剣姫の弟ですが何か 〜ジャガ丸君の好みは豚キムチ味〜 作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)
ロキファミリアのホーム、黄昏の館。
その中庭は団員達の訓練の場としても使われているくらいの広さがある。
ロキ的にはアイズにレオンハルトの相手を頼む予定だったのだがどういう訳かティオナと共に何処かへ行ってしまったのだ。
ガレスは得物である巨斧を構え闘いに備える。
レオンハルトは双剣を構えてガレスを見据える。
「ロキ、良かったのかい?
幾らレオンが格上との戦闘に強いからってガレスを充てるなんて。
ガレスの事だから加減なんてしないと思うけど」
「それに関しては同意だ。
ランクが二つも上でガレスとは………格上が良いと言うならベートでもいいだろう」
団長と副団長の心配した声をロキには考えがあった。
あの状態のレオンハルトを引き留める為には戦闘以外の手段は無い、レオンハルトが勝ってしまっては彼はそのままファミリアを抜けてしまう。ならばレオンハルトよりも強く勝てる相手でなければならない。
幾ら格上の相手でもランク一つの差であるベート相手なら奇跡を起こし勝つ事だってありえる。
となるとファミリアにおいての最強、レベル6の幹部を使う他はない………しかし近接戦闘型のレオンハルトにリヴェリアは相性が悪すぎるるし、フィンは手加減してしまう。
ならばレオンハルトを叱るという意味も込めてガレスを送り出したのだ。
「あの子がゴライアスに勝てたんはモンスターやからや。
モンスターなら魔石を狙えば一発やし、洗練された戦闘技術を持つ格上の冒険者には流石のレオンも勝てへんやろ」
それを聞いたフィンはやれやれと溜息をつきリヴェリアはポーション等の回復アイテムの整備を下っ端に命じた。
「ええか!!これは真剣勝負や!!
最悪の場合は止めるけど殺す気でやりや、安心せぇ………死にかけようがリヴェリアたんが治してくれる。
このコインが地面に着いたらスタートや!!」
ファミリア期待のエースとオラリオ随一の怪力にして最高幹部の戦闘が気になるのか団員達も結構集まっていた。
そしてロキはコインを……………………
「よいしょぉぉぉお!!」
全力で地面に叩きつけた。
『いや、叩きつけるんかーい!!』
これについては総員全力のツッコミを飛ばす………………いや、1人動き出していた。
格上との戦闘をするうえで大事になるのは如何に自分のペースに持ち込めるか。
「スターバーストストリーム!!」
完全な不意打ちに加え高速16連撃、通常の敵ならばまず避けるのは不可能。
しかしそこは重鎧のガレス、パワータイプとはいえその反応速度は並みの冒険者とは比べようもない。
巨斧は大きいが故にスピードという点においてはレオンハルトの双剣に分がある。
「むぅぅぅぅん!!」
連撃を物ともせず全力で振り回す。
ギリギリの所で剣をクロスにして防ぐが数メートル吹っ飛ばされる。
「…………はは、相変わらず反則的なパワーだな」
「ガハハハハハ!!レオンも中々速くなったでは無いか!!
さぁ、もっと打ち込んでこい!!」
「後悔しないでくださいよぉ!!」
ダッシュで近づき再び接近して剣戟を見せ、それにガレスはパワータイプとは思えないスピードで対応する。
戦闘は激しさを増した。
今回は短めです。
二回くらいに分けてガレス戦を書く予定です