城下町のダンデライオン ~赤い弓兵~ 作:じゃんぬ
時はすでに年末ここまでの間に修が告白されたり、葵の誕生日があったりと色々あった。
そして、
『櫻田家!チキチキ年末世論調査会ー!!』
「特番はじまったよー」
『王家のごきょうだいの中から次期国王を決める選挙に先駆け、今宵全国民回答による世論調査会を開催いたします」
次期国王を決める選挙、王族の兄弟は強制参加である。
でなければ、王になるつもりのない士郎がエントリーされているのはおかしい。
父である国王が辞退を許さなかったのだ。
「実質本番の国王選挙みたいなもんだよね」
「あくまで現段階での順位よ、これで王さまが決まるみたいな捉え方は…」
「…れ…がれ…下がれ……」
『それでは早速順位を発表して参りたいと思います』
「順位下がれ順位下がれ順位下がれ順位下がれ順位下がれ……」
「(側から見たら精神異常者か、或いは不審者の域だなコレは)」
「下がれ下がれ下がれ……」
「あか姉は本気すぎ」
「岬が言ったんでしょ!実質選挙だつて!ベスト3常連の私にとっては重大発表なのー!」
「そんなに王様になりたくないの?」
「案外ビリかもよ〜」
「いや、ビリは修ちゃんで確定だからそれはない」
『まずは第10位から!』
「10位なんていいから早く次を…」
「俺だって傷つくんだぞ」
「確かに酷い言い草ではあるが否定できんだろう?」
「お前も、何気に酷いな」
『第10位!一億七千二百万票中382万票獲得…第三王女茜様です!!』
「え!?うそ!?やったぁ!!」
予想外の結果に驚くと共に、茜は喜びの咆哮を上げる
「おおみそかーー!!」
「おい茜、少し落ち着け。常に余裕を持って優雅たれ、とまでとは言わないが、流石に不謹慎だしみっともないぞ」
それに、と士郎は続ける。
「最下位ということはつまり、お前は国で一番人気がないという事と同義だぞ?」
士郎の一言にテンションを下げられた茜は士郎を睨む。
「(しかし、いくらなんでも落ちすぎだな…前の調査では2位だった筈だが…)」
『第8位391万票 第一王子修様!!』
「修ちゃんは相変わらずだねぇ」
「今回は茜より上だ」
「票数は大してかわらないでしょ〜」
「何を言う!9万票の差はでかいだろ!」
「1億七千万中の9万なんて雀の涙もいいところですぅー!」
「(なんとも醜い底辺の争いだな)」
士郎が呆れるその横で奏が栞の耳を塞ぎこの教育に悪そうな醜い争いを聴かせないようにしていた
そして、8位が光、7位が輝、6位が栞、五位が岬、四位が遥と発表された。
『第3位!2200万票、第二王子 士郎様!!』
「おめでとうシロちゃん!ベスト3だね!」
「いや、私はそもそも王になるつもりなど更々ないのだが…」
「はははは!所詮葵姉様と奏には勝てないのだよお前は!!」
「先程の意趣返しのつもりかも知れんが、9位の貴様に言われても何も思わんな」
修の高笑いしながらの台詞に士郎は快心の一撃とも言える台詞を皮肉気な笑みと共に返す。
そして、修は何か言い返そうとするも、すべて事実であり、正論なので言い返せない。
「ていうか、士郎だんだん修ちゃんに大して辛辣になってきてるわね…さっきなんて貴様呼ばわりだったし」
「いや、何。いまのアレを兄とは呼びたくなかっただけだ」
「貴様からアレにさらにさがった…」
そして、いまのアレ呼ばわりがトドメとなり修は撃沈した。
『第2位2541万票…第二王女奏様!!』
「ということは葵お姉ちゃんが一番か〜」
「奏は永遠の2番手って感じだな」
「また自分のことは棚に上げて。ていうかもう復活したの?」
案外復活の早かった修にイラっとしながら奏は言い返す
「何位だろうと大好きな彼女の一票がはいっていれば本望よねぇ」
「な!?佐藤はまだ彼女じゃなくて…つか何で知って…!ってお前か茜…!!」
「なになに?修ちゃん彼女できたのっ?」
「えっいや違うんだ」
「ややこしくなるから岬は黙ってろ」
「はぁ!?何その言い方!」
「どうせクリスマスだって二人で過ごしたかったんでしょ」
「ばっ…それは毎年家族でって決めてるだろ…」
「なんで遥は私に冷たいんだよっ!」
「はぁっ?お前が噛み付いてくるからだろっ!」
第1位2793万票!第一王女葵様!といっているテレビの放送そっちのけで兄弟喧嘩を始める四人
「(お前たちは順位よりそっちが重要なのか)」
そして、兄弟喧嘩を終えた修は
「光…弟たちには抜かれたかも知れないがお前も俺も茜よりは上なんだ元気出せ。下を向いて生きよう」
「うんっありがと修ちゃん」
「そろそろ怒りますよ」
だがこれで終わりというわけではない。
お気づきだろうかこれでは得票数の合計が全体の票数に届いていないことを
「ん…?トータルで1億七千二百万票の筈よね。今の合計だと無効票が三千万票以上あるけど…」
『申し訳ございません!先に発表致しました茜様の得票数ですが、一桁間違えていた模様で、正式な票数は3820万票となり、よって』
「え…?」
『1位は茜様ということになります!おめでとうございます!!!!』
「ーーーーーー!?!?」
「あー 、ま、修ちゃんより上だしいっかー」