ボーボボたちはカッパたちが作った自動車に乗せられて
試運転をすることになった。
しかし、首領パッチの飲みかけのコーラが運転席にかかり――――
時間跳躍という機能がないハズなのになぜか
時を飛び、空を駆けた!
月のカグヤは地上に落とされて輝夜になった。
私は退屈していた。代わり映えのない日々に。
私は教育係に頼み込んで蓬莱の薬を作ってもらって不老不死になった。
それは罪であり、罰として処刑されるが…
不老不死のために死ぬことは出来ずに青い星に落とされることになった。
私の狙い通りにだが、
もっとも私が地上に興味があるのを知っている者たちは
少なからず勘づいていたことでしょうけど…
月から見上げて見る青い星はとても綺麗で宝石みたい。
でも月の住民は口々に言う『穢れた世界』と。
刑が執行される日。私は薬で身体を赤子まで戻された。
不老不死になったハズなのに、私の教育係は優秀のようだ。
今は、もう元教育係というべきかな…?
私は特殊な形の一人乗用の細長い緑色の宇宙船に入れられて
月から打ち上げられて、青い星に落とされていく――――
徐々に遠ざかっていく月を眺めていた。
星々の海に漂う月は真珠のように輝いていて綺麗だった。
少し何かが引っ掛かる。心残りか…?
でも… それは青い星に落とされていく私にはもはや意味が成さない。
考え事は星に落とされてから考えればいい。
私は不老不死。何もかも「死」すらも失ったが… 時間だけはある。
私はカグヤ。月の姫。蓬莱の姫君。
* * * * *
私が落とされた場所は竹林の森だった。
私は未だに一人乗用の宇宙船に入ったままだ。
着地の際にどこかで故障したようで開けられないのだ。
さすがにこれは予想外だ。幸い中から外の様子が見れるのだが…
外は夜で、夜空にはぽっかりと満月の月が浮かんでいる。
随分と遠くまで来たものだと感慨深く感じたが
自分以外に誰もいないことに寂しさを感じ、退屈と窮屈さも覚えた。
ああ、そういうことか…
私はどこに行ってもどこに居ても同じだということを理解した。
月にいようが… 地上にいようが… どこにいようが私は私だということを――――
少し疲れた… 長旅で疲労した体を癒やすべく、目を瞑り睡眠を取ろうとしたときに
離れたところで放電現象が起こり、次に壁を破壊したような激しい音。
高速で動くなにかが地面にタイヤの跡をつけながら目の前を通り過ぎていく。
その正体は白色と銀色で塗られた乗用車。それが竹を幾つもへし折りながら走行して
フロントガラスに幾つもの竹を刺しながら… 岩と激突してようやっと止まる。
月のものではない。地上の科学で作られたとも思えない。
もしかしたら、月ですら知られていない文明があるのだろうか…?
ドアが開かれ、中に乗っている人物が降りてくる。全員で三人。
背の高い奇妙な髪型の遮光眼鏡をかけた男と、妖怪だろうか…? 人ではない。
橙色のウニに手足が生えたようなのと、青い人型のスライム…?
それが頭に竹を貫通した状態で降りてきた。
なんか刺さってるゥゥゥっ !? なんでアレで生きてんのォォォ !?
* * * * *
来訪者はその謎の三人組だけではなく、他にもやって来た。
よくよく考えてみれば… 私が乗ってきた宇宙船と
あの三人組が乗ってきた乗用車は物凄く目立つ。
特に私の宇宙船は空から降ってきたのだ。
当然、目撃する者がいても可笑しくはない。
ただ目撃者が必ずしも人とは限らないが――――
『なんでぃ、先客がいたのかよ』
『妖怪か…?』
大きな蜘蛛とムカデが彼らの前に現れた。
その二匹は三人組の前に寄ると…
『同じ妖怪のよしみだ、そこにあるモノを置いていけば命だけは見逃すぞ?』
大蜘蛛が八本ある脚の一本で乗用車と私が乗っている宇宙船を指差して言う。
乗用車はともかく、宇宙船はまずい。今の状態であの二匹を倒せるかどうか…?
大蜘蛛のあの物言いならば… あの連中がうまい具合に争ってくれれば…
彼らがどうのように戦い、どんな武器を使うのか知り得る上に
消耗した状態の彼らと戦うことになる。そうなれば勝つことも難しくない。
「なんだと !? てめぇ !?」
「おいよせ、
オレンジ色のウニが怒り、青いのがたしなめる。あの車は彼らにとって重要な物のハズ。
私の思惑通りに事が運ぶだろう…
「俺は妖怪じゃねェェェっ!!!!」
ただ… 橙色のウニの発言は私の予想を斜め上どころか大気圏を突き抜けた。
「俺は妖精だ――――!!!!」
* * * * *
「「…………………………」」
妖精…? あれが…? 橙色のウニが…?
首領パッチと呼ばれた自称妖精以外は沈黙している。
私と大蜘蛛、大ムカデ… さらには仲間の二人も。
沈黙を破って長身の男が拳を鳴らしながら
「お前たちが何故あれを欲しているのか知らんが…
あれは俺たちにとって重要なモノだ。渡すつもりなどない」
妖精発言は無視しているし… 連中にとってはいつものことなのだろうか?
その直後に爆発。木っ端微塵子。バラバラになった部品があちこちに飛ぶ。
重要なモノが爆発したァァァ!
「――あれは俺たちにとって重要なモノだ。渡すつもりなどない」
何事もなかったかのように !? 現実逃避 !?
『なら少々痛い目に遭ってもらおうかな?』
話、合わせた !?
* * * * *
「俺の名は『 ボボボーボ・ボーボボ 』毛の王国の人間だ!
人間ならではの技をお前たちに見せてやるぜ!」
妙な構えを見せつつ、鼻から毛を伸ばす。
鼻からなんか伸びてるゥゥゥ!? 名前が変 というか『ボ』って何!?
『きさま人間だったのか !?』
あなた、気づいてなかったの!?
「人間ビームゥゥゥ!」
両目から放たれ怪光線が妖怪たちに当たり小規模な爆発が起きる。
この時点で人間じゃない! 人間関係ない! 鼻から伸ばした毛の意味は!?
「人間ファイアー!」
口から青白い高温の焔を吐き出し、妖怪たちを燃やす。
「人間毒ガス攻撃!」
身体全体から紫色の煙が噴出され、妖怪たちを身悶え苦しませる。
「見たか! これが人間だけにしか使えない人間だからこそ使える力。
人間が持つ無限の可能性、人間の力。人間そのものだ!」
イヤイヤイヤイヤムリムリムリムリ!
* * * * *
身体が頑丈だといわれている妖怪でも耐えられないのか
徐々に光の粒子になって崩れていく大蜘蛛と大ムカデ。
口から紫色の泡を吹いて痙攣している天の助と首領パッチ…
仲間も喰らってますけどォォォ !?
「首領パッチ!? 天の助!? しっかりしろ! 一体誰がこんなことを!?」
天の助と呼ばれた倒れている青い妖怪の肩を掴んで揺さぶる。
ボーボボを指差して「お前」と言ってから気を失う。あの煙を吸ったようだ。
「くそぅ… 妖怪たちめぇ…」
悔しそうに歯軋りをし、握り拳を強く握る。
やったのはあなたですが…?
『俺たちも妖怪の端くれだからな… ヤられっぱなしじゃカッコがつかない』
そう言い残して妖怪たちは消え去った。最後まで話合わせてるし…
私の中の妖怪のイメージがちょっと崩れていく。
情報は所詮、情報。知識は知識に過ぎないということだろうか…?
妖怪は死ぬと形を残さない。死にかけているが形を残しているこの二体は…?
「タイムマシンだけじゃなくて、首領パッチと天の助の命を奪うなんて!」
タイムマシン? 時間を飛び越えて来たっていうの?
あと、あなたの仲間まだ生きている気がしますけど!?
彼はどこからかスコップを取り出すと地面を掘り…
掘った穴に二人をそっと横たわらせてから、土で覆い被せた上に十字架を挿した。
「一命は取り留めた…」
トドメ刺したァァァ!?
「「勝手に殺すなぁぁぁっ!」」
地中から飛び出てボーボボに抗議する。
うん。あれはどう見ても埋葬だものね。
「落ち着けお前たち。まずは現状を把握するのが優先だろうが」
埋めた人間がもっともらしいことを言う。他の二人はしぶしぶ大人しく従っている。
天の助は周囲の竹を見てから
「ここって迷いの竹林じゃないのか?」
「――だが… あれだけいるイナバの姿も妖精たちの姿も見えない。
ここは幻想郷の外かもしれないな… 」
「それに…」とボーボボは遮光眼鏡を指で押し上げて
こちらを――正確には私が乗っている宇宙船に視線を向ける。
私は宇宙船の中で身構える。彼らがどうでるのか…?
「あれは明らかに人工物。人の手によって作られたものだな。
まぁ、妖怪の可能性もあるが…」
彼らは宇宙船の周りに集まってきた。この宇宙船は変わった作りになっている。
製作者の趣味か願いか… 細長い緑色の胴体は周囲の竹と似たような外観をしている。
そして私が入れられている箇所は黄金色に光っているのだ。これで目立たない方が可笑しい。
彼らが善人なのか、悪人なのか、判断材料が少ない。
ただ確実にわかっているのは… 彼らは " 変人 " の集団ということ。
でも人間と妖怪が一緒にいるこの集団に興味が沸いてきた。
それに彼らがここからいなくなると、ここから出られずに永遠に閉じ込められる可能性もある。
「だったら抉じ開けてみようぜ! この首領パッチ様のために切るモノ用意しろ!」
「ネギならあるけど?」
天の助がどこからともなくネギを取り出した。
なぜにネギ? ネギじゃ無理でしょうが…
「おお! あるじゃねぇかドンパッチソード! これさえあれば!」
ネギを片手に左から右へと横に薙ぐ一閃。『キィィィン』という金属の音が響く。
ネギが半ばからへし折れ… 切っ先が回転しながら――『どすっ』と天の助の額に刺さる。
ネギにあるまじき性能。もはやネギじゃない。
「俺の額にネギがぁぁぁっ!?」
天の助が慌てて引き抜く。水色の体液が噴水のように噴出する。
うん。もはやこの程度じゃ驚かない自分がいる。
「くそぉ… こんなときにドンパッチハンマーがあれば…」
「ネギならあるけど?」
ボーボボの髪が横に二つに分かれて、中からネギが飛び出す。
あの奇妙な髪型は収納箱になっているの?
「おお! あるじゃねぇかドンパッチハンマー! これさえあれば!」
頭にヘルメットを被ってネギを両手に、左から右へと大きく振る。
『ベコッ』と私の真上に大きな振動。
ネギが与えた衝撃のせいか、開閉口が吹っ飛ぶ。
…は?
至近距離からの首領パッチと目が合う。
ネギで破壊したのもそうだが、なんの準備もなく首領パッチとの対面に硬直。
しばらく見つめ合っていると… おもむろに
「まぁ、なんて可愛らしい女の子なんでしょう。
ボーボボお爺様。この子を連れて帰りましょう」
「そうじゃなパチ美お婆様。こんな所に一人残して行くわけにはいかんじゃろう」
一体いつの間に着替えたのか、それぞれつけ髭をつけた翁の格好と
カツラを被った嫗の格好に変わっている。
まさか、この人たちに育てられるの私?
「名前はどうしましょうかねぇ? お爺様?」
「ふむそうじゃなぁ…
「輝く」ような… 「夜」を切り取ったような美しい髪をしておる。
さらに高貴な「姫」のごとく気品さを持ち合わせておるからのぅ――」
輝夜姫。カグヤヒメとでも名付けるのだろうか? なんの因果かここ、地上でも
同じ名を貰うとは……
「「
キラキラネーム!?
なんとしても阻止したいとこだが、今は赤子の身。
このままではシャイニング・ナイト・プリンセスになってしまう。
その時『ほっほっほ』という、しわがれた老人の笑い声が竹林に響き渡り――――
私たちの前に一組の翁と嫗が姿を現す。
「まさか、竹から女の子出てくるとはなぁ…」
「長生きはしてみるもんですねぇ、お爺様?」
ああ、良かった。やっとマトモな人たちが現れた。
この人たちならシャイニング・ナイト・プリンセスを阻止してくれるかも
「失礼だが、あなたたちは一体?」
ボーボボが彼らに問う。むしろボーボボの方が問われるべきだと思う。
しかし返事がくるまえに、複数の足音と気配が私たちを取り囲むように出現。
そいつらは毛皮を身に纏い。ニワトリのトサカみたいな髪型をしていて、
こん棒やら手斧で武装していて「ヒャッハー!」と奇声を発していた。
そして、翁が口を開いた――――
「儂らは山賊集団『竹取りの翁』じゃよ?」
お前もかァァァ!?
* * * * *
「さぁ行け! 我が息子たちよ!」
翁の号令の下、ボーボボたちに襲いかかってくるヒャッハー軍団。
『 ヒャッハー! 』『 ウサギ狩りだぜぇぇぇ! 』
『 汚物は消毒だぜ! 』『 お前の血は何色だぁぁぁ!? 』
それぞれ、何を言っているのか、何の意味があるのかわからないが
雄叫びを上げながら迫ってくる。それに対してボーボボたちは――――
『毛魂と書いてバーニング!』
数本の鼻毛を伸ばして、ムチのように操って敵を薙ぎ倒すボーボボ。
『針千本!』
身体中のトゲを伸ばして、敵を攻撃する首領パッチ。
『天王星の裁き!』
辺り一面が『ぬ』で埋め尽くされ、ヒャッハー軍団が吹っ飛ぶ。
なにこれぇぇぇ!?
そうしてる間にヒャッハー軍団は全滅。残りは翁と嫗の二人だけになった。
「儂らの息子たちを、こうもアッサリと倒すとはのぅ…?」
「長生きはしてみるもんですねぇ、お爺様」
肌をひりつかせる威圧感。伊達に年を取っているだけじゃないというわけか
山賊集団の頭をしているのも、親子以上に実力のせいだろう。
でもボーボボたちも妖怪を倒すだけの実力を持っている。
ボーボボたちに視線を向けると…
首だけ出して地面に埋まっているボーボボ。
うつ伏せでカラスにつつかれている天の助。
白骨化している首領パッチ。
戦う前から死んどるぅぅぅ!?
連戦に次ぐ連戦により、ボーボボたちは披露した。
はたしてボーボボたちは竹取りの翁に勝つことができるのか !?
シャイニング・ナイト・プリンセスの運命や如何に !?
(´・ω・)にゃもし。
※まずは短編として出してアクセスを稼ぐぜ。そのあとに連載かな?
お話としてはS・N・Pが幻想郷にくる以前の話。
※以前のバラバラ殺首領パッチ事件の影響でこうなりました。
あれで短編は無理があると判断して今回は試験的にこんな形。
※S・N・Pの元ネタはジャンプの読み切り作品です。
※輝夜作品少ない気がする。→ 執筆。ボーボボも絡ませよう。
※会話のカッコと空白部分を修正しました。