遊戯絶唱シンフォギアG~歌の苦手な決闘者系オリ主黙示録~ 作:特撮仮面
武装組織フィーネの決起より早数ヶ月。あわや未曽有の大参事となりかけたその事件は、世間ではあくまでもある武装組織主導によるテロの一つとして処理され、インターネットの世界では、聖遺物やそれを使用したシンフォギアという存在が都市伝説的に語られるようになった。
そんなある日。変わらぬ登校風景がそこにはあった。
「おっはよー!」
「はぁ…また煩いのが来やがった」
「開口一番酷い!?」
校門を入って直ぐの場所で何やら言い合いをする二人組を発見して、響は全速力で駆け寄ると二人組――風鳴翼と雪音クリスに声をかけた。
「ああ、御早う立花」
「おはようございます、翼さん」
にこりと微笑む翼。
フィーネの事件以来、翼はよく笑うようになったと聞いた。確かに、剣のような冷たい表情しか浮かべていなかった頃と比べれば、随分と表情豊かになったように思う。
「ところで、聞いてくれ立花。あの日以来、雪音が先輩と呼んでくれないんだ」
「あららー…と、言いますか、おやおや、せ、ん、ぱ、い、とか呼んでたんだぁ?」
「ふんっ!!」
「あいたぁ!?」
ニヤニヤと笑って言えば、クリスが見事な手刀を響の額に命中させる。
「何で!?」
「お前らみたいな馬鹿は打撃が一番良いって分かったからなぁ」
「酷い!? 本格的に酷いよクリスちゃん!?」
「うるせぇ!! 元はと言えば年上をからかうお前が悪いんだ!」
『えっ?』
「え? ってなんだよ!?」
「いや、とし、うえ?」
「当たり前だろ」
『えっ?』
「えっ?」
『えっ?』
「そこ、皆で首傾げあわないの。せめて端でやろ?」
クリスの年上発言に驚きを隠せずに困惑してしまう翼と響。
彼女の言う通り、学年が下ではあるが、年齢だけを言うならば実はクリスは響の一個上の先輩なのだ。ある意味、大人びている部分があるが、実はピカピカの一年生みたいな遊吾と同じ感覚かもしれない。
仲良く首を傾げ合う三人を見て、後からゆっくりと歩いてきた未来がため息を吐きながら漫才のようなやり取りを繰り返す三人に注意を促す。
新たな日常の始まり。あの戦いが終わってからよく見るようになった四人のやりとりに、誰もが『またあいつらか』と苦笑して歩いていく。
「ねえ、響? あれから身体大丈夫なの?」
「勿論! …と、言いたいんだけど」
そこで表情を暗くする響。まさか、何か問題でも起こったのか、と皆が心配するなかで、彼女は静かに言った。
「身体に残ってるガングニール分、体重が増えてるんだ…」
「アホかァッ!!」
「あたっ!?」
何十㎏と体重が増えているわけではなく、大体五、六㎏ほど体重が増加しているだけなのだが、花の女子高生としてはその五㎏の誤差は重要である。
だが、彼女の身体を心配する身としてはたまったものではない。
「おまっ、そんな下らないことで。心配して損したわッ!!」
「酷いよクリスちゃん!? って、今心配って、心配って言ったよね!」
「ばっ、べ、別に心配とかしてねーし!」
「いいや、言ったね! いやー、やっぱクリスちゃんはツンデレさんだったかぁ」
「誰がツンデレだァ!!」
「平和だなぁ」
「平和、ですねぇ」
ギャイギャイと取っ組み合いになりつつあるクリスと響のやりとりを見て、翼と未来が笑う。
これが、自分達が守り抜いた日常なのだ。非日常に身を置くからこそわかる暖かさを噛み締める。
「あ、あのっ!」
そんな彼女たちにかかる声。
もうすぐHRが始まる時間だ。周囲に生徒たちは居ない。それでも声がかかると言うことは――
「あ」
「おはよう! 切歌ちゃん、調ちゃん!!」
響の元気の良い挨拶に、同じくらい元気に、おはようデスッ! と返す切歌と、小さく、おはようございます、と照れ臭そうに言う調。
彼女たちの服装は、制服。つまりそれは彼女たちが今日からこの、私立リディアン音楽院高等科の学生となるという証。
「よぉし! じゃあこれから皆で二人を案内しよう!!」
「響、もうすぐHR始まるよ!?」
「良いの良いの! ほら、レッツゴー!!」
腕を引っ張られて目を白黒させる二人。ずんずんと歩いていく響を見て、やれやれとため息を吐きながらも、三人は仕方なさそうに彼女たちの背中を追いかけるのであった。
尚、当然のことながら響は担任の先生にこっぴどく叱られるのであるが、それはまた別の話だ。
・立花響
武装組織フィーネの決起事件終結後、リディアン音楽院高等科で変わらぬ学校生活を送る。今回の事件を受けて、特異災害対策機動部二課は解体、新たな組織が組織されるが相変わらずの、最短に一直線、まっすぐに誰かと手を繋ぎあっている。
身体に聖遺物が残っているが、予後は安定。侵食の心配は無いとされているが、それによる体重増加が最近の悩みである。
尚、最近誰かさんによく似ていると言われている。どうしてこうなった。
・風鳴翼
武装組織フィーネの決起事件終結後も、以前と変わらず歌姫としての活動と学業を両立する忙しい毎日を送っている。新たに組織される部署に関しては協力するつもり満々と言ったようで、良き先輩としての背中を見せていければと考えている。
最近、親子問題を乗り越えようとしている響を見て父親に少し歩み寄ってみようかなどと考え始めている。
・雪音クリス
武装組織フィーネの決起事件終結後も、相変わらずの日常を送っている。クラスメイトとの距離が縮まったお陰で、中々愉快な学校生活を送っているようだ。こちらも新たな組織には協力的で、自分の力がどこまで活かせるか、後輩たちに先輩らしくできるかと、相変わらず悩みも多いようだ。
また、雪音クリスファンクラブなる組織が出来上がっていることや、装者たちが我が家に入り浸ることが最近の悩みである。
・暁切歌
武装組織フィーネの決起事件終結後、二課にその身を拘束されていたが、司法取引、また彼女が自己責任能力の少ない、未だ未成年の少女であるということもあり、監察ありの日常生活を送ることとなった。また、新たな組織に装者として配属予定である。
最近、メキメキと(カレー)料理の腕を上げつつあり、史上最強のカレーを作り上げることが将来の夢となっている。どうしてこうなった。
・月読調
武装組織フィーネの決起事件終結後、二課にその身柄を拘束されていたが、切歌と同じくなんやかんやで監察処分となった。
現在はリディアン音楽院一年生として学校に通う毎日を送っている。
彼女の中には未だフィーネが居座っているが、フィーネとして覚醒する様子は欠片も見られずまるで姉妹のようにコミュニケーションを取り合っている。
・マリア・カデンツァヴナ・イヴ
武装組織フィーネの決起事件終結後、身柄を拘束。主犯格として様々な処置が考えられたものの、洗脳などの痕跡が確認されたこと、真犯人としてユー・トイルイ・テッシの存在があること、またレックス・ゴルドウィンたちの尽力により殆ど罪状は無く、彼女の境遇もあって軽い監視のみとなった。
現在は、妹のセレナのリハビリを手伝いながら、各地でのコンサート、聖遺物研究の協力など、自分にできることで少しずつ償いを行っているようだ。
尚、最近の悩みは生活に少し満足感がないところである。
・セレナ・カデンツァヴナ・イヴ
マリアの妹であり、アガートラームの元装者。歴史上類を見ないほどの適合者であったが、アガートラームが絶唱により機能不全となったところで落下してきた瓦礫の下敷きとなるのだが、意識不明の状態で回収される。意識の無い、植物状態のような状態ながら身体は成長を続け、身体機能は正常に回復。意識のみが戻らない状態が続いていたが、遊吾のセイヴァー・ドラゴン研究の際に、彼女の意識、魂とされるものと思われる情報が、アガートラームの内部に格納、保護されていることを確認。
七十億の絶唱と、真のセイヴァー・ドラゴンの発現によりサルベージに成功。完全に意識を取り戻した。
現在はリハビリを行い日常生活への復帰を目指す他、私立リディアン音楽院への編入も視野に入れているそうだ。
・天羽奏
元ツヴァイウィングの片割れ。特殊なアウルヴァッヘン波形を必要とする、トリシューラのシンフォギアを与えられ、戦線に一時復帰。トリシューラの正規適合者となるが、現在は災害救助の傍ら音楽の楽しさ、歌の力を後世に伝えていくべく、また翼の活動を応援するために音楽関係の資格の勉強中である。
翼が悲しんでいるので、とある海胆野郎は全力で殴る予定である。
・風鳴響一郎
たい焼き屋の店主であり、風鳴家の長男。とは言え破門兼家出中である。
弦十郎との関係は変わらず良好。新組織樹立にあたり第一線に完全復帰。唯一の戦場に立つことができる大人として今日も大災害を相手に剣を薙いでいる。
相変わらずたい焼き屋は繁盛していないようである。
・風鳴弦十郎
相変わらずの大人っぷりで師匠をやってる。ノイズ災害が減った代わりに何かとオカルト染みた事件が発生することが多くなっており、時折彼が直接出っ張ることもある。
最近、シャイニングドローを覚えた。
・緒川慎次
風鳴翼のマネージャーであり、忍者。
翼の夢を支援しつつ、装者のことを支援しつつと忙しい毎日を送っている。
最近、藤木戸健二という少し変わった友人が出来た他、フィールで空を駆けられるようになった。
・藤尭朔也
オペレーター。最近影が薄いことを悩んでいるが、そういうときは満足している。
最近、謎のDホイーラーAと仲が良くなり、今では一端のDホイーラーである。また遊吾のファンが一人増えた。
・友里あおい
オペレーターの人。ついに拳銃で超長距離射撃を成し遂げるというとんでもない人になった。彼女の持つカードは鋼鉄を切り裂く。
装者たちの良き姉のようなポジションに収まりつつあり、マリアや翼などの年長組と仲が良い。
最近、デルタ・アクセル・シンクロが使えるようになった。
・立花洸
謎のDホイーラーAこそ立花響の父親。
異星人と王者のおかげで少し変化した。あと、少しOTONA化しかけている。
現在、妻と響に許しを得るために日夜頑張っている。
・小日向未来
最近、ツッコミとオカンのポジションを確立しつつある。
聖遺物、神獣鏡は決闘盤を介することで使用可能となることがわかり、現在は装者としての訓練中である。
戦闘面こそあまりだが、聖遺物関係の事件では彼女は大活躍。今後、聖遺物の未来と呼ばれる日も近いかもしれない。
・野球少年たち
後にプロ野球、そして世界で結果を残す、将来有望視されている少年たち。最強のバッテリーと守備打撃なんでもござれのミラクルマン。
ただ、ミラクルマンはとある人物のせいでエロ方面にも特化してしまった。
尚、名前はピッチャー、碇進司と、キャッチャー春羽風郎、バッター藤井一郎である。
そして――
『さあ、次に現れるのは自称初出場! ここからが俺の真の始まりだ!!』
『サテライトから来た男ォ!! 遊吾ォオオオッ! アトラァァアアスッッ!!』
・遊吾・アトラス
エキシビションマッチに参加すること無く、FFCに一般枠として滑り込み参加。
今まで、ずっと一人だと思っていた。だが、自分はどんな時でも一人ではなかったのだとは、試合後の彼の言葉だ。それにどのような意味があるのかは分からないが、彼なりに思うことがあるようだ。
FFCの後、彼は誰に言うこと無く行方を眩ませた。己を鍛え直す旅をしているということである。
今後の予定について活動報告に書き込ませていただきました。よろしければ確認してみてください。