剣姫の弟ですが何か 〜ジャガ丸君の好みは豚キムチ味〜 作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)
原作と違う感じになるとかどういう感じに進めようとか考えてたらスランプ的なことになってしまいまして…………
でももう大丈夫です、開き直っちゃいましたのでこれからは出来る限り更新していきます。
粗雑ではありますが何卒宜しくお願いします。
「ファミリアでこんな謹慎喰らってんの俺だけじゃね?」
主武装であるエリュシデータとダークリパルサーをリヴェリアに取り上げられ二週間程ダンジョンに潜るのを禁じられた。
手持ち無沙汰というのと護身用の為に持たされた鍔の無い刀。
武器もある事だしダンジョンに潜っても良いけど入り口にはリヴェリアがファミリアの新米をつぎ込んで敷いた《レオンハルトシフト》なるものがあるらしい。
なんでも、ダンジョンに近づけばリヴェリアに報告が飛び説教をくらうというもの。
「む?なんか向こうが騒がしいな………」
「ファミリア同士の抗争だぁぁぁぁぁぁ!!ロリ巨乳のファミリアが襲われてるらしいぞ!!」
「でも何処のアホが狙ってるんだろうな」
騒ぎ立てる神の話がふと耳に入った。
ロリ巨乳とはベルの主神、ヘスティア様の別名でもあったりする。
ベルのような異常は珍しく事、面白い事が好きな神々にとっては格好の獲物となるのは分かる。だけどわざわざ目立つような事するかな?
何処のファミリアかは知らんけど助けないとエイナさんとシルに怒られるからな。
抜刀しながら以前さりげなくベルにつけておいたマーカーの位置を検索、そして特定し飛雷神の術を発動する。
「ベべべべべベル君!!増えてるよ、追っ手が凄いふえてるよ!!」
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁもうやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
可笑しいよ、なんで僕達が襲われなきゃいけないんだろう。
敏速には自信あるのに追いついてきてる所を見ると同じレベル2なのかな?
両手塞がってるから魔法を撃てない………もっとスピード上げないと追いつかれる!!
「神様、ギルドまで向かいます!!そうすればあの人達も手は出せない筈です!!」
「くっそぅ………ごめんよベル君、アポロンの奴ただじゃおかないぞ!!」
太陽と弓のシンボル、アポロンファミリア。
ロキファミリアのような一級冒険者がいる訳じゃないけどダンインが百人を超えていて中堅ファミリアの中ではそこそこの力を持っているってエイナさんが言ってたっけ?
なんか神様はアポロン様になんか恨みがあるらしく口調が何処かトゲトゲしい。
「ベル君、弓が!!」
チラッと後ろを確認したら矢を放たれていた。
隠れる場所も逃げる時間も無い、詰んだ…………………………「諦めるにはまだ早いぞベル」来るであろう痛みに備え目を瞑った時最も憧れる人の声が聞こえた。
「よいしょっと」
刀を二回振るうとそれに当たった矢が切り刻まれ地に落ちた。
最強派閥、ロキファミリアの若きエースである剣雄、レオンハルト・ヴァレンシュタインが現れた事で襲ってきていたアポロンファミリアの人達も動きを止める。
一睨みするだけでこれだけの数の動きを止めるなんて…………凄いよ、レオンさん。
なんとか間に合ったは良いがこの数どうするかな。
須佐能乎出してもいいけどそれは面倒くさいしリヴェリアにバレたら怠い。
ここはオーバーパワーでなんとかするしかないか?
「ふっ、剣雄が何の用だ。我々はアポロン様の命によりその兎を捕らえにきたのだ」
アポロンファミリアの一団の中から白を基調とした戦闘衣に身を包み波状の長剣と短剣を構えた美青年が現れた。
アポロンファミリア首領のヒュアンキントスだ。
「悪いな、ベルは仲間なんでね。
助けない訳には行かないでしょ」
「貴様は俺よりランクが上かもしれん、だがこの人数を前にして平静を保っていられるか!?
剣姫の弟だからってチヤホヤされたガキになぁ!!」
ブッチーン、今切れちゃいけないものが切れたわ。
アイズ姉が名を挙げ始めると俺は周りから剣姫の弟として扱われた。
剣姫の弟だから、剣姫の弟だから当然と皆口をそろえる。
それが腹立たしくてダンジョンに潜ってリヴェリアとエイナさんに怒られ、変態ジジイに忍術教わったりもしたのだ。
『アカン、レオンがブチ切れよったわ』
何処かでロキ様の声が聞こえたが気にしてはいけない…………というより今はこのアホ共を駆逐しなくちゃな。
須佐能乎は完成体にすれば深刻なダメージを受けるが骸骨状態の不完成体、若しくは部分的な顕現であればダメージは無しになる。
「シネェェェェェェェエええ!!」
俺は須佐能乎の完成体の右腕を顕現し全力で薙ぎはらう。
すると目の前にいたアポロンファミリアの面々は何処かへ吹っ飛んでいった。
突然の出来事に口をあんぐりと開けているベルとヘスティア様………うん、その反応は間違いじゃないと思う。
とりあえず腹の虫が治まらないからヘスティア様とベルを抱えて南西へ向かう。
植栽豊かな庭園と石造りの巨大な屋敷、アポロンファミリアのホームだ。
突然現れた他ファミリアの冒険者と神に門兵は槍を構える。
しかし、レオンハルトが睨むとプレッシャーに負けたのか門を開ける。
「おやおや、ヘスティアにリトルルーキー、そして剣雄まで何か用かな?」
男として完璧とも言えるくらいに整った顔立ち、アポロンだ。
レオンハルトは無言で近くにいた小人族の手袋を取り上げるとレベル4の身体能力を活かしてアポロンの顔面にそれを全力で叩きつけた。
「おぉふ…………」
「正直ここまで腹が立つとは思わなかったよ……………………ロキファミリアとしてと言いたい所だが勝手にファミリアの名前は使えない。
と言うわけでヘスティアファミリアがお前たちアポロンファミリアと戦争遊戯をする!!」
「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」
何処ぞの国では手袋を投げそれを拾うと決闘が成立するという。
それに準えた方法なのだろうがアポロンはニヤリとしながら大声を上げる。
「よろしい、ここに戦争遊戯が成立した!!」
『イヤッホォォォォォォウ!!』
『キタコレ!!緊急のデナトゥスを開け!!あとギルドにも連絡しろ!!』
『久々の祭りやぁぁぁぁぁ!!』
余程痛かったのか鼻を摩りながらでしかも服と顔が鼻血で血だらけになってとても格好が良いとは言えない。
その宣言を聞いていたのか木の陰や塀の上からとか色々な所から神々の歓喜の声があがる。
「ヘスティア様、本当に申し訳ございません。
ベルもすまない、俺の我儘に捲き込んじまって………………」
「まぁいいさ、アポロンの奴に何かガツンと言ってやりたかった所だ!!
レオン何某君はよくやってくれたよ」
「い、いえ僕もホームとか色々やられちゃったから何とか言いたかった所ですから………………大丈夫です」
「ふむ……………そうだ、ボクが何としても一週間を稼ぐ。
その間に出来るだけ強くなってくれないか?」
ベルのレアスキルによる短期間の爆発的な成長、それに望みをかけるヘスティア。
静かに頷くベルを見てレオンハルトは一つの決心をした。
地の文は最後だけ三人称にしてみました。
とりあえずここから戦争遊戯編に入りますが、リリルカ救出編は書きません。
本当ごめんなさい!!
これからも宜しくお願いします