ブラック・ブレット 紅き守り手   作:フルフル真

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遅くなりましたm(_ _)m
オリキャラのみ動かすと時間が掛かりますね...

今回は短いです!申し訳ないです...

そう言えば!外伝を含めるとこの話で50話目となります!

みなさん貴重な御意見やご感想をいただきありがとうございます!

これからも頑張っていきますよ!!


第29話

プルルル

 

無機質な音が夜の闇に木霊する

その音の発信源はポケットの中から聞こえた

男はポケットから音の正体...スマホを取り出し画面を見て顔を少し歪ませた

 

ッピと通話ボタンを押し男はスマホを耳に当て相手の言葉を待った

 

 

『ようやく出たな...貴様、今どこにいる?』

電話先の相手はドスの効いた声で男に問いかけると男は...

 

「すいません、少々トラブルが起きまして...」

 

『トラブルだと?』

男が表情も変えずに言うと電話先の人物は更に強めの口調で言う

 

『そんなもの瞬時に終わらせろ、お前はそんな簡単な仕事もできんのか!』

 

男の声に喉元まで出た声にならない声をなんとか押しとどめあくまで平坦に...男、古火田和眞は答える

 

「申し訳ありません、ご主人様

しかし今回ばかりは...我々でもスムーズに行かない可能性があります」

 

和眞は自身の目の前にいる男...古畑真莉から目を離すことなく言う

 

『おい、詳しく説明を...』ッグシャ!

 

和眞は電話の話を聞かずにスマホを握り潰した

 

「...折角待ってやってたのに...最期の電話ぐらいしっかり終わらせなくて良かったのかよ」

 

真莉は面倒くささを全面に押し出しながら和眞に言った

 

「...必要無いさ、このままお前を捉えてすぐに大阪エリアに帰るからな」

 

「(ッフ)そりゃ無理だ...お前はここで殺す」

 

真莉は和眞の言葉を鼻で笑う、その直後に濃密な殺気が辺りに溢れ出した

 

 

「真莉、最後のお願いだ...俺たちと共に来い

お前はまだ子供だしお前にはまだまだ教えなければならないことが沢山あるんだ」

 

和眞は懇願する...しかし真莉は首を振るだけだった

和眞はそれを見てふぅと短く息を吐き出す

 

「.....本気なんだな?」

 

「俺は嘘は言わない...お前は...お前だけはここでコロ...っち!」

 

真莉が最後の言葉を言おうとした瞬間、和眞の脇から猛スピードで真莉に突っ込んでくる黒い影があった

 

真莉はそれを見て後方に跳ぶ

先程まで真莉のいた場所に十文字の切り傷がつけられた

 

真莉はその人物に視線を移す

 

その人物は両手にククリナイフをもち、頬には大きなアザがある少年だった

 

「...またテメェかよ...」

 

真莉はぼそりと呟く

 

「お前だけは...お前だけは...お前だけは...」

 

「.....あ?」

 

その少年、翔はブツブツと何かを呟いていた

真莉はその光景に怪訝な目を向ける

翔は一気に真莉に接近する...がその前に別の小さな影が現れ翔を吹き飛ばす

 

「っつぅ!?」

 

「やらせないよ...お兄ちゃんと戦いたいなら私を倒してからだよ!」

 

「この...クソ女ァァァァ...」

 

横から翔を吹き飛ばしたのは髪を後ろに一つにまとめその瞳は紅蓮に染まった少女、アカネが立ちはだかった

 

真莉はアカネを横目で見てお互いに頷きあう

 

真莉は瞬時に意識を和眞、榛名に向ける

 

「...全く、どんな躾してやがんだよ、話も何も無しにイノシシみてぇに突っ込んできやがって」

 

真莉は額に手を当て言い放つ

 

「...正直俺たちの手にも余っているんだよ」

 

「普段は聞き分けのある子なのだけれどね...」

 

和眞は溜息をつきながら、榛名は遠い目をしながら呟いた

 

「...ま、んなのはどうでもいいか...」

 

真莉はふぅと息を吐きぼそりと呟いた

和眞は真莉の今までとは全く違う態度に対して怪訝な表情を浮かべる

 

こないだまで、本当についこないだ顔を合わせれば殺気が隠しきれず多少なりとも漏れ出していたり

すぐに衝突するような男だった

 

それこそ今回も会った瞬間に殺気が溢れ出し今にも衝突しそうな雰囲気を出していたが翔が特攻を仕掛けた後からまるっきり別人かのように雰囲気がスッと変わった

 

最初こそ真莉の中に潜む化け物...ゾディアック・ガストレア最後の一体であるガストレア・キャンサーに変わったのかと思っていたがすぐに違うと判断した

 

キャンサーと真莉が入れ替わった時すぐに分かるのはまず声が少し高くなり一人称がボクとなる

それよりも真っ先に分かりやすくなるのが瞳だ

普段は漆黒の色の瞳はキャンサーに変わると呪われた子供達のように瞳が紅蓮に染まるのだ

 

だが今の真莉にはそのどれもが見られない...だからこそおかしい

その違和感に榛名も気付いている

 

「...何があった?」

 

「.....要領を得ないな...何の話だ」

 

和眞の疑問に真莉はごく普通に答える

 

「真莉、今のお前はどっちだ?」

 

和眞は目を細めて言う、真莉は一瞬ぽかんとするがすぐにクツクツと笑いだした

 

「どっちって、俺は俺だ、キャンサーではねぇよ...そうだなぁ、言っちまえば...自分に『正直』になったってだけだな」

 

真莉は大袈裟に溜息を吐いた

 

「どういうこ...「和眞!」っ!?」

 

 

「余所見している余裕があって羨ましいぜ...なぁ?『親父』」

 

「...ふぅ、お前の考えは全くわからん...だからもっとお前と話をしたい...だが!今はあまり時間がない、だからお前をここで捉え後で話を聞くとしよう!」

 

和眞は真莉の口から出た親父と言う言葉に思考が飛びかけたかすぐに立て直す

 

そして和眞は目を細めると髪が紅蓮に染まりだす

 

「親父と『母さん』じゃ無理さ...もう俺は負けない...俺はもう、迷わない」

 

真莉の髪も紅蓮に染まりだす

榛名は目を閉じ何かに震えていたが決意したのか目をキッと開け腰から二丁の銃を取り出し両手を交差させ真莉に向ける

 

和眞は目を細めたまま腰を落とし右腕を腰のあたりまで引き、左腕を真莉に向けいつでも飛びかかれるよう態勢をとった

 

真莉はトン、トンと両足でジャンプしそのまま着地するという動きを数回した後ふぅともう一度息を吐き左腕を腰のあたりまで引き、右腕を和眞の方に向ける

和眞と真莉の構えは腰を落としていないだけでほぼ同じ構えを取っていた

 

和眞はそれを見て僅かに微笑するがすぐに顔を引き締め榛名に聞こえるかギリギリのトーンで言う

 

「俺が突っ込む、援護を」

 

「えぇ」

 

僅かな言葉に確かな信頼と安心感を覚え和眞は真莉に向かって突っ込んでいく

 

真莉は和眞から目を離さずに、それでいて榛名の腕の動きも一緒に見ながら動く

瞬時に和眞と真莉の距離が迫りお互いに引いていた腕を相手にぶつけるために振り抜く

 

「オォォォォォ!!!!」

 

「ハァァァァァ!!」

 

ッゴ!!!っと両者の腕がぶつかり周囲に物凄い音と衝撃が走る

 

最大にして最後の『親子喧嘩』が今、始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君は本当に何故あの男に勝てないのか分からないの?

 

ボクはすぐにその理由が分かったけどね...

 

それはダメさ、ボクは答えを知ってはいるけどそれは君のためにはならないからね...ほら、いつまでも不貞腐れてないでさ

 

うん、時間になったらボクが起こすさ...しっかりと寝て自分がどうしたら良いか、どうしなきゃいけないのか考える事だよ.....

 

ふふ、そりゃボクは君の育ての親だからね、君の事は君以上に知ってるよ...君が本当はどうしたら良いかもう分かっているって事もね....ううん、何でもないよ、うん、おやすみ、次の戦いではボクは一切ても出さないし口も出さないよ、だから安心してね

 

 

 

全く、いつまで続くんだろうねー、この意地っ張りの親子喧嘩は...




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