剣姫の弟ですが何か 〜ジャガ丸君の好みは豚キムチ味〜   作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)

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ジャンヌ・オルタさんの小説、アイズ・ヴァレンシュタインに転生者の妹がいるのは間違っているだろうか?とコラボします!!

お楽しみに!!


正義の騎士姫vs.剣雄

「く、くそぉ!!剣雄が止まりません!!」

 

 

「ならアレを使え!!魔力供給は充分にしてあるはずだ!!」

 

 

城の中では止まらないレオンハルトに対して大慌てだった。

 

アロンダイトを使っては確実に死人が出てしまうので敵の武器を奪いつつ1人1人確実に倒していくレオンハルト。

 

剣雄と戦える者はアポロンファミリアには居ない、なら呼べば良いのだと考えたアポロンはとある物の製作を【万能者】を始めとするアイテムメーカー達に依頼して急ピッチで作らせた。

 

あらゆる平行世界から縁のある者を召喚する『聖杯』を。

 

しかし違う世界線にある万能の願望器とは全く別の物である。

 

この聖杯は呼ぶ為の器でしか無く、召喚そして現界させるには相応の魔力と聖遺物もといその者に関する何かが必要となる。

 

 

「ヒュアンキントス様の許可は取ってある!!

 

さぁ、行くが良い!!異界の英雄よ!!」

 

 

召喚された''……………''は勢い良く飛び出して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ………………数多過ぎるし無駄に連携上手いし疲れるな………っ!?」

 

 

一息つこうとしたレオンハルトを赤い剣尖が襲った。

 

ギリギリの所で避けたが驚いたのはそこじゃ無い、金髪であった事と珍しい赤い目であった事そして何より………………アイズ・ヴァレンシュタインに似ていた事だ。

 

レオンハルトとは真反対の純白のロングコートを纏い黒いミニスカートにオーバーニーという格好をした少女と向き合う。

 

 

「あ、アイズ姉……………な訳ねぇよな、あんた誰だ」

 

 

赤く怪しく輝く刀身をした刀を構えながら少女は不敵に微笑む。

 

 

「私?私はアリス・ヴァレンシュタイン。

 

違う世界線でお姉ちゃん……………アイズ・ヴァレンシュタインの妹をやってるんだよお兄さん」

 

 

「はぁお兄さん?腑抜けた事ぬかしてんじゃねぇぞアホンダラ(全く隙が無い…………これはアロンダイト使った方が良さそうだ)」

 

 

「私って14歳でお兄さんは15歳でしょ?

 

あはは、実は28歳ですとかじゃ無いよね」

 

 

レオンハルトの容姿はとてもじゃないが年齢相応のものとは言え無い。

 

大人びて見える…………悪く言えば老け顔な事を気にしているレオンハルトはこの事に触れられるのが何より嫌いだ。

 

以前そうやって馬鹿にした中小ファミリアに戦争遊戯をふっかけ潰してしまうくらいだ。

 

 

「上等だコラ…………お尻ペンペンで済むと思うなよ」

 

 

先に仕掛けたのはレオンハルト、高速で近づいて横薙ぎにアロンダイトを振るう。

 

しかしアリスはバックステップで避け魔力によって練られた風を纏わせる。

 

 

「秋天の太刀ー風華ー!!」

 

一息の間に風を纏った刃が四度レオンハルトを襲う。

 

しかしレオンハルトも負けずに応戦する。

 

 

「秘剣燕返し!!」

 

 

アリスの技が四連撃であるのに対してレオンハルトは3連続の斬撃。

 

1撃、2撃、3撃と打ち落すが4撃目の斬撃は撃ち落としきれず頬を掠った。

 

 

「私の技をそこまで防ぐなんて流石お兄さんだね。

 

どんどん行くよ〜〜、秋天の太「篠突く雨」っ!!」

 

 

次の技も同じような連撃だとしたら防ぎきれないと判断したレオンハルトは相手に息をつかせずに攻め込むという作戦をとった、そのためにまず高速で近付き鋭い斬撃でアリスを突き上げる。

 

アリスの反応が早かったからかコートが一部切れるだけですんでいた。

 

 

「五月雨」

 

 

左手でアロンダイトを振り上げそのまま振り下ろすと見せて頭上で手放す。

 

振り下ろしと思ったアリスは頭上を防御しようとしたのだが肩透かしを食らったようだった。

 

しかしレオンハルトはそこで終わら無い、落ちたアロンダイトを右手に持ち替え再び斬りつける。

 

 

「甘いよ、お兄ちゃん!!」

 

 

刃が当たる前に鞘に手を掛けていたアリスはアロンダイトを鞘で防ぎレオンハルトにハイキックを当てる。

 

 

「行くよ…………篠突く雨!!」

 

 

「な!?」

 

 

いきなり自分の技を使われた事で動揺し反応しきれず篠突く雨を食らってしまった。

 

腹部からは血が滴る。

 

 

「私のちょっと特殊な力でお兄ちゃんの技使えるから覚悟してね。

 

体は剣で出来ている………………」

 

 

「詠唱まで同じかよ!!」

 

 

同じ文句から始まった詠唱………レオンハルトのエクスカリバーと同等若しくはそれ以上の効果を持つ魔法である事は容易に想像出来る。

 

レオンハルトは詠唱をさせまいとアロンダイトを構え剣術ではない普通の攻撃をしかける。

 

 

「(目を瞑ってやがる…………何があるか分からんが詠唱だけはさせねぇ!!)」

 

 

しかしレオンハルトが近づいたところでアリスが手を振り下ろすと数十本の剣が浮遊していた。

 

 

「意地の見せ所だよお兄ちゃん」

 

 

剣がレオンハルトに向け降り注ぐ。

 

 

「ちっ、須佐能乎!!」

 

 

紫炎を纏いし骸骨がレオンハルトを庇うようにして護る。

 

しかし、着弾した剣の一つ一つが一級品の業物のようでガリガリと須佐能乎を削る。

 

着弾した剣が次々と爆破していく事で須佐能乎という装甲にヒビが入り始める。

 

 

「凄い装甲だねそれ…………」

 

 

アリスは降り注ぐ剣の雨と連続爆撃に晒されてもなお耐えている須佐能乎に驚いていた。

 

自身のスキル、皇帝特権でこんな凄い装甲を使えるようになるんだと思ったら背筋がゾッとした。

 

異世界にいた兄は自分と同じ目をしていた、姉の七光りと言われ負け無いように努力してきた自分…………アリス・ヴァレンシュタインと似ていると思った。

 

その凄い装甲も血反吐を吐く思いで習得したのだろう、その剣技も必死の思いの末に得たものだろう。

 

故に思う、だからこそ…………………

 

 

「(負けたく無い!!)」

 

 

アリスは深紅の刀、朧月を鞘にしまい瞳を閉じ魔術回路にパスを繋ぐ。

 

するとアリスを中心に一陣の風が吹く。

 

風が過ぎ去ると黄金の刃をしレオンハルトのアロンダイトとは真反対と言えるほどの神々しさを醸し出している剣が握られていた。

 

 

「束ねるは星の伊吹…………輝ける命の本流…………受けるが良い!!約束された勝利の剣《エクスカリバー》

!!」

 

 

黄金の聖剣から放たれる究極ともいる黄金の斬撃。

 

爆撃を耐えるには耐え切ったが須佐能乎をほぼ完全に砕かれ無傷とは言え無いレオンハルト。

 

そんなレオンハルトに襲いかかる黄金の斬撃。

 

慌てて須佐能乎のでガードするが投影爆撃の嵐に耐えたとは言え半壊している須佐能乎ではエクスカリバーの斬撃をガードしきれない。

 

レオンハルトは黄金の本流に呑まれた。

 


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