ゆっくりしていってね
今は夜中特に獣の臭いもなく普段通りに過ごしているはずの夜中に騒ぎが起きた
「とにかく落ち着け貴様ら。」
真夜中に家中を駆け回り逃げる湯助
「待って、ダーリン!」
そう言って突進してくるミーア
「逃げるな主!」
更にその後ろから迫ってくるセントレア
「捕まえた!」
一人中に浮き、いち速く湯助の頭をつかむパピ
三人は湯助に抱きつきそれぞれの意見を言う
「ダーリンは私と結婚するの!邪魔しないで」
「いやパピとするの!」
「主には私が相応しい」
「「「誰がいいの?ダーリン」」」
……スミスめ謀ったな。
湯助は思い出すつい先日のことを
「はい、それでは他種族交流法のおさらいをします!」
家のリビングで眼鏡をかけ先生の振りをしているミーア
家族が増えたことによる、交流法についてのおさらいをしていた。
「はいはーい!」
始まってから突然手を上げるパピ
「交流法てなんですかー!」
一番覚えなければならない者が一番覚えていないという悲劇
「交流法についてのお復習をしていますのでそちらも説明します。」
しかしベテラン教師のようになんなく話を進めるミーア
「先生!」
続いて上げられた腕、
それはセントレアの腕だった
「私の椅子がありません!」
そもそもどういう風に座るかわからないセントレア
「セントレア、座布団を用意したが使うか?」
「す、すまない」
少し顔が綻ぶセントレアを目にしてパルパルなるミーアとパピ
「はい!私も座布団欲しいです!」
なぜか張り切りながら座布団がほしいと主張するミーア
「パピは抱っこがいい!」
ミーアとセントレアの頭のなかで雷が落ちる
……その手があったか! パピ、マジ天才!
誉めながら馬鹿にしているような顔をしているミーア
……あ、主にだ、抱っこ……出来るのだろうか?
一瞬ときめいた顔をするも直ぐに疑問を持った顔をするセントレア
「まあいいがちゃんと覚えろよ?」
その言葉に衝動的に動くミーアとセントレア
「ダーリン!私も抱っこされたい!」
「体格的に無理だろ」
ミーアの発言に即答する湯助
「……」ズーン
落ち込むミーア
「ハア、仕方がないしてやるから授業をしろミーア」
花に水をやったかのように元気になるミーア
……やれやれ今日も疲れそうだな
「な、なあ主…。」
声がした方に振り向くと顔をほんのりと紅くしながらなにかを言おうとするセントレア
「わ、私も良いだろうか?」
……まあいいか二人も一人も違わんだろう
「ああ、だがまずは授業だ」
このあと腰に大変なダメージを追うことを湯助はまだ知らない
「ぐぅぅ、まさかこんなことで致命的なダメージを得るとは……。」
「ダーリン大丈夫?」
「申し訳ないご主人」
授業をしたあと、約束どうり一人一人抱っこして腰に致命的なダメージを追った湯助
「気にするな。」
しかし湯助、その屈強な体は怪我を物とせず直ぐに立ち上がる
……座骨にヒビが入っただけだ数時間で治る
「あら、随分と頑丈ね湯助君?」
とても聞き覚えのある声が部屋の入り口から聞こえる
「スミスなんのようだ?」
「あら呼ばれたから来たのに酷いわね。」
聞き覚えのある声の主スミスが僕の後ろちょうどミーア達を指差す
「呼ばれた?……ミーア達が呼んだのか?」
ミーア達が頷く
「パピ達ね、みんなで話し合って決めたんだ!」
パピが我慢出来なくなって口を開く、そこからは全員がダムの崩壊のように話していった
「いつも迷惑かけるし、今回のことについても私達が頼んでなったことだし」
涙目で語るミーア
「毎日馴れなくてものを壊すし」
反省しているようにうつ向きながらそう言うパピ
「しまいには、主を守るとか言いながら怪我させる体たらく」
「「「私達、パピ達がとても必要に思えなくて!」」」
三人は語るにつれ涙を溜めついには零れていった
「スミスさんを今回呼んだのだって、決意表明のためだし」ボソッ
「ちょっとあなた達、私聞こえてたわよ」
便利屋スミス、泣いていいと思う。
「だから我慢するって決めたの」
…我慢?
「これからは、ダーリンに迷惑掛けないように「おい」え?」
三人は先程の声の主の湯助えと視線を変えると、そこには
以前見た時のように無表情に影が射したような。湯助がたっていた。
「ダ、ダーリン?」
ミーアが怯えながら聞いてくる
「さっきから聞いておれば好き勝手いいおって」
「ご主人?」
何が起こったかまるでわからず混乱した声で聞いてくるセントレア
パピに至っては怯えていた
ゆっくりと3人の頭えと手を伸ばす湯助
怯えながら目をつむるミーア達
そして
「「「え?」」」
優しく胸に抱かれる3人
「迷惑ぐらいはなから覚悟している……家族だろう?」
彼が言ったのはたったその一言のみしかし何処までも強く心に残るような声だった
……家族ね
スミスが突然うつ向く
「家族ねそうか、そうだもんね♪」
突然ニヤリと笑い語り出すスミス
「スミス?」
心配した顔で聞いてくる湯助
「この頃ね他種族間交流法について改定案が出てきてねその事についてのテストケースがほしいの」
スピシ!と鳴るように湯助を指差すスミス
……これは面倒ごとだな
今までの勘で面倒ごとだと解った湯助
「貴方はこの3人の中の誰かと結婚してもらうわ!」
「「「結婚……。」」」
頭のなかで妄想しているのだろうにヘラと笑うミーア達
……結婚、よりにもよって結婚か……。
湯助の苦労は続く
「いつの日かの礼よ湯助君♪」
とてもいい笑顔なスミスだった
結構疲れた。次回は[そして、つきは赤く染まる]です