Fate/Apocrypha ホストが聖杯大戦に参加するようです   作:ニーガタの英霊

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最終話 俺はようやく登り始めたばかりだからな、この果てしなく遠い聖杯大戦坂をよ・・・・・・

「さて、行こうかアサシン」

 

 ミレニア城塞の外に一人の男が立っていた。彼の名前は相良豹馬、日本という国が生んだぐう畜ホストである。

 

「さもありなん、しかしいいのか? 後方で待機してもいいだろうに」

 

「時間がない、それに森林内はアタランテのホームだ。生き残る為には俺が動かなければならない」

 

 彼の目にあるのは諦観ではなく、何が何でも生き残ろうというどす黒い生存欲求だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――Fate/Apocrypha ホストが聖杯大戦に参加するようです―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(アカン、アカンやん。ワイ将ここで死んでまうん?)」

 

 突如として死地へと赴くこととなった我らが完全敗北した豹馬UCはキャラ崩壊を起こし、混乱と恐怖の最中にいた。

 

「(なぜだ、なぜなんだ。俺が何をしたっていうんだ)」

 

 そりゃお前いろいろだろ、自分の胸に手を当てて考えてみろって。え、何もしてない? そ、そうか・・・・・・。

 

 自分の悪行に対し罪悪感を持たない畜生ホストの豹馬は自身の死にたくないという思いに対し、頭を働かせる。生きなきゃ(使命感)。とでもいうのかまずは作戦の概要を頭に入れる。

 豹馬たちの作戦は大まかにいえば赤のアーチャーを引きつけること、しかし森と言う戦場を想定するならアサシンは不利であると言わざるを得ない。

 何せアタランテは弓の名手である以上に狩人として卓越した腕を持つ戦士、対してアサシンも幕末と言う混乱の時代を生き抜いた生粋の武士なれど、老いた肉体ではどうしても劣ってしまう。何よりアサシンの肉体的スペックはキャスターに次いで低い。

 

「(こんなことになったのもすべて駄肉が悪い、魂が擦り切れて死ねばいいのに)」

 

 大丈夫、平行世界で魂擦り切れて死んでるから問題ないよね。まあ豹馬にはわかることはないのだが、豹馬は精一杯頭を働かせて一つの結論を導き出す。

 

「・・・・・・よし、殺そう。全力で殺してやるチーム戦なんぞ知ったことか」

 

 豹馬はある策をもってアサシン、ひいてはアーチャーを呼び出す。数か所の変更を加えながらもその作戦は受理され彼らは対赤のアーチャー、ライダーに挑むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あーあ、バーサーカーの野郎何も考えずに突っ込んじまって。どうします姐さん」

 

「一旦引くか、それともバーサーカーと共に戦うかだな」

 

 森林内、途中までバーサーカーを引き留めようとしていた赤のライダーアキレウスと赤のアーチャーアタランテは途方に暮れていた。

 彼らが幾ら制止の言葉を投げかけようと赤のバーサーカースパルタクスは止まることなくそのまま森を抜け、ミレニア城塞まで突っ切って行ってしまったからだ。

 

「しかし、姐さんが俺を止めてくれるなんて、もしかして惚れましたか?」

 

「・・・・・・別に、ただ嫌な予感がしただけだ。どうもきな臭い、そう思ってな」

 

 そう、赤のアーチャーには一種の不安があった、このまま進んでは

 

「そうですかねぇ、まあ俺的にはこのまま加勢するのが好みなんですが、姐さんはどう―――ッ!?」

 

 談笑の最中放たれた一矢、それは真っすぐと赤のライダーの眉間を狙いに定めていた。しかし、それを視認するや否や弾き、気を引き締めて赤のライダーは狙撃手を探そうと戦闘状態に入る。

 

「弓、アーチャーか。狙撃とは中々御大層な挨拶だ、どうせなら姿でも見せたくれればいいんだがな」

 

 口角を吊り上げ、その表情は戦いに赴く英雄そのもの。これこそ世界的大英雄アキレウス、叙事詩イリアスに語られるギリシャ一の勇士の姿である。

 続けて二発、三発と放たれる矢を軽快に馬を引いて逃げる赤のライダー、しかし矢は四方八方から放たれており、未だその弓の使いを目視することは出来ない。

 

「―――ライダー! 今すぐ森を抜けろッ!」

 

「は、姐さん何をって・・・・・・そう言うことかッ!」

 

 そして、彼らの前方、そして側面より煙が巻き上がる。

 火計、焼かれた生木は煙を巻き上げ視界を阻害するが、それ以上にスパルタクスと分断された。最悪突っ込んでいれば退路のない状況に追い込まれていた可能性もある。

 

「姐さんは一時退却、俺は敵の狙撃手を仕留める!」

 

「言われずとも・・・・・・!」

 

 アタランテは一時的に後退、アキレウスは神馬を駆り、空へと翔ける。そしてスパルタクスは予定通りにその他の英霊で押さえている。三騎の英霊はそれぞれ分断され、それぞれの戦場へと向かうことになる。

 

 

 

 

 

 

 

「第一関門は突破と言ったところか」

 

「そうだな、だが中々勘のいいやつがいた。おかげで退路を断つことも出来んとはな(全く優秀な奴は困る、そのままいっそ赤のバーサーカーの対策に乗り出そうとしている奴に押し付けようと思ったのに)」

 

 場面は変わり、アサシンたちは森の外の郊外にいた。

 接近する三騎の英霊に気づかれずに行うのは至難の業だが、生憎この身は暗殺者と潜伏に特化した魔術師、この程度はお茶の子さいさいと言ったところだ。

 

 豹馬の策は簡単に言えば火計であった。風向きを読み、アサシンの持つ警察隊の協力のもと効率よく森を焼くことで敵サーヴァントを分断し、自身に有利な戦場へと持ち込む、豹馬の場合は森林を抜け、この平原において雌雄を決するとした。

 

 火の回り方を計算するに、順当に逃げていればおそらくほら。そこには森林から抜け出た一人の女性の姿が目の前にあった。

 

「第二関門突破、予定よりずいぶんと早い脱出劇だったな赤のアーチャー」

 

「貴様は・・・・・・」

 

 目の前にて屈んだ獣耳の女性、彼女こそ赤のアーチャーアタランテ。弓の名手であり、俊足とまで謳われた脚力を持つ英雄である。

 純粋なる戦士の腕としてみるなら女性英雄の中でもトップクラスに位置する英雄であろう。

 

「名乗る必要があるとでも思っているのか? アタランテ」

 

 豹馬はそう赤のアーチャーを嘲笑する。豹馬にとって見れば目の前のそれは既に罠にはまった獲物他ならない。そう、豹馬は既に勝利を確信している、一体どこにそんな自信があるのか、その慢心を抱いたまま死ねばいいのに。

 ここで高笑いをあげずに嘲笑で抑えているため多少は自重しているのだろうがはっきり言って小物臭さが漂っている豹馬であった。

 

「すまないな、赤のアーチャー。何せこちらは貴方と比べて非常に弱い。こうして策を講じてようやく五分、正面戦闘等御免でね。故に、貴方をここで討ち取らせてもらう」

 

「ふっ、たかが二人程度で・・・・・・」

 

 止められるほど、この身は甘くない。そういうつもりだった。

 

「「誰が二人だけだといった?」」

 

 豹馬とアサシンは心底不思議そうな表情を浮かべる。瞬間、アタランテは察知する、既に囲まれていることに。

 

「アサシン」

 

「嗚呼、始めようか豹馬」

 

 瞬間、飛来する矢。しかし、アサシンはそれを帯刀しているサーベルを使い、いとも簡単に切り伏せる。

 そして、その程度のことすらこの場には簡単に行える猛者は珍しいことではない。

 

「西南戦争で活躍した警視隊こと別働第三旅団はその多くがかつて藩士と呼ばれた一級の武士であり、その中でも白兵戦を得意とした部隊がある。いわゆる抜刀隊だ」

 

 ある者は叫びをあげ、ある者は帯刀した状態で近づき、ある者は刀を上段に構えて前進する。

 戦国、江戸で創設し、幕末まで洗礼され完成された剣術という人を殺すための術、名もなき警邏であれどもその磨き上げた剣術の冴えはまさしく達人と言っても差支えないものである。

 

 そしてその隙にアサシンは供給される魔力を使い、詩を読む、これこそが人を守る警察の本懐、これが日本警察の心構え。国を思い人を思い、私心無く尽忠報国の想いを胸に戦う男たちの姿である。

 

 

「―――制成す挺隊、六千の児

 協力同心すれば、山をも移す可し

 生死は人間に、元より命あり

 丈夫、信無ければ亦、何をか為さんや」

 

 これがアサシンの―――川路利良の想い、願い、祈り。日本という国に生きた男が残したモノ。その顕現、これが彼の誇りたる宝具。

 

「―――『警察手眼』ッ!!」

 

 高らかに謳い上げる、その真名を。輝きと共に目を開ければそこにはまさしくアサシンを中心として軍隊があった。

 

 その数、およそ六千。戊辰、西南戦争を戦い抜いた生粋の軍人であり、国家の治安を守る護国の盾たる男たち。中にはその名を歴史に刻んだ者、或いは戦場で殉死せども、誇りを以て戦い抜いたその想いは砕けることはない。

 

「では征こうか諸君、我々の戦争を始めよう」

 

 弾幕を張る銃声と会戦の号砲。なだれ込む再編成された抜刀隊の突撃の雄叫び、重く響く軍靴の音をBGMに相良豹馬の聖杯戦争は真の意味で幕を開けた。

 




この後の展開? (アタランテの)塵も残らねぇよ
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