ブラック・ブレット 紅き守り手   作:フルフル真

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第20話

真莉「出来ることなら止めてやるのが大人なんだろうが...そう簡単にはいかねぇだろ」

 

シンリ(そうだろうね、人間って言うのは本当に面倒くさいんだね〜)

 

真莉「そうなんだろうな...さて、さっさと行かなきゃな、あいつに色々と説明せにゃならんのな...だりぃな」

 

シンリ(まぁまぁ、どうせすぐに無意味だってわかるでしょ〜)

 

真莉「ならいいんだがな」

 

 

真莉は立ち止まっていた足を動かしまた走り出す

 

数分後には病院が見えてきた

真莉は路地裏を見つけそこに降りる、誰にも見られていないことを確認し路地裏から大通りに出て病院に入っていく

真莉は病院のスタッフに天童木更の病室を聞き病院内を歩き出す

やがて木更の病室の前にやって来て立ち止まりコンコンコンとノックをする

 

 

真莉「...返事がない、ただの屍のようだ」

 

シンリ(いや、そういうのいいから...空いてるんじゃないの?)

 

 

真莉は扉を横にスライドさせ病室に入る

そこで真莉が目にしたのは...

 

 

 

木更「ッア!ちょっ!?ちょっと!?里見くん!?どこ触ってるの!?わ、私そこまで許した訳じゃないわ!?って聞いてる!?」

 

延珠「むぅ、この大きさ、形、弾力...悔しいがAAAクラスを付けねばなるまい...」

 

木更「って!?延珠ちゃん!?何してるの!?」

 

延珠「聞きたいのは妾の方だ!事務所に帰ったら穴だらけになっているし!ここへ来たら木更がオッパイ放り出して蓮太郎を誘惑しているし!」

 

延珠の言葉に蓮太郎は溜息を吐きそれを見つめていた

木更は延珠の言葉に顔を羞恥に染め大きく反論する

 

木更「放り出しても誘惑もしていないわよ!」

 

ぎゃあぎゃあとうるさくなった病室に真莉は大きく、そして深い溜息を吐き三人の元へ近づいて行く

それに気付いた蓮太郎が真莉に声を掛ける

 

蓮太郎「やっと来たのか真莉」

 

真莉「以外と遠いんだぞ...それにしても、天童民間警備会社が襲われて社長殿が病院に運ばれたと聞いてとりあえず来たんだが...」

 

真莉は未だに睨み合っている二人を見て軽く今日何回目かになる溜息を吐いた

 

真莉「元気そうで何よりだな」

 

延珠は真莉にやっと気づいたのか手を振り始めた

 

延珠「お、真莉ではないか!さっきぶりだな!」

 

木更「っななな!?一体いつからいたの!?古畑君!?」

 

木更は先ほどのやりとりを見られたと思っているのか顔が赤く染まっていた

 

真莉「はぁ、俺が来たのはつい今さっきだ、それより天童民間警備会社...って言うより天童木更を襲ったやつってのは...」

 

そこまで言うとその先を答えたのは蓮太郎だった

蓮太郎は拳を強く握り微かに震えていた

 

蓮太郎「あぁ、電話でも言った通り、ティナ・スプラウトだった」

 

真莉「...そうか...《やっぱり》か」

 

真莉の言葉に蓮太郎は驚きの表情を見せすぐに真莉に詰め寄った

 

蓮太郎「お前...知ってたのか!?」

 

真莉「確証はなかったがな...あいつに一番最初に会った時流石に覚えてるだろ?」

 

蓮太郎「あぁ...それが?」

 

真莉「俺はこう見えて鼻が良い、集中すれば流石にアカネ程ではないがある程度は嗅ぎ分けることが出来る、あん時ちょっと気になったんでな、集中してたら微かに、本当に微かにだが鉄の匂いがした」

 

蓮太郎「だが、それはティナが乗ってた三輪車の可能性が高いだろ?それに今時鉄なんてどこにでもある」

 

真莉「あぁ、だからこそ俺は最初は気にも止めなかった、だがその後、最初に聖天子が狙撃された時に俺はあの狙撃弾を掴んだだろ?」

 

蓮太郎「あぁ...っ!?」

 

蓮太郎は生返事をするがすぐにそれがどういうことなのか理解し目を大きく開け真莉を見た

 

真莉「気付いたか...そうだよ、俺は一度覚えた匂いを忘れねぇ、その時に思い出したんだよ、あの時、スプラウトから感知できた匂いはこの弾丸と似ていたとな」

 

そこまで言うとそれまで静寂を保っていた木更が話に割り込んでくる

 

木更「でもそれでも気のせいと思わなかったの?自分の勘違いって?」

 

真莉は若干のドヤ顔をして木更に言う

 

真莉「俺は自分に自信を持ってるからな」

 

蓮太郎「うわ、ウザい」

 

蓮太郎は言って後悔した

すぐに真莉は蓮太郎の後ろに行き蓮太郎の関節を決める

ミシミシと鳴り響き蓮太郎がやめてくれ!と叫びようやく離す

 

真莉「...さて、遊びは終わりだ、これからどうする?」

 

真莉の言葉に全員の表情に真剣味が増す

 

真莉「現状俺らに打てる手は少ない、このままじゃ先手を取られるばかりだぞ?」

 

蓮太郎「と言ってもな...相手は何処から撃ってくるのかわからない以上探しようも無い...俺もティナに見られてるからこっちからコンタクトは取れないだろうし...そうだ!真莉なら!」

 

真莉「アホか、無理だ」

 

蓮太郎の言葉をバッサリと切り捨てる

蓮太郎はジロッと真莉を睨む

 

蓮太郎「なんでだよ?」

 

真莉「恐らくスプラウトには俺も敵方だってバレてる、だから無理だ」

 

蓮太郎はそうかと明らかに落胆した表情を見せた

木更は思った疑問を真莉に問い掛ける

 

 

木更「ねぇ、真莉くんとアカネちゃんと里見くんと延珠ちゃんの四人でやればすぐに倒せるんじゃないの?」

 

真莉「アホか、んなことしたら誰が聖天子を守るんだよ、あの使えねぇ護衛どもなんざ信用の欠片もねぇよ...それに単純に今回俺はスプラウトと闘うことはできねぇ」

 

真莉の言葉に蓮太郎たちは驚く

 

蓮太郎「なんでだよ!?」

 

真莉「...あの会談の時の二人組いただろ?」

 

蓮太郎は記憶を呼び起こす

確かにいた、真莉の事を兄と呼ぶ女と無精髭を蓄え鋭い目付きをした中年の男性だ

 

 

真莉「あいつらは...古火田一族の現当主とその娘だ、あいつらも今回の件は依頼として入っているはずだ、古火田一族は暗殺から要人警護までなんでもやる一族だ、まぁそれ相応の額を貰うから早々依頼なんて来ないがな」

 

真莉は虚空に溜息を吐き続ける

 

真莉「古火田一族は何があろうと、自分自身がどんな目に会おうと依頼を完遂するのが一族の教えだ、恐らくだが今回の依頼は相応の依頼なんだろうな、当主とその娘が来ているんだし」

 

どんだけの金を使ったんだか...と真莉は呟く

 

蓮太郎「それとこれとは別じゃないのか?」

 

真莉「間違いなくあいつらは邪魔をしてくる、むしろこれからは率先して聖天子暗殺をしてくるだろ、そうなったら少なくとも聖天子を守りながらの戦いになるしそれよりも現状、俺は古火田の当主には勝てない理由がある」

 

真莉をも勝てないと言わしめるあの男はどんなやつなのだろうと蓮太郎は思考する

すると横から袖をくいくいと引っ張られ蓮太郎はその方向を見ると延珠が膨れっ面で蓮太郎を見ていた

 

延珠「蓮太郎蓮太郎蓮太郎!何が何だかさっぱりだぞ?」

 

蓮太郎は屈んで延珠に目線を合わせ簡単に事務所襲撃の顛末とそれが聖天子暗殺未遂とリンクしていることを告げる

 

延珠「なんだそんなことか、じゃあ妾たちが聖天子様を守り抜けば良いではないか」

 

延珠は先ほどの事を聞いていなかったのかそんなことを言った

真莉はポカンとしていた

 

蓮太郎「お、お前なぁ...そんな簡単に言うけど...」

 

蓮太郎はそこまで言うとふと考える

確かに延珠の言うとうりだしそれもわかる...しかしそれはここにいる真莉を含めた上での話だ

 

確かに聖天子を守ると言う点では延珠の言うのは正しい

しかしそれは先ほど真莉が言った問題点が無ければの話だ、真莉ですら勝てない相手...その人物が本気で聖天子を殺しに来たとしたら...蓮太郎は少し身震いをした

すると先ほどの延珠の言葉で固まっていた真莉が笑い出した

 

真莉「くくく....あっはっはっは!そっかそっか!そりゃあそうだな、延珠の言うとうりだ」

 

延珠「む?何があったのだ?」

 

木更「ど、どうしたの?」

 

真莉「聖天子を守り抜けば良い...確かにその通りだなってよ、蓮太郎、ちょっと話がある」

 

真莉がそう言った瞬間に病院の電気が全部消えた

どうやら消灯時間の様だ

 

木更は少し溜息をし居住まいを正すと月をバックにパッと黒髪を書き上げる

 

木更「社長として命令します、里見くん、聖天子様を狙う狙撃手を排除し正義を遂げなさい!真莉くんには友達としてお願いするわ、聖天子様や里見くんたちを守って!」

 

蓮太郎は目を閉じると胸に手を当て自分の良心に問う

 

蓮太郎「止めるよ、必ず...あいつは俺が止める!」

 

真莉はふぅと息を吐き木更をしっかりと見る

 

真莉「友人の頼みだ、しっかりとやるさ...蓮太郎、ちょっと話がある、このあと時間作ってくれ」

 

蓮太郎「分かった」

 

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