Fate/Apocrypha ホストが聖杯大戦に参加するようです 作:ニーガタの英霊
源頼光←平安最強、魔力が持たない、アーチャーで呼んだ方がいい
ハサン先生←対策済
チクタクマン←御せない、豹馬が死ぬ
豹馬「ニーガタ! ほかの二次創作だと雁夜おじさんは超強化されてるじゃないか! どうして俺は弱いままなんだ!?」
A.強化すると厄ネタの塊と化して終始鬱になるから、小物屑キャラを書いてみたかったから
セントラル・ルーマニア。トゥリファスだけではなく、国内に多く点在するルーマニアのチェーン喫茶店、その隅で豹馬は紅茶を啜っていた。朝食代わりのモーニングは既に食し、待ち人を待つだけであった。そんな時に、豹馬は近づいてくる気配を機敏に感じ取っていた。
横目で藤田警部の姿を確認すると、その背後には強面な男性と、薄手の恰好をした中々にファンキーな女性の姿があった。豹馬はその女性がサーヴァントであると気づき、念視を試みるが、生憎とステータスを覗くことができない。この時点で何らかの隠蔽がしてあることは見て取れた。
「(なんだこのおっさん、顔怖っ!)初めまして獅子劫界離さん。俺は相良豹馬、アサシンのマスターです。立ち話もなんです、どうぞ席に。せっかくだから何か注文をするといいですよ」
「そうつぁ、どうも。だが気遣いは結構さ、水を一杯もらえりゃそれでいい」
「おい、マスターふざけるなよ。せっかく店に入ったんだオレになんか食わせろよ」
用心深いマスターとは対照的に、唯我独尊を地でいくサーヴァント。一見正反対に見える性格だが、相性自体はそれほど悪くはなさそうだった。そんなことを思いながら豹馬は軽く雑談から話に入るのだった。
「いやはや、中々に勇壮そうなサーヴァントでいらっしゃる。(品性のかけらもなさそうなサーヴァントだな、まあオッサン召喚した俺よりかは目の保養にはなりそうだ)お品書きはこちらですからいくらでも好きなものをご注文してください、支払は俺が持ちますから。(金が足りなかったら暗示で何とかするか)獅子劫さんも気にせず頼んでもよいのですよ」
とりあえず紳士的な対応を心掛ける豹馬、相手がこっちを馬鹿にしない限りはただの温厚そうな青年なのだ。特に最近は気分がいい、見ず知らずの人間に料理を奢る程度には彼は上機嫌だった。
「よし、ここに書いてる料理全部持って来い」
「おい、セイバー。そんな頼んで食いきれるのか」
よしきた、まずはクラスの把握を完了した。手痛い出費にはなったが命には代えられない、獅子劫界離の触媒は不明だが、数ある触媒の中でもセイバーの適正があるとすれば、円卓の破片が最重要候補だが、まだ安心はできない。
豹馬は愛想笑いを浮かべて、セイバーと獅子劫の様子を見るが、その様子に耐えかねたのは豹馬の隣に陣取った藤田だった。
「マスター、本題に入るべきでは?」
「(全部注文とか、ブルジョワだよ、こいつ絶対ブルジョワだ。甘やかされて育った人間の屑め! ペッ!)・・・・・・そうだな、料理が来るまで時間がありますから、とりあえずスタンスの確認は取りましょうか。俺としては、この聖杯大戦の緩やかな着地点を模索することですね。厳密に言えば、ユグドミレニアと魔術協会との和解、あるいはその交渉の舞台に立つことです(本当は自分の命優先だがな。まあ、嘘は言ってないな)」
「聖杯に興味はないってか?」
「そのようなことはありませんよ、確かに聖杯は非常に魅力的だ。そう、あまりに魅力すぎて恐ろしさすら感じる。飴玉に群がる蟻のように、人の欲望というのは時として肥大し抑制が効かない。そしてそれは俺と貴方も変わらない。人間、腹の中で何を考えているかなんて暗示を使わなきゃわからないでしょう」
「違いねぇな」
でしょう。と豹馬は締めくくると、獅子劫はさらに問いを重ねる。
「それで、それで俺たちに何かメリットはあるのかね?」
「(え? メリットありありじゃん)分からないんですか?」
豹馬、こいつもしかして見かけ倒しなんじゃないかと思った瞬間に、行ける! と確信する。一体どこからそんな自身が出てくるのか、常人には理解に及ばない。
「黒の陣営からの内部情報、及び戦力の把握。俺との情報の共有。最終的には聖杯の譲渡。
―――普通に考えて破格でしょう? それとも何か、未だ不十分だとでも?」
「そいつぁ・・・・・・」
「ならばギアスでも結びましょうか? 書面はこちらが用意して、疑問点があれば極力叶えましょう(これだから魔術師は面倒くさい、ギアスにしても後世にまで呪いが残らない様にしないといけないから面倒なんだよな)」
「・・・・・・あんたにとってのメリットは?」
「赤の陣営の様相、かつ情報。内部だからこそわかることがある。その情報のリークですね。それから戦力の貸し出しも頼みたい。傭兵でしょう? 盤面の制御としては貴方が必要だ。そのへんは得意分野では?
―――時に獅子劫さん、貴方に子供はいますかな?」
途端、獅子劫の雰囲気が一変する。獅子劫は一気に目の前の対象に対し警戒の色を濃くさせる。相良豹馬、事前情報からは中々の腕の情報屋と聞いてきたが、まさかと思ってしまう。
「いいや、いないさ」
「今は、でしょう? そんな睨まなくてもいいでしょう。なにただの世間話ですよ、気に障ったら謝ります(おお怖。顔だけは一人前だな、まあ俺には及ばないが・・・・・・)」
確実に、こちらの内情に関しては熟知している。となるとこちらがどんなものを望むかも理解しての上でだろう。的確に地雷をつついたのもそうだ。だがしかし、この程度で冷静さを欠くほど獅子劫は若くない。
「ねぇ獅子劫さん。建設的な話をしましょうよ、俺も日本人、貴方も日本人。和を以て良しとなす。せめて表面上だとしても、穏やかにいきましょうや(いつもはヤッサンに使う言葉だけど、この人もヤッサン系の人だからまあいいか)」
ヤッサンとは平たく言うとジャパニーズマフィアのことであるのはまぁいいだろう。裏組織というのもあるのか、はたまた地主でもあることが多いのでそれなりに魔術関係の以来を受けたこともある。失敗は許されるが、致命的な失敗はすぐ命の直結するためにいつも慎重な行動を心掛けて依頼を遂行する気がある。
敵対組織もそれがわかっているのか、出せる情報と出せない情報をうまくつかませるなど外交の場でもあるため、そのためにある程度の政治力がなければ回されない依頼でもあった。
まあそれなりに実入りのいい依頼であることが多いのでユグドミレニアよりもそちらのほうを重視していた豹馬であったため、協会方面の依頼はごく少量であった。
獅子劫からすればどの口が、と不満はあったが、ここは公共の場所。客は豹馬と獅子劫だけではない。それに加えその肝心の豹馬の傍には腕の立つ護衛がいる。
【CLASS】アサシン
【性別】男性
【身長・体重】186cm・70kg
【属性】秩序・悪
【ステータス】筋力C 耐久C 敏捷A 魔力E 幸運C
【クラス別スキル】
気配遮断:A
サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
完全に気配を絶てば探知能力に優れたサーヴァントでも発見することは非常に難しい。
ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。
【固有スキル】
心眼(真):A
修行・鍛錬によって培った洞察力。
窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、
その場で残された活路を導き出す“戦闘論理”。
逆転の可能性がゼロではないなら、
その作戦を実行に移せるチャンスを手繰り寄せられる。
宗和の心得:B
同じ相手に同じ技を何度使用しても命中精度が下がらない特殊な技能。
攻撃が見切られなくなる。
「―――何か?」
「いいや、中々に腕の立ちそうなサーヴァントじゃねぇかと思ってな」
パッと見、読み取れた情報がこれだ。それに肉付けするように情報を織り交ぜていくと、大まかな正体が割り出せたのは獅子劫が他ならぬ日本人であるからだろう。
他国のマスターがこのサーヴァントの真名を割り出そうとするならば時間がかかることは想像に難くない。そしてその考えをこの目の前の男が失念していたというのは考えられないだろう。おそらくこの情報は先払いの報酬、あるいはアサシンの真名を特定されたとしても意に返さないナニかがあることに他ならない。
ジワリと獅子劫の背中に冷や汗が垂れる、横に座ってる能天気な相棒に対し一言物申したいが、そんな状況でもないのだろう。
「分かった、受けよう。ギアスはやらないが、書面は欲しいな」
「えぇ、それは良かった。反故にされたらどうしようかと思いましたよ」
破顔する豹馬の笑みに薄ら寒いものを感じながら、獅子劫は豹馬と密約を交わすのだった。
―――fate/Apocrypha ホストが聖杯大戦に参加するようです―――
「これでよかったのですか」
「うん?(よくねぇだろ! あのサーヴァントどんだけ食うんだよ!)」
馬鹿みたいに食事を注文し、そして馬鹿みたいに食らった赤のセイバーに対し、豹馬の怒りはカム着火ファイヤーだった。好きなだけ食うといいとのたまった手前、本当に好きなだけ食ったら怒る。本当に心狭いわこいつ。
「明らかにこっちの情報を抜かれましたよ。十中八九、私の真名にたどり着いたでしょう」
「ああ、そのことか」
なんだそっちのことか、気が利かないな。と豹馬は思いながらも気だるげに説明する。全く頭のいいやつはこれだから苦労すると、半ば自信満々に、豹馬はゆっくりと口を開いた。
「あれでいいんだ、少なくとも、俺のサーヴァントとして奴さんがあんたを認識してれば、それでいい。そして案外、戦力を見誤るなら奴の責任さ、俺は関係ない」
豹馬は辺りを見渡し、変装した警邏にサインを送り、異常がないか確かめると用意していた車に乗り込む。運転席には別の警邏が待機しており、ゆっくりと自動車を発進させる。
「日本人なら、あんたのことを知ってるやつは多い、それなりに名が売れているからな、だからこそ、あんたに頼んだ。格としてみればあんたほどネームバリューのある警察はいないさ。そうだろ、藤田警部。
―――あるいは、『壬生の狼』とでも呼んだ方がいいかな」
「昔の話です。今の私は警察の藤田五郎ですよ」
京都守護職、松平容保のもと庇護され、会津藩預かりとして構成された非正規組織。新撰組。
その中でも一際腕に優れた浪人がいた。二番隊隊長永倉新八の言を元に「無敵の剣」と呼ばれた男。
その名を斎藤一、三番隊隊長であり、同隊長格の中で数えるほどしかいない、戦後まで生き残った男、永倉と共に、新撰組の前身組織である壬生浪士の一人であり壬生の狼と揶揄された、幕末を代表する剣豪であった。
「士の時代は終わりました、今はただの警察ですよ」
「そうかい」
江戸幕府崩壊後、戊辰戦争にて斎藤は新政府軍と会津にて戦うが、戦後川路が組織した警察隊へと入り政府の人間として西南戦争を戦うこととなる。
なんの因果か、鳥羽伏見にて敵だった彼らは今はこうして轡を並べて戦う仲、時代というのは何とも言い難いものを回す。
「すみませんね、どうにもしみったれた話をしてしまいました」
「そうか(ほんとだよ、なんだこの空気。変な感じになったじゃん)」
しかし、このままでいいのか、豹馬の戦略上において川路配下の警邏隊の中でも藤田との連携は密にしなければならない。何せ、藤田は並み居る警邏隊の中でも最強の一角、こと身体能力は川路を上回る。
「(あれ、そうするとこいつかなりの危険人物じゃね、ヤバくね)」
悲報、川路よりもっと危険人物が隣にいる件について。駄目じゃん、全然だめじゃん。豹馬は持ち前の小心保身力をもとにこいつを味方に付けなくてはヤバいことを感じとると、直ぐ様持ち前の頭脳と舌を回転させる。
「でもな、士のあんたも、警察のあんたも、名前を変えようが、同じ人間には変わらないだろう」
「・・・・・・」
「生き方も変わった、時代も変わった。それでも、生きていたあんたは変わらない。お前という人間は変わっちゃいないだろう」
「・・・・・・それでも、私は藤田五郎ですよ。変わってないと言い切るには、私は余りにも失いすぎた」
「そうかい、そりゃ、そうだな。遺恨も無いわけじゃないだろうさ(武士のプライドってめんどくさいな、頭下げてでも生きてりゃいいじゃん)」
かつての仇敵に仕えるというのは、どれ程の葛藤があっただろうか。少なくとも斎藤一では無理だったはずだ、時代が悪かった、そんなものは言い訳にならないだろう。
生きるために、あるいは失った中でも、たった少しでも残ったモノを守るために、名を変え、彼はかつての仇敵の部下になった。
「だが、それでも得たものもあったか」
「えぇ、少なくとも斎藤一では決して得られなかったモノです」
そういった藤田は何処か遠い目をしていた。とても穏やかで、かつて恐れられていた壬生の狼としての荒々しさからは今は遠い。
「新撰組としても、守るべきものはあった。そして、警察としても守るべきモノがある。奇しくも、同じようなモノを守るためでした」
京都の治安、或いは国家の治安。やり方を違えど、信念は同じく。ただ、臣民か幕府かの違い。
「(突っつき過ぎるのはよくないな、今回はこのぐらいだろう)・・・・・・酒でも用意する、今度はゆっくり話そうか」
「えぇ、その時はお言葉に甘えさせて頂きましょう」
藤田の鋭く切れた目は今だけは優しそうにみえた。そんな気がした豹馬であった。
「(まったく、口説くなら女が良いぜ。男口説いても自慢にもなりゃしねぇ)」
そして、だからと言って心を動かされる豹馬でもなかった。
新撰組で一番の当たりはおそらく永倉さんだろう、脳筋なのが傷だが、一番付き合いやすいのも永倉さん。55歳になっても戦争に出ようとするぐらいアグレッシブ。マスターとは対等の関係であることを重視するが、友達付き合いとしては一番いい。虫歯で死んだので「歯磨きはちゃんとしろよ」とか祖父ちゃんみたいなことを言いそう。案外聖杯の願いは俺より強い奴に会いに行く系だと思う。必殺技は龍飛剣。宝具の『誠の旗』で出てくるのは島田さんだけだけど、名コンビなので何も問題はない。(永倉さんがアグレッシブすぎてついていけるのが島田さんしかいないことや、戦死した奴を度々死なすわけにはいかないという永倉の矜持もある)
桜セイバーからしたら永倉さんと斎藤さんは嫉妬の対象だろう。
鈴木三樹三郎「俺は?」
帰って、お願い。