病みつき物語   作:勠b

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目に見える 世界は誰も 違ってる


病みつき由紀~後日談~

あの日、俺達の世界は終わった。

 

大量の化け物共に囲まれた生活は辛く、死と隣り合わせの毎日だった。

でも、それも終わった。

俺達は助かったんだ。

救助に来たヘリに乗り俺達は平和な世界に帰ってきた。

でも、戻ってきたのはそれだけ。

何も返ってきてない。

そう、何も返らない。

友達も仲間も何も、返ってこない。

胡桃も、りーさんも、めぐねぇも━━━

何も返ってこない。

もう、返ってこない。

 

 

 

 

 

━━━━━━

ヘリから降りると、俺達はすぐに保護の名目でマンションの一室に隔離された。

その時に由紀とは離れ、バラバラになった。

俺は、毎日来るスーツを着た来客に地獄での話をする。

でも、それが怖い。

ゾンビ達の話をするだけで思い出し、泣きそうになる。

俺が話すことが辛くなったら休憩を挟み、また話す。

これを何日も繰り返した。

正直、上手く話せた自信はないけど。

だって……。

 

来客者はよくは知らないが、警察関連の人らしい。

そのあたりの話は余り覚えていない。

気が気でない中での話だったからか、記憶できなかった。

来客者も「仕方がない」と話してくれたけど。

来客者からは何時も由紀の話をしてくれる。

由紀は俺の近くの部屋に隔離されているらしい。

由紀は人が来て話すことを面接ととらえているらしい。

そういえば、もう卒業とかの時期か。

面接としての話にゾンビ達の事を聞くが、動揺し全く応えようとしない由紀に対しては直接的話すことを止めて今では単なる話し相手になってしまったとのこと。

近いうちに精神科の先生に本格的に見ていただくとのことだ。

 

それと、どうやら生存者は俺以外にも複数入るらしい。

中には俺と由紀みたく2人っきりで生きてきた人達もいると聞いて、少し驚いた。

その人達と会ってみたいな、なんて思いながら。

暫くはこんな毎日を過ごしていた。

でも、ある日変わったことがあった。

 

普段来る来客者とは違う白衣の人が俺の前に現れた。

話を聞くと、どうやら精神科の世界らしい。

初めはなんで俺に来たのかわからなくて、少し暴れてしまったが落ち着いた頃には優しい口調で声をかけられる。

なんというか、プロの人だななんて思ってしまう。

どうやら、由紀を見るついでに俺達他の生存者の様子を見に来たとか。

たしかに、あんな環境で過ごしてきてまともな精神で過ごせている奴なんていないだろう。

俺は、白衣の来客者から投げかけられた言葉を返していく。

淡々と、思うように。

でも、それも終わった。

最後に投げかけられたら疑問が俺の言葉を壊した。

 

「あなたは、ここにいる?」

 

何を言っているのか、何を言いたいのか本当に分からない。

思考しても考えても言葉を探しても、無駄。

質問の意図が読めない。

困惑している俺を見て数秒、白衣の来客者は「なんでもないわ」と言い残して部屋を去った。

部屋には1人残されている。

ひとりぼっちだ。

そうだ、俺は

俺は、ここにいる。

この━━━世界に。

そう思うと思わず口元に笑みを浮かべてしまう。

何でこんな簡単なことすらわからなかったんだろう。

そう、思う。

 

 

 

 

 

━━━━━━

白衣の来客者が来てから数日後、何時もの来客者がやってきた。

とうやら、もう俺の役目は果たしたらしい。

来客者は俺に言う。

「君が条件を守ってくれるなら、私達が君に新しい環境をあげよう」

淡々と述べられた条件は以下の通りだ。

・ゾンビ達の事は誰にも言わない

・巡ヶ丘市にいたことは誰にも言わない。

以上。

俺は巡ヶ丘市にいた事を隠すため、全く違う経歴を書かれた履歴書を渡される。

なぜ履歴書?

と尋ねると、どうやら由紀との面接に使ったらしい。

来客者は苦笑している、こんなのを書くのは久しぶりだ、楽しかったよ。と皮肉めいた口調で言われてしまう。

すいません。

内心謝っておく。

 

俺は、この話を了承した。

代わりに得られたのは、仮の経歴と新たな住所そして、多額のお金。

迷惑料、というなの口止め料だろう。

どうやら、俺達一人一人に多額の金額を支払うらしい。

さらには、今回だけではなく毎月とのことだ。

働かなくても生きていけるだけのことはしていけるらしい。

そこまでしてくれるのか、と軽く驚くがそれだけのことかもしれない。

と、思うことにしよう。

最近、深く考えるのに疲れてきている。

だから、この話もこれで終わりだ。

そんな自己完結をして早数日。

俺達は、新しい生活で過ごすことになった。

そう、化け物も恐怖もない、明日がある生活に……

変わった。

 

 

 

 

 

━━━━━━

俺が一人暮らし、というか監禁生活を終えてから1ヶ月が過ぎた。

俺は近くの学校に通ってそこで授業を受けている。

静かな部屋だ。

窓ガラス一つ割れていない部屋。

目の前にいる先生は黒板に文字を書いていくと分かりやすく解説を入れる。

解説中何回か俺と視線が合うのは、仕方がないことなんだろうか。

そんなことを思いながら、黒板の文字をノートに写していく。

平和な時間だ。

そんなことを思いながら黒板を写し終えると、教室から一瞬音が消え、それを見計らったように黒板に新たな文字が刻まれていく。

早く終わらないかな。

そんなことを思いながら、窓から空を見る。

退屈な日常を噛みしめながら。

 

 

 

 

 

━━━━━━

学校を終えると俺はすぐに行くところがある。

歩いて数分の所にある精神患者向けの病院。

そこには彼女がいる。

受付の人に面接の許可を得て、俺は彼女のいる部屋へと向かう。

軽い、けどどことなく重く感じるトビラを開けるとそこには真っ白の部屋が広がる。

必要最低限な物すらない真っ白な部屋。

そこに寂しく置かれているベッドの主は楽しそうに壁に話している。

「めぐねぇ、私ね卒業してらダーリンのお嫁さんになるんだ。え?ち、違うよ!!働きたくないんじゃなくて、お嫁さんになりたいの!!」

楽しそうに独語を弾ませる由紀は、まだこの世界には帰ってきていない。

未だに由紀の中には学園生活部があるらしい。

でも、由紀は自分が病室にいることを理解していたりする。

 

「だってね、この子とダーリンの傍に少しでも長くいたいんだもん」

そう話すと平べったいお腹をさする由紀。

想像妊娠。

先生はそう判断していた。

由紀は精神に異常をきたし、日常生活を支障なく過ごすことは不可能だと判断されていた。

少し過剰すぎないか?

とも思ったが、専門的な知識なんて持ってない俺からしたら何も言えない。

だから、こうしてここで暮らす由紀の様子を見に行くことが俺の日課だ。

 

「えっ?ダーリン来たの?……あっ、ダーリンだ!!」

 

めぐねぇに教えてもらったのか、俺の方を急に振り向き手を振る。

俺はそんな彼女に近付き付近の椅子に座る。

 

「調子は?」

「元気だよ」

「体は?」

「えへへ、元気元気」

「その、子供は?」

「元気に私の中で過ごしてるよ」

 

由紀は笑顔で言うと、俺の手をとり自分のお腹にあてる。

 

「ほら、ダーリンも感じるでしょ?」

「……そうだね」

 

俺は、合わせることしかできない。

嬉しそうな彼女に。

 

「私ね、今度この子に必要な物を買ってこようと思うんだ」

「……先生は何って言ってたの?」

「ダーリンと一緒に行きなさいって!!こういうのは、夫婦で考えながら買うものだって」

「そっか、じゃあ今度の日曜日に行こうか」

「うん、デートね」

「そうだね」

 

そんな雑談をしながら由紀と過ごす。

由紀と俺はこれまでリハビリという名目で近所を出たことがある。

条件は、1人にならないこと。

2人でいないと必ずよからぬ事が起きるから。

だから、基本は手をつないで2人一緒だ。

由紀も分かってるのか分かってないのか俺の手を離そうとしない。

先生も初めは傍で見守る人を置いていたが、最近は傍にそういう人を置かなくなった。

信頼なのか、それとも……

まぁ、いいや。

そう終わらせよう。

由紀と談笑していると、そんな細かいことはどうでもよくなる。

 

「じゃ、2人で先生に許可もらいに行こうよ」

「そうだね」

 

由紀は立ち上がると俺の手を引っ張る。

それにつられるようにして歩いていく。

この、幸せを噛みしめながら。

 

 

 

 

 

━━━━━━

先生から外出の許可を頂き、今日は約束の外出日。

俺は由紀と一緒に病院を出て近くのショッピングモールへと向かう。

道中、由紀から難しい話を振られた。

 

「ダーリンは卒業したらどうするの?」

 

思わず悩んでしまう。

「私と子供のために就職?」

就職か、それも悪くないな。

「そうだね、由紀達のためにも働くよ」

「えへへ、それでこそ私のダーリン」

「由紀も家事頑張ってよ」

「うん、頑張るね」

 

そんな雑談をしていると、ショッピングモールが目にはいる。

ショッピングモールを見ると、思わずあの日を思い出してしまう。

胡桃、りーさん。 

2人の顔を思い出しながら、歩いていく。

 

「痛いよダーリン」

その言葉で我に返る。

慌てて手を離すと、由紀の手が少し赤いことに気づく。

相当強く握ってたんだな。

「ごめん」

軽く謝罪を入れから、由紀の手を握る。

「えへへ、いいよ。迷子にならないようにちゃんと手を握っててね」

嬉しそうな笑みを浮かべる由紀を見ると、目を背けてしまう。

早く買い物を終わらせて、早く帰ろう。

そんなことを思いながら。

 

 

 

 

 

 

━━━━━━

ショッピングモールの買い物は順調に進んでいった。

子供のために買うとか言っていたが、結局自分の物を買う由紀を見ると苦笑いしか出来なくなる。

気がついたときには俺の手には大量のおやつが入った袋を持っていた。

やれやれ、困った奥さんだ。

 

「あっ、そうだ」

奥さんの事で悩んでいると、由紀はわざとらしく声を出し上目使いに俺を見つめる。

「少し買いたい物があるから、ここで一旦お別れね」

「一緒に行けばいいだろう」

「もう、ダーリンは女心をわかってないんだから」

「何買う気だよ」

「えへへ、楽しみにしててね」

由紀は優しく微笑むと俺の手を両手で握る。

「私達が幸せになるための物だの」

「俺達が……幸せ?」

由紀の謎の発言にしわを寄せる。

なんだろうか?

「それじゃ、行ってくるね。30分後にここで集合ね」

俺の手を勢いよく離すと来た道を返る由紀。

「遅れちゃだめだよー」

手を振りながら逃げるように話す。

「おい、由紀!!……由紀?」

 

俺は自分の手を見る。

誰にも捕まれていない手を。

ふと、周りを見渡すと、沢山の影がいているのがみえる。

由紀……由紀……。

俺は、考えるのを止めて歩き始める。

力なく、無気力に。

一つの影を目印にして。

 

 

だめだだめだだめだだめだ。

ふと、気がつくと俺は由紀と離れた場所にいた。

時間は早いもので待ち合わせの少し前だ。

由紀、由紀、由紀。

俺は周りを見渡す。

そこには、彼女の姿はない。

時間なんだ、来るはずだ。

そう思いながら、必死にこの場に居座る。

動こうとする足を必死に止める。

大丈夫、由紀ならすぐに来る。

これだけを頼りにして。

 

「ダーリン!!」

嬉しそうな呼びかけに気づくと、お腹に軽い衝撃とともに柔らかい感触が来る。

「えへへ、お待たせ」

「由紀、急にいなくなるなよ驚くだろ」

「ごみん」

由紀を離すと俺は彼女の手をつかむ。

「ほら、荷物持つから頂戴」

由紀が持つ小さな紙袋をとろうとすると、由紀はそれを守るように自分の体に押しつける。

「これはね、大事なものだから私が持ってるの」

……珍しいな、何時もなら進んで持ってって言うのに。

「それとね、ダーリンにこれをあげたいから少し雰囲気あるところに行こうよ」

由紀は俺の手を引っ張ると走り始める。

その横顔は慌てているのか、真剣そのものだ。 

まるで、誰かから逃げるように。

まるで、化け物から……逃げるように。

そんな彼女の横顔を見てしまうと、何も言えなくて、何も出来ない。

俺は導かれるままに共に走る。

行く宛があるのかは知らない。

何処に行くのかわからない由紀に、身を任せて。

 

 

 

由紀に連れてこられたのは空き地だった。

そこまで広くない空っぽな空き地にたどり着くとゆっくりと中心へと向かった。

 

「私ね、最近つまらないの」

何もない空間に向けて真剣な眼差しで語り始める。

「何時もね、胡桃ちゃんやりーさん、ゆきねぇがお見舞いに来てくれるけど、ダーリンはいつも最後に来るんだ」

俺は昼間は授業を受けている、何時でもいる皆に比べたら遅くなるだろう。

「なんでだろうってずっと考えてたの」

真ん中にたどり着くと足を止め、俺を見る。

「そしたらね、わかったんだ」

真剣な眼差しは正直に俺の目を捉える。

「ダーリンは、私の傍にいない」

笑み一つ浮かべない普段とは違う由紀。

「ダーリンは私とは違うんだね」

何を伝えたいのか分からないけど、分かる。

不思議な感覚だ。

「ダーリンと私は違うんだね」

きっと、分かってしまったんだろう。

「私ね、気づいたんだ」

自分達が見ている世界は違って

「私の本当にほしいもの」

狂っていることに。

「ダーリン」

甘い口調で呼ぶとゆっくりと俺に抱きつき、その体を預けてくる。

「ダーリンには今、何が見えてるの?」

俺が、見えているもの。

ふと周りを見渡す。

近くの道から視線を感じる。

沢山の視線。

こんな空き地で抱き合っているんだ、見せ物としては十分なのかもしれない。

「ダーリン私と何時までも一緒にいてくれる?」

切実な望みを耳にすると、俺は重い口を開く。

「一緒だよ、いつまでも」

「そっか」

満足したのか安心したのか、抱きつく力がより強くなる。

「それじゃ、私達はずっと一緒だね」

「そうだね」

「ずっと私の傍にいてくれる?」

「いるよ」

「そっか」

「由紀も忘れないでね」

「忘れないよダーリンのこと」

震えた手で由紀の頭を撫でる。

撫でているうちに少しずつ震えが収まっていく。

「ダーリン、最近楽しい?」

「……楽しくない」

「そうだよね、だってダーリンはおかしいもん」

 

おかしい。

その言葉が重く胸にのし掛かる。

そして、ふと笑みがこぼれてしまう。

やっぱり、おかしいのは俺なんだ。

ずっと、望んでいた。

由紀からその言葉を言われるのを。

 

「ダーリン」

 

優しい口調で呼ぶ由紀は、俺達の学校で見慣れた笑顔。

 

「大好きだよ」

 

甘い声は、ずっと聞きたくなるような甘味の音色。

 

「だから、ね」

 

ごそごそと物音が聞こえる。

すぐに終わると、片手が離れるのを感じた。

 

「おやすみなさい、今までありがとう」

 

その言葉を最後に、胸に鋭い痛みを感じる。

直ぐに力が入らなくなりその場で膝から倒れてしまう。

そんな俺を由紀は抱きしめてくれる。

力強く、笑顔で。

 

小さな背中越しにふと視界には入った。

さっきまで俺達を見ていたゾンビ達が一斉にこっちに来るのを。

でも、あれはゾンビじゃない。

分かってる、でも認識してしまう。

あの地獄が終わっても、俺は何も救われない。

でも、これでいいんだよね。

楽になれるんだから。

 

慌てふためくゾンビ達の中で、真っ直ぐにゆっくりと近づいてくるゾンビがいた。

それも、2つもだ。

でも不思議と慌てない。

それだけの力がないというのもあるし、何よりもわかってるからだ。

見慣れた制服を着ている2つの物影は俺の傍に来る。

傍に来て、何もしない。

いっそこの場で噛みついてきてくれたほうが気持ち的には楽なのにな。

なんて事を思いながら。

 

ゾンビ達は俺に目線を合わせると、ゆっくりと俺の頬に手を添える。

あぁ、そっか許してくれるの?

嬉しくて、涙が出てしまう。

歪む視界の中で見る物影は、2人の笑顔に見えた。

りーさん、、胡桃。

俺を元気つかせるように微笑む2人に先ずは何を言ようか考えてしまう。

でも、そうだ。

先ずは、今まで考えてきた言い訳から聞いてもらおうかな。

 

そんなことを思いながら、久しぶりに見た由紀以外の人に話し始める。

俺の楽しい言い訳を。

 

 

 

 

 

━━━━━━

巡ヶ丘市での事件から生存者を何名か確認。

その中から救助した中で最も狂っていた2人の人物について記録する。

 

少年

彼は一見正常に見えたが、話をしているうちに彼が精神を著しく害しているのに気づく。

どうやら、あの事件以降少女以外の人と触れることがなかったためか、少女以外の人を全て化け物と認識してしまうようだ。

それ以外は至って正常。

健康面に関しても異常は見られない。

他救助者同様に一度1人で隔離し、様子を見る。

 

少女

彼女は少年とは逆に見て分かるほどに異常だ。

何度説明しても我々のことを面接官として捉えている。

健康面等に関しての異常はない。

恐らくだが、少年同様精神面に異常があるだろう。

彼女もまた、隔離して様子観察。

 

 

救助2日目

監視カメラで初日は様子を見ていたが、今のところこの2人は化け物となる様子が見られない。

少年はほぼ寝て過ごし、少女は独語を絶え間なくしている。

2日目では直接話すことにする。

先ずは少年だ。

彼は私を見ると同時に部屋の隅に逃げるようにし、震えながら此方を見てくる。

私達のこと、君達の今後に関して話すも、全く理解した様子は見られないがどうやら受け答えは出来るらしい。

何日かにかけて説明をすることとする。

少女に関しては会話困難。

少年同様の説明をするも、全く理解を示さない。

それどころか、自己紹介をされた後履歴書を出さなきゃと言い、鞄の中を必死に探していた。

どうやら、現状の理解を全く出来ていないらしい。

この2人には化け物となる可能性が極めて低いと判断した後精神科に見てもらうとする。

 

4日目

少年の方は大分落ち着いたのか、大分会話を進めることが出来るようになってきている。

だが、まだ私のことをゾンビと思っているらしい。

それでも落ち着いているあたり、自分なりに理解を出来ているのだろうか?

もう化け物共は自分の前に現れないという事を。

少女に関しては何も進展がない。

相変わらず部屋で1人で入るときは会話をしている。

私のことも面接官として捉えているようだ。

 

7日目

少年に話せるだけの事を話し、理解を得た。

恐らくだが、全ては理解してないだろう。

だが、それで納得している以上私から話すことはない。

少女に関しては変わらないため割合する。

この2人は化け物になる可能性は低いと判断、後日精神科に来てもらうことにする。

 

10日目

2人に精神科の専門医に見てもらう。

どうやら、2人ともかなり危険な状態らしい。

少女の方はゆっくりと接していけば治癒する可能性があるとのこと。

少年に関しては時間がかかるとのこと。

恐らく、化け物にとって特別な怖さを抱いてしまいそれがトラウマとなっているのではないかとの事だ。

治療自体は出来るが、完全に治るのはかなりの時間をようするとのこと。

私はその結果見て2人の今後について検討していく利

 

14日目

会議で決まった結果、2人は精神病棟へと行くことになる。

少年は敷地内にある別室で過ごすこととする。

人が多い中に入れてしまうと、何をするかがわからないからだ。

 

15日目

少年に事情を説明、理解を得る。

少女に関しては理解を得られないため、此方の独断となるが少年はそうして欲しいと少女の事を決めたため、実行する。

 

18日目

2人を新たな住居へと移す。

2人への監視はこれにて終了とし、以降は向こうへの連絡から対応する。

 

20日目

2人が移ってから最初の連絡が来た。

どうやら、少年少女共に落ち着いて適用しているとのこと。

2人とも離れ離れになっていたからか、2人揃って楽しそうに何時間も会話していたらしい。

どうやら、あの少女も少年には心を開いているとのことだ。

少年は始めに見てもらった先生に学業を教わるようになった。

どうやら、落ち着いて適用しているらしい。

先生からは、少年は予想よりも早く治るかもしれないとのことだ。

今は2人っきりでの対応だが、これからは買い物等に連れて行き少しずつ適用範囲を広げていく。

 

25日目

どうやら、予想外の事が起きたらしい。

少年が何処までなら環境に適応出来るか確認をするため、職員何人かと共に外へと買い物に入ったところ、発狂。

場所は病棟近くのスーパー。

何十人もの人に囲まれると発狂するのか、狭いところで人に囲まれるのが原因か……

どうやら、発狂すると少女の名前を何度も読んでいたとのこと。

後日、少女と共に外へと行くこと。

 

30日目

どうやら、少年は少女と共にいると冷静らしい。

少年は何事もなくスーパーで買い物を終えたとのことだ。

だが、今度は少女の方が芳しくないらしく、この一件の後、自分が妊娠していると話すようになったらしい。

このまま様子観察を続けるとのこと。

 

40日目

あれから、2人は見守りの元買い物へと行っているらしい。

特に変わったこともなく、このまま行けば見守りも必要名くなるかも知れないとのこと。

 

60日目

遠くから見守りしている中、2人は問題なく買い物を終えているとのこと。

暫くは遠くからの見守りで対応していき、少しずつ適用範囲を広げるとのことだ。

2人には特に変わったこともなく穏やかな生活が進んでいるらしい。

これからは、特別変わったことがない限り連絡を止めるように伝えた。

2人がこのまま何もなく生活していけばいいのだが。

 

85日目

久しぶりの連絡は、私の願い叶わぬものであった。

どうやら、少女があの少年を刺し殺したとのこと。

見守りがいたものの、ショッピングモールから走られ、人混みに紛れて逃げられたらしい。

それ以外にも、少女が少年から離れそれを慌てて少年が追いかけ、遠くから見守っていたとのことだ。

この時、見守りは少年の発狂に注意が行き過ぎ少女が何を買っていた把握できていなかったのが原因だ。

少女が買っていたのは包丁。

それで、少年を……

少女は直ぐに身柄を拘束された。

だが、精神を犯されている少女は恐らく重い罪にはならないだろう。

だが、私はそれが故意的な犯行と思っている。

私が聞き慣れた少女の独語に聞き慣れた少年の名前が増えたからだ。

私は一度も少女の独語で少年の名を聞かなかったがそれを機にだ。

少女は1人楽しく会話をする。

その中に、ダーリンではなくしっかりと少年の名を愛しそうに呟きながら。




甘々な話は好きですが、ちょっと狂った感じのヤンデレもやっぱり大好きな勠bです。
一人称だと、相手の内面を上手く書けれない技量不足が悩ましい……
また今度三人称で書いてみようかな?なんて思っています。

次回はがっこうぐらしで書くか、他の作品で書くか少し悩み中です。
型月シリーズや遊戯王等結構書きたいシリーズのものが多かったので……
私なんかが沢山の方から様々なリクエストを頂いたので嬉しい悩みです。
それと、リクエストにキャラの設定(幼なじみでお願いします)などを書いて下さる方が多数いらっしゃいましたので、念のために言っておきますと、キャラの設定も全然していただいて大丈夫です。
ですが、必ずその設定通りに書くのは難しいのでせっかく考えて頂いた設定を無視して書くこともあるかもしれませんのでそのあたりはご了承頂けると幸いです。

一話完結の話がいいか、数話かかるストーリーがいいか、どちらがお好みでしょうか?

  • 一話完結
  • ストーリー物

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