東方かぐや姫 竹取ボーボボの物語   作:にゃもし。

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 竹林の森を彷徨い続け、その時出会った。
 メリーと鯉のヴォルガノス。
 最後に現れたつけものとは !?
 ボーボボたちは迷いの竹林を抜け出すことができるのか !?
 



無敵要塞『 ザイガス 』と狡猾な兎

 

 

 月から追放され地上に落とされ、未来からボーボボたちがやって来た。

 その後に二人組の妖怪が現れては倒して、次に翁と嫗率いる山賊集団を撃退。

 竹やぶを彷徨(さまよ)っていると… ヴォルガノスという鯉とメリーに出会う。

 

 

 最後につけものというのも来たが問答無用でボーボボに張り倒され再起不能。

 野犬に襲われ、頭を(くわ)えられて引き摺られながら何処かへと連れ去られた。

 助かる見込みが絶望的にないので放って置くことにしたけど。

 

 

 地上に落とされてまだ半日も経っていないというのに随分と濃い一日である。

 

 

 空を見上げると粉をまぶしたような満天の星空。

 しかし、空を飛び竹林を越えようとすると霧が発生して行く手を遮る。

 地上を行けば、不可思議な力で彷徨う羽目になる。

 

 

 まさに迷いの竹林。

 

 

「仕方ないがここで野宿にしよう」

 

 

 ボーボボの野宿という言葉に「えー」と不満の声を漏らす。主に首領パッチが。

 結局、私たちは竹林の森から抜け出せることができなかった。

 

 

「大丈夫だ。私にいい考えがある」

 

 

 ボーボボは人差し指を立ててそう言うと首領パッチの額に何かを書き込んでいく…

 書き終わったのか「よし」と言うと首領パッチを両手で掴んで持ち上げて…

 

 

「ほーら、高い高い高ーい♪」

「キャッキャッキャッ♪」

 

 

 女装したボーボボが赤ん坊の格好をした首領パッチをあやし始める。

 と思ったら冷めた表情で両手を放し―― 首領パッチが地面に落ちる寸前に――――

 

 

「なーにが『キャッキャッキャッ♪』だ! 気持ち悪いんじゃボケがぁぁぁ!」

 

 

 首領パッチの顔面に蹴りを叩き込む。

 

 

「「 ええええぇぇぇぇっ!? 」」

 

 

 「ぐぉぉぉ!?」口から呻き声を漏らしながら、キレイな放物線を描いて飛んでいく。

 やがて地面と接触。派手な音を立てて衝突。轟音を轟かせて爆発。炎上。

 

 

 「衝撃に備えろ!」と地面にうつ伏せになり両腕で頭をガードするボーボボ。

 咄嗟に見よう見まねでボーボボの真似をして――――

 

 

 熱を伴った衝撃が発生。こちらまで届く。熱風が肌をちりつかせる。

 燃え盛る炎の中に見えるは、堂々とそびえ立つ大きな建物の黒いシルエット。

 

 

 上部は首領パッチの顔を模した作り。

 下半身にあたる部分は丸みを帯びた建物になっており

 所々に砲台が設置されていて巨大な黒い筒が空に向かって突き出している。

 

 

「「 首領パッチが建物になったァァァ !? 」」

 

 

「よし。今日はアレ、無敵要塞『ザイガス』で野宿だ」

 

 

 そう言って要塞に向かって歩き出すボーボボ。

 しばらく呆然と眺めてから、慌てて後を追い掛ける私たち。

 野宿って何だっけ? 無敵要塞ザイガスって何? あれも首領パッチなの?

 

 

 高さは三人が合体した姿、核熱造神『ヒソウテンソク』を少し越えたところか?

 そう言えば首領パッチが「身体の大きさを変えられる」と言っていたが…

 縮小だけじゃなく巨大化もできるのかと呆れながらも驚いた。

 

 

 この三人に常識を求める方が可笑しいと考えを改めることにしよう。

 でなきゃ疲労で倒れる。主に精神面で。

 

 

 隣にいるメリーは既に目が死んでいる… 

 ついでに口数も少ない。――というか喋っていない。

 一人で竹やぶを彷徨った時の疲れが溜まったせいだろう… と、思いたい。

 

 

 そうこうしてるうちに扉の前にたどり着き、ボーボボと天の助は

 扉を開けるためなのだろう、横にある重そうなバルブを二人で『ギギギィ』と回し

 説明書を片手にボタンを押したり、レバーを引いたり、鍵穴に鍵を差し込んだり…………

 

 

   = 10分経過 =

 

 

「よし、これで自動で開くぞ」

 

 

 いい汗かいたぜ。とでも言いたげな爽やかな表情で額を拭うボーボボたち。

 刃物を擦り合わせたような金属音を響かせながら扉が開いてゆく…

 

 

「もうこれ自動じゃなくて、手動ですよ…」

 

 

 メリーが疲れの混じった声で言う。

 もうここまでやったら手動でいいと思う。

 私たち一行は扉を潜り抜けて、無敵要塞ザイガスの中へと入っていく。

 

 

『ただし、つけもの。テメーはダメだ』

 

 

 要塞に入った途端。頭上から聞こえてくる機械音。瞬時に閉まる扉。

 続いて砲撃からの爆発音。「ぎゃぁぁぁ…」という断末魔に近い悲鳴。

 数頭の獣が吠える声。『ずりずり』何かを引き摺っていく音。

 

 

 つけもの… まだいたんだ。今度こそ終わりでしょうね。

 でもなんだってつけものに対してここまで冷たいのか?

 

 

『なんか俺、つけものキライなんだわ』

 

 

 頭上で響く機械音。お前が答えるんかい。

 扉を潜るとまた扉があった。外敵に備えるためとはいえ面倒である。

 同じようにボーボボたちが10分ほどかけて扉を開ける。

 

 

 首領パッチの形をした要塞の中に、今度は首領パッチの形をした建物があった。

 外の要塞は金属でできてるのに対してこっちはレンガ造りになっているが

 

 

「また扉、開けるんですか?」

 

 

「大丈夫だ。問題ない」

 

 

 メリーが木製の扉を指差して問いかけて、ボーボボは――

 

 

「こうして開けるからなっ!」

 

 

 扉を蹴飛ばして、無理矢理侵入する。

 

 

「よう、遅かったじゃねーか、お前ら?」

 

 

 赤いガウンを纏った身体を豪華そうなソファーに埋めた橙色のウニがそこにいた。

 

 

「「 首領パッチ(無敵要塞ザイガス)の中に首領パッチがいる!? 」」

 

 

「この要塞が首領パッチが変化した姿なら、目の前にいる首領パッチは何なの!?」

 

 

 ボーボボは無言で首領パッチに近づいて後ろに回ると、背後から腰に腕を回して組み

 首領パッチごと体を後ろに反らしてブリッジ姿勢。首領パッチの頭を床に叩きつける。

 

 

「居るんだったら中から開けろや!」

 

 

「「 確かに!! 」」

 

 

 頭から床に叩きつけられた首領パッチはそのまま気を失い。静かになる。

 メリーは「寝る」と一言だけ言うと空いたソファーの上に寝っ転がった。

 

 

「ほんじゃ俺も寝るか」

 

 

 天の助はそう言うと部屋に置いてあった冷蔵庫を開けて中に入っていく……

 ボーボボは普通に床に布団を敷いて寝ていた。

 あれ? 普通だ。うん、普通だ。普通に寝ている。

 

 

 てっきり、予想を斜め行く方法で寝るのかと思っていたが

 いくらボーボボでも年がら年中、アホなことしてる訳ないか、ちょっと残念。

 

 

 私はもう一つのソファーに横になって睡眠を取ることにした。

 この無敵要塞ザイガスが首領パッチが巨大化した姿ならば

 ここにある物って… 首領パッチの体内にあるモノが変化したモノ?

 

 

 私は深く考えないことにした。

 よほど疲れていたのか、私の意識はすぐに落ちて――――

 

 

   = 少女睡眠中 =

 

 

 私は夢を見ていた。私がまだ月にいた夢だ。

 一日どころか半日も経ってないのだが、ひどく懐かしく感じられる。

 罪を犯した私が月に戻ることはないでしょうけど。

 

 

 私はそれを望んでいるし、私を月に送った連中も望んでいる。

 でも、私の罰に対して複雑な表情をしている女性がいる。

 

 

 私の依頼で禁忌とされる蓬莱の薬を作った女性。

 飲むことが禁忌なれば… 当然、作るのも禁忌とされている。

 しかし、彼女は罰せられなかった。彼女は月の賢人。月の頭脳。彼女は特別故に。

 

 

 そう言えば何故、彼女は作ったのだろうか?

 知っているのは作った本人のみ。断ることだって、できた筈なのに…

 だが私にはそれを確かめる術がない。

 

 

 此処は地上で… 彼女が居るのは遥か頭上の月なのだから…

 

 

 過去は無限にやってくる。

 今は… あの娘、メリーを元の世界に戻す方法でも探すとしよう。

 その次にボーボボたちを元の時代に戻す方法を考えよう。

 

 

 不老不死の私には良い暇潰しになるだろう。

 最悪、私の能力で文字通り止めれば良い。

 あとのことは、あとで考えればよい。

 

 

   = 少女起床 =

 

 

 魚の焼ける匂いで私は目覚めた。

 匂いの元を、焼く音の元を辿っていくと… 台所でボーボボが調理していた。

 視線に気付いたのか、こちらに振り向く。その腰にはスカートが巻かれている。

 

 

「あら起きたの? ちょっと待っててね。もうすぐで出来上がるから♪」

 

 

「ええー、ぼくぅー、待てないよぉー。はやくぅー、はやくぅー」

 

 

 首領パッチは既に目覚めていたのか、ボーボボのスカートの裾を引っ張っていた。

 「しょうがないなぁ…」と調理の手を止めると、腕を大きく振りかぶって

 「それじゃぁ、これでも喰らいな!」と首領パッチの腹部に拳を喰らわせた。

 

 

 悶絶しその場で転げ回る首領パッチ。朝から騒がしいことこの上ない。

 その騒ぎで目が覚めたのか、ソファーで寝ていたメリーが目を擦りながら起き上がり

 キョロキョロと辺りを見回し… 私と視線を合わせて驚く。

 

 

 今の私は昨日よりも成長して10歳ほどになっている。

 薬の効果もだいぶ抜けているのだろう。とはいえ知らない人が見たら驚く。

 説明するのも面倒なので――――

 

 

「成長期ってやつよ」

 

 

「……………………」

 

 

 「ソウデスカ…」 とメリーは黙りこんで考え込み――

 「物語の輝夜のイメージが… 夢じゃないんだ…」ぶつぶつ呟き始める。

 彼女としては一刻も早く、帰りたいのだろうけど。現実は非常である。

 

 

 「出来たわよー」とボーボボが食卓に料理が並べられていく。

 目の前には食欲そそる肉厚なステーキが。肉の焼ける匂いが鼻腔をくすぐる。

 

 

「「 朝からステーキ!? さっきの魚が焼いたような匂いは何!? 」」

 

 

 空腹には勝てず、いただくことにした。

 肉厚なのに箸で割れてしまうぐらいに柔らかく、美味しかった。

 今までに味わったことのない肉だ。メリーは気になったのかボーボボに

 

 

「美味しいですけど、この肉って何なんですか?」

 

 

 「ああ、それなら表にいるよ」と、窓の外を指差す。

 

 

 頭部に三本の角を持った四本足で立つ巨大な動物の全身骨格。

 ただし頭部の骨のうち二本は根元から折られていて無くなっているがそれは

 

 

「「 恐竜!? トリケラトプス!? 」」

 

 

 驚く。しかし、すぐに天の助が――――

 

 

「おいボーボボ、あれは俺が前に地底で掘り起こしたヤツだろうが…」

 

 

 「あっちにあるのがそうだ」と天の助が指差した方向には

 氷づけになった長い体毛と牙を持った巨大な象。それは過去に絶滅した…

 

 

「「 マンモスゥゥゥゥゥッ!? 」」

 

 

   = 少女食事中 =

 

 

 それは唐突に起きた。

 外敵の侵入を知らせるのだろう、けたたましくサイレンが鳴り響く。

 

 

「おいおい鳴っているぞ。どうするんだ?」

 

 

「どうせ、つけものじゃねーの? ほっとこーぜ」

 

 

「それもそうだな…」

 

 

 サイレンを気にして、誰に言うわけでもなく聞いた天の助に

 首領パッチが答えてあっさり引き下がる。

 

 

 とりあえず私は「おかわり」 と要求して

 「成長期なのかしら」ボーボボが微笑みながら、お椀にご飯を盛る。

 

 

「イヤイヤイヤイヤ。皆さん、もうちょっと気にしましょうよ?

 それに確かめてからでも遅くありませんよね?」

 

 

 メリーの言葉に「それもそうだな」 天の助はリモコンのボタンを押すと――

 外部を映すモニターに電源が入り、外の景色が映し出される。

 

 

『これが無敵要塞ザイガス。恐るべし…』

 

 

 うさぎの耳を生やした小さな少女がそう言って地面に倒れた。

 周囲にも同じような格好の少女たちが倒れている。

 あ、少女たちに混じってつけものがいた。

 

 

「おい! ボーボボ、天の助!」切羽詰まった首領パッチの声に

 

 

「ああ、わかっている! 行くぞ!」ボーボボが答える。

 

 

「「 つけものの息の根を止めに! 」」

 

 

「「 そっち!? 」」

 

 

   = 三人組の妖怪行動中 =

 

 

「いやぁ、危うく死ぬとこだったよ」 

 

 

 ボーボボの体内に住んでいる生首の妖怪(ゆっくり)が 

 傷ついた兎たちを要塞の中へ運んでいる最中にリーダー格が私たちの元にやって来た。

 

 

 彼女の名前は因幡てゐ(いなば てい)

 見た目こそ幼女だが神代(かみしろ)の時代、それ以前から生きているらしい。

 

 

 ちなみにつけものは野犬の群れに襲われていずこへと連れ去られた。合掌。

 でも、なんでだろう。またどこかで遭遇しそうな気がする。

 

 

 つけもののことはさておき、今は悪童のような顔をした兎をどうしたものか…

 

 

 彼女、曰く。この竹林の所有者は自分だと。

 変な建物の様子を見に行ったら、いきなし攻撃をされてケガを負った。

 どう責任を取ってくれるのか? ――と、まるでチンピラだ。

 

 

 『竹林の所有者』を自称するということは

 彼女はこの竹林の地理を少なからずとも知っているとみていいだろう。

 

 

 彼女たちは弱い。戦って勝つことなど造作もないでしょうね。

 でもそんなことをした日には彼女たちとの関係は最悪になる。

 今後この先のことを考えたら友好的に接するべきでしょうね。

 

 

 彼女――因幡てゐは、私たちのことを知っている。知らないハズがない。

 この竹林で起きた出来事を一通り知った上で私たちに接触してきた。

 

 

 私の宇宙船。ボーボボたちの車。虫の妖怪と山賊集団の退治と撃退。

 メリーの保護に、無敵要塞『ザイガス』

 そして私たちがここ、竹林の森を抜け出したいこと。

 

 

 彼女たちが何を望んでいるのか

 長生きしているだけあって狡猾な兎。

 その兎相手に、どうしたものか…

 

 




 

 無敵要塞『 ザイガス 』の名は伊達じゃない!
 しかし、その有能さ故に起こった悲劇!
 因幡てゐは何を望むのか !?
 そして、つけものの運命は如何に !?



 (´・ω・)にゃもし。

 前話の時に日間ランキング( 加点式・不透明 )で
 68位なった。わーい。
 でも、今はランク外。

 タグにマエリベリー・ハーンと因幡てゐつけたよ。
 これで二人の名が増えるといいね。

 ※カッコと空白部分を修正しました。
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