「……美味しいな」
夕方の公園に僕は1人
ホットココアを飲みながら空を見上げていた
12月になったら、大阪に引っ越す
今日、携帯から急に掛かってきた内容だ
12月か、かよちゃんのラブライブが決まるのも確か
12月、一緒に喜べないな
もう一緒に笑ったり、泣いたり、話す事も出来ないのか……
今までずっと一緒だったのに
急過ぎるよ
「何、湿気た顔してるのよ…」
ボーとしていたら
知っている声が聞けえてきて
前を向いたら
髪の毛をクルクル弄っている
真姫ちゃんが立っていた
「真姫ちゃんか~……」
「ちょっと!!せっかく声を掛けてあげたのに何よその残念そうな顔は」
「はは、ごめんごめん」
たくっと言いながら
真姫ちゃんは隣に座ってきた
「何があったのよ、あんたが花陽と居ないなんて珍しいじゃない…」
「……実はさ」
僕は真姫ちゃんに今日の事を話した
なんとなく、真姫ちゃんになら話せた
「で、花陽にはいつ話すの?」
「いきなりだね、まぁ…近々話すよ、長引くとラブライブに支障が出るだろうから」
「もし……もしも、花陽が泣いたりしたら、私はあんたを許さないから」
「……」
「花陽は優しいわ、誰よりも…あんたが引っ越す話を聞いたら花陽は傷付くでしょうね、だから許さない」
許さない
真姫ちゃんから聞いたその言葉に何故か僕は
ホッとした
そう、かよちゃんも凛ちゃんも優しい子だ
きっと、無理矢理にでも優しい言葉を見付けて励ましてくれる
2人はそんな女の子だ
僕はそんな2人の女の子に甘えていたのかもしれない
そんな僕が嫌だった
だから、真姫ちゃんの許さないが嬉しかった
「やっぱり、真姫ちゃんに話して良かった」
「真姫ちゃん、お願いがあるんだ」
「何よ…」
「かよちゃんはきっと、無理にでも頑張ったりするかもしれない……自分の事は後回しにしちゃう子だからさ、真姫ちゃんが支えてあげて?」
「……当たり前じゃない」
「ありがと……」
真姫ちゃんが2人の友達で良かった
そのあとは黙って僕らは帰った
僕は帰ってすぐに
かよちゃんの窓をノックした
「どうしたの?」
あぁ、あとちょっとしたら
この可愛い私服のかよちゃんとも会えないのか
と内心思っていたのは気にしないでほしい
「あのさ、良かったら週末遊びに行かない?…ちょっと話したい事もあるし」
「楽しかったね!」
「そうだね」
週末の2人っきりの遊園地
凄く楽しかった
かよちゃんも楽しんでくれて良かった
あとは、あの事を言わなきゃダメだよね
帰りの電車の会話はあんまり覚えていない
言わなきゃと思う気持ちでいっぱいだったからだ
そして、2人の家が近くにやってきたその時に
僕は
「あ、あのさ、かよちゃん……」
「ん?」
「僕、12月になったら……」
「引っ越す事になったんだ」
第33話
完