機動戦士ガンダム 転生者の介入記   作:ニクスキー

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第五話 アクシズへ2

 7月中旬、アクシズまで約半分の位置にまで来た。

 

 俺はシャアの教育を受け、艦長としての指揮や戦術なども習っている。なぜか俺に対して色々教えてくれるのでありがたいが、何でそこまでしてくれるのだろう?

 パイロットとしてもマークといい勝負が出来るようになり、艦の作業も大分覚えてきた。

 寝る時間を削って勉強につぎ込んだ甲斐があった。

 

 

 アクシズ到着にはまだ時間がかかるので、緊張感や士気の低下は避けなければならない。

 一度士気が下がれば、高めるのは難しいだろう。適度に気分転換や緊張を与えて維持しなければならない。

 乗員が暇を持て余さないように、自由参加の勉強会や研修なども開かれる。

 シャアの指示で行われるものもあるが、許可を得れば誰でも開くことが出来る。

 料理教室(材料の関係で、失敗作は自分の食事になる。)、裁縫教室、柔道教室、エアロビクス、他。

 

 時々シャアも勉強会を開くが、毎回すぐに満員になる。

 パイロット向けのシミュレーター、士官向けの戦術や指揮、学徒動員で集められた新兵たちへの士官教育。

 そのユーモアを交えて飽きさせない技術も勉強になる。

 こうして部下をしていると、シャアは上官として理想的な人物だ。原作のように立場を何度も変える姿を知らなければ、一生付いて行きたいと思うだろう。

 

 

 

 最近はシャアが勉強会を頼まれることも多いので、ゼナたちのところに顔を出す機会が増えた。

 

「……それで見習い士官の同期で連邦軍の兵営を襲撃したの。私は同期のシャア大佐とガルマ様に頼まれて、当時士官学校の校長だったドズル様を足止めすることになったのよ。」

 

「見習い士官だけで連邦軍の兵営を襲撃ですか! その当時からお二人やゼナ様は勇敢だったのですね。」

 

「いえ、私はドズル様とお話をしていただけよ。でもそれがドズル様と結婚する切っ掛けになるとは思わなかったわ。」

 

「そうなんですか?」

 

「ええ、その少し後にプロポーズされたの。呼び出されて『俺の子を産んではくれまいか。』って。」

 

 なんか……こう、アニメで見たドズルのイメージに合っていると言うか、合っていないと言うか。

 それにしてもゼナがガルマとシャアと同期だったとは思わなかった。ゼナの話では二人は士官学校時代に同室で、親友かつライバルだったらしい。

 ……将来のザビ家討伐のために、ガルマと親友になったのだろうか?

 

 でもこうしてドズルの話をしてくれるようになって良かった。最近は少しずつだが笑顔も見せてくれるようになり、顔色も良くなってきた。話すことで心の整理をつけているのだろう。

 周りの侍女やシャアには話しにくいことも、子供相手だと少しは話しやすいらしく、顔を出すとこうして話し相手になることが多い。

 

 

 

 格納庫では整備士や整備兵の中でも解析や開発が得意な者が、艦内で出来る範囲で作業を進めていた。

 ガンダムの物と思われる素材は、ジオン公国で使われている素材とは違う合金だと解った。

 名前がないと不便なので、俺がガンダリウム合金ではどうかと提案し、採用された。どうせ今後こう呼ばれるはずなので問題ないだろう。

 艦内の設備では新合金の作製は出来ないので、成分や作製方法の研究が進められている。

 

 

 サイコミュの解析は難航したが、脳波を読み取るシステムの解析が徐々に進んでいる。

 整備士たちは、システムユニットとビットの小型化を研究したいと言ってきた。

 しかし、俺はア・バオア・クーでの戦闘を思い出した。ビットに命令を出した瞬間、アムロに打ち落とされてことを。

 あれは俺の出した命令を、アムロが読み取って打ち落としたのだろう。ならばビットではなく、Zガンダムのように操縦の補助にした方が良いのでは?

 

 シャアと整備士にその話をして、補助装置としての研究を進めることにしてもらった。

 今の環境と技術では難しいかもしれないが、エルメスのサイコミュは俺の脳波に設定してあるので、俺用にセッティングするのなら上手く行くかもしれない。

 外部のビットを動かすのではなく、機体の動きを脳波とレバー操作で動かす。

 現在は目で見て脳で考え、手足で操作し、機体の各部に信号を送り、機体を動かしている。それが目で見て、脳で考え、機体が動く。そうなれば格段に動きが良くなる。

 アクシズに着くまでに完成するとは思えないが、今後の技術力アップと時間つぶしになるだろう。

 それに整備班には複数の会社の整備士がいるので、新たな発想が生まれるかもしれない。

 

 

 整備班との話の後、ティナと食事を共にしていた。

 

「ガンダムのパイロットは、ゼクス少尉よりも強いニュータイプだったのですか?」

 

「う~ん……一言で言うと桁違いでしたよ。その上パイロットとしても勝ち目無し。」

 

「はあ、なんと言うか言葉が出ませんね。」

 

 話を振られて少し思い出しただけでも、身体が震える。正直な話、ガンダムについてはあまり思い出したくない。

 気落ちした俺に気が付いたらしく、ティナは少し申し訳無さそうな表情になってしまった。これはいかん。

 

「しかしシャア大佐は互角の勝負をしてきたそうですので、教えを請い何時かは超えたいと思っています。機体の性能も重要ですので、ティナさんも力を貸してくださいね。」

 

「え! は、はい。私なんかでよければ!」

 

「仕事ぶりを見ていればなんかなんていえません。誰よりも努力して実力を付けていると噂を聞いていますよ。」

 

「そんなこと無いですよ! わ、私なんてまだまだです。」

 

 ティナは両手を顔の前でパタパタと振りながら、恥ずかしそうに顔を赤くした。

 その可愛らしさにドキドキしたが、今の俺の立場を考えると友人以上になるわけにはいかないだろう。流石に副官見習いが整備士を口説いているなんて噂は困る。

 笑顔になったティナと話を続けていると、マークとカルラがトレーを持ってやって来た。

 

「隣良いか? いいよなっと。何の話をしてたんだ? 俺も混ぜてくれよ。」

 

「おい、マーク。お前の辞書に空気を読むという言葉は載っていないのか? 今はゼクスがティナを口説いているところだぞ。」

 

「へ!? いやいやいや、そんなことはないですよ!」

 

 いつものように、二人が軽口混じりに現れた。ティナは整備士なのでパイロットの二人とは話しをする機会がよくあるが、いつもからかわれているらしい。主にカルラに。

 真っ赤になって否定するティナを見ると、気持ちはわかる。なんかこう、忘れてしまった純真さを思い出せるような。

 

「ティナさん、その反応はカルラ中尉の大好物です。ですが、ずっとそのままのティナさんでいて下さい。」

 

「どういうことですか? もしかしてからかわれてる?」

 

「いや、ティナは可愛いなってことだ。なあゼクス。」

 

「意味がわかんないです!」

 

 俺の言葉にピンと来ないティナを見ながらカルラがフォローらしきことを言う、ニヤつきながら。

 ちなみに俺はいじられてもあまり乗らないので、カルラからはからかいがいが無くてつまらんと言われている。

 マークが静かだったので見ると、真面目な顔で何かを考えていた。

 

「なあゼクス、午後のシミュレ-ターでの訓練には、シャア大佐が久々に参加するだろ。どうすりゃ勝てると思う? カルラと違って俺たちはゲルググ対ザクのハンデ戦なら勝てるが、リックドムならごくまれでゲルググなら話にならん。」

 

「おいマーク、ドサクサ紛れに私をけなすな。私だって時々は勝てるぞ!」

 

「やはり経験を基にした先読みでしょう。パイロットの心理、反射、反応。それらを理解しているとしか考えられません。ならば予想できない動きをするしかないかと。」

 

「やはりそうか。今考えているのは……」

 

 マークは対シャア戦用の話を始めた。

 シミュレ-ターではニュータイプ能力は効かないので、シャアは純粋にパイロットとして並外れてた力を持っている。

 常に最前線に立ち戦い、最強のパイロットアムロと何度も戦ったからこそ得た力だろう。

 

 横から「無視するな」と声が聞こえたが、マークと対シャア戦用の戦法を話し合った。

 

 

 長距離から放たれるビームを回避し打ち返そうとすると、回避した場所にはすでにビームが放たれている。

 回避に専念してゲルググを視界から外すと、一気に移動して居場所がわからなくなる。次の瞬間には背後や真下からの攻撃を受ける。

 俺の逃げたい場所にビームが来るのなら! ビームが機体をかすめ装甲が削られるが、無理やり逆にかわす。

 そして俺の動きを予想して動くゲルググの居場所を予想してビームライフルを撃つ!

 ビームが何かを破壊し、小さな光が生まれる。

 そこで一瞬気を抜いてしまい、次の瞬間横にビームナギナタの光が見えて画面が暗くなった。

 

 また負けた。今回も同じ機体では傷一つ付けられなかった。

 

 シミュレ-ターから出ると、シャアも軽く笑顔を見せながら出てきた。周りで見ていた兵士たちが歓声で出迎えるが、殆どがシャアへの賞賛だ。

 操作をしていたカルラが、録画していた映像を最初からモニターに映す。

 シャア目線のモニターを見ていると、攻撃は全て俺を誘導するように計算ずくなのがわかる。

 最後の小さな光は、俺の攻撃場所にビームライフルを捨て、その隙にビームナギナタを抜きながら接近していた。

 

「私が逆にかわすのを予想していたのですか?」

 

「いや、どちらのパターンも対応を考えていた。経験を積めばこれ位は出来るようになるだろう。」

 

 経験か。実戦経験が一度だけの俺には圧倒的に足りていない。

 出来ることなら経験したくないが、何時かまた実戦に出ることがあるだろう。強くならなければ。

 次はシャアとカルラがシミュレ-ターに入り、訓練を開始していた。

 ザク対ゲルググ。これでも勝負になるのがシャアだ。シャアの動きを見て、次こそ勝てるように戦い方を覚えよう。

 

 

 

 

 目の前に現れる銃を持った連邦の兵士を、手に持った拳銃で撃つと血を流しながら倒れる。

 何人も何人も目の前に現れ、そのたびに撃ち殺す。

 返り血で自分も赤く染まり、飛び散った兵士の赤と赤くなった自分の境目がわからなくなる。

 気が付くと銃は自分を向き、自分自身に銃弾が穴を開ける。

 

「うわっ!」

 

 跳ね起きて穴の開いた場所を触り、異常がないことを確認する。手も赤くない。

 いつも通りの自分だと認識してから、大きく息をついて額の汗を拭う。

 

 こうやって悪夢を見るのは何度目だろう?

 悪夢はシミュレ-ターでの訓練の翌日に見ることが多い。モビルスーツの操縦が切っ掛けになるのかもしれない。

 これからも何度も悩まされるかと思うとげんなりするが、逃げるつもりは無い。

 争いの無い世界の実現のために、今日も勉強と仲間作りに励む。

 

 

 

 シャアと共にゼナとミネバを訪ねると、ミネバが最近できるようになった伝い歩きで出迎えてくれた。

 お茶を飲みながらミネバを見つめるシャアは、もうザビ家への復讐は考えていないように見える。どこかに逃がして幸せになってもらいたいと考えているのかもしれない。

 手馴れた様子でミネバと遊んでいるマレーネを見ていたシャアが、何か気になったように考え込む。

 

「マレーネ様、前回挨拶に来たときよりも顔色が悪いようですが?」

 

「そうですか? いつもと変わりありませんよ。」

 

 マレーネは首をかしげる。

 ゼナもマレーネの顔を見つめたが、わからなかったようだ。俺もわからなかったが、シャアは一度診てもらうことを勧めた。

 ミネバのお守りで疲労が溜まっているのだろうか。

 

「シャア大佐がそう言うのなら一度診てもらったほうがいいわね。今日中に医務室に行くこと、いいわね。」

 

「そこまで言われるのでしたら。」

 

 マレーネは不承不承といった感じで頷いた。

 そんな話をしたので、俺たちはいつもよりも早めに退室した。

 

 廊下に出て、誰もいない場所でシャアに聞いてみた。

 

「見てすぐにわかりましたか?」

 

「ん? マレーネ様のことかね? ミネバ様を抱き上げるときに、何度かふらついたのが見えたのでな。注意して見たら気が付いた。」

 

 凄い洞察力だ。と言うか気になっているのか? そう言えばシャアは母性の強い女性が好みだった記憶がある。……考えすぎか。

 俺の記憶にハマーンの姉妹は登場しない。もしかして重い病気だったら……いや、考えすぎか。

 

 

 翌日、艦長室でシャアと書類を整理していると、アンガス先生が尋ねてきた。書類を手に持ち、表情を暗くしているので悪い話だろうか?

 

「マレーネ様の診断書です。」

 

「どれ…これはっ!」

 

 先生に手渡された診断書を読んだシャアが驚きの声を上げた。

 半年以上一緒にいて、これほど驚いたシャアを見るのは初めてだ。気にはなるが、俺が聞いてもいいものだろうか?

 

「艦の医療器材では……アクシズ到着予定の3月までは持たせられないかと。」

 

「しかし、今以上に速度を上げることは出来ない。何か方法は?」

 

「進行を遅らせるくらいしか。全力は尽くします。」

 

 軽く頭を下げて先生は退室した。

 わずかな沈黙の後、溜息を付いたシャアが診断書を俺に渡した。そこには内蔵の移植が必要と書かれていた。

 この世界でもクローンは禁止されているが、治療目的の身体の一部や内蔵などの再生は認められている。しかし艦の医療器材ではそこまでは出来ないので、アクシズへ到着してから出ないと治療が出来ない。

 

 ……今までは長期間移動の不便さはあまり感じなかったが、ここに来て問題が起きてしまった。

 一番近い病院、と言うか人の住んでいる場所はアクシズ。そこまではまだ半年以上かかる。

 今以上に速度を上げると大きなデブリをかわせなくなるし、燃料の消費も激しい。

 こうなると、マレーネの生命力に頼るしかないだろう。

 

 

 マレーネには先生が全てを話したらしい。先生の話では、暴れたり大声を出したりせずに受け入れたそうだ。強い女性だ。

 それ以降は安静にするように言われたはずだが、ゼナの部屋を訪ねるとミネバの相手をしていることが多い。安静にするように強く言うべきかどうか迷うが、俺からは言えなかった。

 ゼナには病気だと伝えられている。最近は少し元気になってきていたが、マレーネと仲の良い彼女はまた気落ちしてしまったようだ。

 今の俺に出来ることは、時々顔を出して話し相手になることくらいだ。少しは気晴らしになっていればいいが。

 

 

「こんにちは。ミネバ様、ゼクス少尉が来ましたよ。」

 

「でー。」

 

 ミネバの手を取り軽く振りながら出迎えてくれたマレーネは、9月に入り目に見えて痩せてきた。

 まだ寝たきりにはなっていないが、その日も遠くないだろう。

 

「マレーネ、ミネバのお世話は他の侍女に任せてお茶にしましょう。」

 

「はい、ゼナ様。」

 

 以前なら大丈夫だと言うところだが、最近は断らない。やはり体力が落ちてきているのだろう。

 先生の話ではアクシズ到着までギリギリ間に合うかどうからしい。せめて家族と会えるまでは持ってくれれば良いが。

 

 

 

 ブリッジに呼ばれてシャアと共に行くと、レーダーの範囲内に別の艦の反応が有ったとの報告だった。

 ザンジバル級と思われるその艦は、アサルムと速度を合わせるように減速を始めているのが確認できる。

 

「ザンジバル級のレーダーはグワジン級よりも範囲が狭いので、偶然かレーダーが高性能なものと交換されているかかと思われます。」

 

「レーザー回線で通信入りました。『こちらザンジバル級ドミニカ。マ・クベ少将の命でアサルムと合流したく接近しました。少将から「こちらは予定通り。」との伝言を預かりました。』とのことです。」

 

 レーダー士と通信士の報告を聞き、シャアは表情を変えずに指示を出した。

 

「了解した。合流を待つと伝えてくれ。」

 

「はっ!」

 

 やけにあっさりと合流を決め、疑いもしない。マ・クベと何か取り決めでもしていたのか? おそらくは予定通りってのが合言葉だったのだと思うが。

 それにマ・クベ少将? 前は大佐だったと記憶しているが、いったいなにがどうなってんだろう。わからん。

 その後、シャアから明日味方の艦と合流することと、警戒は不要と艦内に伝えられた。

 

 その日の夜、俺はシャアの指示で乗員の名簿をまとめていた。

 理由は聞かなかったが、おそらくはザンジバル級と関係があるのだろう。グワジン級よりも足が速いので、名簿を預ければアクシズから地球圏へ通信を送り安否確認が出来る。

 足が速い……それなら、マレーネをドミニカに乗せれば治療が間に合うのでは?

 

 まとめた名簿を持ち艦長室に向うと、シャアは部屋の片づけをしていた。

 

「終ったか? なら自分の部屋を片付けておけ。私たちはドミニカに乗り換えアクシズへ向う。」

 

 ……どうなってんの? まあ、マ・クベと何らかの話し合いをしていたのだろうが。

 

「ミネバ様やゼナ様、マレーネ様もご一緒にですか?」

 

「そうだ、先ほど説明してきた。マ・クベ大佐……いや、少将とは話していたが、上手く合流出来るかは運次第だった。これならマレーネ様も間に合うかもしれん。」

 

 用意周到だ。予定進路や速度などのデータは渡していたらしいが、この広い大宇宙で出会えるのは運がいい。

 すでにマレーネを移すのが可能かどうかを、アンガス先生に確認してきたらしい。

 それと、なれない長期間の移動で精神的にまいっている乗員も移す予定とのこと。

 その日の夜は、部屋の片付けをしていて殆ど眠れなかった。

 

 

 翌日、シャアの指示で連結した通路に繋がる隔壁前で待機していた。

 通路内に空気が入り人が通れるようになると、ランプが点灯して隔壁が開く。

 ドミニカ側からアサルムへ乗り込んできたのは少佐と中尉の軍服の軍人。先頭に立つ少佐が艦長なのだろう。少佐は40歳くらいで短い赤茶色の髪に柔和な顔立ちをした小太りの男だ。

 敬礼をしてから艦長室へ案内する。

 艦長室ではシャアが椅子に座っていて、俺は斜め後ろに立った。少佐が向いに、中尉がその斜め後ろに立った。

 

「お会いできて光栄ですシャア大佐。私はドミニカ艦長のマック少佐です。こちらがマ・クベ少将から預かった手紙です。」

 

 マックが胸ポケットから封筒を取り出してシャアに渡した。

 手紙を読み終えたシャアは、手紙を封筒に戻して自分のポケットに入れた。

 

「マック少佐、今回の件はどこまで聞いている?」

 

「はっ、予定進路を通りアサルムの予測地点付近で減速、レーダーの反応があれば合流せよとの命を受けました。合流後はシャア大佐の指示に従えと言われております。状況によってはミネバ様を始め、乗員の乗り換えもありえるとも聞いております。」

 

「そうか。ドミニカのアクシズ到着予定はいつになる?」

 

「はっ、今から再加速すれば12月中には到着する予定です。」

 

「ミネバ様、ゼナ様と侍女全員、それと精神的に半年持たない者をドミニカへ。艦長と副艦長も交代する。いいかね?」

 

「了解しました。」

 

 ……話の展開が速い。

 ミネバやゼナたちと一部の乗員、それとシャアと俺が乗り換えってことか。

 それにしてもアサルムよりも3ヶ月も早いとは。

 

 ドミニカが地球圏を出発したのは3月。その時にはすでに連邦とジオンの間にグラナダ条約が締結されていたそうだ。

 その内容は、ジオンは共和国として存続、軍備の制限、戦争責任の放棄。

 これによりジオン共和国は以前のように連邦に組み込まれ、軍備は連邦に見張られる。しかし、賠償金は殆ど請求されない。本国に被害が無かったジオンの経済を混乱させるのは得策ではないと考えたらしい。

 コロニー落しやソーラレイなどの大量破壊兵器の責任は問われそうだが、ミネバやゼナは政治的に影響力が無いので不問にして欲しいと交渉中とのこと。アクシズの扱いもまだ交渉中だが見逃される公算が高い。

 思ったよりも軽いのは、レビルを失った連邦に対し、マ・クベやシャアが生存していて本国やグラナダに戦力の残っているジオンを刺激したくないからだろう。

 それに交渉の裏でマ・クベが動いているのだろう。

 

 

 シャアに言われマックに艦内の案内と説明をする。案内の後、ブリーフィングルームで各班の班長との顔合わせの予定だ。

 

「私はグワジン級に初めて乗るが、やはり装備がいいな。ザンジバル級も悪くないがこちらのほうが快適そうだ。これで足が速ければ申し分ないんだが。」

 

「私は長距離航行は初めてなのでわからないのですが、ザンジバル級ではどれくらいなのですか?」

 

「そうだな……今回使っている長距離用のブースターを使えば、最短で半年くらいだな。今回は途中で減速したから9ヶ月ってところだ。」

 

 アサルムは1月に出発して次の年の3月に到着予定だから14ヶ月。半分以下で到着するのか。まあ、半年でも充分長いが。

 マック少佐は戦前、戦中とアクシズへの定期便の艦長をしていたベテランで、今回もその経験を買われて抜擢されたらしい。

 今回のように途中で艦長が乗り換えるのは初めてとのことだが、それも踏まえての人選らしいので何とかできるのだろう。

 

 ブリーフィングも多少の不満は出ながらも無事終わり、乗員の移動が始まった。

 最初の予定のほかに、整備班から今まで解析した技術などをアクシズへ持っていくために、数人乗り込むことになった。

 人選はわからないがティナはどうなんだろうか?

 パイロットたちは全員残ることになったので、マークたちに挨拶に向った。

 

「アクシズでお会いしましょう。」

 

「おう、次に会った時に腕が落ちてないようにな!」

 

「また会おう。先に行って可愛い女の子に唾をつけながら待っていてくれ。」

 

「それはありません。」

 

 いつも通りの二人と握手をして、暫しの別れを告げる。

 

 3人と別れ、自分の荷物の移動を始める。

 ザンジバル級の個室はグワジン級よりも狭いが、寝るのには問題ない。私物は軍服と洗顔用具くらいなので数分で片付け、人や物の移動の手伝いに戻る。

 ミネバたちの使う一角は、現在掃除中なので最後に移動する予定だ。

 医務室もマレーネを連れてこられるように機材の準備が始まっている。

 

 時間が空いたので、許可を貰い艦内を見て回る。

 大きさがグワジン級と大差ないので回るのに時間がかかる。思ったよりも構造が違うので覚えるのに苦戦しそうだ。

 ザンジバル級に乗るのは二度目だが、前は自由に動くことが出来なかったので少し楽しみだ。

 

 格納庫に入ると見慣れないモビルスーツが3機並んでいた。

 ザクっぽいの、リック・ドムっぽいの、ゲルググっぽいの。

 なんだこれ? 少なくとも俺の記憶には無い。

 すぐ近くで整備していた整備士を捕まえて聞いてみることにした。

 

「これらはペズンで開発していたモビルスーツです。マ・クベ少将の指示で、連邦に接収される前に回収できたので、見つからないようにアクシズへ輸送中でした。」

 

 ペズン計画? どこかで聴いた記憶があるがなんだったかな、ゲーム?

 ザクっぽい機体はアクト・ザク。マグネットコーティングを施され、ビームライフルの装備も可能。

 リック・ドムっぽい機体がペズン・ドワッジ。リック・ドムの発展型で重装甲、重火器。

 ゲルググっぽいのはガルバルディ。ギャンにゲルググ分を足した機体で、ビームライフルが装備できる。

 どれも性能は高いが、量産される前に終戦を迎えてしまった機体ばかりだ。

 

 格納庫にモビルスーツはその3機だけで、他のスペースには大量のコンテナが並んでいた。加速と減速以外は無重力なので、床から天井にまで固定されている。

 近寄って貼ってある伝票を見ると、食料や水、生活必需品が多い。アクシズは小惑星で太陽からも遠いので、食料の自給は難しい。

 アクシズは木星圏への中継基地兼、資源調達衛星兼、要塞。生活必需品を作ることも難しいのだろう。

 

 ミネバたちの移動も問題なく終わり、物資の移動などが終れば分離する。

 最後にファイルを見ながら名簿や荷物の確認をしてチェックを入れていく。名簿にはアンガス先生とティナの名前もある。先生はマレーネの容態に詳しいのでドミニカの艦医と交代するらしい。

 ティナは整備班の一人として乗り込む。

 

 

 

 

 ドミニカに乗り換えて数日、艦内も落ち着いてきたころにシャアに呼ばれて艦長室に入った。

 向かいの椅子に座った俺に、マ・クベからの手紙を差し出した。

 

 それにはマ・クベがキシリア派を中心としてジオン軍を纏め、その功績で少将に任じられて共和国軍のトップに立ったと書かれていた。

 ジオン軍の生き残りで兵をまとめられそうなのはシャア、マ・クベ、デラーズ。マ・クベがシャアと手を組み共和国に協調すれば、共和国側も頼りにするのは当然だろう。

 もちろん裏側でも手を回したと思うが。

 

 マ・クベは共和国軍に参加しない旧ジオン軍人はテロリストとして逮捕すると情報を流し、ミネバたちがの罪が不問になり次第生存を公表し、参加を促す予定だ。

 おそらくデラーズは参加しないだろうが、そうなれば共和国軍が鎮圧しマ・クベの発言力が高まるだろう。そういった事情なら、軍備の制限もうやむやに出来そうだ。

 

 次に書かれていたのはアクシズの現状。

 ドミニカ出航時にはアクシズの内部は、戦争継続での独立を望む急進派と共和国に恭順し武力以外での独立を目指す穏健派に分かれている。

 提督のマハラジャ・カーン少将が穏健派のトップ、兵力総括顧問のエンツォ・ベルニーニ大佐が急進派のトップ。

 アクシズには一年戦争未参加の兵も多く、モビルスーツの力を過信している軍人が多い。なので急進派が多く、マハラジャは刺激しないように話し合いで収めたいらしいが聞く耳を持たないようだ。

 なので共和国はマハラジャと共に急進派を抑えるために、シャアを副提督に任じたと書かれている。

 

 ここまで読んで俺が顔を上げると、シャアはいつの間に取り出したのかもう一枚の手紙を俺に差し出す。

 それはシャアを准将に昇進、アクシズ副提督に任ずると書かれた任命書だった。

 ……これでマ・クベがシャアを傘下に収めた形になるだろう。この二人のコンビはどうなんだ? 前に話していたときはそんなに悪く無さそうだったが。

 知のマ・クベ、武のシャア。噛み合えば上手く行きそうな気がする。

 問題はキシリアを殺したのがシャアだと知られた場合だ。そうなればマ・クベはシャアを抹殺しようとするはずだ。

 

 任命書をシャアに返し、手紙の続きに戻る。今度はアクシズに逃亡中の戦犯の引渡しについて。

 戦場での罪は裁かれないことになってはいるが、大量破壊兵器の使用は流石に見逃されない。

 一人目の海兵上陸部隊指令アサクラ大佐はソーラ・レイやコロニーへの毒ガス注入にかかわり、その罪を部下に擦り付けてアクシズへ向っているらしい。

 彼を含め、アクシズへ向っている戦争犯罪者の名前が数人載っていて、逮捕し本国へ送るようにと書かれていた。

 ……アニメではマ・クベが水爆を発射し、ガンダムに阻止されていた記憶があるのだが。あれはただの爆弾だったと言い張ったのだろうか?

 

 最後まで読み終わりシャアに手紙を返す。

 

「この短期間でここまでとは。やはりマ・クベ少将が裏側でも動いたのでしょうか?」

 

「だろうな。おそらくサイド3やグラナダの非戦派や、ザビ家と連座するのを嫌った者たちを味方につけたのだろう。」

 

「なるほど。それと、アクシズは一筋縄では行かないようですね。エンツォ大佐は本国からの命令で解任出来ないほどの影響力がありそうですし。」

 

「兵たちもあの戦争の結果に納得が出来ていないのだろう。自分がいればと思っているのかもしれんな。」

 

 シャアはそう言って軽く頭を振った。今後を考えると頭が痛いのかも知れない。

 アクシズの内部で力を持った急進派を抑えなければならないのだ。失敗すれば急進派が蜂起し、アクシズどころかジオン共和国まで連邦に潰される可能性がある。

 そうなればスペースノイドの自治権など夢のまた夢だ。

 そう言えばシャアはどうしようと考えているのだろう? コロニーの自治権を得たいのか、地球から人を追い出したいのか。

 

「シャア准将は今後どうなさるおつもりですか。アクシズでミネバ様をお守りするのですか? それともスペースノイドの自治権を得るために動くのですか?」

 

「難しい質問だな……君はジオニズムというものを知っているか? 人は宇宙に出て革新するという思想だ。私はそれがニュータイプのことだと考えていて、人類がニュータイプに目覚めるのを見たいと考えている。」

 

 見たい……だけなのか。逆シャアの時には地球を汚染して強制的に宇宙に出そうとしていたが、今は見守りたいと考えている。

 シャアは周りから期待をかけられすぎると逃げる傾向にあるので、やりたいことをしてもらい、サポートしつつ上手く誘導できればいいが。

 とりあえずはアクシズの急進派を何とかしてからだな。

 ……ニュータイプを見たい。だから俺を気にかけてくれるのだろうか? こうやって色々話してくれるのはそれが理由と考えれば納得できる。

 

「シャア准将が私に良くしてくれるのは、私がニュータイプだからですか?」

 

「それもある。だが、初めて会ったときに何かを感じた。直感と言ってもいいだろう。」

 

 そう言えば初めて会ったときに俺の顔を見つめて固まっていた。だからだったのか。

 話してはくれなかったが、俺がララァに会ったと話したことも大きいのだろう。そう考えないとここまで話してくれるのが納得できない。

 話が終って部屋を出るときに、到着までは大佐と呼べと言われた。まだ馴れないからではなく、正式に任命されるのは到着後に提督から任命されてからだとのことだ。

 

 

 

 

 ドミニカに乗り換えて約1ヶ月。

 

 艦内は特に問題も無く順調にアクシズへ近付いている。

 予定では後二ヶ月くらいの予定だ。

 唯一の心配事はマレーネの容態。もうそろそろ寝たきりになるだろうとアンガス先生は言っていた。

 ゼナもマレーネが心配らしく、良く見舞いに行っているらしい。マレーネがミネバを可愛がっていた姿も思い出すと、ドズルが上手くやっていたのだろうと思う。

 

 

 やっと自由時間も取れるようになったので、格納庫へ向う。

 搭載されている3機のモビルスーツの説明書を読むと、アクト・ザクに面白い記述を見つけた。

 『機動性と反応速度が人間には耐えらず、使いこなせないのでリミッターで抑えてある。』

 ……俺ならどうだ? 普通の人間じゃない俺なら使えるかもしれない。

 

 シャアに許可を貰い、アクト・ザクの整備士にパイロット側で簡単にリミッターを外せるように設定してもらった。

 アクシズ到着の1ヶ月前から減速に入るので、ある程度減速すれば外で試せるだろう。

 

 

 久々にティナと食事を共にする。

 俺はザンジバル級の機体の勉強やシャアとの勉強会、ティナはドミニカに乗っていた整備士たちとの勉強会で忙しかったからだ。

 

「どうですかティナさん、もう馴れました?」

 

「はい、皆さん優しくしてくれています。乗っている整備士の皆さんも、私の知らない技術を知っているので刺激になります。」

 

 興奮から少し高揚して握った手を振るティナ。……皆が優しいのは下心では? と思ったが口にはしなかった。

 なぜなら、ティナの後ろに座っている兵士たちの視線が怖いからだ。アイドルか!

 思い出すと、ドミニカには女性が少ない。偶然かとは思うが。

 

「どうしたんですかゼクス少尉? 汗をかいてますけど。今拭きますね。」

 

「いや、大丈夫です! ハンカチを持ってますから。」

 

 ティナが身を乗り出すと、周囲から殺気を感じた。そのまま汗を拭いてもらっていたら、後で袋にされそうな気がする。

 早くアクシズに到着してくれ。

 

 

 

 アクシズまで後一ヶ月を切り、ドミニカは減速に入った。

 

 マレーネの容態はゆっくりとではあるが悪化している。アンガス先生の話では、このままならアクシズまでは持つだろうとのことだ。

 問題はアクシズの医療技術だが、アクシズは基地として作られているのである程度以上の医療レベルのはずだ。

 通信はもっと近くまで行かないと入らないので、治療の準備を頼めないのが痛い。

 

 

 アクシズが近くなるにつれ、シャアは無口になっていった。

 ブリッジの艦長席でも、艦長室でも手を顎に当てたまま何かを考えている。

 

「シャア大佐、何かありましたか?」

 

「いや、なんでもない。」

 

 何度か聞いたがそっけない返事。

 おそらく今後どうするかを考えているのだろう。

 ミネバやザビ家との関係、ニュータイプという存在との関係、ジオン共和国との関係、アクシズでの動き。

 考えることは山盛りだろう。

 

 俺もいくつか考えることがあるが、まずはグレミー関係と自分の発言力を強めるために出世することだ。

 乗員たちにシャア大佐は何か有ったのかと聞かれては、なんでもないと答えるのを繰り返しながらシャアが話してくれるのを待つ。

 

 

 アクシズまで近くなると速度も落ちてモビルスーツで外に出る許可が下りた。

 整備士たちが見守る中、アクト・ザクに乗り込み整備士の説明を受ける。

 

「ここの裏側のスイッチを切り替えるとリミッターが切れます。危険なので注意してください。」

 

「了解。ハッチ閉めますので離れててください。」

 

 ハッチを閉め、モニターには外の景色が映る。まだ全天周囲モニターではないので、視界は狭い。注意してハッチへ向う。

 久しぶりにモビルスーツで宇宙空間に出ると、不思議な安心感を感じる。前は気にする余裕が無かったが、こうして自分の意思で宇宙に出るのは気持ち良い。

 いつの間にか、精神的にもスペースノイドになったのだろうか?

 

 マグネットコーティングの効果か、今までに動かした機体のどれよりもレスポンスがいい。バーニアの推力も高く、思った通りに動かせる。

 暫くそのまま動かしていると、徐々に物足りなく感じてきた。……やってみるか。

 

 スイッチを切り替えて、少し動かしてみる。

 レスポンスが良すぎて使いにくい! だが、動かしているとだんだん馴染んでくるのがわかる。

 特に全開で加速すると全身がシートに沈みこむ感覚がいい。いかにも加速している感じ。

 そのまま旋回をさせようとした瞬間、身体に激痛が走り、レバーを戻す。……今のは?

 

 胸や腹の中を針で深く刺したような激痛を感じた。

 いくらGに強い身体でも限度があるということだろうか?

 少し控えめに操縦を続け戻ってからチェックしてみたら、高いGがかかっていた。これが原因だろうか?

 このデータが知られると俺が普通じゃないとばれるので、整備士には口止めをしてデータは回収した。

 ある程度なら個人差でGに強い体質だと言い張れるが、それにも限界がある。

 

 降りた後の点検では機体が予想以上に疲労していて、どんな機動をしたのか質問された。リミッターを解除したと答えたが、それくらいでここまで疲労するかな? と頭を捻っていた。

 実戦で機体に過度の負担をかけて故障でもしたら危険なので気を付けなければならないだろう。まあ、実戦が無ければその心配も無いが。

 

 痛みの原因が気になったので、アンガス先生に診てもらうためにデータを渡して診察を受けた。

 診察を終えた先生は呆れ顔で俺の前に座った。

 

「高Gで心臓と心臓補助器官に負担がかかり過ぎたのだろう。死にたくなければ痛みを感じない程度で止めるように。」

 

 ……やりすぎた。いくら強化された身体でも無茶は出来ないか。

 まあ、そこまで身体を酷使することもないだろう。相手がアムロだったりすれば別だが、その時にはその前にやられる気がする。

 

 

 

 ついにアクシズと通信が繋がった。

 ミネバの存在はすでに連絡が入っていたらしく、歓迎の準備を進めているらしい。到着予定についてなどを伝えていると、通信士が交代した。

 新たに映像に映ったのは茶色い髪をオールバックにし、口と顎に髭を蓄えた50代の細身の男性。ジオンの軍服も将官のものなので、この人がマハラジャ・カーンなのだろう。

 シャアも気付いたのか通信を自分に回させた。

 

「マハラジャ提督ですね? 私はシャア・アズナブルです。ミネバ様とゼナ様をお連れしました。」

 

「うむ、マ・クベ中将から聞いている。詳しくは到着後にするとして、お二人の様子はどうかね?」

 

「ドズル将軍の件もあるのでゼナ様はお気を落とされておりますが、ミネバ様は元気に育っています。ですがマレーネ様が。」

 

「なにっ! マレーネがどうかしたのかね?」

 

 それまで冷静だったマハラジャ提督が、シートから身を乗り出した。

 シャアが説明をするとショックを受けたらしく、険しい表情で黙って話を聞いていた。

 アクシズの医者を呼びアンガス先生と治療について話し合うことにして通信を切った。

 

 どんな人かと思っていたが、家族を大事にする善良な人物なのかもしれない。

 派閥も穏健派なので温厚な人なのだろう。温厚すぎるのか急進派にアクシズを乗っ取られそうなのはどうかと思うが。

 まあシャアが穏健派に加われば勢力図は変わるだろう。

 

 

 ブリッジのモニターにアクシズが見え、約一年の長旅が終わりを告げる。

 


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