなた方には……ね?」

「ちっ!!」

「翔馬、落ち着いて。 相手の目的が分からない以上、突っ込むのは……」

「いえ、ある程度分かってはいるんです、あなた方の目的は戦艦を奪って第93管理外世界地球へと次元跳躍する事。 違いますか?」

 

 シエルの言葉に感心するような表情をしたと思ったら再度、口元を歪めて笑うテトラ。

 

「情報は漏れない様に気を遣っていたつもりなんですが……何処からその情報を手に入れたのでしょう?」

「信頼できる筋から、とだけ」

「そうですか、しかし、そこまで分かっているなら話は早いですね。僕達はこれから地球へと向かいます。申し訳ありませんがそろそろ時間ですので……今度は地球でお会いしましょう」

 

 そう言ってテトラは地面に向かって斧を叩き付けた。

 

「行かせるか!! フェイト、シエル!!」

「わかってる」

「任せて下さい!!」

 

 翔馬の声に頷いた2人は翔馬と共にテトラへと斬りかかるが、既に下の階に下りていったテトラに攻撃を入れる事は叶わなかった。

 その事に気がついた翔馬は悔しげな表情を浮かべながら直ぐにその穴の中に飛び込んで2人もそれに続いた。

 

「翔馬さん達、大丈夫でしょうか」

「気にしても仕方ないよ、今は私達の出来る事をするだけ」

「ですね」

 

 そう言って、なのはは飛行しながらエリオを抱きかかえ、スバルは相棒であるマッハキャリバーで地面を滑走していた。

 そして、やっとたどり着いた場所には既に発艦準備が整っている戦艦の姿があり、思わず息を飲む。

 

「どうやってこれを止めるかですね」

「中に入り込めるなら内部から制御室を押えよう、もし無理そうなら……少し乱暴だけど魔力動力炉を壊す」

「……了解です」

 

 作戦を立て終えた3人は直ぐに動き出して内部への侵入を試みるが、ハッチが何処も開かずに苦戦し始める。

 

「時間はフェイトちゃん達が稼いでくれてるとは思うけど……これじゃ、やっぱり破壊しかないかな」

「そうですね……、僕達が躊躇った所為で戦艦が出てしまっては元も子も無いですし」

「そうと決まれば……行くよ相棒!!」

 

 スバルはなのは達の呟きに表情を引き締めると魔力を解放していく。そして、極限まで高まった魔力をリボルバーナックルへと凝縮し、マッハキャリバーは高まった魔力が溢れだし綺麗な青の羽を形成した。

 

「モードエクセリオン!! はぁぁぁ!! 一撃必倒!!! ディバイン……」

 

 スバルが目の前に圧縮された魔力の弾に拳を叩きつけようとした瞬間。

 

「はい、そこまで~」

 

 意識を失っているのか体から完全に力の抜けているクロノを盾にしてスバルの砲撃射線上に現れたのは、この騒動を巻き起こした本人である、テトラだった。

 

 

 

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