とある竜のお話 改正版 FE オリ主転生 独自解釈 独自設定あり   作:マスク@ハーメルン

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とある竜のお話 第二部 四章 2(実質12章)

 

 

 

 

エトルリア王国の王都アクレイアは竜族の王都である殿が戦争によって崩壊した今、名実共にエレブで最も巨大な都市である。

 

この四方を堅牢な城壁で囲まれ、そして完全に整理された街は地上に作り出された一種の巨大な芸術品とも言える。

きっちりと区画分けされ、神経質とも言える程の密度で並んだ宿屋や民家、酒屋や商店街などのありとあらゆる建物の間を

蜘蛛の巣の糸の様に無数に通路が駆け巡り、その道の上を数え切れない程の人間が闊歩している街……まさしく此処は今のエレブの中心。

 

 

 

何百と言う数の塔や城が天に向って突き刺さるように立っている光景は人と言う種が持つ可能性を見る者に感じさせた。

竜族を打ち破り、完全にこのエレブ大陸を支配する種となった人間の力と知恵と……傲慢を、だ。

 

 

今やこのエレブの支配者になった人間に敵はない。そう言外にこの街は述べているのだ。

 

 

 

そして何十万という数の人間が群れた蟲の如く巨大な街道を埋め尽くし、それぞれが、ぞれぞれの人生を、生活を送っていた。

道端で露店を開いている者も居れば、立派な銀色のフルプレートを着込んだ騎士の一隊が歩いていたり、

中には豪奢な鎧を着込み、馬に跨った身分の高いであろう騎士が威張りちった様子で周囲を睨みつけていたりもする。

 

 

 

ナバタの里にある竜族専用のを除けば間違いなく世界でも最大の大きさを誇る石造りの道路にはひっきりなしに馬車が馬の鳴き声と共に駆け回り

それらはガタンガタンと揺れながら数頭の馬に引かれて走り去っていく。その音は近くの者のブーツの底まで響かせるほどだ。

複数の騎士がその馬車を護衛しているのを見る限り、中には相当に身分の高い貴族か、またはソレに匹敵する権力か名声を持つ者なのだろう。

良く見ると、道端には無数の馬の蹄の後が残されており、どれほどの数の馬がこの場を通って行ったかを遠まわしに伝えている。

 

 

 

天から降り注ぐ太陽の光が街の至るところに設置された名高い芸術家達が作った石の彫像を照らし出し、その存在をアピールしている。

全ての彫像に共通しているのは全てがとある場面をモチーフに作られている、というところだ。

即ち、人間と言う種が竜と言う種と戦っている場面、もっというならば、人間が竜に勝っている場面である。

 

 

彫像は一つ一つが違う人物を元に作られたらしく、その種類は全部で大よそ8つあった。

 

 

ソレは見事な装飾の施された槍を構えた騎士や、鍛え上げられた馬に跨り疾風の様な速度で弓を番え、今にも放たんとする少女。

全てを焼き尽くす業火を操る深い髭をたたえた正に賢者とも言うべき存在感の老人。

小さな身の丈に似合わない巨大な剣を軽々と振るう勇敢な者、神に愛され、全ての光と神の力の元に竜族を裁こうとする聖女。

闇を纏ったような男か女かさえも判らない謎の人物、見ているだけで狂気が伝わってきそうな狂相を浮かべた戦士。

 

 

 

 

 

そして……そして、巨大な剣と一振りの長剣を手に竜に戦いを挑む逞しい肉体を持った、正しく英雄と言った風貌の男。

他の7つの像はこの男の像を中心に円形に配置されている。まるでこの男の護衛のように。

場面こそ違うものの、このアクレイアに存在する全ての芸術は彫像、絵画、ステンドグラス、その全てにおいてこの8人の人物が描かれていると言っても過言ではない。

もう一つ共通するのは例外なくこれらの人物は竜族に打ち勝っている場面のみを描かれているということだ。

 

 

 

 

そして規則正しく円形に広間の中央に設置された彫像を一人の茶色い質素なローブを纏い、フードを被った人物が身動き一つせずに眺めている。

身の丈は成人した男性ほどではなく、どちらかといえば、少し細身の十代中盤の少年のようだ。

筋肉なども余りついておらず、近くで見れば軟弱なイメージを抱くだろう。

 

 

そこらへんを歩いている騎士がその腕力を持って力を少し込めれば、折れてしまいそうな程に線が細い。

 

 

 

 

「お前さん、さっきからじっとハルトムート様の像を眺めているがどうかしたのかい?」

 

 

 

不意に声を掛けられたローブの人物がゆっくりと、一種の余裕さえ感じさせる動きで振り返り、自らに話しかけてきた者に向き直る。

サラサラと黒い髪がフードの隙間から零れて揺れる。そして髪の色と同じ黒曜石の様な瞳が動いた。

サカに住まう民族らと一見同じ様に見えるが、何処か根本的に違った雰囲気を放っている眼と髪だ。

 

 

 

 

「この像の人物の事を知っているのですか?」

 

 

声の主である眼前に立つ初老の男性にローブの少年が問いかける。

やはり声の質からすると少年なのだろう。甲高くもあり、それでいて男特有の深さもある。

それと同時に言葉の端からはまるで歴戦の戦士の様な圧倒的な余裕が見え隠れしている。

 

 

 

 

「お前、知らないのか?」

 

 

 

男の声に驚愕が混じる。

例えるならばソレは世界の常識を知らない者に向けるかの様な、一種の憐憫さえも感じさせるもの。

何で食べ物を食べないといけないの? と聞かれたかの様な呆れさえ含まれている。

 

 

そんな男の反応にローブの少年が小首を傾げた。黒色の瞳が鈍く輝き、唇を尖らせてあからさまに不機嫌だと主張した。

 

 

 

「自分は戦争の時は僻地に隠れていましたからね。街に出てきたのもつい最近なんですよ」

 

 

 

ですから余り今のエレブの事は知らないんですよと、続けながらもフードにその白い手を掛けてソレを頭から降ろす。

真っ黒な絹、それもかなり上等な、そうとしかいえない程に手入れの届いた髪が

フワリと今までフードに押さえつけられていたからか広がり、まるで焼きたてのパンの様な柔らかさを帯びたそれが日の元に晒される。

 

 

男がふん、と鼻を鳴らした。まるで頼れる俺が全てを教えてやると言わんばかりに。

しかし不思議と嫌味に感じないのはこの男の根がお人よしだからなのだろうか。

少年はこの何処かくたびれたような感じのする男を見てそう思った。

 

 

「よかったら、教えてくれませんか?」

 

 

小さく手を振り、宥めるような動作と共に少年が声を発した。

まだまだ熟し切れていない年の子供特有の高いソプラノ音。

 

 

「いいぜ、なら俺が教えてやる」

 

 

男は上機嫌そうに鷹揚に手を大きく振ると、ついてこいと言わんばかりに少年に向けて顎をしゃくった。

キョロキョロと周囲の人の川や王都アクレイアの巨大な古代からの建築物を一つ一つ丁寧に観察しながらも少年は男に付いていく。

 

 

最初に男が向かったのは小柄な人物の像だ。

手には業火を纏った自分の身長と変わらない巨大な剣を握っている。

像なので色はついていない為によく判らないが、この像を作った芸術家はいい腕をしているのだろう。

このモデルになった人物の特徴をよく表しているらしく、この者の瞳は力強く、希望と勇気に満ち溢れている。

 

 

 

「このお方は“小さな勇者ローラン”様。 神将器【烈火の剣】デュランダルを使いこなしたリキアの希望さ」

 

 

 

「神将器?」

 

 

少年の素朴な質問に男がやれやれと言わんばかりに肩を竦めて、溜め息を吐いた。

眼を細め、少年を「こいつ、何も判っちゃいない」と言わんばかりに見下した眼で見つめる。

ムッとした表情で見つめる少年の顔の前に男の指が人差し指が突撃槍の如く突きつけられ、小さく左右に振られた。

少年が煩わしそうに手で蚊を払いのけるようにその指を払いのけた。

 

 

 

「神将器っていうのはな、神が俺たち人間に与えてくれた竜族と渡り合うための力を持っている武器だ」

 

 

 

「神様?」

 

 

 

少年がたまらず噴出す。まるで子供が話す夢物語を笑い飛ばす大人の様に。

頬の筋肉を微かに痙攣させつつ彼は綺麗な笑顔で男に笑いかけ、手で男の肩を軽く叩いた。

 

 

 

「俺が子供だからってからかわないで下さいよ! 神様ってのはかつて竜族がそう呼ばれていただけでしょう?」

 

 

かつての竜族の中には人間に文明を与えた者も居る。

それだけではなく、食物の効率的な生産方法や、新しい術や言語、病の治し方などを伝授した存在も確かに居た。

災害から人々を守っていた竜も居た、そういう事実を纏めてしまえば、確かに竜族は人間にとっての神だったとも言えるかもしれない。

 

 

少年の竜族と言う発言に付近の者達が一瞬だけぎょっとした表情を浮かべるものの、すぐに子供の他愛ない戯言だと自己完結して直ぐに各々の日常に戻っていく。

 

 

 

「いや、俺の言う神ってのは竜族の事じゃないぞ?

 そりゃ、確かにリキアやイリアには物好きな竜が居たって話は聞いたことあるが、基本竜は人に興味なんて持ってないからな、俺は神とは認めてないね」

 

 

 

神様っていうのはだな、と呟きながら男が懐に手を伸ばし、ごそごそと何かを探すように手を何度も何度も動かす。

どうやら大分ポケットの中身は整理されていなかったらしく、お目当ての物を探す作業は大分難航しているようだ。

魚の骨。数枚の銀のコイン。何かの汚れた紙。ズタボロの小さな麻袋。

これらがポケットから排出された後、ようやく男は目当てのモノを見つける事が出来たらしく、掴んだソレを少年に突き出した。

 

 

ソレは円形に配置された7つのシンボルが線によって繋がっているという紋章らしきモノが書かれた一枚の布だ。

7つのシンボルはそれぞれ、炎、氷、雷、魔術における【理】を意味するマーク、闇、光、風を象徴するかの様なマークに別けられる。

 

少しでも魔術を齧ったことのある者ならば直ぐにこのシンボルが上記の属性を象徴するマークだと気が付くだろう。

そして少年にはこのシンボル達が魔術的な要素を含んでいる事に気がつくだけの知識があった。

 

 

「これは?」

 

 

 

少年が突然眼の前に出された布に困惑の表情を浮かべ、その色白な顔を傾げた。

仕方ないといえば仕方ない。むしろ当然の反応だろう。

いきなり魔術の紋章の書かれた布を得意気な顔で突きつけられたのだから。

 

普通ならばこいつ何をやっているんだ? という呆れと侮蔑の表情が浮かぶ所だろうが、少年は普通に疑問を浮かべただけだ。

 

 

 

「エリミーヌ様のシンボルマークさ。意味は他者との関わりを大切にしろって訳だ」

 

 

 

「エリミーヌ?」

 

 

はぁ、と男がさっきよりも深い溜め息を吐いた。

そして少年の頭をその皺だらけながらも無骨な手でわしゃわしゃと撫でやる。

一瞬だけ嫌そうな顔をした少年だったが、抵抗することなくその手を受け入れ、されるがままになった。

傍から見ればこの光景は孫が祖父にからかわれているようにも見えるだろう。

むすっとした顔で老人に撫でられる少年というのはとても可愛らしいものであり、微笑ましくもある。

 

 

 

「エリミーヌ様もこのローラン様と同じ八神将のお一人さ……まさかお前、さすがに八神将は知っているよな?」

 

 

 

ぶんぶんと少年が首を横に振ると男はさっきよりも大きな溜め息を吐いて、更に激しく少年の髪の毛を撫で回した。

痛い痛い、やめてやめて、と少年が頭を小さく振り抵抗し、男の手を払いのける。

 

 

 

 

「八神将ってのはだ、言ってしまえば俺たち人間を勝利に導いた……」

 

 

 

「英雄?」

 

 

少年の探るような声に男は頷いた。少年の黒い瞳が小さく細められた。

それに対して男の眼には溢れんばかりの憧れと言う輝きが満ちており、まるで誇り高い騎士に憧れる純粋な少年の様な光を放っている。

なるほど。確かに八神将というは本当の意味で英雄なのだろう。そう少年は思った。

その存在を語るだけでこんな初老の男の心を震わせ、憧れさせ、そして支えている。

 

 

英雄と言うのはただ強いだけではなれないのだ。

人々に愛され、そしてその活躍を千年、二千年と語らせるだけの存在感と威光がなくてはならない。

英雄は不死身だといわれるのも、何となくであるが少年は得心できた。

 

 

英雄はたとえその身が滅んでも、彼らは人々が語り継ぐ物語の中で 精彩を放ち続けていくのだから。

 

 

 

「よろしければ、詳しく教えてくれませんか? 凄く……気になります」

 

 

 

黒光りする真珠の様な瞳が人懐っこい笑みを形作り、少年が期待に満ちた声で言う。

初老の男の顔が更に輝きを増し、よほど気分がいいのだろうか、小柄な子供の小さな肩をバンバンとはたいた。

何も知らない者に自分が憧れる存在を紹介するとき、人は恐らく気分が昂進するのだろう。

どれほどソレが素晴らしいか、どれほどソレがすごいのか、それを誰かに伝え、理解してもらうという行為はやはり心地よいのだ。

 

 

 

「先ずは八神将のリーダーでもあり、倒した竜共の本拠地に新たな国家をお作りになった、ハルトムート様だ」

 

 

 

 

「────」

 

 

 

無言で少年が笑みを浮かべたまま、顎をしゃくり男に先を言えと促す。

さながら墨で塗りつぶした様な漆黒の瞳が男をじぃっと見つめている。

少年の視線に少しばかり背筋に寒いものを感じつつも

男はそれが気のせいだと思い、自分がそういえばこの数日間あまりよく眠っていない事を理由にして軽く流すことにした。

 

 

 

男が視線を向けるのは最初に少年が見ていた石像、 精緻を極めた人の手によって生み出された芸術の一つ。

精悍な肉体を持ち、その手には身の丈ほどもある巨大な剣と、一目で国宝級だとわかる意匠の凝られた長剣を携えた男の像だ。

 

 

この像を仮に誰か第三者が見たとしたら、第一の印象として『神々しい』と恐らく言うだろう。

先のローランの彫像は見ていると、共に戦ってやろうと言う勇気、共に在ろうと言う希望が沸いて来るのだが、コレは違う。

 

 

ハルトムートは……違った。

彼は英雄ではあるだろう。偉大な竜族を倒した英雄達のリーダー。

最強の英雄王と言われるであろう人類の救世主。

 

 

その全てである彼は……この像を見るだけで判るほどに常人とは根本的に違った。

やはりこの像を創った芸術家は腕が良いのだろう。元はただの石の塊を、一つの完璧な芸術に昇華させているのだから。

 

 

ハルトムートという男は、本当に人間なのだろうか? 少年は像を見つめてふと、そういう考えを自分の中で渦を巻いていることに気が付いた。

切れ長の全てを達観していそうな淡い瞳、これはあくまでも模造品である像だというのに、叩きつけられるように感じる圧倒的な存在感と重圧。

それでいて単なる戦士のような野蛮さは一切感じず、それどころか、見ているだけで平伏したくなる王としてのカリスマとでもいうものが全身から溢れている。

 

 

彼は戦士というよりも、生まれながらの王と言われたほうが納得できるだろう。

 

 

王……なるほど。確かに彼は王様なのだろう。しかもただの王ではない。

竜族を屠り、その地に新たな国家を創造した偉大なる覇王だ。

これから先、千年以上も彼の名と栄光は語り継がれていくことが確定した男、それがこのハルトムートという大英雄。

 

 

次に少年はこのハルトムートが持っている二つの武器に眼を移す。

彼の体躯ほどもある巨大な剣と、それと比べれば小さいが、何故かこの大剣よりも存在感のある壮麗な装飾を施された長剣を観察するように見る。

正確には剣の柄のちょうど中心に植え込まれた宝珠らしきものを。何故だか、そこが無性に気になったのだ。

 

 

男がハルトムートの像に眩しい視線を送りつつ、言葉を紡いでいく。

 

                         

「この御方は、神将器【英武の大剣】エッケザックスと、炎の紋章を用いて竜を倒し、戦乱に終止符を打ったんだ」

 

 

 

「───“炎の紋章”?」

 

 

男が大げさなまでに肩を竦めた。全く判らないといわんばかりに。

少年も同じように肩を竦め、あからさまに落胆したと言った顔をした。

これ以上ない程失望の篭もった溜め息を大きく吐いて、男を何処か悲しいものを見る眼で見つめる。

 

 

 

 

「そうですか、では他の神将の事も教えてはくれませんか?」

 

 

 

男は少年の失望に気がつく事なく輝かんばかりの笑顔で頷き

少年に言われるまでもなくハルトムートを中心に配置されている7つの像に眼をやって順々にソレら一つ一つを示していく。

と、ここで少年は気が付いた。この男の眼に宿る感情が単なる憧れだけではないことを。

何と言い表せばよいのだろうか……そう、郷愁に似た感情がその瞳の中で渦を巻いている。

さながら遠い昔の戦友を見ているかのようでもある。

 

 

 

「ハノン、ローラン、エリミーヌ、バリガン、アトス、ブラミモンド、テュルバン、そしてハルトムート」

 

 

 

その名を謳う様に、その存在を称える様に、彼は一つ一つの名を唱えていく。

まるで華麗な詩を読み上げるかのごとく。一つ名称を謳いあげるごとに彼は気分が高揚していってるのだろうか、声が上ずってきている。

 

 

 

「…………」

 

 

 

 

「【疾風の弓ミュルグレ】【烈火の剣デュランダル】【至高の光アーリアル】【氷雪の槍マルテ】【業火の理フォルブレイズ】

 【黙示の闇アポカリプス】【天雷の斧アルマーズ】【英武の大剣エッケザックス】」

 

 

一つは何処にでもありそうな質素な作りの弓。

主の名前はハノン。二つ名は【神騎兵】まだまだ幼い外見の少女だ。ウェーブが微妙に掛かった長髪を翻し、馬に跨っている。

しかしその顔に浮かべる表情は正に歴戦の強者と断言できる程に覇気に満ち満ちていた。

 

 

一つは人の身長と同じ、もしくはそれ以上の大きさを誇る簡素な作りの劫火を纏った剣。

他の神将に比べても比較的小柄な男性の名前はローラン。【小さな勇者】と呼ばれる男だ。

彼は自分の身長と同等か、もしくはそれ以上に巨大な【烈火の剣】を片手で軽々と持ち上げていた。

 

 

一つは本そのものが太陽の如き輝きを放つ絢爛な装飾の施された書物。

この書の主はハノンと同じ年齢ぐらいの美しい少女だ。

彼女はハルトムートとは違ったカリスマの持ち主でもあった。

何故ならばこの安らかな微笑を浮かべいる像を見ているだけで、自然と彼女自身に興味が湧いて来るのだから。

 

 

一つはまるで極寒のイリアで吹きすさぶ、吹雪を連想させる見ているだけで心胆が凍えるような鋭利さを持つ長槍。

これを持つはハルトムートに匹敵する鍛え上げられた逞しい肉体を持った大柄な男だ。

鎧と兜を着込んだその男は威風堂々と馬に跨り、恐らくは敵である【竜】をそのむき出しの剣の様な鋭利な瞳で睥睨している。

まさしくその威圧感、そしてその立ち振る舞いは騎士の中の騎士といえよう。

 

 

 

一つは万物を焼き滅ぼす、竜の吐息の如き炎を内包せしめし魔道書。

この魔道書を持つのは一人の老人だ。恐らく八神将で最も高齢な人物であろう。

彼の名前はアトス。【大賢者】と呼ばれる魔道士。

だが、老人と言うのは控えめに見ても絶対に嘘だろうと少年は思った。もしくは老人の皮を被った若者。それが少年の評価だ。

何故ならばその眼に宿る生気と覇気、そして確かな知識と知恵の輝きは下手をすると全神将の中でも最も強いかもしれないからだ。

 

 

 

 

 

一つは深遠に至る闇を秘めた禁忌の書。

この人物は男もよく判らないらしく、ただ一言で全てを括られた。

即ち【謎多き者】本当の意味での【闇術師】である、と。

ローブを着込み、すっぽりとフードで顔を覆っているため容姿は判らない。

ただ、フードの中にある深い闇だけが印象的であった。

 

 

 

一つは狂い荒んだ天で暴れ狂う荒々しい雷を連想させる巨大な斧。

この武器の持ち主は本当に人間なのか? この像を見た少年はそう思わずにはいられなかった。

この斧の持ち主である【狂戦士テ】テュルバンのどう控えめに見ても3メートルを優に超す人外じみた巨大な体躯のせいでアルマーズは小さく見えるが

実の所この斧の大きさはあの【烈火の剣】や【英武の大剣】に匹敵するか、もしくはそれ以上だ。

だがテュルバンはそんな巨大な戦斧をまるで手投げ斧のようにその丸太の様に太い腕と、岩石の如きごつごつとした巨大な片手で平然と持ち上げている。

この男は素手でも人はおろか、飢えた獣でも軽々と屠れるだろう。

 

 

 

そして最後にハルトムートが持つ巨大な大剣エッケザックスと……。

 

 

と、ここで少年は疑問に思った。

ハルトムートはもう一つ武器を持っている事に、そしてその武器の名前を男が紹介していない事を。

 

 

「ハルトムート……様が持っている、あの長剣は何ですか? アレも神将器の一つ?」

 

 

 

人差し指で刺されるはハルトムートの持つもう一つの剣。

エッケザックスに比べれば小さくて細く、ただの長剣に見えなくも無いが、何故だかこの剣がさっきから無性に気になっているのだ。

もっというならば、この剣の柄に埋め込まれた一つの宝珠が。まるで燃え盛る太陽の如き輝きを内包した様な存在感を放つソレが。

 

 

 

「アレは俺にもよく判らん。何だか炎の紋章”やら魔竜と何か関係があるらしいが……」

 

 

 

「魔竜について詳しく教えてくれませんか?」

 

 

「え?」

 

 

「魔竜について、貴方が知っている事を、どんな事でもいいから教えて欲しいんです。お願いします」

 

 

 

正に電撃的という言葉が相応しい。少年は男が言葉を話を終える前に待ちきれないと言わんばかりに言葉を放った。

言葉と共に少年が小さく頭を下げる。正しく人に何かを頼み込む姿勢。

有無を言わせない、という事はこういう事なのだろう。男は自らがこんな頭3個分程も小さい体形の子供に妙に威圧されている事に驚き

少しばかり呆気に取られながらも直ぐに、先ほどまでの自慢話の際の高揚感を取り戻して、

必死に自らが保有している魔竜と尊敬する人物であるハルトムートについての情報を頭の中から捻り出して行く。

 

 

男は尊大に、出来るだけ偉そうに語り始めた。

何とも大人気ない態度だが、少年は今まで一番真剣な表情で男の言葉に全力で耳を傾けている。

 

 

「魔竜ってのは、言ってしまえば竜族の王様さ。他の竜より強いのはもちろんの事、こいつは更にとんでもない事が出来たらしい」

 

 

「と、言うと?」

 

 

「魔竜は、自らの能力で、竜を無限に作り出せたとか……」

 

 

「あぁ」

 

 

少年の返答は黒曜石の崖の様に冷え切ったものであった。

まるで、そんな事はたいしたことではない、知りたいのはもっと別の事だ、と言外に判るほどに冷たい声音。

もっと言ってしまえば、そんな事は知っていると言わんばかりの態度と雰囲気を纏った声だ。

もしくは、そんなつまらない事などどうでもいい、と言っているかの様な口ぶり。

 

 

竜を作り出す。コレは恐ろしい能力だ。世界を滅ぼせる力とさえ言える。

個体数と繁殖能力以外では人間とは比べることさえ無意味に思えるほどの次元の違う程に能力の差がある竜族。

純粋な身体能力はもちろん、魔力も技術力も、そして知恵もだ。竜はあの恐ろしい外見とは裏腹に、人間よりも遥かに思慮深いのだ。

 

 

一柱の竜を神将と神将器抜きで倒すには誇張抜きで数万の対竜の武器と鎧で完全武装した兵士の犠牲を覚悟しなければならない。

最悪、その万単位の軍団が全滅する可能性さえあるのだ。

神将が率いて高い士気を維持し、一人一人の死を恐れない人間達の精鋭が死力を尽くし、念入りに何重にも策を張り巡らし、地形を利用し

各々が与えられた対竜用の武器と強力無比な最上級の魔術を完全に使いこなして初めて人間は竜と対等に戦える。いや、それでも絶望的なまでに苦戦するだろう。

 

 

絶大な力を持った竜を無限に生み出すという力は正に人類にとっての悪夢に他ならない。

そんな恐ろしい能力を聞かされての反応がたった一言「あぁ」だけ。

 

 

「他には?」

 

 

 

「他?」

 

 

 

「その魔竜はどうなったんです?」

 

 

「竜じゃなくて、俺たちが此処に居るだろ?」

 

 

 

つまりは、魔竜はさっきも言ったようにハルトムート様に倒されたという事だ。と男は続けた。

少年がふっと肩を落とし、輝かしいばかりの、安らかな微笑を自然な動作で浮かべた。

綺麗な笑顔だ。まるで純粋無垢な少女が浮かべる笑顔のようでもある。

 

 

しかし、何故だか男は、少年に嘲笑われた気がした。

何も知らない無知な存在を嘲るように、少年が笑ったように見えたのだ。

この朗らかな笑みの裏側で、お前はやはり何もしらない、哀れなものだ、そう言われた様に思えた。

 

 

「ありがとうございました」

 

 

慇懃無礼、そんな言葉さえ浮かぶほど行儀良く少年が深く一礼し、その人差し指を緩慢な動作で男の眼前に軽く突きつけた。

そして一言。彼は決定的な言葉を口にする。指が筆の様にすぅっと小さく左右に振られた。黄金色の軌跡が指の残像を形作り、そして消えていく。

彼の口から放たれた言葉は確かな魔術的な重みを宿し、男の存在の奥深くに根を張り、男の思考回路を毒す。

 

 

「今日、貴方がここで俺と話したことはちょっと後には忘れてるでしょうね」

 

 

「あぁ、俺はあんたとここで会ったことは直ぐに忘れるだろうな」

 

 

鸚鵡返し、そんな表現が相応しい様に男は少年の言葉を繰り返していた。

満足気な表情と共に小さく少年が顔を愛らしく傾げてウィンクした。そしてもう一度彼は魔力が篭もった言葉を放つ。

圧倒的な魔力と共に飛ばされる言霊は魔術に耐性のない男の心を容易く侵食し、その考えを本人さえ認識できない内に捻じ曲げていく。

 

 

 

「家に帰って、ゆっくりしたらどうですか?」

 

 

「そうだな。家に帰ってゆっくりするよ」

 

 

もう一度同じように男が言葉を繰り返し、裾を翻し、腰に差した小さな剣をカチャカチャと音を立てつつ歩いていく。

そして彼は一度振り返り、そして今思い出したかの様に言った。

いや、事実彼は今思い出したのだ。そして少年にソレを言おうと自分の意思で判断したのである。

この少年は神将の事を知らない。ならば、実物を見るチャンスを与えてやろうじゃないか、という大人の心で。

 

 

 

「そうだ。今日から一週間、このアクレイアでは大規模な祭りがあるんだ。

 神将の方々も集まって会議をした後、祭りに顔を出すらしいから、お前も顔だけでも見ていったらどうだ?」

 

 

 

「それはどうも」

 

 

 

もう一度だけ少年がお辞儀をして、男を見送る。やはり綺麗な笑顔のまま。

男の姿が喧騒賑やかな街の人ごみの中に完全に消えていったのを見計らって彼は笑顔を無表情に変えて、背後の神将たちを模した芸術品に向き直った。

揺ら揺らと体と髪の毛を左右に揺らし、一つずつ、もう一度じっくりとその黒い瞳で値踏みするかの如く観察していく。

 

 

『小さき勇者』ローラン

『狂戦士』テュルバン

『騎士』バリガン

『大賢者』アトス

『闇術師』ブラミモンド

『英雄』ハルトムート

『聖女』エリミーヌ

 

 

ぐるっと首を回して見上げた視界に蒼い空と共に各々の像を見て、そして少年の視線は一人の英雄の前で停止する。

 

 

それは『神騎兵』ハノンの像。

 

 

彼女が引き絞っている弓、ミュルグレは恐らくは竜を狙っているのだ。竜の命を、鹿を殺すのと同じ要領で狙っている。

彼女はこの戦争で数多くの“竜”を直接、もしくは間接的に葬ったのだろう。

そして彼女は、イドゥンにもその矢先を向けたのだろうか?

 

 

 

「ハノンさん……」

 

 

 

少年──イデアの意思と自我を持った分身は、小さくハノンの像の表面を、愛おしむ様に、指で優しくなぞった。

随分と違う立場になったものだ。あの時は命がけで俺たちを守ってくれたのに。今や彼女は竜殺しの英雄。そして自分は竜。

まるで御伽噺の中の悪魔とそれを征伐する騎士の様な関係。

 

 

それが今の自分とハノンの立ち位置だ。

もしも出会ったら、きっと両者にとって最悪の結果を招くことになる。

もう、あの凛々しい女性に会うことは許されない。

 

 

小さくイデアが頭を振った。諦観さえ含んだ眼で最後にもう一度だけ熟視し、そして彼はふっと笑みを零した。

考えていても仕方が無い。今はこの街の探索を楽しんで行うとしよう。

 

 

フードに手を掛けてそれで頭をすっぽりと覆うと、彼は何処にでも居る旅人の様な姿になる。

全くと言っていいほど目立たない姿。事実、先ほどまで像の前で男と長々と話していたが、誰一人として彼らに意識を割く者は居なかった。

何百という人間らが隣を歩く中で、堂々と術を使って軽い精神操作を男に施したというのに、おかしいと思う者さえいない。

 

 

よく周りの人物の様子を見てみると、心なしか皆々が何かを期待し、楽しみにしているかの様な表情をしている。

もっといえば、現在に余り注意を払っていない。まるでもうすぐで夢が叶いそうな子供の様に、楽しみにしている何かを心待ちにしているのだろう。

 

 

そういえば、そろそろ彼らにとっての救世主である八神将とやらがこの街にやってくるらしい。あの男はそんな事を言っていた。

納得を得たと言わんばかりに彼はフードの中で小さく頷いた。様は、その行事を子供がサーカスを楽しみにするように、待ちかねているのだ。

 

 

 

 

侮蔑するようにイデアがささやかに表情を緩めた。

ならば、自分も少しだけそのイベントに参加してみよう、もちろん観客として。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしまぁ、良くもこんなに騒げるものだ。

 

 

アクレイア中を覆い尽くす、物理的な力さえ持っているのではないか、と思えるほどに濃厚な人々の熱気と歓喜を遠目から眺めつつイデアは胸の内でそう判断を下した。

街中を行く者の顔に浮かぶのは笑顔、笑顔、笑顔、そして笑顔。窓から顔を出し、街の入り口辺りを何かを期待した眼で見る者らも笑顔。

誰も彼もがまもなくこの都を訪問する神将達への思いで顔をほころばせている。

 

 

そんなにヒーローが好きか。イデアは自分の胸中がやけに黒い感情で埋め尽くされていくのをふつふつと噛み締めた。

どうにもこの熱気に乗り切れないのは、やはり自分のこの身が竜だからか。眼の前を通り過ぎる無数の騎士らの行進を見つめつつ彼は思った。

もしも自分がただの人としてこの世界に生まれることが出来て、ただの人間として生きていれば、恐らく自分はこの祭りに嬉々として参加していただろう。

 

 

 

人間から見れば素晴らしい行事でも、種族という視点を変えてみてば、こうも変わるものなのか。

ふと、ここでイデアは気が付いた。思ったよりも自分は竜族が戦争で負けたという事実を不愉快に思っていることに。

当初はイドゥンが生きているか、否かにしか興味がなかったのだが、これも多少の余裕が出てきたからなのだろうか。

 

 

これだけの人口の密集だと、当然付近の温度も上がり、何よりここは人の体臭が入り混じっていて筆舌に尽くしがたいほどに臭かった。

 

故に彼はせめて口の中だけはマシにしようと思い、背に背負った袋の位置を胸の辺りまで動かし、その中に手を突っ込んだ。

きっちり整理された袋の中に入っているのはエリミーヌ教とやらの聖書に、戦役について人間からの視点で纏められた記録物。

 

余り物語としての脚色が入っておらず、ただ純粋に各地で発生した戦闘の流れとその結果だけを記した書物を、彼は持ってきた紅い宝玉を金に変換して購入したのだ。

真紅の宝玉を売却して手に入れた2500ゴールドで彼が他に買ったものといえば、幾つかの書物と、数個のリンゴだけだ。

ちなみに3ゴールドあれば、大の男が死ぬほどそこそこに豪華な料理を食えるといえば、2500ゴールドという金がどれほどの大金かはわかるだろう。

 

 

 

皮袋の中からリンゴを取り出すと、袋を背負い直し、彼はソレに口をつけようとする。口の中をリンゴの芳醇な香りで満たそうと思ったから。

何度か服の裾でリンゴの表面を磨いてから、口を大きく開口し、リンゴの真っ赤な皮に被り付こうとし……。

 

 

 

「……?」

 

 

 

クイクイッとローブの裾を小さく引っ張られ彼はリンゴを食することは出来なかった。

不審に思ったイデアが眼を引っ張られた箇所に向けると、そこには小さな、まだ五歳に満たないであろう少年がぽつんと虚しく立っている。

どうにも不思議な気配を纏った少年だ。蒼とも翡翠色とも付かない髪の色をしており、その顔立ちはとても整っている。

その身に纏った純白の衣は素材も作りも良く、一目でかなり上質なものであると予想でき、かなりこの子供の親は裕福な身分なのだろう。

 

 

サファイアの様な澄み切った紺青色の瞳に見つめられ、何故だか妙な胸のざわめきを感じたイデアが頭を傾げた。“コレ”は一体、何なのだろうか?

こんな子供に自分は一体何を感じているのだ?

 

 

膝を曲げて、少年と向き合ったイデアが勤めて優しい声音を作りつつ少年に話しかけた。

 

 

「どうしたんだい? ご両親の所に戻るといい」

 

 

リンゴをその小さな手に渡してやり、イデアが頭を撫でると、少年は何かを思い出したかの様なはっとした表情になり、ついでその眼が潤みだした。

正に今から泣き出しそうな表情。まるで決壊寸前の堤防を思い浮かべられる顔色。

 

 

まるで、親から引き離された子供が浮かべる表情。

 

 

「はぐれたのか?」

 

 

うん、と小さく少年が頷くと同時に涙が一滴、その眼から零れ落ち、大地を塗らした。

しかし決して声をあげて泣かないのは男の子だからだろうか。

はぁ、と小さくイデアが器用にも少年に気が付かれないように気をつけながらも溜め息を吐いた。

どうしてこう、自分には面倒事が列をなしてやってくるのだろうか。

 

 

もう一度だけ、イデアが少年のしかめ面を見る。

親から離れて泣いている子供を。

 

 

 

 

 

 

 

 

何故か、この子供と、あの夜ナーガに拒絶されて、泣いていたイドゥンの顔が眼の前の少年と重なってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ……」

 

 

今度は隠そうともせずに大きく溜め息を吐く。どうしてこう、自分はあの里の授業といい、子供には妙に弱いのだろうか。

ムシャムシャと泣きながらリンゴにかぶりついている少年を見つつ、イデアは自分に呆れと困惑を抱かずにはいられなかった。

 

 

「一緒にお母さんかお父さんを探して欲しいか?」

 

 

 

「…………うん」

 

 

 

もう一度、さっきよりも大きく頷いた少年の頭を撫でると、イデアは彼のその小さな手を握った。

頼れる人物が出てきて嬉しいのだろうか、少年の顔から涙が消え去り、変わりに満面の笑顔を顔全体に浮かべている。

花の咲くような笑顔、もしくは輝く笑顔とはこういう事を言うのだろう。全く、子供と言うのは感情の切り替えが驚くほどに迅速だ。

 

 

 

「ところで君、名前は何ていうんだ?」

 

 

 

「アル!」

 

 

元気よく手をあげて、名前を叫んでいるところを見ると、既に彼はイデアの事を信用してしまったのだろう。

全く、この子の親は何を考えているのだろうか。もっと初対面の人間には警戒することを教えるべきだ。

もしも誘拐やら拉致やらされたらどうするつもりなのだろうか。この少年の装いを見るに、それなりの金は持っているだろうし、それを目当てに攫われる可能性もあるだろうに。

 

 

まぁ、自分はそんなことはしないが。

神将どもがこの都に来るまでもう暫く時間があるはず。ならばそれまでにさっさと見つけるか、街の騎士たちにこの子を預けるかしてしまおう。

そこそこの金持ちの子供だろうし、悪いようにはされないだろう。

 

 

「親御さんが居るかもしれない場所は知っているか? そこに案内してくれ」

 

 

 

「うん!!」

 

 

キャッキャッと笑顔を振りまきつつ、自分の腕を引っ張るアルに、イデアは懐かしいモノを感じてしまい思わず苦笑を浮かべるしかなかった。

 

 

 

あぁ、何となくだが、この子は本当にイドゥンに似ている。そうイデアは思った。

 

 

 

 

 

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