剣姫の弟ですが何か 〜ジャガ丸君の好みは豚キムチ味〜   作:万屋よっちゃん
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この小話シリーズは時たま書いていきます。

小話シリーズは本編と何ら関係は無く、息抜き的な感じです。


小話『風邪』

ある日の黄昏の館。

 

 

「うぅー、身体が熱いし関節の節々が怠い…………」

 

 

「完全に風邪だな。

 

この所ダンジョンに潜り続け訓練も頑張っていたからな。

 

魔法で治すより自然治癒がいいだろう」

 

 

ロキファミリアのお母さん、リヴェリアがレオンハルトの部屋を去る。

 

リヴェリアが部屋を去った後、レオンハルトの姉であるアイズが入った。

 

 

「大丈夫?」

 

 

「別に大丈夫だよ、姉さんはダンジョン行かなくていいのかよ」

 

 

アイズは近くにあった椅子をレオンハルトが横になっているベッドの隣に座る。

 

 

「私、レオンのお姉ちゃん。

 

だから看病する」

 

 

凄く心配だ、戦闘以外のアイズは天然そのものだ。

 

アイズは何を思ったのかロキファミリア行きつけのジャガ丸君専門店の紙袋を突き出してきた。

 

中を見ると大量のジャガ丸君が入っている。

 

 

「風邪は辛いってリヴェリアが言ってた。

 

辛い時は甘いものが一番………」

 

 

「いやさ、好きだよ?ジャガ丸君好きだけどこういう時ってお粥みたいな消化の良いやつの方が良いでしょ。

 

ジャガ丸君はヘビー過ぎるわ」

 

 

ジャガ丸君ジャンキーなアイズにとって悲しい事なのか、お姉ちゃん的な行動が出来なくてショックなのか俯きあからさまにションボリする。

 

アイズ・ヴァレンシュタインに悪意というものは存在しない。

 

全ては純粋な善意で出来ている。

 

 

「……なら私が食べる」

 

 

そう言って袋からジャガ丸君を取り出しもぐもぐと食べ始めるアイズ。

 

木の実を齧るリスの如く頬が膨らむ。

 

しかし、それでも食べるのをやめない。

 

 

「よぉ〜〜、生きてっか?ってアイズ!?」

 

 

「ベートさんか、何?お見舞い?」

 

 

「雑魚のお見舞いなんかわざわざするかよ。

 

暇だから笑いに来てやったんだよ」

 

 

ベートの後ろから2人のアマゾネスがひょこっと顔を見せる。

 

 

「これでもねー、ベートさっきまで大丈夫かあいつ、心配だぜって言ってたんだよー!」

 

 

「尻尾が珍しくシュンとなっちゃって………ふふ、ベートったら可愛いとこあるのね」

 

 

ティオナとティオネがベートを弄り始める。

 

 

「るっせぇぞ、バカゾネスが!!」

 

 

 

「「や〜い、ツンデレ〜〜」」

 

 

「まじでぶっ殺す!!」

 

 

部屋を走り回る三人。

 

この三人が揃えば決まってこういう事になる。

 

リヴェリアやフィンやガレスが居なければ治ることはない。

 

そんな騒がしい中でもアイズのジャガ丸君を食べる手は止まらない。

 

 

「レオン、お粥作ってきた…………ってまたお前らかぁぁぁぁぁぁ!!

 

お前ら、其処に直れぇぇぇぇぇ!!」

 

 

お盆の上に小さな土鍋を乗せて運んできたリヴェリア。

 

ロキファミリアの中でも数少ない常識人なだけあって病人の接し方も心得ている。

 

リヴェリアのお説教は何故かアイズも巻き込んで5時間も続いた。

 

その間もジャガ丸君が止まらないアイズ。

 

うん、どんだけジャガ丸君あんだよ。

 

 

「あはは、彼らに静かにさせるのは難しいよね。

 

病人なのに大変だね」

 

 

フィンが部屋に入ってきていた。

 

「団長………まぁ明日には治りますよ。

 

リヴェリアのお粥食べたらなんか体調良くなってきたし」

 

 

「まぁ何でもエルフ族に伝わる秘伝のレシピらしいからね。

 

まぁ君はアイズと同じで無理をしがちだ。

 

今日は良い休みになっただろう、今後は呉々も無茶はしないように」

 

 

次の日には体調も良くなり動けるようにはなった。

 

なったのだが、食い捨てられたジャガ丸君の包装紙と白目を向いて亀甲縛りされているベートを発見した時レオンハルトは何とも居た堪れない気持ちになったという。

 

 

 








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