天の助は魔封波で炊飯器に封印され
ボーボボはマッスル・リベンジャーで粉々に砕かれ
つけものが… 不気味カルテットたちが… 次々に倒され…
首領パッチは怒りで怒んパッチへと変貌した。
「 オレってヤツが許せねぇよ… 」
――と…
身体を金色に変化した首領パッチ――いや、怒んパッチか…
変わったのは外見だけじゃなく中身も変化しているのか
いつものおふざけが鳴りを潜めている。
「 一目見たときから只者じゃない空気を醸し出していた…
ヤツはできる男だと確信していたよ 」
ビッグボディが偉そうなことを
ゆっくりたちと一緒にお菓子をボリボリ頬張っていなければ
少しは説得力があったかもしれないけど…
「 ハーハーハー! ならばこの俺様が確かめてやろう!」
フェニックスの急接近。
すれ違いざまに右フック。頬に命中。
数回ほどマットにバウンドして… ピクリとも動かなくる。
「「 えええぇぇぇっ !? 」」
超絶よわっ !? 何しに復活したの !?
「 怒りだ。怒りが足りねぇ…
お前はなんのために輝夜に求婚する?」
上半身を起こしながらフェニックスに問う怒んパッチ。
「 月が持つ叡智、技術。輝夜自身もそうだが、やはし一番の理由は―――― 」
" 不老不死 "
不老不死――蓬莱の薬。
よりによって… いや、権力者だからこそ欲するか…
「 お前たちのその再生能力も輝夜から貰ったものなんだろう?」
ボーボボたち三人の再生能力を薬のせいだと勘違いしている…
「 期待しているとこ悪いが… 俺たちのしぶとさは―――― 」
"
しかし… 怒んパッチの言葉を信じていないのか
「 フン。そう簡単には口を割らんか… 」
すいません。それ本当のことなんですけど…
「 許せねぇ… そんな理由で… 」
「 期待外れにもほどがある。喰らうがいい!」
フェニックスの背後に力が目に見える幻影となって
こん棒のようなモノを手にした体格のいい少年がメガネをかけた少年を殴っている。
" 買ったばかりのバットの殴り具合。お前で試させろ!"
「「 なにもかもが酷い !! 」」
こん棒のようなモノを振りかざすフェニックス。
怒んパッチは手のひらからタケノコを生やして…
…って、タケノコ !?
『 タケノコソォォォォォドぉぉぉぉぉっ !! 』
フェニックスのこん棒と接触。触れた瞬間にタケノコが回転する。
力と力が相殺。拮抗。
火花が飛び散り――接触部分から放電が放たれる。
「 バカな… ありえん… 死に体のお前のどこからそんな力が―― 」
「 オレの力の
一分あればその分だけ怒りを燃やして――オレは一分前のオレより進化する!」
怒んパッチを
「 一回転すれば、ほんの少しだが前に進む。それが『 タケノコ 』なんだよ… 」
違います。
「 そんなタケノコがあってたまるか!」
吼えるフェニックス。片手持ちから両手持ちに変えて力で押し切る。
火花と放電の勢いが加速する。
「 ここにある!」
タケノコが
怒んパッチの手から離れ――――
『 豪腕爆砕! ブロウクン・タケノコ!』
砕く!
こん棒を破壊。破片が散る。
止まらない!
進む、進む、進む!
フェニックスの体に突き刺さる。めり込む。くの字に曲がる。
足がマットから離れる。宙に浮く。
爆破。爆発。
耳をつんざく二つの爆音。轟音。
フェニックスの上半身が火炎に包まれ…
口からカプセル状のモノを吐き出して… 沈む。
手に取りスイッチを押して放り投げると…
煙とともに天の助の頭部が封じられた炊飯器が現れて解放。
水色の欠片が集まりだして形を形成。天の助になる。
その顔は目に見えてやつれていた。
「 怒んパッチか… すまねぇ、助かったぜ 」
「 ああ、あとはオレに任せて―――― 」
――お前はゆっくりと休んでいるといい。
――ああ、そうさせてもらうぜ…
空からは白い羽を生やした子どもたちが舞い降りる。
ちょ !? なんか来てはいけないものが来てますけど !?
あとその犬どっから紛れ込んで来た !?
「 天の助 !? 起きてください! 連れてかれますよ!」
メリーの呼びかけが耳に入らないのか… おかしなことを口走る。
――神様… ごめんなさい。パトラッシュを食べたのは僕なんです…
「「 パトラッシュを食うな!」」
傍にいた犬が突然二本足で立ち上がって――
『 パトラッシュ・パンチ!』
倒れている天の助に攻撃を加え… リングから降りて二本足でとことこと去る。なにアレ?
そこへ遅れて天使っぽいのが到着。
周りを
「「 ただのドロボウだった !? 」」
「 やはしな… コイツはただの封印術じゃない 」
炊飯器を手に取って調べていた怒んパッチが話始める。
「 コイツ――炊飯器に入れられたモノは力を吸い取られ…
仕掛けた術者の力に変えられる。術者… つまり―――― 」
――フェニックスに。
天の助を無効化しつつ、その力を利用する。
首領パッチのときは――そういや毒で自滅してたわね…
さすがに猛毒を持ったヤツを体内に取り込みたいとは思わないわね。
炊飯器を上空に投げ――
両脚でマットを踏みしめ右手を真上に向けると
手のひらからタケノコが生えて… 回転。
『 ラスト・シューティング!』
タケノコの先端からピンク色の光が収束して放たれる。
細い光が炊飯器を貫通。くり貫かれた穴からバチバチと火花が飛び散り――爆発。霧散。
もはやタケノコじゃない…
だけど… これで魔封波とやらで封印される心配はなくなった。
フェニックスは自身を強化させる術式を失い。
首領パッチは怒りで怒んパッチになってパワーアップしている。
フェニックスにはもう勝つ
――にも関わらず…
「 ハーハーハ。酷いことをするなァ…
あの入れ物を造るのにどれだけの時間と労力をかけたと思っているんだァ?」
フェニックスは人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべていた。
それに怒んパッチの攻撃を受けたハズなのにキズ一つ見当たらない… タケノコだけど。
「 このリングからお前に向かって力が流れ込んでいるのが見える。
そのお陰でお前は力を増幅。ボーボボを倒し… 回復もした… 」
「 ほぅ… 」
感嘆を漏らすフェニックス。
それが本当ならフェニックスにとって最初から自分に有利な場所で…
私たちにとっては不利な場所で戦わされていたことになる。
「 そういや… この遺跡は月の民が造った建造物。
それも妖怪同士を戦わせるモノ。
ならば安全策があってもおかしくはないわね… 」
「 ど、どういうことなんですか? てゐさん…?」
「 このコロセウムに対妖怪用に術式が施されている。
わかりやすく説明するならば―――― 」
" このコロセウムそのものが相手を弱体化させ… その力を取り込む巨大な魔方陣 "
「 でも… そんなことをすれば周りの妖怪たちが黙っているとは思えないんですけど… 」
「 さすがに力の全てを持っていくわけじゃないみたいね。それこそ―― 」
弱小妖怪なら気づかれず、力のある妖怪なら大して気にもしない程度の力を取り込んで…
かといって吸収を阻止するために試合を妨害すれば… どうなるのか…?
場合によっては幾つかの勢力を敵に回す可能性もある。
私たちの力のこと等が知れ渡ってしまうことも…
あとは鬼の集団辺りが試合を邪魔したといって暴れかねん。
「 バレてちゃしょうがないなァ… それに今のままでは勝てないのも事実 」
フェニックスの身体が膨れ、全身の筋肉が肥大化。体の色も紫色に変色する。
いきなしの変身に絶句する私たち。
「 まずお前から血祭りにあげてやる 」
左右にブレて、消える。
次に――
岩と岩がぶつかり合う音。
怒んパッチのすぐそばにフェニックスの姿があり――
人の頭ほどの大きさのフェニックスの右拳を怒んパッチが左拳で防いでいた。
さらに迫り来る左拳を右拳で迎撃。
拳と拳がぶつかり激しい音が鳴る。
腕を後ろに引いては殴る。拳をぶつけ合う。
繰り返す。
加速する。
拳と腕の残像を残しながら打ち合う。
それはまるで複数の腕を持って殴り合っているように錯覚する。
――がその打ち合いの均衡が崩れる。
フェニックスの拳が当たる。
さらに右膝が刺さる。血を吐く。
「 少しは手加減をしやがれっ… 」
「 手加減? なんだァ? それはぁ?」
両手を組み合わせて上から背中へ叩き込む。
垂直落下。マットにめり込み… 動かなくなる。
『 つ、つよい… 怒んパッチ選手強いが――
それ以上に変身したフェニックス選手のが強い!』
『 だが彼は諦めてはいないようだぞ… 』
伏せた状態から飛び上がり後ろへバク転。距離を取る。
両手に握られているのは飲み物の缶。
首領パッチがよく飲んでいるモノだ。
それを逆手に持って腰を低くした前傾姿勢に
『 怒怒んパッチ・スラッシュ!』
右下から左上へ斬り上げる。
缶に入ってあった液体が勢いよく飛び出して三日月のような斬撃となって飛ぶ。
途中にいた天の助を上下真っ二つ。おい…
「 ぎゃぁぁぁ !? 」という断末魔を残してフェニックスへと進む。
避けるまでもないと言わんばかりに両腕を横に広げて仁王立ちするフェニックス。
怒んパッチがマットを蹴る。
斬撃のあとを追ってリングすれすれを滑るように滑空。
左手にある缶。その缶の開け口から液体でできた刃を作り上げて
逆手に持って身体ごとぶつけるように突進。
『 怒怒んパッチ・スラッシュ!』
最初に生み出した斬撃が着弾した瞬間に左下から右上へ斬り上げる!
『 クロス!』
二つの斬撃が X 字になりフェニックスの胸元に交差する!
「 ソイツは天の助の分だ!」
「「 止めを刺したのはお前だ!」」
X 字の斬撃が巨大化。炸裂。リングを光で埋め尽くす。
『 怒んパッチ選手の技が炸裂! 光でリングが見えません!』
『 やったか !? 』
リングを――リングの上で戦っているであろう二人を…
些細な変化を一つとて見逃さないと食い入るように見つめる。
そのときメリーが何かを思い出したかのように――
「 大変です! 『 やったか !? 』は大抵やってない… 生存フラグの一種です!
高い確率で相手が生きてます!」
「 いわゆる戦場のジンクスってやつだわね… 」
てゐまで何を言っているのか…
光がおさまり、二人の姿が視界に入る。
「 なんなんだァ? 今のはァ?」
そこには無傷のフェニックス――いや、胸にでっかい「 ぬ 」のキズが…
なんかあり得ないキズができとる !?
「 コイツは礼だ!」
怒んパッチの腕を掴んで人差し指と中指を立てて手首内側を「 バシッ !! 」と叩く。
そんなんでダメージ喰らうか !?
「 ぐはぁぁぁぁぁっ !? 」
全身に刀で切り裂かれたような斬り傷ができ――出血。倒れる。
「「 なんかスゴいダメージ喰らってるゥゥゥっ !? 」」
(´・ω・)にゃもし。
1話あたりの文字数が段々と減っています。
読みやすく、わかりやすく… 私が更新しやすく。
ここまで読んでくれてありがとうなのです。
コメントとツッコミがあると助かるです。かしこ。