剣姫の弟ですが何か 〜ジャガ丸君の好みは豚キムチ味〜 作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)
最近アプリ版のパワプロにハマって更新するのが遅れました。
レオンハルトの剣術と忍術はダンまち的にチート過ぎるなと反省しておりますw
これからもお付き合いくださあ
「ベル君達の捜索を依頼したい」
そうギルドの受付嬢エイナに言ったのは昼過ぎの事だった。
そうしてヘスティアのホームにヘルメスとアスフィ、ヘファイストス、ミアハ、そしてタケミカヅチとそのファミリアが集まっていた。
「なんやなんや〜〜、思ったよりぎょーさん集まっとるやないか」
「なんなんだい君は!!
僕は今忙しいんだ、君の冗談に付き合う暇は無いぞロキ!!」
ロキを確認した途端ツインテールをひゅんひゅんと振り回し怒りを露わにするヘスティア。
オラリオ二大巨頭の一角、ロキファミリアが来るとは予想外だったのかヘファイストスもミアハもタケミカヅチも驚いていた。
ヘルメスは一人でカラカラと笑っている。
「それにしても貴方どうしたの?
ヘスティアとは仲が悪い筈だけど?」
「ウチかてドチビと関わるんは嫌やでファイたん?
せやけどウチのレオンが行くって煩いから付いてきたんや。
これ一応クエストやろ、せやったら受注者と一緒に発注者に挨拶するんがウチのルールや」
「ヘスティア様、自分はタケミカヅチファミリアを助ける為にベル達をダンジョンに置いてきました。
その決断を間違ったとは思いません、ですからタケミカヅチファミリアを責めず俺を糾弾してください!!」
頭を下げるレオンハルト。
それに対してヘスティアは慈母のような笑み、まさしく女神の微笑みを浮かべていた。
「ベル君が帰って来なかったら君たちを死ぬ程恨む、だけど憎みはしない。
だから…………僕に手を貸してくれないか?」
それは超越存在である神が差し伸べた救いの手だった。
神故の寛大さを目の当たりにして命、桜花、レオンハルトそしてタケミカヅチファミリアは一糸乱れぬ動きで敬意を示し誓いを立てた。
『仰せの通りに』
出発は3時間後という事になりそれぞれ用意してバベルに集合となった。
「はは、随分と珍妙なパーティーになったなアスフィ」
「ええ、神二柱にランク2が四人、私にリオンですからね。
疾風は兎も角彼は……剣鬼は本当にランク2なのですか?
動き以上に気迫は第一級冒険者のそれと同等です」
「あはは、どうやらそうらしいよ?
あのロキの秘蔵っ子らしいからね、ベル君も面白いが彼もなかなどうして面白い」
前衛をレオンハルトとリオン………ランク4の冒険者、〈疾風〉リュー・リオンが務め、中衛を桜花と命と千草、後衛が〈万能者〉の二つ名を持つアスフィ・アル・アンドロメダ。
主神の命令でこの作戦に参加しているが前衛の二人が無双し過ぎて自分が本当にいるのかと思うアスフィ。
「魔石が多い……おそらく彼らでしょう」
「このお釈迦になったポーションの瓶もあるから状況的にかなりキツイか……………まぁとりあえず18階層行きますか」
18階層、それはダンジョンに存在する安全地帯の一つである。街などがあり綺麗な水晶が生えている事から迷宮の楽園……アンダーリゾートと呼ばれている。
しかし、ベル達はランクアップし初めて中層に挑むパーティーなのだ。
そんなベル達が未到達階層に挑むとは到底思えない。
「だ、だが普通危険な常態なのに更に下の階層に潜れるのか!?」
「だとすると相当肝のすわった参謀役がいるようですね」
「普通じゃね!!」
桜花の言うことは最もだがベルを知る者なら誰しも下の階層、18階層を目指したことは分かる。
英雄に憧れ冒険をする少年が更なる冒険をしない訳が無い。
「まぁ桜花さん、それがあいつですよ」
桜花は納得出来ない表情だったが渋々18階層を目指す事に賛同した。
ダンジョンとは下に潜れば潜る程モンスターの出現頻度も量も強さも変わる。
縦穴を使えば通常のりも早く18階層へと辿り着けるだろう。
しかし、既に上級パーティーと共に移動しているかもしれないと思うとすれちがいを防ぐ為に正規ルートを通らざるをえないのだ。
「おいおいおい、もうゴライアスが復活してんじゃねぇかよ!!」
桜花の叫びが木霊する。
17階層、嘆きの大壁。
そこは迷宮の孤王……モンスターレックスとも呼ばれる階層主のゴライアスがいる。
「疾風さん…………貴方の魔法をゴライアスにぶち当ててください。
後は俺が引き付けるのでその間に隙を見つけて抜け出してください」
「ば、馬鹿なのですか貴方は!?
ギルド認定ランク4の階層主にランク2の貴方がたった一人で挑むというのですか!?」
ここまで冷静を貫いてきたアスフィだったがレオンハルトの天然発言に思わず身を乗り出す。
「『今は遠き森の空、無窮その夜天に散りばむ無限の星々………」
リューは既に詠唱を始める。
それを確認してレオンハルトもエネルギーを練り始める。
「はぁ………なんで私ばっかり……」
「頼みますよ、アスフィさん。
貴方はこのパーティーである意味一番頼れる存在だ、神様と命達をお願いします」
エネルギーが充填されたのかレオンハルトの体は紫炎で包まれていた。
「星屑の光を宿し敵を討て』ルミノスウィンド!!」
両手を大きく広げ叫ぶリュー。
すると風が爆弾のようにゴライアスの元で爆ぜる。
それにつられ次から次へと爆破を繰り返す。
「何て威力…………」
同じ女性冒険者としてリューの……疾風の姿はさも英雄に見えた命。
凛とした立ち振る舞いに無駄の無く洗練された動きに圧倒的火力の魔法、羨望するには充分過ぎた。
「須佐能乎!!」
そう叫びながら飛び出すとレオンハルトが纏っていた紫炎はメキメキと形を変え鎧武者のような姿になった。
それと同時にルミノスウィンドのダメージで悶え苦しむゴライアスに殴りかかる。
「ゴァァァァァアアアアアア!!」
嘆きの大壁は細長い感じの構造となっている。
ゴライアスのような巨人と須佐能乎という紫の巨大武者がタイマンし始めたら安全なルートは無くなる。
ゴライアスの大振り気味な右のストレートを左手でガードして右ストレートを当てる。
階層主でギルド認定ランク4ということもありその膂力は凄まじい。
しかし、強過ぎる膂力を振り回すだけの戦法は同じサイズの須佐能乎ないしレオンハルトには通用しない。
次々にカウンターを決める。
そのレオンハルトとの戦闘に気を取られている間にリューが背後から斬りつける。
「ゴァァァァァア!!」
背後のリューを叩き落そうとするがレオンハルトはそこに出来た隙を見逃しはしない。
「(ちくしょう………段階踏まずにいきなり完成体まで持ってきたせいで身体にダメージがきてやがる、早いとこ決めないと………………)」
よろよろと壁に倒れこむゴライアス。
ここだ、左の拳に魔力をさらに集中させる紫炎が段々形を変えていき最終的に剣のようなものが握られていた。
腰を低く落とし右の掌で照準を合わせ剣を構える。
そしてそこから剣気を切っ先に集中させる。
「我流剣術…………牙突零式!!」
低くい体制から一気にゴライアスに近づき上半身のバネを活かした突きを放つ。
そして穿たれた突きはゴライアスの左胸……………魔石を捉える。
ピキリ、と音を立てゴライアスが煙となり四散する。
その巨大な魔石は剣に砕かれ焼失してしまう。
そして巨大武者となっていた紫炎も消えてしまった。
須佐能乎が消えた事で頭上から地面へと叩きつけられそうになるがリューが滑り込みながらのキャッチを見せた為地面への直撃は防げた。
ベルとは違ったレオンハルトの規格外さを目の当たりにしたヘスティアとタケミカヅチファミリアの面々。
ヘルメスは何処か嬉しそうに微笑む。
「まぁお前のチート具合は知ってたつもりだけどまさかここまでとは…………」
桜花の呟きに千草と命がウンウンと頷く。
「まぁなんだ、レオン君無双を見学したところでそろそろ18階層へ行くとしようじゃ無いか。
疾風ちゃんがレオン君を運んでくれるようだしさぁ行こう」
スキップでもするのでは無いかというぐらいの勢いで歩き出すヘルメス。
ベルとは違った才能の発見に喜びを感じ噛み締めていた。
「くっ、ヘルメス君に先を越される訳には行かない!!
待っててくれベルくぅぅぅぅん!!」
ヘルメスに負けてなるものかと走り出すヘスティア。
しかし、嘆きの大壁は結構滑りやすい。
なんの注意も無しに走っていると…………………
「わっぷ!!」
コケてしまう。
ヘッドスライディングするような形で18階層へと続く穴へと入っていくヘスティア。
ヘスティアの断末魔を聞きながらそれに続くリューとタケミカヅチファミリア、ヘルメスファミリアだった。
千鳥と螺旋丸、飛雷神の術に須佐能乎。
その他諸々の剣術………………………、こいつ魔法覚える意味あんのかてwwwwwww
あと、レオンハルトが圧倒的に格上のゴライアスに勝てたのは須佐能乎の性能が規格外というのと何よりレオンハルトのスキルの影響と明言しておきます。
近々レオンハルトのステータスを発表すると共に新キャラの発表が出来たらいいなと思います。