般若と龍と女神のドタバタ騒動記   作:アリアンキング

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今回はラブライブ!に龍が如くのキャラで真島さんを介入させてみました。

サブストーリー001 和菓子屋一家の珍騒動 開始
真島「組の奴から美味い和菓子屋が住宅街にあると聞いた。面白そうやし、行ってみるとするかのう」

どちらも本編とは、関係なくサブストーリー形式での短編になります。
龍が如くを知らない人でも楽しめる様に頑張りました。

それでは、ご覧下さい!


サブストーリー001 和菓子屋一家の珍騒動

ある晴れた日 静かな住宅街を一人の男が歩いていた。

その男の名は真島五郎 東城会直系真島組組長であり、世間では嶋野の狂犬と呼ばれ恐れられている。何故、そんな男が住宅街にいるのか…その理由は数時間前に遡る。

 

「美味い和菓子屋?」

「ええ 秋葉原近くの住宅街に美味いと評判の和菓子屋があるそうです。」

「ほ~ それで、店の名前は何ていうんや?」

「確か、穂むらでしたね。」

「さよか‥それなら早速、行ってくるわ」

「え?行くって、組長がですか?食べたいなら、私が行って来ますよ。」

「アホ! こういうのは自分で行かんと意味がないやろが‥それに最近、組に缶詰やったし、息抜きせんとな…ほな、行ってくるで」

「はい お気を付けて」

 

組の奴にそう言って、出てきたはいいが… 歩いても目に映るのは、家ばかりやないか‥

こんな所に美味い和菓子屋が本当にあるんやろか?

 

変わらぬ風景にうんざりしている真島の正面から、三人の少女が歩いてくるのが見えた。

真島は天の助けと思い、その少女達に道を尋ねる。

 

「すまん そこの嬢ちゃん達‥道を尋ねたいんやが、ええやろか?」

「え?み、道ですか?別に構いませんけど、何処へ行くつもりなんですか?」

三人の一人‥青い髪を腰まで伸ばした少女 園田海未が怯えながら言葉を返した。他の二人も警戒しながら、真島を睨んでいる。

 

少女達が怯え、警戒するのも無理はない。何故なら、蛇の模様が刻まれた眼帯にスーツ姿の真島は、見る人に威圧感と恐怖の印象を与えるからだ。

その視線に気づいた真島は相手の警戒心を解く為、自分の名を名乗った。

 

「ああ 別に怪しいもんやないで‥ワシは真島吾郎というもんや…気軽に真島さんでも、吾郎さんでも好きに呼んだらええ なんやったら、ゴロちゃんでもええで~」

真島がおどけた様子で自己紹介をすると、見た目とは違うギャップに三人も堪え切れずに吹き出す。

 

「ゴ、ゴロちゃん… あははははは…」

「ほ、穂乃果‥笑っては失礼ですよ。ふふふ‥」

「ゴロちゃんって、可愛い呼び方だね~」

「そうやろ~ それで自分達は何ていうんや?」

 

場が和んだ所で、今度は真島が少女達に名を聞く。

 

「あっ…そういえば、名乗ってませんでしたね。私は高坂穂乃果といいます。真島さん さっきは睨んでごめんなさい。」

「私は園田海未といいます。先程は失礼をしました。」

「私は南ことりです。あの~ 呼び方はゴロちゃんでもいいですか?」

「ことリ… いくらなんでも、その呼び方は失礼ですよ。」

「別に構わんで‥ 好きに呼んだらええ それで道を尋ねたいんやが‥」

「さっきも言ってましたね。何処へ行くんです?」

「ああ この辺で穂むらという名の和菓子屋があると、聞いて来たんや。海未ちゃんらは知っとるか?」

 

真島が目的の場所を聞くと、穂乃果が満面の笑顔を浮かべて答えた。

 

「穂むらなら、この道をまっすぐ進んだ先にある階段を下りた先にありますよ。ちなみに穂むらは、私の家なんです。」

「そうやったんか‥えらい偶然もあったもんやな 折角やし、お勧めの和菓子を教えてくれへんか?」

「お勧めの和菓子ですか?それなら、穂むら饅頭…略して、ほむまんがお勧めです。」

「ほむまんかぁ~ 教えてくれて、おおきにな。 ほな、ワシはこれで‥」

「はい うちの和菓子をこれからもよろしくお願いします。」

 

穂乃果のさり気ない宣伝に、真島は微笑を浮かべる。そして三人と別れると‥目的地の穂むらへ向かう。

 

真島は教えてもらった道を進んでいくと、自分が探していた和菓子屋 穂むらに辿り着いた。

 

「漸く、着いたで~ それじゃあ、お勧めの和菓子を買って帰るとするかいのう」

真島が店の引き戸を開けると、店の中から穏やかな女性の声が聞こえてきた。

だが、元気な声も真島を見ると、小さく震える声に変わった。

「いらっしゃいま‥せ お、お客様 どれでも好きな和菓子をお選びください。」

「それなら、お勧めのほむまんを‥そうやな~ 五つもらおか」

「穂むら饅頭を五つですね?少し、お待ちください。」

 

真島の注文を受けると、女性は素早い手付きで饅頭を袋に詰めていく。明らかに早く帰ってもらおうという女性の雰囲気に気付かず、真島は先程の出来事を世間話として話始める。

 

「そういや、さっき‥そこの道である女の子達に会ったんやが、ええ子やったな~ 特に穂乃果ちゃん‥言う子がワシに道を教えてくれただけやなくて、ここのお勧めまで教えてくれたからな~」

その言葉を聞いた女性は、手を止めて真島を視線を向けると、恐る恐る尋ねた。

「あの… うちの娘がそちらに粗相をしませんでしたか?」

「うん?別にそんな事しとらんで…ただ、自分が自己紹介した時に笑っとったけど、そないな事で怒るほど‥ワシも短気やないからなぁ~」

 

真島はそう言うが、穂乃果の母はある言葉を耳にしたあたりから、真島の話を聞いていなかった。

 

(人が自己紹介してる時に笑った!? あの馬鹿娘は一体何をしてるのよ~ よりによって、こんな人を笑うなんてぇ~ 拙いわ‥ヤクザの人は面子を気にすると言うし、下手したら穂乃果の身にとんでもない事が…)

 

(うん?どうないしたんや?急に黙りこくって‥しかめ面をしたり、青ざめたりと面白い人やなぁ~家の娘がという事は、この人は穂乃果ちゃんのお袋さんか‥母娘揃って、表情豊かやな)

 

二人はそれぞれ、別の事を考えていた。

だが、本来の用事を思い出した真島が、百面相をしている穂乃果の母親へ話かける。

 

「所で‥ほむまんはまだかいの?」

「ああ~ お客様‥大変、申し訳ありませんでした。穂むら饅頭が五つで500円です。」

「そんなら、これで頼むで‥」

「500円‥丁度ですね。ありがとうございました。」

「おう ここは面白いからなぁ~ ほな、また来るで」

そう言い残して真島が店を出ていくのを見送ると、穂乃果の母親はへなへなと脱力してカウンターに突っ伏した。

 

自分が来た道とは、違う道を饅頭を食べながら歩いていると、何処からともなく陽気な音楽が聞こえてきた。

真島がその方向に目をやると、長い階段の上から聞こえてくる事が分かった。

この階段の上は‥確か、神社があった筈や‥ 

一体、何をやってんやろう?面白そうやから‥ちっとばかし、覗いてみるかのう~

 

真島は興味津々の様子で階段を登り始めた。

 

階段を登り、真島が神社の境内に辿り着くと、そこには穂乃果達の姿があった。

 

「お?誰かと思ったら、穂乃果ちゃん達やないか」

「真島さん‥どうして、此処に?」

「この近くを歩いていたら、楽しそうな音楽が聞こえてきたから‥気になって、見に来たんや それで一体、何をしとったんや?」

「そうだったんですか‥実は、私たちはダンスの練習をしていたんです。」

「ダンス?何や‥自分ら、盆踊りの練習でもしてるんか?」

「ええ そうです。単調なリズムで手拍子をしながらって、違います!!!何をやらせるんですか。」

 

真島の言葉に釣られて、海未は自分の手を叩いてリズムを取るが、我に返って真島に詰め寄った。

 

「‥何をやらせるって、自分がやったんやないか ワシは悪くないよな?なぁ、二人共‥」

真島の言葉に穂乃果とことりは、コクコクと無言で首を縦に振った。

 

「なっ‥穂乃果とことりもひどいです。」

「まあまあ、機嫌を治してよ。海未ちゃん」

「そうだよ。そんな顔は似合わないよ~」

拗ねた表情を浮べた海未を穂乃果とことりが必死になって、宥めている様子を真島は穏やかな顔で見つめていた。

 

(この三人は仲よしやな~ 海未ちゃんもノリがええし、面白い子や…)

 

真島は心の中でそんな事を考えていると、自分に対する視線を感じた。

 

何や?何処からか、視線を感じるのう…一体、誰や?

 

辺りを見回すが、自分に視線を送っている者は見つからなかった。

気のせいだと、思ったが…見ていた者の勘違いによって‥この後、真島は騒動に巻き込まれる事になる。

 

「大変だぁ~ お姉ちゃんと海未さんとことりさんがヤクザに絡まれてる。早く、お母さんとお父さんに知らせないと‥」

真島に視線を送っていた者は、自分の家に向かって全力疾走していた。

 

 

 

 

未だに海未を宥めている穂乃果とことりを見て、さすがに自分も悪いと思ったのか‥真島も海未を宥める。

 

「海未ちゃんもいい加減に機嫌治し‥穂乃果ちゃんとことりちゃんも困ってるで」

「‥そうですね。ごめんなさい‥穂乃果、ことり、それに真島さんにも迷惑お掛けしました。」

「ううん 私は気にしてないよ。」

「海未ちゃんは笑ってる方が可愛いよ~」

「元はといえば、ワシが原因やからなぁ。海未ちゃんの機嫌が治って良かったわ。」

 

 

一方、その頃 全速力で家に帰ってきた雪穂は、息を切らしながら母親に自分が見た事を伝えた。

 

「お母さん‥大変だよ~ 神社でお姉ちゃん達がヤクザに絡まれてたよ。眼帯を付けた怖い人だった。」

「何ですって!? それは本当なの?やっぱり、笑った事を根に持っていて、穂乃果の事を狙ってたんだわ。」

「早く警察に連絡しないと、ええと…110番と」

「待ちなさい。警察に電話しても到着するまでに時間がかかる。その間に、穂乃果は連れて行かれてしまうだろう。ことりちゃんと海未ちゃんも無事では済むまい。ここは私に任せて、お前たちは此処にいろ」

「いいえ 私も行きますよ。あの子達が危ない目に遭ってるかもしれないのに、じっとなんかしてられません」

「私も行くよ。一人だけ、待ってるなんて嫌だからね。」

「…解った。それなら、皆で穂乃果達を助けに行こう‥」

 

こうして、穂乃果の父と母‥そして、妹の雪穂は穂乃果達を助ける為に神社へ向かった。

 

 

「ほ~ 穂乃果ちゃん達はスクールアイドルをやっとんたんか‥」

「はい と言っても、元なんですけどね。時折、三人でダンスの練習をしてるんですよ。」

 

真島は穂乃果から話を聞き、自分達がやっていた事と元スクールアイドルである事を知る。

そして、疑問に思った事を真島は穂乃果達に尋ねた。

 

「神社から陽気な音楽が聞こえてきたのは、それが理由やったんか…それにしても、スクールアイドルを辞めたのに何でダンスの練習をしとるんや?」

「それは‥やりたいからです。練習したダンスを誰かに見せる事はなくても、一生懸命やる事で達成感を得られますからね。」

「それに‥皆と息を合わせるのも楽しいんだよ。自分と相手が信頼してないと、それは出来ないから…」

「ダンスは体をよく動かすから、ダイエットにもなりますからね。最近、太ったような気がするし…」

 

海未、ことり、穂乃果の言葉を聞いて、真島はこの少女達への興味がさらに深くなっていった。

下手に飾らずに自分の気持ちを言える人間が真島は好きだからだ…

 

しかし、そんな穏やかな空気は神社にやってきた三人組に破られる。

その三人組は穂乃果達を助けに来た‥穂乃果の家族であった。

 

「その子達から離れろ!!」

 

「え?お父さん‥それにお母さんと雪穂まで…一体、どうしたの?」

「血相を変えて…どうしたんでしょうか?」

「解らないけど、いつもと様子が違うね。」

 

茫然としてる穂乃果達と真島の間に、三人が入り真島を睨みつける。

真島は、妙な迫力を感じる三人に気圧されながらも言葉を吐く。

 

「ちょい待ち…一体全体、何がどうなってるんや?」

 

「恍けるな 貴様はその子達を誘拐して、売り飛ばそうとしてるんだろうが…」

「そうよ。貴方の事を笑った穂乃果達の事を根に持ってるんでしょ?ヤクザは面子を気にするから、馬鹿にされたと思ってるに違いないわ」

「お姉ちゃん達は、絶対に連れて行かせない‥」

真島の問いに三人は、思ってる事を口にして答えた。

 

それを聞いた穂乃果達と真島は三人が盛大な勘違いをしている事に気付いた。

騒動の張本人である真島が事情を聞く。

 

「なぁ‥何で、ワシが穂乃果ちゃん達を誘拐して売り飛ばす事になったんや?」

「だって、貴方‥この人が自己紹介してる時に笑ったって、聞いたのよ。だから、何かしらの報復をするんじゃないかと」

「そういう事やったか‥ ん?ワシはお袋さんに自己紹介の時に笑われたが、そんな事で怒る程‥短期やないと言った筈やで」

「え!?そうだったんですか?ご、ごめんなさい。貴方の事を笑ったと聞いてから、変な考えを想像をしてしまって‥その事を聞いてなかったわ」

 

穂乃果の母の誤解を解いた真島は、今度は雪穂の誤解を解く為に話しかける。

 

「そうやったんか‥それで、雪穂ちゃんやったな?君は何で、ワシが三人に危害を加えると思たんや?」

「私は‥境内でお姉ちゃん達を笑って見てたから、悪い事を考えてるんじゃないかと思ったの」

「そうか…ワシに視線を送ってたんは、雪穂ちゃんやったんやな あの時は、仲のいい三人を見て、笑ったんや。それに海未ちゃんのノリの良さも面白かったしのう」

「そうだったんですね。早とちりをしてました。ごめんなさい。」

 

真島の話を黙って、聞いていた穂乃果の父が申し訳なさそうな表情で真島に頭を下げて、謝罪した。

 

「‥真島さんと仰いましたね?話を聞く限り、どうやら‥二人の勘違いだったようですね。事情を知らずに貴方を悪人にしてしまった。大変、申し訳ないことをしました。」

「別に気にしとらんから、ええで…頭を上げてくれや それに誤解されるのは慣れとるからの~」

「真島さん‥」

「確かに、ワシはヤクザやから‥周りから忌み嫌われとる。せやけど、毎日を必死に生きてる人間に危害を加えるような事は、絶対せえへんで‥信じられんかもしれんけどな」

真島は真剣な顔で自分の気持ちを伝えた。この場にいる全員も真島の言葉を受け止める。

 

「いえ、信じます。貴方が嘘を言ってないのは、目を見れば解ります。また、うちの和菓子を食べに来てください。」

「私も、大変失礼な事を言ってしまいました。お許しください。」

「私の方も‥早とちりしてごめんなさい。」

「さっきも言ったが、気にしとらんからええ また、今度和菓子を食べに来るで~ その時に、お勧めの菓子をおしえてや」

 

一歩離れて、様子を見ていた穂乃果達も誤解が解けて、ホッと一息をついていた。

 

「どうやら、誤解は解けたようだね。」

「ええ 一時はどうなるかと思いました。」

「真剣な顔をしたゴロちゃんもカッコいいね 」

「ことりちゃんの感性に時々、ついて行けなくなるよ。」

「奇遇ですね。私もです」

 

その会話は、真島の耳にも届いていた。

そして、心の中で真島は思う。

 

(やれやれ ことりちゃんの呼び方は、ゴロちゃんで定着してしまったのう~ まあ、ええか それにしても、穂乃果ちゃんの家族はいい人達やな 穂乃果ちゃん達の為に、ワシに立ち向かってくる勇気もあるし、気にいったわ。それに海未ちゃんのノリは最高やった 今日、和菓子を買いに来なかったら、この人達に会うことは無かったやろうし‥折角やから、神社でお祈りしていくかのう)

 

真島は、今日の出会いをくれたお礼を神様に言う為‥賽銭箱の方へ歩いて行った。

ある日の午後に起きた珍騒動は、こうして幕を閉じたのである

 




サブストーリー001 和菓子屋一家の珍騒動 完
真島「やれやれ 穂むらのおかみさんが勘違いした所為で大変やったわ。まあ、家族を守る為にワシに立ち向かって来た時は感動したで。穂乃果ちゃんはすごく愛されてるんやな。誤解も解けて良かったわ。饅頭は美味かったでぇ」


新作の第一話「和菓子屋一家の珍騒動」はいかがだったでしょうか?穂乃果達がヤクザとこんな風に仲良くなれるか?と思う人もいるでしょうけど、龍が如くのサブストーリーに登場する女子高生もこんな感じで打ち解けます。

誤字脱字やおかしな文面がありましたら、ご報告お願いします。
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