剣姫の弟ですが何か 〜ジャガ丸君の好みは豚キムチ味〜   作:万屋よっちゃん
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ヤマト・命

「んで、今日はどうする?

 

何層まで行くか?」

 

 

「11層までは行きたいです」

 

 

「お前はアホか、まだレベル2じゃないのに2人でそこまで潜れ…………無くは無いな。

 

OK、なら11層までだからな」

 

 

紫色の丈の短い着物を着た少女、命。

 

レオンハルトの年上ではあるがこれではレオンハルトの方が年上のようだ。

 

命の実力はレベル2と言っても通用するだろう。

 

単純なステータスの差が物言うこのダンジョンでは実力を発揮する為にも経験値を積みステータスを上げねばなるまい。

 

 

「オークか…………命、どうするやってみるか?」

 

 

「任せてください!!」

 

 

勢い良く飛び出す命。

 

オークはその巨大な体躯を活かしたパワーで攻撃してくるモンスターだ。

 

オークは近づいてくる命に棍棒を横薙ぎに振るう。

 

命は棍棒が当たる前にスライディングでオークの股の下を通り背後に出る。

 

オークの反応速度では反撃に時間がかかる為、それまでにダメージを与えなければならない。

 

剣でオークの腱を切り裂き膝を着かせる。

 

そして背中を登り

 

 

「せやぁぁぁぁあ!!」

 

 

オークの首に剣を突き刺した。

 

すると黒い煙と共に消え去り魔石だけを残していった。

 

剣を鞘に仕舞い嬉しそうにレオンハルトの元へ戻る命。

 

サイドテールに縛られた髪が嬉しそうに揺れる。

 

しかし、その背後にもう一匹オークが棍棒を振り上げていた。

 

その存在に気づいていない命は格好の的だ。

 

オークにオーバーパワーを放とう物なら対面上にいる命にも当たってしまう。

 

ゴブニュファミリアで作って貰った特殊な暗器………クナイを構えオークへ投げる。

 

命は自分が狙われたのかと思ったらしく動きを止め無意識のうちに剣に手をかけていた。

 

しかし、次の瞬間それは違うと分かった。

 

目の前のレオンハルトの姿が消えたのだ。

 

慌てて背後を振り返ると青い玉をオークにぶつけているレオンハルトがいた。

 

 

「螺旋丸!!」

 

 

ぶつけられたオークはその大きな腹に風穴を開けて絶命した。

 

 

「狩りは獲物を狩った後が一番危険なんだ覚えとけ」

 

 

冷たく言い放つレオンハルトに命は背筋を凍らせた。

 

自分の方が年上なはずなのだがレオンハルトから溢れるその気迫は一流冒険者と比べてもなんら遜色は無かった。

 

 

「はい、申し訳ありません」

 

 

軽いお辞儀をするとレオンハルトの雰囲気はパァッと明るくなった。

 

 

「うし、それじゃあそろそろ帰るか」

 

 

一流の冒険者に囲まれているレオンハルトであるからこそ分かる事、強い冒険者程基本に忠実で基礎を重視する。

 

深い層に潜る時は多くの人数でパーティーを組むとか回復薬などは常に揃えておくとかだ。

 

当たり前の事だが駆け出しの冒険者の方が装備品が不充分だったりする。

 

それで命を落とした冒険者を何人か見た経験もあるレオンハルト。

 

 

「それにしてもあの一瞬で移動したのとあの玉をぶつける魔法?はどういう事ですか?」

 

 

「昔受けたクエストの報酬でな………一々登るの面倒だな。

 

うし、命俺に捕まれ」

 

 

「キャッ!!」

 

 

急に命の肩を抱いたせいか女の子らしい小さな叫び声が響く。

 

そんな小さな叫び声がレオンハルトに届く間もなく命の眼前の景色が変わる。

 

 

「ここだけの秘密だけど俺の魔法………うん、魔法の1つなんだけど飛雷神の術って言ってなあらかじめマークしておいた場所に移動する事が出来る魔法なんだ」

 

 

「それは良いのですが何故先程の会議室なんですか!?

 

ロキファミリアの幹部勢揃いじゃないですか!!」

 

 

会議中にいきなり輪の中心に現れたら誰でも驚くだろう。

 

しかし、ロキファミリアも慣れているのか「あぁ、居たんだ」ぐらいな反応である。

 

ロキに至っては珍しい魔法だと見せる度に喜んでいる。

 

 

「レオン、そろそろ命ちゃん放したり。

 

命ちゃん顔真っ赤になって茹でタコみたいやで」

 

 

「真っ赤ってそんなわ…………赤!!

 

熱か!?やっぱ無茶し過ぎたか………いやでも動きそのものに問題は……………とりあえずお母さん、命を治療してやって!!」

 

 

九魔姫〈ナインズ・ヘル〉の二つ名を持っているリヴェリアにお願いするレオンハルト。

 

しかし、この赤面は発熱によるものではない。

 

羞恥と、もう一つ別の感情がある事をリヴェリアは見抜いていた。

 

それを知った上でこいつはどうしたものかと悩む。

 

 

「誰がお母さんだ、そもそも種族が違うだろ」

 

 

「はっ、その前にてめぇは独身だろうがババァ。

 

結婚相手探してる内にもう手遅れだろうが」

 

 

ベートが嘲笑しながら呟く。

 

腰まで伸びた綺麗な髪が怒りで逆立ち始めた。

 

それを確認したベートは一目散に逃げ出した。

 

 

「誰が婚期を逃した干物女だとぉおおお!?」

 

 

「そんな事言ってねぇだろうが!!」

 

 

目にも止まらぬ速さで全力のリアル鬼ごっこ(捕まったら九割殺し)が始まったのを笑顔で見守る(一部のアマゾネスがバカ笑い)と言うのがロキファミリアの日常。

 

それに圧倒される命。

 

 

「まだ顔赤いな、風邪が酷くなっちゃ駄目だな。

 

とりあえず風呂入ってサッパリしてこいよ」

 

 

「ヨシキタ!!行くでぇ、命たん!!ウチ無しには生きられへん身体にしたる!!」

 

 

「わ、わぁぁぁぁぁ!!」

 

 

自身の主神じゃないというのもあるがロキファミリアはオラリオで間違い無くトップクラスのファミリアだ。

 

そんなファミリアに楯突くことは出来ないという考えもあってロキの行動に上手くツッコめないでいた。

 

 

「レオン、彼女はどうだった?」

 

 

「まぁレベル2って言ってもおかしく無い位だな。

 

あと一週間も経たずにランクアップ出来るんじゃないかな」

 

 

「ふふっ、そうか。

 

毎度の事ながら他人のランクアップと言うはワクワクするね」

 

 

レベル6の勇者〈ブレイバー〉、フィン・ディムナ。

 

オラリオの最強の一角である彼は自身の成長が限界にきていると感じていた。

 

そう感じた途端、他人のランクアップに羨ましいという感情を抱くようになっていた。

 

 

「別にそうでもねぇだろ。

 

でもまぁ………同期が同じラインに立つってのは嬉しいもんだな」

 

 

命とレオンハルトは同じ時期に冒険者登録をしている。

 

レオンハルトとしても命のランクアップを手伝えるのは嬉しい事だろう。

 

会議室を出るレオンハルトの口元が緩んでいるのを見てフィンも微笑ましく思ったのだった。

 




飛雷神の術と螺旋丸はナルトから使わさせてもらいました。

命の可愛さを引き出せねぇwwww

予告としましては次の話で命のランクアップ、そしてその次に挟む小話として神会〈デナトゥス〉をやります。

雑でこめんなさい。







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