東方かぐや姫 竹取ボーボボの物語   作:にゃもし。

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 激闘の末、翁と嫗を倒したボーボボたち!
 それを死んだ魚の目で眺める輝夜!
 このままではシャイニング・ナイト・プリンセスと命名されてしまう!
 そしてボーボボたちと輝夜は竹林の森であの人物と遭遇する!




迷いの竹林にて

 

 

 核熱造神『ヒソウテンソク』の全身から光を放ち、黄色・橙色・水色の三つの光に分離。

 それぞれボーボボ、首領パッチ、天の助と元の姿に戻る。

 

 

「シャイニング・ナイト・プリンセスは!?」

 

 

 ボーボボたちは辺りを見回して探し始める。

 翁と嫗の戦闘の余波で辺りの地形はだいぶ変わっている。

 私が乗っている宇宙船も大破して無惨な有り様になっている。

 

 

「まさか… さっきの戦闘で…」

 

 

 大破した宇宙船を見て、天の助が青い顔をさらに青ざめさせる。

 「諦めるのは早い!」とボーボボたちは声を大きくして叫ぶ――――

 

 

「「 シャイニング・ナイト・プリンセスゥゥゥ!! 」」

 

 

 そのボーボボに切り落とされ放置されていた竹を大きく振りかぶって脛に打ちつける。

 「反抗期!?」痛む足を抱えて転げ回り、私の姿を見て驚く。

 

 今の私は成長を抑制する薬… その効果が薄くなってきたのか、効力が弱まったのか

 現時点で五才児ほどまでの姿になっている。

 

 ボーボボと私とのやり取りを見ていた首領パッチは

 ふー、やれやれ… という感じに肩をすくめて

 

 

「何はともあれ、シャイニング・ナイト・プリンセスが無事で――――」

 

 

 その額に竹槍を投げ込み――ぶっ刺し黙らせる。「俺の額に竹がっ!?」

 コイツらがちょっとやそっとでは死なないことを知っているからできる芸当だ。

 普通は死ぬ。

 

 

「ふぅむ。シャイニング・ナイト・プリンセスという名が気に入らないのか?」

 

 

 天の助が唸って考え込む。

 当然。気に入る奴がいるのなら、この目で見てみたい。

 

 

「シャイニング・ナイト・プリンセス… なんと素晴らしい名前だ!」

 

 

 筋骨隆々のぼろを纏った… かろうじて女とわかる青鬼が身を震わせて立っていた。いたよ。

 物欲しそうにしていたので彼女にその名を譲ると両目から『ぶわぁっ』と涙を流し

 厳つい顔を涙で濡らしながら「ありがとう!」と礼を述べて竹林を去っていた。

 

 彼女はここで派手な音と閃光を聞きつけてやって来たそうだ。

 ちなみに本名は覇無虎( はなこ )。漢字だけ見たら強そうだ。

 

 天の助が「あーあ、名前取られちゃったね。てへっ」とウィンクして

 こちらにベロを出して腹立たしい表情をしたので竹槍で腹部を刺す。

 

 

「さっきまで赤子だったのに、もうここまで成長してるとはな…

 それに誰に教わった訳じゃないのに知識があり、普通に会話している」

 

 

 足にギブスをはめて車イスに乗ったボーボボがこちらを見ている。

 そこまで強く打ちつけた記憶はないのだが?

 

 

「成長期ってやつじゃねーの?」

 

 

 額の竹槍を「すぽん」と抜きながら、場違いな意見を述べる首領パッチ。

 そんな訳がない。もっとも言うつもりもないが…

 

 薬で赤子に戻されて、月から追放されて地上に落とされました。

 なんて誰が信じるのだろうか? 同様に彼らの時間跳躍も然り。

 

 

「――で、お前」

 

 

「『お前』じゃないわ…」

 

 

 指差して何かを言おうとした首領パッチを遮って

 

 

「『輝く』ような『夜』を切り取ったような髪を持つ――――」

 

 

 ――輝夜。と、名乗った。

 

 

 こうして私は彼らと出会った。

 この時、私の名前を聞いた彼らは神妙な顔つきをしていたが

 それを理解するのは当分先の話になる。

 

 幸か不幸か… それ以降、彼らが私に問いかけることはなかった。

 

 

   = 少女移動中 =

 

 

 満月の明かりがあるとはいえ、今は暗闇が支配する時間帯。

 じっとしていたら妖怪や山賊にまた出くわす可能性がある。

 私たちは移動をすることにしたのだが…

 

 

「なぁ、この場所。さっきも通らなかったか? ほら、ここ」

 

 

 天の助が数ある竹の一本を叩いて口にした。

 その竹の幹には黄色いチョークで『心が折れそうだ』と書かれている。

 私たちが目印として書き残したモノで… 私たちは今、現在進行形で迷っている。

 

 空を飛んで上空から竹林を抜けていくこともやったが

 上空では霧が発生していて霧を抜けると、どういう原理か元の場所に戻ってしまう。

 

 ボーボボたちが翁と嫗と戦闘したときは晴れていたのだが…

 竹取真拳奥義を操る翁の仕業か? それとも翁が晴れさせていたのか?

 どちらにしろ迷っていることに変わりはないけど。

 

 

「こんなことならさっきの鬼を捕まえてりゃよかったな! おい !?」

 

 

 不機嫌な態度を隠さない首領パッチ。でもその意見に私も激しく同意。

 私たちはこの竹林を完璧に舐めていたのだ。

 

 もっとも…「大丈夫大丈夫。ちょっと進めば出られるって!」

 と、言ったのもコイツ(首領パッチ)だが…

 

 私は実年齢は兎も角。見た目だけなら五才児ということもあり

 開いたアフロの中に入れられて楽をさせてもらってる。

 

 アフロの中ということで『やす子』がいるかと思ったら白い生き物が(くつろ)いでいた。

 しばらく見つめ合っていると唐突に――――

 

 「新入りか!? これで序列最下位から脱出できるぜ!!」

 

 と、般若のような形相で襲いかかってきた。

 すぐにアフロの床にある扉から大量の可愛くデフォルメした生首の妖怪? 

 

 ――が飛び出して、集団で暴行を加えた上に扉の奥へと連れ去られたが…  

 あの扉の奥はどうなっているのだろうか?

 

 

「だぁぁぁっ!? もうやってられっか!? もー、どうにかしてあの鬼呼ぼうぜ!!」

 

 

 とうとう首領パッチがキレた。

 どうにかって、どうするつもりなのか?

 彼は「こうするんだよ!」と手を組み「来い来い来い来い…」念仏を唱える。

 

 『ヒュン』と風を切る音に、竹と竹の間の隙間を縫うようにして細長い影が飛来。

 首領パッチの額を『ズボッ』と貫通。「ぎゃぁぁぁ!?」そのまま飛び去っていく。

 

 高速で動いていて確信はできないが… 刃の根元に赤い布が巻かれていた『槍』だった。

 飾り気がほとんどないが一目で霊槍とわかる業物(わざもの)

 

 

「甘いぜ首領パッチ。そういう邪な邪念があるから、そうなるんだよ」

 

 

 「見てろと」今度は天の助が数珠を片手に目を瞑り…

 おもむろに数珠を持った手を頭上に掲げて「来い!」と叫ぶと――

 上から『ドスン』と音を立てて何かが落ちてきた。

 

 感情が読み取れないつぶらな瞳はじっとこちらを見つめ続け

 口はパクパクと閉じたり開いたりと、せわしなく動かし

 尾びれを『ビッタンビッタン』と地面に打ち付ける。

 

 それは魚類。それは子供ほど大きさの巨大な――――

 

 

「「…………鯉?」」

 

 

 鯉をどうしろと? 天の助に視線が集中する。

 天の助は口笛を吹きつつ明後日の方向を向く。

 

 

「俺なんてマグロを呼んだぜ!」

 

 

 聞いてもいないのにボーボボが喋る。

 ボーボボの足下には体長がボーボボほどのマグロが横たわっていた。

 もはや『こい』のこの字もない。しばらくマグロを見つめる一同。

 

 『ぐぅ~』と誰かのお腹が鳴る。

 気のせいかマグロがビクッと動いた気がした。

 

 

「腹減ったし、焼いて食うか?」

 

 

 首領パッチの言葉に賛成し、美味しくいただくことにした。

 

 

   = マグロ調理 =

 

 

 マグロを豪快に焼いてる最中に――

 『ゲロゲーロ』『ホーホケキョ』『ヤムチャさーん!! ……死んでる』

 三人のお腹から音が聞こえてきた。最後のはセリフだし… ヤムチャって誰?

 

 

「美味しそうな匂いにお腹が鳴っちゃったよ。あははは」

 

 

 と、首領パッチが言っていたし。どんなお腹をしているのかコイツらは?

 そして、もう一つ… 『きゅー』と可愛らしく誰かがお腹を鳴らす。

 私に視線が集まる。手を振って否定する。次にさっきからずっといる鯉に視線が移る。

 

 

「いいえ、私じゃありませんよ」

 

 

 ヒレを動かして否定する。

 三人は腕を組んで唸る。鯉が普通に喋ったことに追及をしてこない。

 私も慣れてきたが…

 

 

「アイエエエ! こ、鯉が喋ったぁぁぁ!?」

  

 

 普通は驚くよね。

 竹の隙間に身を隠してこちらを窺っていたのだろう。

 その少女は腰を抜かして地面に尻餅をついていた。

 

 金髪の髪に紫の服装。頭には変わった形の帽子を被っている。

 少女は私たちの視線に気づくと後ろを振り向き駆けていく。

 

 

「逃がしてなるものか! 行くぞ! 首領パッチ! 天の助!」

 

 

 天の助は身体を液体化して、首領パッチは縮小して手裏剣になり

 ボーボボは身体をバラバラに分解して飛行して追いかける。……おい。

 

 三人の姿を見た少女は「ひっ、妖怪!?」と声を上げて、さらに加速する。

 うん。否定できる要素がない。

 

 健闘空しく三体の妖怪に捕まってしまった少女。

 彼女の名前は『マエリベリー・ハーン』

 

 よっぽどお腹を空かせていたのか、焼いたマグロの切り身を勧めたら

 思いっきりかぶりつき、あっという間に平らげる。

 

 

「腹が減ったなら、素直に言えばいいのによ」

「ああ、それに人を見て急に逃げ出すしな」

「おいおい、首領パッチ、天の助を見たら普通は逃げるだろ」

 

 

 むしろ、バラバラになったボーボボを見て必死に逃げ出しましたけど?

 三人は「ははは」と能天気に笑い。マエリベリーは口を引きつからせて見ていた。

 

 食事を終え私たちは改めて自己紹介をすることになった。

 ボーボボ、首領パッチ、天の助、ヴォルガノスという名前の鯉。

 鯉なのに無駄に名前がカッコいい。

 

 そして私――輝夜の名を聞いた彼女は眉をひそめた。

 「竹林… 輝夜… まさかね… でも…」小さく呟き、考え込む彼女。

 どうやら彼女も私たち同様に訳ありのようだ。

 

 

「で、マエリュ《がぶっ》……」

 

 

 名前の途中で舌を噛んだらしく、口からだばだばと血を垂れ流し…

 そのまま横に倒れ、白目を剥いて口から泡を吹いて『 ピクピク 』痙攣し始める。

 

 

「「 首領パッチィィィっ!? 」」

 

 

「バカかお前は !? いくら言いにくい名前だからって、マ《ぶちっ》――」

 

 

 ボーボボは一文字目で噛み、体をくの字に折り曲げて地面に顔を突っ伏す。

 顔の辺りから赤い液体がどばどばと溢れ出す。

 その血を見てマエリベリーが怯み脅え後ずさりする。その表情は真っ青だ。

 

 

「情けないな二人とも。それに失礼だろうが――」

 

 

 『ポン』と天の助の頭部が破裂。

 残った胴体が前のめりになって倒れる。

 マエリベリーが「ひぃっ」と小さな悲鳴を上げる。

 

 人が舌を噛んで重傷。口から大量の血を吐き出す。頭部が破裂。それも自分の名で。

 確かにビビるかも… とりあえず彼女を宥めさせて落ち着かせて

 三人はほっとくことにする。気になるのか彼女は始終、三人の方に視線を向けてたが

 

 

「言いにくいようでしたら『メリー』と呼んでください」

 

 

 彼女はおずおずと言い。

 三人が『ガバッ』と起き上がり復活。

 彼女――メリーを怖がらせた。

 

 

「てんめぇぇぇ! どうしてくれるんだぁぁぁ!? 

 お前のせいで舌ぁ、噛んじまったじゃねーか! 見ろよ、これをよぉぉぉ!?

 どう責任取ってくれるんだ!? ああん!?」

 

 

 首領パッチが口の中を見せつつ、メリーに詰めかけて理不尽な怒りをぶつけるが

 マグロの尾頭付きの骨を振り回して首領パッチの顔面にぶつけて黙らせる。

 

 

「目がァァァ!? 目がァァァっ!?」

 

 

 いい感じに骨が目に刺さったようで地面を転げ回る。

 

 

「首領パッチはほっといてだ。メリー、お前はこれからどうするつもりだ?」

 

 

「それは……」

 

 

 メリーは言葉に詰まる。何しろここは自分たちの知らない土地。

 おまけに竹林から抜け出す方法がわからず、彷徨(さまよ)っている。

 

 彼女は断片的にぽつりぽつりと喋り始める。

 ベッドでスヤスヤ眠っていると時折、こうして自分の知らない世界に入るときがある。

 気がつけば、今回はここ――竹林に立っていて

 

 大抵は半日もしないうちに元の世界に戻るのだが…

 今回に関しては戻る気配が一向に感じられない。

 

 さらに遠くで「ヒャッハー!」という雄叫びと争う音。

 空間一杯に『ぬ』が現れ、季節が一気に変わり、

 タケノコや竹が飛んできたり、竹が急激に成長して危うく串刺しになるとこだったり

 

 最後には謎の光線が何処からともなく飛んできて

 爆発に巻き込まれたり――と、

 命の危険を感じとり、その場から逃げ出したのはいいが

 

 

 案の定、迷った。

 

 

 迷っているうちに香ばしい匂いが漂ってきて

 匂いの元を辿っていったら、私たちの所に辿り着いたという。

 

 

「「……………………」」

 

 

 身に覚えのある出来事にメリーと鯉を除いた面々が押し黙る。

 

 

「ギャハハハ! バッカでー、こいつぅ。マヌケにもほどがあるだろ!?」

 

 

 否。首領パッチがメリーを指差してケタケタ笑っていた。

 

 

   = 少女伐採中 =

 

 

「俺の頭が真っ二つぅぅぅ!?」

 

 

 マグロの骨で頭を縦に斬られた首領パッチが慌てふためく。

 私たちは事のあらましを彼女に説明した。

 

 ボーボボたちが未来から来たこと。光る竹があってそこに私がいたこと。

 妖怪と出くわせたこと。山賊集団と戦ったこと。

 現在に至るまでのことを、長々と説明した。

 

 メリーは最初、恨めしそうに私たちを睨んでいたが

 やがて諦めたのか、大きな溜め息をつくと

 

 

「そこの三人が貴女を守るために戦ったんですよね?」

 

 

「ああ、発見した手前。ほっとく訳にもいかなかったからな」

 

 

 メリーの質問にボーボボが代表して答える。

 

 

「許しますよ。その代わり… 私が元の世界に帰れるまで護衛をお願いできますか?」

 

 

「当然だ。俺たちを誰だと思っているんだ?」

 

 

 ボーボボたち三人は不敵に笑う。

 メリーはわかってて言っているのだろう。

 二度と元の世界に戻れない可能性があることを――――

 

 

「ただしつけもの! テメーはダメだ!」

 

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

 漬物に手足がついた変な生き物がボーボボの鼻毛を受けて空高く舞い上がり

 頭を下にして落下。衝撃で気絶する。

 

 

 

 

「「 なんか変なのがいる!? 」」

 

 

 

 




 新たに加わったメリーとヴォルガノス。
 そして、最後に現れた『 つけもの 』とは !?

 次回『 つけもの、散る( 仮 ) 』乞うご期待!



 
 (´・ω・)にゃもし。

 三話ぐらいで終わるだろうと思ったら → 終わらなかった。

 読者層が似ている作品に自分のがあって驚いた。
 総合評価がマイナスだったので泣いた。

※カッコと空白部分を修正しました。
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