幻想郷に関する考察「人妖について」。
東方鈴奈庵4巻のネタバレを含みます。

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東方鈴奈庵4巻のネタバレを含みます。
ネタバレを嫌っている方はゴーバックプリーズ。


おぼえがき「人妖についての考察」

 以下は幻想郷の成り立ちから考える、人妖を巫女が退治する理由、幻想郷で一番の大罪が里の人間が妖怪化する事である理由だ。

 

 まず、現在の幻想郷は「外の世界の妖怪の駆け込み寺のようなもの」である。

これは、八雲紫が敷いた博麗大結界、常識と非常識をあやつる境界により、外の世界で否定された、妖怪や超常現象、あるいは忘れ去られたものたちが流れ込む世界となっている事から明らかである。実際に、守矢神社一行はより強い信仰を求めて幻想入りした。

 

 つまり、「幻想郷という世界そのものが、超常現象の味方に立つ存在である」といえる。

 

 また、妖怪の食料は人間である。人の肉を喰う妖怪、人の感情を喰う妖怪、あるいは人の生き血を吸う妖怪。

(たしかに、登場する妖怪の中には、こいつらはある種の野生動物と変わらないのではないか……というくらいに人間に興味を示す描写のない妖怪もいる。具体的にはモブイナバあたりだが、基本的に彼らは竹林の奥、永遠亭およびその周辺地域以外では活動しない。同居している蓬莱人ふたりのみで充分に存在できるエネルギーを得ているのかもしれない。(・・・根本的に、てゐや鈴仙、妹紅たちがコミュニケーションを取れるだけの動物という可能性もあるか?)また、求聞史紀の記述によれば因幡てゐについては永遠亭が表に出る以前から存在は認知されていた模様。一般的に知られていたかは不明だが、稗田家には記録があったようだ)

ともあれ、求聞史紀によれば幻想郷は妖怪の天下である。人間はヒエラルキーにおいて妖怪の下に位置するものだ。

 

 本題、なぜ人妖が幻想郷のバランスを崩すのか。それは、妖怪の食糧事情を揺るがすためであろう。

鈴奈庵において、易者は占術を通じて世界の外側を見た。そして、妖怪に管理された人間生活に嫌気が差したという。そして彼は人間をやめた。再臨のためには人間が必要であるとはいえ、人間から妖怪へ、食料から消費者へと存在の位階を移動したわけだ。

 

 では、仮に。仮に、里の人間の一人残らずが人間をやめて妖怪になってしまったら、幻想郷の妖怪の食料は、無くなってしまう。

 これこそが罪。世界を滅ぼす可能性である。

 

 博麗の巫女は博麗大結界を保守する存在である。言い換えれば、幻想郷という世界を維持する役割を持っている。どちらかといえば(全面的に人間の味方ではない、という意味で)妖怪寄りだが、本質的に人間の味方でも妖怪の味方でもないのだ。巫女は、世界の味方である。世界を揺るがす異変が起きればこれを解決し、里を脅かす妖怪あればこれを退治するが、妖怪を駆逐し人間の天下を作る事はない。幻想郷というシステムの維持には人間と妖怪の両方がバランスよく存在している必要があるためだ。人妖はそのバランスを崩す存在である。故に、巫女は人妖をこそ叩きつぶすのであろう。

 

 以上。




2015/9/12 本文修正(一部表現の修正、モブイナバについての文章に一部加筆)

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