風が君の頬を撫でる。   作:だん

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ギリギリですが、なんとかれんぞく投稿継続です。

結構ざっくり書いちゃってるので、つたないかもです。


1節(5)

「……おっほん!」

 

びくぅっ!!

 

これ見よがしに室内に響き渡った咳払いに、二人は弾かれた様に振り返った。

じゃれ合う彼らの背後、バッツが今しがた入ってきた扉が開いており、やたらと不機嫌そうな第一王女サマが、ティーセットを乗せたワゴンを押した侍女長を従えて立っており、どうやら、今の咳払いは姉王女サマの口から発せられたらしい。

 

「「ファ()ファリス(ねえさん)!?」」

 

「な〜にやってんだ、お前ら」

両手を腰に当て、ジト目でこちらを睨むのは「ちょっと着替えてくる」と言って、応接間手前でバッツと別れたファリスであった。

堅苦しい詰襟を脱ぎ、涼しげなレモン色のブラウスに白地のパンツスタイルに召し替え、軍靴はパンプスに様変わりしており、日に焼けたレナと同じ本来赤みがかった金髪(ブロンド)は、レナとは違った輝きを放っており、今はその長い金色をポニーテールに結わいていた。

ちなみに先ほどの曲刀は、いまだしっかりと彼女の腰にぶら下がっている。

いささかアンバランスな格好だが、ある意味ファリスらしかった。

「もう、姉さん。驚かさないで」

はしたないと注意されたものとでも思ったのか、いち早く冷静さを取り戻したレナが、苦笑交じりに返す。

返しながらも、照れ隠しに侍女長が運んできたワゴンを「ありがとうジェニカ」と、半ば強引に奪い取ると「後は私がやるから」と有無を言わさずに配膳をし始める。

侍女長の仕事を奪う様で申し訳ないとは思うが、立場を忘れてはしゃいでしまった羞恥心を誤魔化すためにも、今回はわがままを通させてもらう事にする。

そんな妹姫の心情を汲み取る長年従えた老齢の侍従は、苦笑も溜息もスッと飲み込んで、一礼して退室するのであった。

その背に謝辞の念を送ると「さ、お茶にしましょう」と友と姉を席に促すのだった。

 

「すまないな。急にお邪魔しちまって」

出された紅茶に口をつけ、バッツは今更ながらに緊張を覚えていた。

ついつい長年冒険をともにしてきた様に錯覚してしまうが、冷静に考えれば、彼女たちタイクーン姉妹と一緒に旅をした時間は、ほんの1年にも満たない時間だった。

だが、その密度恐ろしく濃い時間であった。

国も、思想も、性別も、世界も越えて集い、世界のために戦い抜いた仲間たち。

そんな思いが第一にあったからだろう。冒険の旅の中では目の前でティーカップに口をつける桜色の唇など意識しなかったし、結い上げた髪のうなじにドキりとなどしなかった。

そりゃ、バッツだって男である。

最終的には彼以外の冒険の仲間は全員年若い女性、しかもそれぞれが王族、つまりはお姫様という異色すぎるパーティに、まったく胸が踊らなかったという事はない。

だが……。

 

『バッツどの。二人を、守ってやってください』

 

脳裏に蘇る、王の声。

崩れゆく古代ロンカの遺跡で、今まさに命尽きんとするその最中(さなか)に、自身の愛娘(まなむすめ)達を託すという、父親の最後の願いだ。

 

(おとこ)と見込んでくれた、(おとこ)(おも)いだった。

 

“託されたのだ”と言う思いと責任が、彼の中に強くあったのだろう。

姫姉妹を守り抜く。そう誓った。

もう一人の少女、戦いの最中に命を落とした仲間の大切な孫も、全部まとめて守ってみせると、その思いがあったから、浮ついた感情など浮かばなかったのだろう。

だが、世界を救った今、姫君達を守り抜いたバッツにとって、改めて対峙するこの美しき姫君達は、その美しさと屈託のなさで、ある意味バッツを悩ませるのであった。




さて、この場を借りて、もう一個の連載こと「奇談モンスターハンター」の更新復帰について、皆様にお尋ねsたいと思います。


今、リアルがけっこうばたついてるのですが、かぜきみのような文字数くらいであれば、こまめに更新できそうな気がしてます。

そのかわり、話数は倍増すると思いますが、前のようにドガって書きためて、どばっと放出する方が、やっぱりいいですかね?

感想、ご意見とともに、いただけると幸いです。
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