Fate/Apocrypha ホストが聖杯大戦に参加するようです   作:ニーガタの英霊

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もし豹馬が六子だったら
ホスト豹馬「ドンペリを飲んだな、金を払え」
作中豹馬「俺の活躍を読んだな、金を払え」
借金取り豹馬「金を借りたな、金を払え」
NHK豹馬「NHKを見たな、金を払え」
情報屋豹馬「情報を買ったな、金を払え」
魔術師豹馬「魔術を学んだな、金を払え」
あなたはどの豹馬が好き?


Fate/捨てないで 戦わなきゃ現実と

「赤のセイバーは中々の使い手だな」

 

「えぇ、領王。しかし、ステータスは兎も角、スキルが全く見えないというのが問題かと」

 

 とある夜のミレニア城塞にて、黒の陣営は虚像に移る戦場の様子を注視していた。

 

 獅子劫との別れの後、豹馬がやったことは獅子劫というマスターを発見したという情報のリークだった。たったそれだけだが、黒の陣営を動かすには十分な情報だった。黒の陣営に先鋒として派遣されたのはゴルドさんたちセイバー陣営であった。

 

「(上々、まずは作戦通り。先に黒のセイバーの情報を漏らしてよかったな)」

 

 単独行動をしているサーヴァントなど、黒の陣営からすればカモも当然だ。だからこそ赤のセイバーと撃ち合うサーヴァントを予測し、その情報を与えた。

 獅子劫は訝しげだったが、初回サービスということで無理矢理握らせたのが効いているのだろう。

 

 ちなみにリークさせたサーヴァントの情報はセイバーとバーサーカーである。

 ランサーは先ずもって動かないだろうし、アーチャーも正面戦闘は不適格。アサシンは単純に力不足。ライダーは偵察には不向きとすれば考えられるのはバーサーカーとセイバーになるが、豹馬はあえてその二つの情報を渡していた。そしてその効果は言うまでもない。

 

「(ふふふ、いいぞいいぞ。つぶし合え、俺の為につぶし合ってくれ。嗚呼、今日も今日とてメシウマだ・・・・・・)」

 

 そしてこの男もろくでもないことを考えていたというのは言うまでもない。将来禿げればいいのに。

 

 特に黒のバーサーカーフランケンシュタインは近代の英霊、歴史の浅い英霊はアサシンにとっては不利になる。同陣営の中で最も戦いづらいサーヴァントは彼女であるが故に豹馬としては彼女に真っ先に落ちてもらいたかった。

 そういうわけでは最善ではなく次善であったが、豹馬はそれほどにまでは気にしていなかった。

 

「(あーあ、宝具の一発かなんかぶっぱしてくんねぇかなぁ)」

 

 今日も今日とて他人事な豹馬であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――Fate/Apocrypha ホストが聖杯大戦に参加するようです―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまらん結果だったな」

 

 自室のデスクに腰掛けながら、豹馬はそう総括した。赤のセイバーと黒のセイバーの戦い、蓋を開けてみればなんともつまらない結果だった。

 豹馬が冗談混じりに考えていた宝具ぶっぱが叶い、双方ともに真名の把握が出来たのは良かったが、結果は程よい痛み分けだ。

 それだけならまだしも、豹馬が不機嫌なのは別の理由がある。ゴルドさんだ。あのおっさんよりによって令呪をぽんぽん使いすぎしゃね?

 

 予想以上にゴルドさんが無能すぎて根底から戦略を見直さなければならないやもしれんということが問題だった。

 そんなときにこそ、また畳み掛けるかのように問題は噴出する。

 

『豹馬、報告がある』

 

「どうした」

 

『ミレニア城塞に接近する敵影を確認。先導するかのように一体、少しばかり遅れて二体ほど確認した、サーヴァントだ』

 

 敵サーヴァントによる襲撃、しかも三騎とはかなりの自信の現れか、兎に角こうなっては豹馬も動かざるを得ない。

 

「了解した、迎撃態勢に移る。再度連絡するまで一応の陣営を整えてくれ」

 

『了解』

 

 豹馬は椅子に掛けた背広を着込むと、直ぐ様動き出す。戦争は近かった・・・・・・。

 

 

 

 

 

「報告します、接近する敵サーヴァントは三体。斥候からの報告によれば、一体は暴走状態である可能性が高いとのことです」

 

 豹馬のもたらされた情報によってミレニア城塞は喧々錚々といって騒ぎになった。

 なにせ三騎もの英霊、そしてその一体が暴走しているかのようにこちらへと向かってきている。

 

「領王」

 

「うむ、早急に対策をせねばならん。豹馬よ、敵サーヴァントのステータスはどのようになっておる」

 

「手元の資料をご覧ください、間違いなく一騎は大英雄格とされるサーヴァントです(これだから優秀な奴は困るんだ、禿げればいいのに)」

 

 内心で毒吐きながら豹馬は淡々と情報を提供する。するとその情報をみたアーチャーが何かに勘づく。

 

「まさか、アキレウスか?」

 

「アーチャー、知っているのか」

 

「ええ、おそらくこのサーヴァントはアキレウス、不肖の我が弟子であります」

 

「ほぉ・・・・・・」

 

 にやりと、豹馬は心の中でふとある名案を思い付く。

 

「ならば、アーチャー。貴方が彼の相手をするということでよろしいでしょうか?」

 

 え・・・・・・、と声を漏らしたのはアーチャーのマスターであるフィオレだった。何か言おうとするフィオレを制してアーチャーは豹馬に対し問いかけた。

 

「どうして、私を指名したと」

 

「(え、いやがらせだけど。ほら師匠と弟子の戦いってなんか悲惨でいいじゃん)」

 

 なんて言えない。そうすればせっかく創り上げたカッコいくて優しい有能なお兄さんという印象が薄れてしまうからだ。表面は美しく、中身は小汚い金メッキのような屑野郎、それが相良豹馬だ。好きな飲み物は他人の金で飲むドンペリという畜生具合は伊達ではない、伊達男だけに。

 

「そうですね、単純に考えればアキレウスは世界的有名な大英雄、アキレス健と日常にも使われる言葉からわかる通りその知名度は計り知れるものではありません。なればこそ、こちらもそれ相応の英霊をぶつけるしかありません。特にアーチャー、貴方の知名度はこの国のランサーに勝るとも劣りません」

 

 さあ、舌を回せ豹馬、今さっき創り上げたストーリーで周囲を納得させろ。

 

「そして、貴方ほどアキレウスを知っている人間はいない。そうでしょう、何せ貴方が育てたんですから。アキレウスの動きや武術の基本技能、癖、その他諸々を知っている。別に相手をするのは貴方でなくてもいい、自身以上に適任がいるなら連れて行っても構いません、ただしその場合はその他に対処しなければなりませんから一騎程度になりますから。そうでしょう領王」

 

 ここで、華麗に上司にキラーパス。ここでこいつを味方につければ反論の余地はない。

 

「然り、余は城塞で待つという役目がある以上動くことはままならん。とすると動くのは余、そしてキャスター以外の五騎になろうな。敵の陽動という可能性も捨てきれん以上、ここを空にするわけにはいかん。であろう、ダーニック」

 

「その通りであります領王、ここの大聖杯を取られてしまえば我々の優位は著しく低下致します」

 

 勝ったな、ああ。とどこぞの指令の幻聴が聞こえながら豹馬は勝利を確信した。大英雄論破するの楽しいィィィィ! 駆けまわるアドレナリン、おらなんだかムラムラしてきたぞ。

 ゴルドさんのワインセラーからかっぱらってきた今夜のワインはとてもおいしくなるだろうとそう信じて疑わなかった、この時までは。

 

「成る程、実に道理です。では不躾ながら相良豹馬殿お力をお借りできますか?」

 

「は?」

 

 なに言ってるのお前? 馬鹿なの? 死ぬの? あ、サーヴァントだから死んでるか。

 豹馬は小心者だ、しかも小物でどうしようもない屑である。他人にあれこれ指図する癖に自分は安全地帯から高みの見物をするぐう畜である。

 そんな彼が頭を振るかと言われれば答えはNOだ。

 

「・・・・・・話を聞いてもいいだろうか、何せマスターに関わることなら私にも関わることだろうからな」

 

 しかし、そんな微妙な沈黙を打ち破ったのはアサシンだった。

 来た、国家権力が発動した! これで勝つる! この時の豹馬はそう信じて疑わなかった。

 

「・・・・・・言うなれば陽動です。或いは分断と言いましょうか、先行している一騎は兎も角、その他の二騎に関しては私とアサシンとで仕留めさせていただきましょう」

 

「(え、嫌だけど。もっと盾もって来ようぜ? ほらライダーとセイバーとか俺の踏み台に最適そうな顔してるだろ?)」

 

 お前さっきまでと言ってること違うじゃねぇか。

 他人に厳しく、自分に優しく。自分の発言に自信も責任も持ちません。自分のことになると途端に弱気になる男、それが豹馬だった。

 

「(たった二騎で勝てるわけねーじゃん、俺のサーヴァントアサシンだぜ? くそ、これだから神代とかいう昔の人間は駄目なんだ。すっかり思考停止してやがるぜ。この頑固ジジイ! 種馬!)」

 

 言うに事欠いてボロッ糞にアーチャーを心の中でけなす豹馬、たとえその内心が本当だとしても、君が言えることじゃないよね。

 だが表情には出さない、日本人の中でも面の皮の厚い奴だ。いつもにこやかな薄っぺらい笑みを浮かべて豹馬は沈黙を保ち続ける。

 

 ちらりと手元の資料を覗くと先行しているサーヴァントを追っている二騎の内一騎はアキレウス、もう一騎は獣の耳が生えた女性の英霊・・・・・・女性。

 

「(女性英霊か、どうせろくでもない英雄だろう。アタランテかな)」

 

 どうしてお前はアキレウスを評価する癖にアタランテに対してそんなに投げやりなのか。一応言っておくが、アタランテも立派な英霊だ、それこそ豹馬のような面のいいだけの男を何人も射ち殺し、アルゴウナウタイでは数々の冒険を乗り越えた歴戦の英霊である、決して軽視していい英霊ではないのだ。

 

「どうだ、アサシン」

 

「・・・・・・気に入らんな」

 

 お、これはあれですか? 反逆の芽ですか? いいぞもっとやれ!

 命の危険が無くなる可能性が出てきて豹馬は心なしか心がぴょんぴょんしてきた。

 

「私たちが陽動程度と思われているだと、たわけが、やるなら徹底的にだ。別にここで打ち倒してしまっても構わんのだろう」

 

「(貴様裏切ったなアサシン!)」

 

 結論、神は死んだ、もういない。

 うわ上がりのテンションから一転、一気に豹馬のテンションは急降下。もういいや、俺に益のない奴はみんな死ねばいいのに。

 戦わなきゃ、現実と。

 その後ランサーの鶴の一声によって了承され、アサシンとアーチャーの協議の後、対アーチャー、ライダー戦の為に彼らは戦闘準備を始めるのだった。

 

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