暗い海のなか一人うずくまっている、男が一人
その身体痩せ細りながらも筋肉質で誰が見ても彼がかなり鍛えていると解る。
……くらい、つめたい、さびしい、こわい
彼は暗い海に浸かりすっかりと気がめいり、誰かに聴こえるように小さく言葉を吐く。
その言葉に反応するように彼の首もとにある何処までも続くまるで世界の真理のように黒く深い穴のような傷から、黒い煙が出てきて彼を包もうとする。
だが突然海が割れ光が差し込み彼は意識を一気に浮上される
「はぁっ はぁ はぁ はぁ」
彼は薄暗い闇のなか隙間から差し込んでくる太陽の光に当たり目を覚ます。
まだ朝と言うには薄暗い部屋を見渡しそっと体を起こし
自分の頭を母親が撫でるように自分のてで撫でる。
「……朝か。」
薬師寺 湯助の朝は早い。
今日は久々のお店の開店日、薬師寺 湯助は朝早く起きて少し張り切りながら豆の調子を確認する
「特に問題はないな」
ゆっくりと時間をかけ確認をし終え次は予め昨日用意していた皿を取りだしいつでも使えるように一つ一つ手に取り吹き50枚程度になったところで、また違う用意をする。その後もテキパキと机吹き、窓拭き、床吹き、椅子並べ、メニュー盆の確認をし一段落したところで自分のためのコーヒをいれて並べ終えた席に座る
「完璧だな」
辺りを見渡しながら自慢げに言う湯助。
少しゆっくりしたあと席を立ち奥の部屋ホームステイしている娘達が起きてくるであろうリビングの側のダイニングキッチンに向かい簡単に朝食を作る。
そうしている内にパピが眠そうな顔をしながら起きてくる
「おはょ~。」
「御早うパピ」
パピはめを擦りながらリビングにあるテレビをつけ朝に始まるアニメをみ始める
料理が半分終えた頃にスゥが何処からともなくやって来て僕の隣にたち料理を作る光景をじっと見つめてくる
「どうした?スゥ」
「テツダウ」
彼女は以外にもなれた手つきで僕の手伝いをやってくれる、スゥが何故こうも行動的になったのには訳があり、それはこないだの騒動、スゥが暴走したあの日以来家庭的になり、こうして家事の手伝いをしてくれるのが原因の1つでもある。
そうこうしている内にセントレアとメロウヌが起きてきて湯助に挨拶を交わす
「御早うございますわ湯助様」
優雅に気品に満ちた朝の挨拶をするメロウヌと
「御早うございます。主殿昨日はよくお休みになられましたか?」
騎士が主の様態を確認するように聞いてくるセントレア
それを首だけ振り向かせ湯助は何時ものようになに変わらない顔で「御早う」と返す。
ついでにセントレアには自分の眠れたかの感想を答えると二人はパピと同じようにリビングに向かい各自自分のやりたいことをしだす。
それから数分後スゥのお陰で何時もより断然早く食事の用意を終えた湯助は二階でまだ夢の国にいるであろうミーアを起こすべく向かう
「起きろミーア朝食の時間だ」
「ん~まだ眠い。」
ミーアの部屋にはいってすぐにベッドで布団にくるまって寝ているミーアをみつけ声をかける、しかしこの寝坊助は起きる気配はなく思わず額にこめかみを作る
「みんなが待っている早く起きろ。」
「んにゃ んにゃZzz 」
イラァ#
布団を掴み力一杯ミーアから引き剥がし、ミーアは勢いよく宙に浮かび目を覚ます。しかし
「???」
突然のことで完全にパニックに陥るミーア
「ほら起きろ飯だ」
目的を達成した湯助はパニックに陥るミーアの頭を撫でて落ち着かせ部屋を出るさいにそう言葉を残し一階へと足を運ぶ。
「漸く全員揃ったなじゃあ食べるぞ」
起こしてから2分後位に漸く全員が揃い食卓に集まる
「「「「「いただきます」イタダキマス」」」」
湯助の言葉にあわせるように全員が口を開き伝統の挨拶をして彼の作った料理にてをつけ始めた。
食事中
「食べた~」
食事を終え、全員で後片付けをした後また各自で暇を埋めるために、セントレアは庭で稽古を、ミーアはスゥとパピの面倒を、スゥとパピはミーアとリビングにあるゲーム、メロウヌはセントレアの稽古を見ながら食後のティタイムを楽しんでいるなか、
湯助は喫茶店を開店してお客さんを一人でのんびりとまっていた
「御早よう、今日はやってるかい?」
数分ほど待っていると入口の扉が開けられ一人の初老の男が入ってきた
「ああ、やってるよ 久しぶりだな」
その男に軽く対応する湯助、どうやら知り合いのようでとても仲良さげな雰囲気を醸し出している二人
「そうだね前きたのは君がミーア君をホストファミリーとして家に率いれたのだったかな?」
彼はメニュー表を見ずに湯助に目でサインを送りまたゆっくりと語りだす。
それに湯助も頷き彼がいつも頼むメニューを淡々と作り上げていく。
「まあ色々あって営業をすることはできなかったが一応先週午前中だけ開けてたぞ。」
「なに?そうだったのか私も知っていたら行っていたのにな」
「それは残念だったな」
本気で悔しそうにしている男に即答で労いの言葉をかけるすると男はただ一言「つれないな」と口角を上げる
そうこうしている内にメニューが出来上がりお客である初老の男性の目の前にそっと料理の入った皿を出す
「何時ものオムライスだ。ほら召し上がれ」
「ああいただこう。」
目の前に出てきた半熟のオムライスがゆっくりとスプーンによってすくわれていき彼の口に運ばれていく。オムライスは光に当たり爛々と輝く半熟の卵とデミグラスソースがまるでちりばめられた宝石のように見えた。
パク
「上手い。」
彼はオムライスにがっつくように食べ始め、その口をオムライスで一杯にしていく
「上手い! 」
卵がデミグラスソースと絡まり濃厚な味わいとなり彼の口のなかで味の爆弾へと化す
「ふぅ…美味しかったよ。 最高だ」
最後の一口を宝物のように優しく口にいれた後彼は満足そうに顔をほころばせ最初に出されていたお水を口にする
「そりゃぁ良かったよ ……ほら食後のコーヒとデザートだ。」
「待ってたよ。」
そう言って湯助が目の前に差し出したのはブラックのブレンドコーヒーと所々にナッツが散りばめられているチョコレートケーキ。
そのデザートを口にし彼は目を見開く
「基本にして至高、素晴らしい」
スポンジもチョコレートもまたやピーナッツまでも全てが均等、目立つところは無く、しかし全てがお互いを限界以上に高めていることによる至高。
「このコーヒーもデザートを際立たせる為の役者か恐れ入ったよ」
そう言ってゆっくりとティータイムを楽しむ、とそこに
ガチャ カラン カラン
「マスター来たよー」
「お、お邪魔します…。」
以前学校の放課後に来てくれていた常連の女の子がお友だちであろう女の子を引き連れ二人で入ってくる
「やぁ本音君かいらっしゃい。」
本音と呼ばれたその女の子に軽く挨拶を交わし隣にいるきの弱そうなもう一人の子に視線を変える
「…簪です。宜しくお願いします。」
律儀にお辞儀までしてくれた女の子、簪ちゃんと本音ちゃんを席に案内し注文を聞く
「じゃあコーヒとスイートポテトがいいかな~♪」
「私は紅茶とショートケーキで」
片方は元気よくもう一人は遠慮うがちにそう注文する二人
注文を聞いてカウンターに戻った湯助は早速頼まれたメニューを作ることに取りかかる
「そういえばミーアさんがいないね ー。お出掛け?」
頭を傾けながら。本音ちゃんが暇をもて余すために湯助に話しをかける
「いや、家にいるよ、呼ぼうか?」
「ん、いいよーマスター独り占めするから」
本音の大胆な言葉に簪が目を見開き見る
「本音とマスターはそういうなかなの?」
簪は本音にとうが軽くあしらわれ結局正しいことは解らず。
そうしている間にデザートができ席に持っていく湯助
「そういう仲とはどんなものかは良く解らんがまあ仲良いじゃないか?」
そう言って注文の品を目の前に出す
本音君の目の前に差し出されたのは彼女が飲みやすいように作られたミルク多目のコーヒと昨日作ったばかりのスイートポテト、
一方簪ちゃんの目の前には紅茶と純白でまるで雪のような白さのショートケーキ。
「わーい、まってました~♪」
「すごい、美味しそう。」
彼女たちはそのデザートにゆっくりとフォークをいれていき口に運ぶ
瞬間
太陽のような明るい笑顔が上がった
「美味しい~♪」「美味しい♪」
時刻は夕方さっきまでいたお客は帰っていき賑わっていたのが嘘のように静まり返るなか湯助は仕事後のコーヒをのみながら夕方を見つめていた
「やっぱり辞められないな。」
ただ一言自分の大切な生き甲斐を言葉にする
ゾワ!!!
「来たか……。」
寒気が走り彼は一言呟いた。
Said out
「やあスミスくんこれプレゼント」
一人の初老の男性がスミスにケーキ等をいれる1つの箱を手渡す
「有難うございます。ところでこれをどこで?局長」
「なに。行きつけの喫茶店で買ってきたんだよ、食べたまえコーヒも今いれるマスターに習ったんだ。」
「はあ」
そう言って局長はコーヒをいれ出す
……あのいれかた。何処かで
「お待ちどうさま、さあ飲みたまえ」
差し出されたコーヒを口にしスミスは口角を上げ一言
「美味し♪」
次は狩を主体に書こうかな