Fate/Apocrypha ホストが聖杯大戦に参加するようです   作:ニーガタの英霊

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ゴルド「行くぞ! ルビーィィィィ!」

セイバー「すまない、見苦しいモノを見させてすまない・・・・・・」

Apocrypha最強の萌えキャラはゴルドさんだと思う。
あ、サファイアは獅子劫さんで。



魔法中年 プリズマ☆ゴルド

 激しい戦争中でも、すべて戦っている訳ではない。世界史でも有名な百年戦争も、百年間戦い続けていた訳ではなく戦間期があった。

 現に今日もミレニア城塞は平和にのんびりとした時間が流れていたが、当然、皆が皆平和を享受していたわけではないのだった。

 

 ミレニア城塞、豹馬に与えられた一室は質素ながら所々アンティーク丁な装飾かなされていたが、そんな穏やかな物品の上で豹馬は書類仕事に邁進していたのだった。

 

 その理由は単純明快、黒の陣営における諜報、情報収集を一手に引き受ける立場にいるためだった。

 

 現在、トゥリファスにおいてなにも諜報に携わっているのは豹馬だけではない。市街にはユグトミレニアの血族が潜み、各々の活動を行っている。

 

 それは諜報、情報収集が主であるが、豹馬は駄肉よりそれを統括する立場を新たに設けられた。

 豹馬は嫌々ながら引き受け、上手く手を抜きつつ仕事を取り掛かる。一度にあらゆる情報が豹馬のもとに結集し、そこから情報を取捨選択し上へと報告する。それが黒の陣営における豹馬の通常業務である。

 

 数時間前、駄肉との挨拶の後に豹馬が行ったことは同じ陣営で戦うマスターとの顔合わせだった。基本的に黒のマスターには部屋が用意されており、会おうと思えば何時でも会えるのだ。

 様々なマスターによる豹馬への視線は無関心や侮蔑なとであった。

 流石に侮蔑の視線を受けてストレスの溜まった豹馬だが、先の駄肉との挨拶で問題を起こした為に今度ばかりは我慢した。豹馬は人を分ける上で二つのグループを作り上げた、一つは豹馬が嫌うグループと豹馬が好ましいと思うグループだ。

 嫌うグループにはロシェやセレニケ、そして駄肉。

 好ましいグループはフィオレとカレウスの姉弟、そしてゴルドさんだ。

 

 ゴルドさんは豹馬に侮蔑の視線を送ってきたが、豹馬は逆にゴルドさんのデブ&デブな体型とにじみ出る無能オーラが逆に好ましく感じた。百パーセントの好意と有能さを嫌う豹馬は逆にゴルドさんを好ましく思ってしまったのだ。侮蔑の対象として・・・・・・。

 心の中ではいつも「さん」付けにしているのもゴルドさんだけである。別に尊敬などしていない。侮蔑と対象として好ましく思っているが別に呼び捨てにするほど愛着も湧かないので、一歩引いて「さん」付けしているだけだった。

 

 カウレスからは圧倒的な凡人オーラ、フィオレに至っては車椅子という圧倒的弱者な状態を見下して優越感に浸っていたいので優しくしているだけだ。いざとなれば盾にすればいいと思っている。特にゴルドさんは豹馬の盾に相応しいだろう、何せ一番体積が大きい。

 

 ユグトミレニアの事情には疎いが、ゴルドさんを盟主にして駄肉に対抗すればそうそう手出しは出来まいと豹馬は考え、派閥形成を視野に考えている。

 有能な奴を惨めに這いつくばらせるのが豹馬の趣味だ。きっと駄肉もさぞや惨めに啼いてくれるだろうと思うと震えが止まらない。

 そんなまだ見ぬ未来を想像し、豹馬は仕事の間、悦に浸るのだった。とらぬ狸の皮算用、今の豹馬にはこの言葉がぴったりであろう。控え目に言って気持ち悪い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――fate/Apocrypha ホストが聖杯大戦に参加するようです―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜、月明かりと燭台による明かりによって灯された大広間にて黒のマスター、およびサーヴァントが結集していた。理由は豹馬によって提出された情報の共有が第一であろう。

 

「諸君、紹介しよう。極東より合流したアサシンのマスター、相良豹馬。並びにそのサーヴァントアサシンだ」

 

 豹馬は深く一礼すると、仰々しく自己紹介を始める。

 

「極東の国、日本から参戦いたしました。ユグドミレニアの末席、相良豹馬でございます。皆様と轡を並べて戦えること、感激の極み。皆様の足かせにならぬよう努力邁進していく所存にあります」

 

 とりあえずはへりくだる。それが豹馬のやり方だ。

 誰だって敬語を使われて嫌なやつはいない、少なくとも豹馬はそう思っている。

 特にこの中には遺憾ながら豹馬より才能が有り、優秀である人物が多い。その状況にイライラしながらもその気持ちをうんと静めながらやり遂げた自分に素直に賞賛してほしいほどであった。

 

 豹馬はアサシンに目配せすると、アサシンは一歩前に出て、背筋を伸ばし、高らかに声を張り上げる。

 

「私は今次聖杯大戦において黒のアサシンとして召喚されたサーヴァント、川路利良だ。何分若造の身ではあるが、己が職務に関してはやり遂げて見せよう」

 

 自身を若造というが、見た目だけでいえばマスター、サーヴァント合わせてもっとも歳を食っているのはアサシンである。見た目だけでも歳食ってるんだからもうちょっと道具としての自覚を持ってほしい。豹馬はそう思わずにはいられないのだ。

 そんな風に思考している横で、駄肉は次の話題へと言葉を変える。

 

「今朝、この相良豹馬より渡された資料により、敵サーヴァントの大まかな想定が組まれた。それを紹介してみよう」

 

 そうして駄肉の口から話される事実に参加者は驚き、あるいは恐れていた。

 豹馬が想定として出されたサーヴァントはカルナ、アキレウス、アタランテ、スパルタクスなどの面々であり、上記二名は大英雄と言っても過言ではない能力を持つ。下記の二名でもその実力は折り紙付きだ。これに恐れるなというのが無理だ。

 豹馬も事実、アサシンを自害させて、僕知りませーん! と泣き寝入りするのも考えたほどだ。まぁそうしてもどうにもならないことは目に見えていたため普通に断念した。

 

 おそらく、これが敵の切り札といってもいいだろう。これ以上の英雄を並べられたらさすがに勝ち目はない。豹馬は一生日の当たらない世界で生きていくしかないのだ。そうすれば財産も何もかも捨て、平穏とは程遠い生活を余儀なくされる。そんなのは絶対嫌だ。嫌だったら嫌だ!

 

 人生っていうのは自由で、他人を見下して小ばかにしてカタルシスを感じながらそこそこの裕福をしながら暮らすもんなんだというのが豹馬の人生観だ。あぁ、久しぶりに居酒屋で一番高いつまみを一杯に生ビールが飲みたい。だって外国の飯まずいもん。

 

「ふ、ふん。こんな若造の言う情報など信用できるか・・・・・・!」

 

 真っ先に反論を述べたのはやっぱりといったところかゴルドさんだった。豹馬の期待を裏切らないその姿勢、圧倒的かませムーブ。正直言って根っからのエンターテイナーである。素晴らしい。

 

「確かに、本決まりというわけではないでしょう。聖堂教会が用意した触媒、サーヴァントに関しては依然不明。魔術協会が用意した触媒もすべて判明したわけではありません。そして何より、俺のように魔術師が触媒自体を使っていない可能性とて無きにしも非ずと様々なイレギュラーはあり得ましょう」

 

 そして、その言葉を完封する言葉も十分に用意している。豹馬はそういう男だ。

 

「とは言っても、さすがにカルナ、アキレウスなどという英雄が召喚される可能性が高い触媒を捨ててでも別の触媒に手を出すとか、何をトチ狂ったか縁召喚をするなどということはないと俺は思いますがね」

 

「ならば、スパルタクス、アタランテはあり得るということか!」

 

「さぁ、そこまでは分かりませんよ。スパルタクスは知名度的には非常に高いわけですし、アタランテだって大英雄とは言えずともその優秀さは史跡を読み取ればわかるわけですしね。使いやすさを重視するならアタランテを、スパルタクスは俺の見分ではバーサーカー適正もありそうですからね、理性をなくせば如何に性格に問題があってもそのデメリットを打ち消せるなら問題らしい問題も消えてなくなりましょう(魔力があればバーサーカーという選択肢もあったんだけどなぁ、さすがに寿命を犠牲にして戦うとかないわぁ。あれ、カウレス君ってもしかして馬鹿?)」

 

 すらすらと反論に対し論理的に説明していく豹馬。ゴルドさんのおかげで皆の疑問が徐々になくなっていくことを見ればこの人はなんて優秀な人なのだろう。豹馬のゴルドさんに対する株はストップ高だ。

 

 俺以下の容姿に俺以下のそこそこ優秀な頭脳。これで魔力量も俺以下だったらきっと親友になれただろうに、惜しいものだと豹馬は心の中で残念がる。

 

 特にゴルドさんの作った魔力供給システムの恩恵を一身に受けているのは紛れもなく豹馬なのだ。これでアサシンの宝具を制限なく扱えるのだから調べれば調べるほどにゴルドさんの優秀さが目に見えた形で現れる。

 イラつく豹馬による公開ゴルドさんのつるし上げは地味に豹馬の精神安定に一役買っていた。ありがとうゴルドさん!

 

「さて、他に質問はありませんか? 無ければ盟主、進行を」

 

 豹馬は駄肉に確認を取らせると、駄肉はマスターの情報を読み上げる。

 

「赤のマスターの内役はジーン・ラム、ロットウェル・ベルジンスキー、ペンテル兄弟、フィーンド・ヴォル・センベルン。そして教会の監督役、シロウ・コトミネ神父だ・・・・・・」

 

 その情報に、豹馬は耳を傾け、ゆっくりと、一人笑みを創り上げる。

 

「盟主よ、それでは赤のマスターは六人しか居りませんぞ」

 

「あぁ、確かに六人しかいない。ほかにあげられた候補のマスターは皆ユグドミレニアの札付きであったからな」

 

「・・・・・・それは(くっ、笑うな。堪えろ俺! だがっ、しかしっ!)」

 

 知ってた。

 そりゃそうだ。だって俺が朝からずっと調べていたことだもん。木を隠すなら森の中とは言うが、そもそも目当ての木がないならばどうしようもない。

 巧妙な嘘とは真実の間に挟まっているからこそ最大の効果を発揮する。

 

 幸か不幸か、豹馬がユグドミレニアに疎いことが、逆にうまくはまったのだ。最初からマスターが六人しかいないより、ダミーを置いておけば相手が勝手に勘違いしてくれる。このような勘違いによって豹馬は数々の死線を潜り抜けて来た。まさに「鼠」のように。

 

 そもそもおかしいだろう。トゥリファスに来てから拠点から全く動こうとしないマスターなんてどうかしている。その時点で、豹馬は協会の魔術師に見切りをつけた。そして、逆に狙いを絞ったのは一人の魔術師だ。

 

「・・・・・・くっ!(獅子劫さん、あんた最高だよ。あんたがいなかったら、もっと積極的な手を使わざるを得なかったんだからね!)」

 

 笑いを堪えるのに必死な豹馬だが、周囲から見れば自らの不徳を悔いる好青年にしか映らない。

 現に獅子劫の存在こそ、豹馬の切り札。現在、獅子劫の存在を知るマスターは豹馬しかいないのだ。それもそのはず、獅子劫の存在はアサシンの宝具で丁寧に隠ぺいし独占。そして獅子劫は協会に雇われただけのフリーランス。そういった手合いとの会話は豹馬の得意とするところだ。

 

「豹馬がユグドミレニアの内情に詳しくないのは仕方あるまい。何せ豹馬の一族と我々中枢のユグドミレニアはあまり懇意ではなかったしな」

 

 すいません。わざと距離とってました。

 現に豹馬の時代から相良家はユグドミレニアとは一定の距離を取りつつも安定した顧客として優遇していたのでそれだけと言えばそれだけだ。変に内情を調べた結果虎の尻尾を踏むことだけは勘弁だったのだ。これはユグドミレニアだけではなく、他の顧客に対しても同じだ。好奇心は猫を殺す。豹馬はこう見えて石橋を叩いた後、生贄を先にわたらせて安全性を確保するタイプなのだ。

 実にみみっちい小心者だ。

 

 それでも豹馬の魔術に関する腕は二流。いずればれる日が来るとしてもその時はしらを切ればいい。そのための証拠も確保済みだ。豹馬が真に信頼するもの、それは己の口のうまさと顔の良さだけだ。

 

「ふん・・・・・・!」

 

 ゴルドさんは溜飲を下げたかのように、豹馬に侮蔑に視線を送る。なんというみみっちい自尊心だろうと豹馬は思うが、お前だけには言われたくない。どこまでも自分の予想通りの行動をしてくれるゴルドさんは豹馬の中で密かなアイドル的存在へと昇華していった。

 

「(安心してくれゴルドさん、あんたが俺を見下しているように、俺もあんたを見下しているから)」

 

 豹馬のもっとも扱いやすい傀儡候補ナンバーワン、それがゴルドさんだった。

 そして豹馬の魔術においてゴルドほど有用な人物もいなかったのだから。

 




 特に関係はないが、インド神話、ラーマの先祖にはサガラがいるらしい。特に関係はないが、ただ言ってみたかっただけだが。
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