えっ……?
引っ越す?、えっ
大輔君、よく聞こえなかったよ
もう一回言ってよ、花陽
耳が悪くなったのかな
「実は、父さんの仕事の事情で引っ越さなきゃダメなんだ…僕は向こうの美術が有名な学校に行かせてくれるらしいんだ」
冗談なんだよね
大輔君の冗談なんだよね、もう言って良い冗談と悪い冗談あるんだよ?
「だから……いつ、帰ってこれるかわからないんだ」
ねぇ、冗談って言ってよ
なんで…なんで
冗談って言ってくれないの
やだよ…やだ
行かないで欲しい
大輔君……
「………っ」
「そ、そうなんだ……寂しくなるね、頑張ってね」
嘘付いちゃった、
行かないでと言いたい、でもそれは花陽のわがまま
花陽のわがままで、大輔君を困らせたくない
ねぇ、ちゃんと花陽笑ってるかな
ちゃんと…泣かないでいれてるかな?
大輔君は優しく抱き締めてくれた
ねぇ、なんでこんな時に抱き締めてくれるの
普段、やらないじゃん
なんで……なんでこんな時に抱き締めてくれるの
わがまま言いたくなっちゃう
「っ……」
「!??」
花陽は大輔君を突き放して
無我夢中で走りました
あのまま居たら、花陽は
大輔君を困らせるから
ごめんね……ごめんなさい
~数日後~
「花陽、速すぎます、少しみんなに合わせて下さい」
「は、はい!」
ココ最近の花陽の様子が少し
いや、かなりおかしい
何かを忘れようとしてるように
夢中になろうとしている
……大輔、話したのね
「ねぇ、花陽…たまには2人で帰らない?」
「えっ、ごめん真姫ちゃん…私、ちょっと用事があるから」
「帰るわよ…」
少し強引にしないと
花陽と話せない
私は無理矢理、花陽の手を掴み
みんな見ているが、気にしないで
学校から出て行った
「ま、真姫ちゃん、離して…離して!!」
「ごめんなさい…こうでもしないと花陽と話せないと思って」
「ううん……大丈夫だから」
やっぱり……
手を触ってわかる、無理をしていたんだろう
目の下にもクマが出来ている
あいつの言う通り、花陽は今、無理をしている
「……花陽、あなた今すっごく酷いわよ」
「…うん」
「何があったのかは聞かないわ、でもそんな無理をしていたら、体を壊すわよ…あとちょっとでライブなんだから」
「ごめん……もう終わりかな?私帰るね」
「待ちなさい!大輔と何があったのかはわからないけど…今のあんたを大輔が見たら、心配するわよ、ちょっとは自分を大事に「何も知らないのに、言わないでよっ!!!」
「私の気持ち、知らないくせに…大輔君の事、何も知らないくせに、勝手に言わないでっ!!!!」
「えぇ!何も知らないわ、私は何にも知らない…けどね、今のあんたを誰が見たって何があったのかは明白よ!少しは自分を大事にしなさいよ、少しは自分の気持ちを口に出しなさい!!」
「…………っ」
花陽は涙を流しながら、走って帰ってしまった
花陽、ごめんなさい…でもこれはあなたの為
そして
~大輔、引っ越す当日~
今日は、大輔が引っ越す日
朝からメールが来ていた
なんで私にまで伝えるのよ
まぁ、少しは嬉しいけど
さすがに花陽は大輔と居るのだろうか
私はいつものように学校の屋上の扉を開いた
「えっ…」
「あっ、真姫ちゃんおはよー」
なんで花陽が居るのよ
第34話
完