風が君の頬を撫でる。   作:だん

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久しぶりに、思い立ってのFF小説を書きます。

奇談を書く前に、リハビリがてらの執筆です。

物語はエクスデスを倒した1年後。
ハーレムパーティなのにラブい臭いが欠片もなかったバッツくん。

そんな超絶ボクネンジンのバッツくんに、ひたすらラブい物語を綴ってもらおうと思いまして、今回の投稿となりました。

誰とカップリングするかは、わりとガチで未定(笑)

原作の世界を大事にしつつ、僕なりの脚色でFF5を表現できたらと思ってます。

気長にお付き合いくだだいませ!


序章

「……ッ!!」

 

空気を切り裂き、駆ける。

万物の象徴たるクリスタルの加護により、人の身にあまりあるスピードで、彼はエモノへと肉薄する。

 

エモノ。

 

一瞬の後に彼の刃にかかるであろう人外の魔物は、その(まなこ)を驚愕に染めたまま、意識と命を手放すことになる。

斬撃はその両の眼のちょうど真ん中を走り抜け、深紅の輝きを残して振り抜かれた。

 

……ズン。

 

どす黒い血をまきちらし、魔物の巨体が大地に沈む。

 

彼は止まらない。

右手に握る深紅の刀身が(ひるが)えるたび、魔物の断末魔が上がる。

 

疾風。

 

そう、例えるならまさに疾風。

血風(けっぷう)さえ置き去りにして、駆ける。(かけ)る。

 

「……ふう」

最後の一頭、人間よりひとまわりもふたまわりも大きな四つ足の魔物を、ただの一太刀で切り伏せた青年は、一息吐き出すと辺りを見渡した。

やはり、この魔物で最後だったようだ。

「おお、お見事」

「や。流石でございます」

目の冴えるような深紅の刀身をもつその剣を剣帯に吊るす彼の回りに、称賛の声が投げ掛けられる。

声をかけるのは、彼と同じか、少しだけ年若いであろう騎士達である。

皆、鮮やかな揃いの青い甲冑(かっちゅう)に身を包む風の大国、タイクーンの若き騎士達だ。

「これで、しばらくは平気だと思う。警戒心の強い魔物だから、巡回を怠らなければ寄ってくることはないだろうし」

苦笑じみに応える。

彼に向けられるのはどれも敬意の眼差しだが、どうしても慣れない。

自由奔放を絵にかいたような彼にとって、周りを取り巻く青年たちの崇拝じみた視線は、どうにもむずがゆいのだ。

これが歴戦の兵士たちであれば、逆にたった一人でしかも剣一本でダース単位の魔物の群れを退けた青年に、畏怖をおぼえるものいたかもしれないのだが……。

「ハッ!ご協力感謝いたします、クラウザー卿」

そんな彼の心境など知らず、騎士たちのリーダーであろう青年が、鼻息を荒くして最敬礼で返すものだから、彼はあわてて応えるのだった。

「よしてくれよ、"卿"だなんて!」

ちょっとでも返答に困ると頭をかいてしまうのは、彼の昔からの癖だった。

「いえ、しかし……」

生真面目な性格なのであろう。彼らの主君である可憐な姫君の顔が自然と思い出されて、思わず吐息が漏れた。

「バッツ。バッツでいいよ」

言ってバッツ・クラウザーは、吹き抜ける風のように、爽快に笑うのだった。

 

世界を救った英雄。

2年前の隕石(ほし)が降った日。

そんな大それた男になるなど、考えもしなかった。

片田舎の平民出身の自分に向けられる、おそらくは貴族出身者達であろう年若い騎士達に囲まれながら、バッツは困り顔で頭をかくばかりであった。

 

人々が語り継ぐ、英雄たちの冒険潭。

これは、彼らの後の物語である。




今回はここまで。

こんな感じでブログ小説ちっくに進めて参ります。
感想いただけると幸い!!

励みになります。

では、次回の更新でお会いしましょう♪
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