この作品やったのいつだったか…。うろ覚えの設定と、熱きパワポケ愛が残っています…。
ガタン。ガタッ。ガタン。
妖しい赤色の月が、再び顔を覗かせた。2人を乗せた馬車もどきはどうやら、居心地が良いとは言い難いこの森を抜けたようだ。聞こえてくるのは、おかっぱ頭でメガネの少年カイダの妙に落ち着く寝息と、馬車もどきの手綱を握ってこれまた寝ている…
寝ている…?まさか、な…。 …いや、あれは寝ている。間違いない。
たとえ進路をとる人間がいなくても、きっと、この道をひたすら馬車として歩かされるうちに、あの2頭の馬もどきは時計仕掛けのごとく、寸分違わずに仕事をこなすようになったのだろう。
ガタン。ガタッ。ガタン。
さて。
もう目的地の門が見えてきてしまったわけだが。
あいにく門番の方々には見せられないようなブツをたくさん持ち込んでしまっているボロコートの男は、そそくさと降りる支度を始めた。
悪いがもう降りるよ。とでも言うように。
もちろん運賃は置いていく。ついでにお手製チップもオマケだ。
「カイダ。起きろ。着いたぞ」パシパシッ。
「起きたでやんす…。起きたでやんすから!」
ー …どうも叩き過ぎたらしい。カイダが拗ねている。
「…先生は寝なかったんでやんすか?」
ー あぁ、寝てないな。この依頼を受けて以来、嫌な予感がして仕方がない。
リンのやつとも連絡取れないし…
「…んせ〜い?クリア先生!それより降りるんじゃないんでやんすか?」
「そうだったな。行こうか」
「先生、いつも思うんでやんすけど…、チップに獣の皮とかっていうのはどうかと…」
一行は馬車もどきを後にして、目的地に到着したようだ。
「確かに売れるモノでやんすけど、起きたら目の前に獣の皮なんかあったらドン引…」
「カイダ、少し黙れ」
18歳とか、そこらだろう。槍を携えた青年が歩いてくる。
…なかなかどうして、様になっているハンターである。安物ながら使いこまれた槍もいいが、このジャンク感ある茶色いマント。これだ。
…ジャンク感、なんてのはむしろこの青年よりも2人に言えることだが。
ほとんど同系色の紺色のボロコートに身を包み、未だに肌身離さず形見のゴーグルなんか持っているわけだし。
…カイダが意味深に師匠であるボロコートの男を見ている。同じようなことを考えたようだが、おまえの格好も大概だぞ。
彼の弟子だから当たり前、か…。
さて。
ジャンク青年が言う。
「真理はいずこに?」
ボロコートの男、『クリア』が答える。これが今回の合言葉。
「魂と数理に」
対魔物秘密結社『銀の盾』所属の、知る人ぞ知るベテランハンターのクリア(と弟子のカイダ)と、槍使いの新米ハンター、トレロ。
ベルデンにて、合流。