リリカルでメカニカル   作:VISP

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第六話 新生

 ベーオウルブズが大型兵器を撃破し、通信障害が解除された後に行った事は、隊長の捜索だった。

 そして彼らが見つけた時、彼らの信頼する隊長は虫の息だった。

 

 左腕は肩から先が吹き飛び、右腕は手首から先が骨しか残らず、右脇腹には穴が開き、左目は潰されていた。

 

 その状態の彼を最初に見つけた時のウルフ6の気持ちは、果たして如何なるものだったのか?

 少なくとも、彼女が錯乱しながら味方に通信する程度には動揺していた事は確かだった。

 

 幸いと言うべきか、迎えのヘリは5分程度で直ぐに来てくれた。

 その場で出来る限りの処置も終え、彼らに出来る事は後は少しでも早く病院に到着できる事を祈るだけだった。

 最寄りの緊急病院に到着後、直ぐに緊急手術が始まった。

 だが、助かるかどうかは運次第だった。

 18時間に及ぶ手術が終わった時、キョウスケ・ナンブは生きていた。

 

 そして事件から一週間後、未だに彼は目覚めない。

 

 

 

 

 

 「それで、件の大型兵器の解析は?」

 「判明した限りでは、やはり先日技術班に攻撃を仕掛けてきた無人兵器と酷似した技術で作成されたものかと。特に注目すべきはこの魔力結合阻害力場の展開ですね。」

 

 一方、地上の御大ことレジアス・ゲイズ少将は部下の報告に耳を澄ましていた。

 

 「これにより、一般的なミッド式魔法の多くは弱体化を免れません。元々魔力の豊富なミッドで成立した術式ですので、それ以外の環境下では本領を発揮できないのかと。」

 「して、具体的にはどの程度減衰するのかね?」

 「使用する魔法と力場出力にもよりますが、収束砲撃の様な大規模なものではその威力は最大4割は減衰するかと。」

 「対策は?」

 「魔法によらない質量兵器や身体強化の様な肉体等の物質を介する魔法、そしてADで使用されている魔力を高密度化させる術式等はこの力場の影響が低いですね。」

 「根本的な対策は無いのかね?」

 「何分つい先日発見されたものでして、これ以上はその後の研究を待つ必要があるかと。」

 

 執務室の重厚な机の上で、レジアスは顔を顰めながら次の話題に移った。

 

 「ベーオウルブズの状況は?」

 「既に隊長を除く隊員達は装備の修理・補給を終え、通常任務に復帰していますが…。」

 「芳しくない、と。」

 「はい。副長の指揮で活動中ですが、やはり…。」

 「解った。下がっていたまえ。」

 「は。」

 

 部下を下がらせ、一人になった執務室で、レジアスは深い、深ーい溜息をついた。

 

 「馬鹿者め。オーリスを泣かせる気か?」

 

 

 

 

 

 父の穏やかならざる心境も露知らず、オーリス・ゲイズは今日、漸く捥ぎ取った休暇で腐れ縁の友人の入院するクラナガン郊外の病院へとやってきた。

 

 「ご存じかと思いますが、今は絶対安静ですので…。」

 「えぇ、解ってます。時間になったら退室しますので。」

 

 カツコツとヒールを鳴らしながら廊下を速足で歩くオーリスと看護師。

 オーリスとしては一刻も早く見舞いに生きたいのだが、しかし、彼女の立場がそれを許さず、今日まで遅れてしまった。

 

 「こちらです。」

 「ありがとうございます。」

 

 そして、ノックもせずにガラリと戸を開けた先で

 

 

 皿に盛ってあったリンゴを貪っている馬鹿を見つけた。

 

 

 「「…………………。」」

 シャクシャクシャクシャク…

 

 静まり返った室内に、器用にも口と手首から先のない右腕だけでリンゴを咀嚼する音だけが響き渡る。

 

 「…ッ…こ、の……!」

 「オーリス」

 

 顔を怒りで赤黒く染めたオーリスが名前を呼ばれてぴたりと止まる。

 

 「ただいま。」

 「~~~~~~~~ッ!!」

 

 その場で地団太を踏んだり、叫び出さなかっただけ、オーリスの理性は強靭だった。

 

 「心配、かけさせないで…ッ。」

 「すまん。」

 

 俯いて涙を堪える、年に似合わぬ程に優秀な、でもまだまだ子供な少女と、それを優し気に見つめる新進気鋭の新設部隊の隊長たる少年。

 年の頃は同じ筈なのに、どうして二人の姿はまるで父子か兄妹の関係に似ていて。

 でも傍目からは完全にカップルの姿だった。

 

 (若いって良いわねぇ…。)

 

 それを看護師が微笑まし気に見つめていた。

 ナースコールで呼ばれた医者が駆け付ける1分後まで、二人+1は静かに過ごしていた。

 

 

 

 

 

 新暦60年 2月○日

 

 いやー、日記を書くのもガチで久々に感じる。

 前回の出動で奪取されたS型相手にガチバトルして死にかけました、マジで。

 相手、どうやら肉体改造した上にモーションセレクトシステムを不完全ながら搭載してたんで、そりゃもう手強いのなんの。

 左腕なんて肩から吹っ飛んで、右腕も手首から先が蒸発したし、左目も潰れちゃった。

 それでも一人の欠員も出さずに済んだんだから儲け儲け。

 オーリス他部下達にはガチで怒られたし、世話になってるレジアス少将からもがっつり怒られたし、少将のマブダチであるゼスト隊長殿からもがっつり説教されてしまった。

 しかもナハトもコア回り残してスクラップ状態。

 完全に新造しないとダメとの事、がっくり…。

 

 あ、任務の方は果たしましたよ、ちゃんと。

 奪取されたS型はスクラップになってましたけど戻ってきましたし。

 データ取得用のブラックボックスは生きてましたので、今後に生かせるそうですし。

 …だから予算が削られる事は無いと思いたい(震え声

 取り敢えず、予備のパーツでS型を組んで、それにナハトのコア回りと予備パーツとかを取り込んだ新生ナハトの建造を予定してます。

 良いデータが取れたし、折角なので要求仕様と共に技術班に丸投げして、自分は暫くリハビリに励みます。

 今は完全医療用の義肢型デバイスを両手に付けて、左目には眼帯をしてるけど、これらも予備のデバイス組み込んでおこう。

 義眼は兎も角、両手はリハビリ入念に。

 しかし誰だよ折り紙とか綾取りとか輸入したの。

 どうせ地球からの漂流者なんだろうけどさ。

 

 追記 戦闘用義肢型デバイスって無いらしい。

 久々に図面とにらめっこの日々が続きそうだ。

 

 追記の追記 部下に聞いたが、発見当時既に応急処置が成されていたとの事。

 処置そのものも的確で、それが無ければ手遅れだったとの事。

 状況的に考えて、一番ありそうなのがあのキ印博士だが、なんでだろ?

 

 

 

 

 新暦60年 2月○◇日

 

 今日から担当医が変わるとの事。

 んで来たのがなんかファッキンで本物の○○○○な医者と言うよりもマッドサイエンティストを名乗れと言いたくなるハイテンションな白衣の人と美人秘書風ナースのお二人。

 つーかスカさんと長女さん。何しに来たの。

 

 でも技術に関しては流石マッド。

 手早く診察を終わらせると色々と議論した。

 

 AD、特にモーション・セレクト・システムに関しては「人を機械にする面白みの無いシステム」と酷評されたが、「それはそれでロマン」と言ったら納得された。

 逆に今度義肢型デバイスを戦闘用向けに作るんだけどサイボーグとかどう思う?と聞いたら出るわ出るわ色々とヤバげな知識が。

 最終的に身体機能を底上げしつつ、取って置きの武器を隠しておく形で落ち着いた。

 仕込み刀とか銃って燃えるよね? つまりはそういう事だ。

 ただ、今後のサイボーグ系技術に関してはスカさんが先天的に植え込むのに対し、オレはあくまで義肢として負傷してしまった局員や被害者らの復帰のために官民どちらでも使えて量産可能なものを目指す事で対立してしまった。

でも「ハイエンドと量産型、作業用もそれはそれでロマン」と言う事で平和に握手した。

 

 最終的に時間外まで話し込んでしまい、スカさんは長女さんにお持ち帰りされてしまった。

 オレはオーリスに呆れられてしまった。

 うん、実に有意義な日だった。また今度~ノシ

 

 

 

 

 新暦60年 3月○日

 

 ヒャッハー退院だー!娑婆の空気がうめぇぜー!

 病院スタッフの皆さんが露骨に清々した!って顔してるけど気にしない!

 

 いやぁ病院内だと図面は書けても工具とか持ち込めないし、スカさんとロマンを発散できても実践はできないし、ついつい車椅子を魔改造しては長女さんやオーリスに怒られたり、ロケットパンチ型義手を真面目に検討してたら却下されたりと自由に過ごせなかったから今日は楽しむぜー!

 

 と思ったら部下達から復帰祝いでパーティー開催。

 あ、酒は流石に控えます。オーリスも出席してますし。

 ちょっと多めに飲むとまーたグチグチと言い始めたので、強制的に膝枕して鎮圧成功。

 これで動きは封じた!でもオレも逃げらんない…

 そのまま解散まで何故か動かずに過ごしてた。

 オーリスの髪、荒れてそうなのにサラサラで触ってて気持ち良い。

 

 

 

 

 新暦60年 3月◇日

 

 取り敢えずS型の2号機が出来たので技術班の所に行って受領してきた。

 えーと、コストと安全性の観点からブラスターキャノンはオミット、飛行機能はオン・オフ可能と。

 純粋にmk-Ⅱの性能向上型って感じになったのね。

 これの素材ダウングレード版が次期主力ADの最有力候補と。まぁ順当かな。

 

 んで、ナハトに関してだけど、こっちは寧ろ装甲とかを思いっきり最新の素材に変更するか厚くして、更にスラスター出力を上げて、長所をより伸ばす形で強化された。

短所?据え置き又は悪化してますが何か?

 デザインは完全に原典のベーオウルフのそれ、実に悪役面である。

 だが、それが良い。

 ただし、まだ出来上がってないので暫ーくはお預け。

 代わりに装甲&ブースターを追加した強襲突撃仕様の装備を渡された。

 こっちでリハビリしろとの事。残念。

 

 追記 受領した途端レジアス少将のマブダチのゼスト隊の皆さんとの模擬戦に強制参加しました。

 だからあんまり地上本部には来たくないんだよ!

 しかも部隊長になってからは忙しいからと遠慮してたから容赦無いし!

 

 

 

 

 新暦60年 4月▽日

 

 そう言えば、うちの部隊でも使ってる兵員輸送ヘリのカスタマイズが地上本部で全面的に行われるらしい。

 ゲシュが生産コストと今までに無い運用なので機種転換訓練が鮨詰め状態なので、配備が遅め(完了まで最低10年)なのに対し、ヘリの改良はドアと装甲部分だけなので、大して手間もコストもかからないからだそうだ。

 実際海としても旧式艦の廃品利用なので寧ろもっと貰っていってほしい位なんだとか。

 とは言え、組織力学的な後ろ暗いお話もあるので、配備完了も直ぐにとはいかないらしい。

 今はドアガン機能を付けたドアだけを作って、次々と既存のドアと交換してるのだとか。

 

 そうそう、S型2号機だけど、かなり良い。

 オレ向けに火力よりも反応速度重視でチェーンしてもらっているため、前のゲシュで抱えてた問題が殆ど解決している。

 ただ高性能な分、どうしても魔力消費だけは悪くなっている感がある。

 勿論、大容量受容器とカートリッジで余り気にならなくなっているのだが、量産化する際はやっぱりマイナーチェンジが必要だろう。

 まぁ多少機能が限定したり出力が下がっても、この頑丈さなら確実に殉職者は減るだろう。

 

 

 

 

 新暦60年 5月×日

 

 何か来月当たりに本局航空隊と模擬戦する事になった。

 うん、ちょっと待とうか。

 何でも本局付きの航空隊の中からうちの隊の能力を疑問視する声が上がってるとか。

 そんな噂がやっかみ半分で広まり始めた頃にオレが重傷負ったもんだから色々言ってきてるそうな。へーほーふーん。

 んで、レジアス少将から「ちょっと黙らせてこい」との事。

 おけーおけー、シンプルに叩き潰せば良いのね解りました。

 そう言えば丁度ナハトの外装が出来上がったんですよねーははははははは。

 

 追記 まーたゼスト隊の訓練に参加した。あの、召喚術からの広域攻撃で対処させた隙を突いての至近距離での打撃戦とかナハトではきついので止めてくださいませんかねぇ(震え声

 

 追記の追記 なんか最近オレ個人の戦力を磨き過ぎてる様な気がする。

 ここはやはり部隊全体の練度向上のために皆にもゼスト隊との合同訓練を提案しよう!

 …オレだけが苦しむのは不公平だからね(暗黒微笑

 

 

 

 

 新暦60年 7月○日

 

 今日は某航空隊との模擬戦がありましたが…結果は勝利A。

Sは逃してしまったが十二分な成果だろう。

 今回の模擬戦ではオレは殆ど指揮を取らなかった。

 部隊員の独自の判断と連携に殆ど任せてたんだけど、ものの見事に勝ってしまった。

 事前の敵の装備や戦力、戦場となる訓練場等の情報を収集し、有効な戦術を構築する。

 相手が典型的なミッド式の空戦魔導士だったから、対空戦闘こそやや不得手なものの、危なげなく勝利してみせた。

 基本戦術としては低速の空中移動砲台が相手なので、通常のゲシュペンストmk-Ⅱに乗るウルフ3・4・5が誘導を担当し、隙を見せた所でピンポイントの狙撃で落としていた。

 この戦術、うちの副官が立てたんだぜ?

 やだ、うちの隊員達有能過ぎ? と言うか、オレの出番が無い件について。

 仕方ないので後方でボッチしてた相手さんの一人を相手にペㇱペㇱやってた、先行量産型ゲシュmk-Ⅲ(過日のS型の量産モデル)で。

 いやさ、ナハトでもしステーク直撃させると軽くても検査入院なもんだから気軽に模擬戦で使えないのよ。

 だから両手にライフル持って中距離保って撃ち合いしてた。

 派手さが無いと言ってはいけません、堅実だと言いなさい。

 

 あ、そうそう。新生ナハトことアルトアイゼン・ナハトについてだけど、かなり良い具合に仕上がった。

 今メインで使ってるmk-Ⅲから外装を変更して原典のナハトの姿になる。

 四つの目に特徴的な頭部センサーと大型化された武器群に、追加されたクレイモア内蔵型のガトリングシールド。

 長所である装甲・中近距離の攻撃力・加速性を更に伸ばし、短所である機体バランスと重量・操作性は更に低下した。

 何という特化型と自分でも思うが、使ってみて分かった。

 

 これ、模擬戦じゃ使えんわ。

 

 だって一番の特徴である遠・中距離から加速しての打撃戦が非殺傷設定でも重傷を負う可能性が高いんだもん!

 クレイモアとチェーンガンだけで勝てと!?機体特性ガン無視ですがな!

 と言う訳で模擬戦では時間稼ぎに終始してました(言い訳

 け、決して勝てなかった訳じゃないんだから、勘違いしないでよね!

 

 自分で言ってて気持ち悪くなった…もう寝よう…。

 

 

 

 

 新暦60年 8月▣日

 

 今度から暫くAD配備部隊の教導役を務める事になった。

 ちなみにうちの部隊は通常任務続行である。

 先日の模擬戦でオレがいなくとも機能するって見せつけたからね、仕方ないね。

 副長から「隊長ももう少し指揮とってくださいよ…」と言われたが、ちゃんともしもの時は責任取るからもうちょっと頑張ってて。

 何せ今の段階でこけたら今後の配備計画に問題が出るからね、問題は早めに対処するに限るんだよ。

 

 改めて考えると、この件に関してはうちの部隊を総出で教導役として使ってもまるで足りないな。

 新兵器って言うのは何時の世も嫌われるもんだし、それが新機軸であれば尚更。

 ひと昔前よりマシになったそうだが、それでもミッドの人達の質量兵器アレルギーは酷い。

 お蔭で銃型デバイスは一番人気が低いそうだしね。

 とは言え、過剰な軍拡やテロの抑止と言う点では今の方が良いのでその辺りは置いておく。

 取り敢えず、こんな時は頭の良い人の協力を仰ごう。

 

 と言う訳で以前連絡先を貰ってたドクターに相談してみた。

 結果、「じゃぁシミュレーターを作ってみよう。」と言われた。

 何でも現状の局員では通常の杖型を始めとしたデバイスを用いた者の方が圧倒的多数な訳だが、今まで戦力外と見なされていたD以下の魔導士を中心に希望者を募り、集中的に訓練させる事で即席戦力とする。

 無論の事、練度は低いが、それでも死に辛く、経験さえ積めばそれなり以上の戦力となる事が期待できるのなら、予算も出るだろうとか。

 で、恐らく大量に出るであろう希望者を一斉に訓練するにはゲシュの数がまだまだ足りないから、シミュレーターで補おうとの考え。

 ついでにゲーセンにも簡易版を置いて小金も稼いじゃおう☆とは秘書もとい長女さんの提案だとか。

 中々いい案なので直属の上司にあたるレジアス少将に投げておく。

 

 追記 取り敢えず、試作品作る予算が出たので作ってもらった。

 感想としては中々の出来だったと思う。

 でもちょっと再現したGとか被撃時の衝撃が弱いので、上級者向けはもっと強くしてもらおう。

 

 

 

 

 新暦60年 10月○○日

 

 教導が終わらねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!

 希望者多すぎ!オレ一人じゃ無理だよ!馬鹿なの死ぬの!?

 基礎訓練とかは既存の訓練校で出来るけどAD向けの訓練オレ一人で全部見るとか無理だから!!!

 てゆーか新任の希望者+配備された既存部隊の教導とか過労死しろってか!?!

 仕方ないからうちの部隊の連中総出だよ!文句は言わせん!

 またドクターにシミュレーター増産頼まなきゃ!

 ほんっとドクターに相談しといてよかった!

 無ければ死んでたね、過労で!

 

 追記 ゲーセンの方でも利益ガンガン出てて笑いが止まらないんだとさ。へー。

 状況打破の知恵貸してくださいと頼んだら無理って言われた。ぐすん…。

 

 

 

 

 新暦60年 10月○×日

 

 もうだめぽ/(^o^)\

 

 

 

 

 

 新暦60年 11月▽日

 

 休暇!久しぶりの!休暇!

 自宅に帰ってくるの何か月ぶりだろうか…(震え声

 おじさんにも久々の挨拶も早々にベッドに叩き込まれた。

 曰く、死相が出る位働くな、と。ごもっともです。

 今週はお休み貰ったから、只管体力回復に励みます。

 

 

 

 

 新暦60年 11月□○日

 

 休暇二日目にしてオーリス登場により惰眠の時間はボッシュートされました。

 まぁ良いけどね、入院中も世話になったし、ここは恩返しと言う事で全力でエスコートさせて頂きます。

 

 追記 夜、自宅まで送ったら、寧ろ不満顔をされてしまった。

 いや、流石に送り狼とかできませんからね?

 そう言うのはちゃんと告白してからでお願いします。

 

 と言うかオレらまだ15歳だからね?

 幾ら魔導士は就業年齢とか飲酒とか甘くてもエロはまだ早いからね?

 

 

 

 

 新暦60年  12月■日

 

 教導教導また教導…オレの役職は!普通の!部隊長だってば!

 査定に+なるからって、いい加減に別の仕事させてよ!

 

 追記 教導に行った駐屯地の近くでテロリストを発見したとな。

 でも高ランク魔導士なので増援要請だって。

 だから行ってきまーす!

 

 追記の追記 調子乗って「切り札」のモーション使ったら、現地の捜査官にやり過ぎだと言われました。

 すいませんすいませんすいません反省文はもう勘弁ですオーリスさんすいませんすいませんすいまs(ry

 

 

 

 

 

 Side ウルフ6

 

 え、部隊長についてですか?

 部隊長はとても変わった人だと思います。

 不愛想というか無表情で、でもよく気配りの出来る人で。

 それで、とっても強い人です。

 

初めてあの人に会った時は現場でした。

 その時の私はまだ普通のBランクの新米で、私の部隊が壊滅して戦闘不能になった時に隊長が…あ、その当時はまだ個人で動いてたそうです。

 特例措置なんだそうで、凄いですよね!

 あ、話戻しますね。

 後から聞いたんですけど、隊長も当時はAだったんですけど…相手の犯罪者はニアSランクだったのに、他の取り巻きも全然退かずに倒しちゃったんです。

 時間にしたら…そうですね、10分程かと。

 それでニアS含む7人の魔導士を鎮圧してました。

 それから半年後位ですね、新設部隊の話が聞こえてきたのは。

 その部隊が以前助けて頂いた人の部隊だって聞いて、もういても立ってもいられなくなって志願したんですよ。

 今では当時の自分に拍手喝采ですね。

 任務自体は厳しいですし、訓練もきついですけど、今までみたいにランク差に押し潰されないで済むって言うのは私みたいな人には福音ですよ。

 

 それに、隊長には部隊に入ってからもお世話になりっぱなしで…あの、その、とても尊敬しています!

 

 

 

 

 

 『どうする?』

 『路線自体はこのままでも構わんが…諜報の方は?』

 『幸いと言うべきか、未だに犯罪者には漏れておらんよ。』

 『スカリエッティを除けば、か。』

 『奴の事だ、必ず一度は遊ぶぞ。我らの指示も無く、そう遠くない内にな。』

 『心配するな。これを見てみろ。』

 『ん?あぁ、成程。』

 『最近少し灸を据えて大人しくなったかと思えば…。』

 『まぁ丁度良いのは確かだ。これを利用するとしよう。』

 『まだ先ではあるが、な。』

 

 

 

 

 

 『やれやれ、老人達にも困ったものだ。』

 『如何なさいますか?』

 『妹達の起動を急ぐとしよう。とは言え、まだ表に出る気は無いけどね。』

 『ではその様に。』

 『あぁ、それと引っ越し先の選定も頼むよ。まだ大丈夫だとは思うけど。』

 『畏まりました。それとドクター、今日の夕飯はどうしますか?』

 『…サプリメントじゃダメかい?』

 『ダメです。それで消化系が弱まってるんですから、少しでも良いので普通の食事をお取り下さい。』

 『…じゃぁたまには麺類で頼むよ。』

 『畏まりました。』

 

 

 

 

 

 (最近忙しいけど妙に平和だなー。ま、いっか。)

 

 

 

 

 

 

 

 




何とか来週中に完結させる…!頑張れオレ…!

でも中古でまとめ買いした東京喰種がオレを誘惑する…!
手が、手が勝手に!?

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