魔法少女リリカルなのはStrikers~風と桜の記憶~   作:strike

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ヴィヴィオのセリフが難しい……
原作からかけ離れてるような気もしますが、温かい目で見守ってもらえると

ご指摘や感想はいつでも受け付け中です!!

それでは第3話スタートです!!


第3話 お買い物(前編)

なのはの家で話しをしてから数日が経ち、待ちに待った約束の土曜日を迎えた。

翔馬はゆったりと身支度を整え、鏡を見ながら髪を整えると机の上に置いてあった以前と比べて少し形の変わった相棒を手に取り、首からぶら下げると時間に余裕を持って自分の家を後にした。

一方でなのはの家では何故かドタバタ騒ぎが起きていた。

 

「ヴィヴィオ~。 準備できたの~?」

「ま、まっふぇ~!!」

 

ヴィヴィオはなのはに向かってゴムを咥えて髪を結びながら答えると急いで支度を進める。

何故こんなことになってしまったかというと、理由は簡単だった。

ヴィヴィオが今日に限って珍しく寝坊をしてしまい、てっきり準備が出来ていると思っていたなのはは朝食を用意してリビングで待っていた。

しかし、何時まで待っても降りてこないヴィヴィオになのはは痺れを切らして部屋に入ったのだが、そこでは気持ち良さそうに夢を見るヴィヴィオの姿が……。

当然なのはは即刻ヴィヴィオを起こして現在に至る。

翔馬との約束の時間まで残り00:45:39。

 

「う~~~ママ、何で起してくれなかったの!?」

「だって、ヴィヴィオったらいつも自分で起きて来るでしょ? それに前に起しに行った時だって……」

「そうじゃ、いや、まぁ、そうなんだけど……そうじゃなくって~~!!」

「……どっちなのよ」

 

なのはは慌ててるヴィヴィオに苦笑いで突っ込みを入れるとヴィヴィオの部屋の前で支度が整うのを待っていた。

そして、ドタバタ騒ぎがありつつも朝食を済まして出かける準備が整うとなのはは、最後に忘れ物が無いことを確認して家の鍵を閉める。

すると、既に外に出ていたヴィヴィオは少し遠くで足踏みしながらなのはに手を振った。

 

「ママ!! 早くしないと遅れちゃうよ~!!」

「はいはい。 今行くから」

 

遅刻の原因であるヴィヴィオに急かされるとなのはは相変わらず苦笑いでヴィヴィオの横に追いつくと待ち合わせ場所に向かうのだった。

翔馬との約束の時間まで残り00:11:04。

結果は言うまでも無くなのは達の遅刻だった。

 

「ゴメンね。翔馬君」

「いや、そんなに待ってないし、気にするな。 まぁ、なのはが遅刻するのは珍しいとは思ったけどな」

 

なのは達は遅れて集合場所にやってくると、案の定そこには翔馬の姿があった。

翔馬は、深い青色のダメージジーンズに白のインナー、そして上には灰色のカーディガンを羽織った格好でなのは達を迎え、なのは達に対して翔馬は笑みを浮かべてそう言うと、ヴィヴィオが足元でなのはを見上げていた。

 

「ママが急がないからだよ~」

「……遅刻することになった原因の寝坊した子は、誰だっけ?」

「うっ!!」

 

ヴィヴィオの言葉になのはが微笑んでそういうとヴィヴィオはなのはの笑顔と言う名の威圧に怯えて翔馬の足の後ろに退避する。

それを見たなのはは溜息をつき、翔馬はそれを笑って見つめながらヴィヴィオを転ばせないようにショッピングモールの方へ足を踏み出すと、なのはもそれに倣った。

 

「それじゃ、そろそろ行くか?」

「そうだね。 ほら、行くよ? ヴィヴィオ」

 

なのはは笑顔でヴィヴィオに手を差し伸べると、ヴィヴィオは花が咲いたように笑顔を浮かべてなのはの手を取った。

 

「うん!!」

 

そう言って翔馬達は新しく出来たショッピングモールへ繰り出して行ったのだった。

ショッピングモールの中は休みの日という事もあって、とても賑わっている。

簡易ステージでは大道芸が行われていたり、大きな道の真ん中には露店なんかも開いていて道行く人は皆楽しそうだった。

そして左右にはショッピングモール特有の様々なお店が入っていて翔馬達はそれを見渡しながら人の流れに身を任せて歩いていた。

 

「やっぱり大きいね。 ここに来ればある程度のものは全部揃っちゃうんじゃない?」

「そうみたいだな。 それで、何処から回るんだ?」

 

なのはの言葉に翔馬は頷いて斜め後ろを歩くなのはとヴィヴィオに首だけ向けて尋ねる。

 

「この前、一緒にプランを考えたでしょ~? まずはお洋服だよ!!」

 

翔馬の問い掛けにヴィヴィオはジト目で見つめ、それに対して翔馬は苦笑いを浮かべた。

 

「そうだったな。 悪かったよヴィヴィオ」

「それじゃ、3階だね」

 

なのはの言葉に2人は頷くと人混みを掻き分けて目的地へと向い始めた。

そして目的地周辺に付くと3人は足を止めて辺りを見渡す。

 

「さて、どっちから見て回る?」

 

翔馬は自分の洋服がある方向となのは達の服がある方向が逆だったため、なのは達に順番を尋ねると、元々考えてあったのかなのはが答える。

 

「先に翔馬君の洋服を見ようか。 私達は見て決めようって事になったからちょっと時間かかるかも」

「うん。 そうだね」

「そ、そうか……」

 

翔馬はなのはと彼女の言葉に笑顔で頷くヴィヴィオの姿を見て乾いた笑みを浮かべていた。

それもその筈、なのは達の買い物の時間は男の買い物ではありえない程に長いのだ。

なのはは元々買い物をすると決めた時は効率良く進めて行くので翔馬も女の子は買い物が長いと言うのは都市伝説なのだと思った時もあった。

しかし、突発の買い物や現品を見ながら買うものを決める時は例に漏れずなのはも買い物には長い時間をかけてしまうのだ。

 

「俺の買い物は直ぐに終わらせよう……」

 

翔馬はなのは達から少し離れた所でそう決意すると、翔馬の呟き声が聞こえたのかなのは達がこちらに顔を向けた。

 

「ん? 翔馬君、何か言った?」

「いや、何でもない。 気にするな……」

「ん~? 早く行こ~パパ!!」

 

翔馬はヴィヴィオの手を引かれて少し憂鬱になりながら自分の買い物へと向かうのだった。

それから、1時間半後。

 

「……どうしてこうなった」

 

翔馬は、ニコニコしながら前を歩く背中に恨みの視線を向けながら、この2時間で起きたことを反芻していた。

元々、翔馬は普段着ていた服がくたびれ始めていたので同じようなものを探してそれをレジに持って行こうとしていた。

だが、なのは達にそれを慌てて引き留められたため、何事かと耳を傾けたのが翔馬にとっての地獄の始まりだった。

それからというもの、普段と同じ服ではつまらないとまるで着せ替え人形のようにたくさんの服を着せられ、1時間経っても未だに続きそうだった1人ファッションショーを断ち切るため、なのは達が今まで来た服の中で良いと言ってくれたものをベタ褒めしてようやく購入することができ、現在に至る。

 

「やっぱりパパに選ばせたらダメだね~」

「翔馬君はいつも同じような格好だからね。……カッコ悪いって訳じゃないけど、やっぱり少しはオシャレにも気を使わないと」

 

翔馬は前で話す2人の声を聞き流すように、人混みに目を向けた。

 

「……っ!!」

 

するとそこには、この人の多いショッピングモールの中で明らかに浮いた人がいた。

格好は黒いフード付のジャンパーを羽織り、フードは目深に被って顔は良く見えないがその視線は確実にこちらを向いている。

翔馬はその人影を見て嫌な予感を感じ、その人影の元へ向かおうと足を踏み出そうとした時、前を歩いていたなのは達が駆け寄ってきた。

 

「翔馬君? 立ち止まってどうしたの?」

「なのは……。 いや、あそこにいる人が……」

「え? う~ん……あそこって言っても、いっぱいいるよ?」

 

翔馬は1度怪しい人影から視線を逸らしてなのは達にわかるよう指さしたのだが、もう1度視線を向けたその方向には既に人影は見当たらず、ただ多くの客が歩いているだけで、ヴィヴィオは翔馬の指さす方向に目を向けると難しそうな顔をして翔馬を見上げた。

 

「翔馬君……」

 

なのはは、普段の翔馬の様子とは違うものを感じて表情を仕事モードに切り替えると先を促すように翔馬に寄り添う。

しかし、翔馬は肺にたまった空気を深く吐き出すと、なのはの体を優しく押した。

 

「悪い……俺の見間違えだったみたいだ。 今度はなのは達の服だったな? さっさと行くぞ。 さっきみたいに時間を掛けてたら何時まで経っても決まらないからな」

 

そう言って笑顔を浮かべると翔馬はヴィヴィオの空いている手を引くとヴィヴィオは笑顔を浮かべて翔馬に付いて行き、それに釣られる様にしてなのはも足を動かすのだった。

少し心配げな表情を翔馬の背中に向けながら……。

 

 

 

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しかし、なのはの心配は翔馬達との買い物を楽しんでいる内に消え去っていた。

 

「パパ~、ママ~、今度はこれ!!」

 

そう言って出てきたのは、白いスカートにピンクのキャミソールを着たヴィヴィオだった。

それを見た翔馬となのはは揃って笑顔を浮かべる。

 

「ん。 似合ってると思うぞ?」

「うん。 可愛いよ。 ヴィヴィオ」

「あは。 ありがと~。 でも、もう少し見て欲しいのがあるから……ちょっと待ってて」

 

そう言って、ヴィヴィオは試着室のカーテンを閉めて他の服に着替えるようだった。

見ての通り、今度はヴィヴィオのファッションショーに付き合っていた。

そして、色んな格好に着替えて翔馬達に姿を見せるヴィヴィオはさっきから楽しげな表情を浮かべている。

その後、暫くヴィヴィオは色んなファッションに挑戦していた。

ショートパンツを履いて少し大きめのTシャツに帽子を被ったり、シンプルに白いワンピースで髪を降ろしてみたり、チェックのスカートにブラウスを着てみたりと、どれもヴィヴィオに似合ってしまうので翔馬はヴィヴィオが出てくるたびに似合ってると言ってしまい、ヴィヴィオは翔馬にへそを曲げてしまうという事もあったが何とかヴィヴィオの洋服も購入し終え、最後はなのはを残すのみとなった。

 

「さて、なのはの服で俺達の洋服は最後だな」

「そうだね~。」

「うん。 もうお昼過ぎちゃったし……パパッと決めるから、2人共少し待っててね」

 

なのははそう言うと1人で女性向けの服屋さんに入っていく。

それを見た翔馬は少し考えて、自分と手を繋いでるヴィヴィオに目を向けるとヴィヴィオは笑顔で笑って翔馬を見上げていた。

 

「ご飯はまだ大丈夫!! 今はきっとお店もいっぱいだしね!!」

 

翔馬は勘の鋭いヴィヴィオに苦笑いをしながら、ありがとうと呟くとその小さな手を引いた。

 

「それじゃ、なのはの洋服選び手伝ってくれるか?」

「うん!! 行こ!!」

 

そう言って翔馬達もなのはが入って行った店に足を踏み入れるのだった。

そして、なのはの姿を探して暫く店内を歩き回っていると洋服を手に取って少し悩むそぶりを見せる目的の人物を見つけた。

 

「う~ん。 もうすぐ夏だし、季節が変わっても着れるのがいいよね。 良し!!」

 

そう言って手に取ったのは、ロングスカートにカットソーとカーディガン。

そして、それを早くもレジへ持って行こうとする。

 

「「って、なのは(ママ)もいつもと同じ服じゃねーか(じゃん)!!」」

「きゃっ!! って、翔馬君にヴィヴィオ!? 外で待っててって……」

 

翔馬達の突っ込みに体を震わせて驚くなのはは翔馬達の姿を見てどうしてここに居るのか疑問を浮かべていた。

しかし、翔馬とヴィヴィオはそんななのはを放って置いて互いに向き合う。

 

「ヴィヴィオ、お前に任務を与える」

「はい!! 藤田三佐!!」

 

この時点で翔馬は調子に乗ってヴィヴィオとふざけ合うのを後悔し始めたが、もう引くわけにもいかず突っ込みを我慢して続ける。

 

「……高町なのはは俺に対していつもと同じ服はナンセンスだと言ったにも拘らず自分が同じ過ちを犯そうとしていることに気付いていない。 これからお前に与える任務の内容は……わかるな?」

「あ、あの……翔馬君?」

 

なのはは、周囲の視線に恥ずかしくなったのか顔を赤くして翔馬に呼びかけるが翔馬はそれを気にした様子も無くヴィヴィオとの会話を続け、ヴィヴィオと翔馬は良い笑みを浮かべ合うとヴィヴィオは早速行動に移した。

 

「はい!! ママのファッションコーディネートをします!!」

「良し!! やれ!!」

「了解!!」

 

ヴィヴィオは女性用の服を何着か片手に持って可愛らしい敬礼を翔馬にすると早速なのはの手を引いて試着室へと放り込んだ。

 

「ちょ、ちょっとヴィヴィオ!? 私までこんな事してたらお昼の思いっきり時間過ぎちゃうよ!!」

「別にまだお腹減って無いもん。 それよりもママがそんな風にいつもと同じ服を買おうとしていることが許せません!!」

 

ヴィヴィオは誇らしげに胸を張ってそう言うと試着室から顔を出していたなのはは翔馬へと視線を投げる。

しかし、その翔馬は優しげな瞳で笑顔を浮かべていた。

 

「まぁ、せっかく楽しみにしていたショッピングモールでの買い物なんだ。 お前だけが我慢する必要なんてないだろ? 色々と試してみろよ」

「翔馬君まで……はぁ、時間掛かっても知らないよ?」

 

翔馬の言葉にそう返したなのはは少しだけ嬉しそうな笑みを零して試着室の中に入って行った。

そして、それからさらに時間が過ぎて、現在14:00過ぎ。

3人はここに来た時の格好とは違う格好でショッピングモールを歩いていた。

 

「ねぇ、やっぱりこの格好、私には似合わないよ……」

 

そう言ったなのはは少し恥ずかしそうにいつもに比べると丈の短いスカートを押さえるようにしながら翔馬の後ろを歩いていた。

 

「そんな事は無い。 いつもとは雰囲気が違くて新鮮だし、なのはに良く似合ってるよ」

「そうそう。 ママ、可愛い」

「もぅ……」

 

そう。3人はそれぞれヴィヴィオの提案で今日購入した新しい服に着替えたのだった。

翔馬は深緑色のミリタリーカーゴパンツに半袖の灰色Vネックシャツ、そして黒い七分袖のジャケットを羽織った格好、ヴィヴィオは青いジーンズのショートパンツに淡い赤色のチュニックを着ていた。

そしてなのはは、桃色のミニスカートに上は白い半袖のブラウス、ニーハイソックスを履いて茶色のロングブーツと言った格好だった。

 

「はぁ……、それじゃ、ご飯にしようか。 ヴィヴィオも流石にお腹空いたでしょ?」

「うん……。 実はペコペコ」

 

ヴィヴィオはお腹を押さえながら照れ笑いを浮かべると、翔馬はヴィヴィオの横に並んで目線を合わせる。

 

「それじゃ、ヴィヴィオは何が食べたい?」

「う~ん……。 折角の外食だし、でもなぁ……う~ん。 やっぱりここはオムライスで!!」

 

悩んだ挙句、元気よく答えるヴィヴィオに翔馬は立ち上がってなのはと笑みを交わす。

 

「それじゃ、洋食屋だな」

「4階が飲食街になってるみたいだよ」

「早くいこ~!!」

 

翔馬となのははヴィヴィオに手を握られて引っ張られる様に飲食街へと向かうのだった。

そして、時間が時間であったため目的の飲食店には並ぶことなく入る事ができ、翔馬達はそれぞれ注文を済ませ、今日初の休憩に3人はまったりと過ごしていた。

 

「今更だけど、翔馬君とお出掛けするのって久しぶりだね。 先月は忙しそうに市街の方を駆け回ってたみたいだし、先々月もご飯一緒に食べただけだったし……」

「まぁ、これでも武装隊の隊長だしな。 悪いとは思ってるが、こればっかりはな」

 

なのはの言葉に対して翔馬は困ったようにそう言うとなのはも苦笑いを浮かべた。

 

「あ、私は気にしてないし大丈夫だよ。 こっちこそゴメンね。 翔馬君の事情だって知ってるのに」

 

なのはは慌てたように言うと、なのはの隣で机に突っ伏しながらつまらなそうに頬を膨らませる子供がいた。

 

「う~。 折角のお出掛けなんだからもっと楽しいお話ししよ~よ!!」

 

ヴィヴィオはそう言って足をぶらぶらさせると2人は苦笑いでゴメンと一言謝り、代わりになる話を翔馬がヴィヴィオに振ることにした。

 

「そう言えばヴィヴィオはもう3年生だったな? クラスにはもう馴染めたか?」

 

そう翔馬が尋ねると、ヴィヴィオは突っ伏してた顔を上げて笑顔を浮かべた。

 

「もっちろん!! コロナとは1年生からの親友だし、他クラスメートとも仲良くしてるよ」

「コロナちゃんは何度か家に招待したこともあるもんね?」

「うん!!」

 

そんな他愛のない話を3人でしていると料理が運ばれてきてそれぞれの前に目当ての料理が並ぶ。

 

「おいしそ~」

 

目の前に置かれたオムライスにヴィヴィオは目をキラキラさせると2人はその姿に微笑んで声を掛ける。

 

「早速頂くとしますか」

「うん。 それじゃ、ヴィヴィオ?」

「「「いただきます」」」

 

行儀良く手を合わせてそう言うとヴィヴィオはスプーンでオムライスをすくって口に運ぶ。

すると、ヴィヴィオは衝撃を受けたかのように固まったかと思うと突然肩を震わせ始め

 

「う~ん!! おいし~」

 

とろけたような笑みを浮かべてそう言うのであった。

 

「良かったなヴィヴィオ」

「うん!! ここ、毎日来たいかも……」

 

相変わらずおいしそうに食べるヴィヴィオになのはは少し笑う。

 

「流石に毎日来たら飽きちゃうでしょ」

「それにこういうのはたまに食べるからいいんだぞ?」

 

なのは達はそう言って自分達の食事に手を付け始める。

 

「でも、ここの料理意外に美味しいかも」

「確かに。 大抵こういうショッピングモールの中は速さ重視でここまでうまいイメージは無かったんだが……ここを選んだのは正解だったかもな」

 

そう3人はこの店を絶賛しながら食事を進めて行く。

そして、穏やかにこの食事が終わると思っていたのだが、やはり波乱の始まりはヴィヴィオだった。

 

「あ、パパこれ食べてみる?」

「ん? くれるのか? ありがとな、……うん、うまいな。 それじゃ、お返しにこっちのハンバーグステーキをやるよ。 ほら」

 

翔馬は差し出されたオムライスのかけらを口に含むとお返しにハンバーグをヴィヴィオの口に合わせて切って、口元まで運んでやった。

 

「あ~んっ!! うん、ハンバーグもおいしい!! ねぇ、ママのは?」

 

そう言ってヴィヴィオはなのはに顔を向けるとなのはは自分の皿にあったカルボナーラを小さくフォークで絡め取るとヴィヴィオの口に運んでやりお互いに料理を食べさせ合った。

そして、ヴィヴィオはおいしく3人分の料理を少しずつ食べると2人の顔を見比べて笑みを浮かべる。

その瞬間、なのはも翔馬もヴィヴィオが浮かべた笑みの意味を即座に感じ取り顔を引きつらせそうになる。

 

『なのは。 この状況になった時点で俺達の負けだ……。 何言われても顔に出すなよ?』

『……諦めるしかないんだよね。 っていつもそうなっちゃうけど、私達何気に子供に悪影響与えてない?』

 

なのはの言葉に翔馬は何も言い返せず、苦笑いを浮かべるのだった。

そして、僅か数秒の間に念話でそんなやり取りをしていると案の定ヴィヴィオの口が開いた。

 

「ママ達は交換しないの?」

「ママ達は大丈夫だから気にしないで? ほら、翔馬君のご飯とは全然違うし」

 

と、なのはは最後の抵抗を試みるがそれは全く意味をなさなかった。

 

「……だから、交換し合うんでしょ?」

「そうだね……」

『諦めろ、なのは』

『そうする』

 

なのはは心の中で子供に見られながら何をしているんだろうと思いながら、顔は笑顔を保ってヴィヴィオよりも大きく絡め取ると翔馬の口元に差し出す。

 

「はい。 翔馬君」

「ああ。 ……うん、うまい。 それじゃ、これはお返しな。」

 

そう言って翔馬は自分の分をなのはの口元へと近づけた。

その瞬間になのはの頬に赤みが差したように見えたが、ヴィヴィオには多分気付かれないだろうと思いながらもなのはを急かすようにさらに近づける。

 

「どうした? 口開けないと食べられないだろ?」

「……あ~ん。 ……お、おいしいです」

 

いきなり敬語になって顔を赤くした彼女に翔馬は苦笑いを浮かべてヴィヴィオの様子を見ると、ヴィヴィオは嬉しそうにオムライスに夢中になっている。

それから暫くして、なのはの様子が落ち着いたことを確認すると3人は再度ショッピングモールでの買い物を再開するのだった。

 

 

 

 

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