城下町のダンデライオン ~赤い弓兵~ 作:じゃんぬ
元日、父である国王、総一郎(38)からとある発表がなされた。
「これまで平等な選挙を行うため、監視カメラで皆の日常をお茶の間に提供してきたが、それでも尚、各々の世間露出に偏りがあるのは否めない。そこで──より平等にアピールできる機会を設ける為、お前たちには「勝負」をしてもらい、それを番組としてテレビ中継しようと思う!今から!!」
「(これはまた唐突だな)」
「(今から!?)」
基本的なルールは、国民から募った依頼内容を勝負の題材とする
皆をクジでチーム分けし、勝利したチーム全員に100ポイントを与える
獲得したポイントは任意の相手に譲渡可能
そして選挙を行う際、各々の獲得ポイント1pにつき一万票を加算する
というものだった。
「(というか、国民からの票以外のものを、こんなくだらないことで付け足していいものなのか?)」
こんなことで票数が上げられるなど、この国は大丈夫だろうかと少し心配になる
上記のルールはつまり、勝つか、ポイントを譲渡されれば100万の票が動くということだ。
「今回の依頼主は鷹匠の下田さん。昨日逃げ出してしまったこの子を捕まえて欲しいとのことだ。今夜は新年会もあるのでリミットは日没まで。最初に目標を保護したチームの勝利とする!重要な事前情報として
1 この一枚の写真
2目標はこの街から外に出ていかないだろうということ
3名前は「ミケ」だそうだ」
「(鷹にミケ…?ああ、成る程そういうことか)」
そして、すぐに兄弟たちはクジを引き行動に移した。
『士郎&光チーム』
「(シロちゃん選挙に興味ないからなぁ…やる気なさそうだし…どうせならカナちゃんと同じチームが良かったかも…)」
「おい…光…お前は勝ちたいか?」
「うん…」
「少し気づいたことがある。この写真の左下を見てみろ」
「え?なになに??ネコ…?」
「普通ミケ、などという名前を鷹につけるか?それに鷹ならわざわざ名前を言わなくとも目立つから見つけられるだろう?それでも名前を教えたということはつまりこいつを狙えということではないかと思ってな」
「確かに…ていうかシロちゃん案外やる気だね?王様目指すの?」
「いや、私は王になどなるつもりはない…だが若干一名ほどポイントを私に押し付けてきそうなのがいるからな…」
「ああ、修ちゃんか…大晦日の時にボロクソ言って撃沈させてたからね〜」
「どうせなら勝ってそのポイントを誰かに譲渡すれば、私に票が入ることはないだろう?」
こうして『士郎&光チーム』は三毛猫の「ミケ」の捜索を開始した。
数時間後、ちょうど修や茜、遥、岬、奏、輝が鷹を追って互いを潰しあっていた頃…
「あ、士郎もこっちに来たんだ」
「ふむ…ということは其方も我々と同じことを考えたと見ていいようだな」
「負けないよ!葵ちゃんに栞!」
猫を挟んだ反対側に『士郎&光チーム』と『葵&栞チーム』は向かい合っていた。
両チームの間には少しピリっとした緊張感が漂っている。
「少し取引をしないか?」
「え?」
「なにいってんの!?シロちゃん!?」
「まあ、少し静かにしていろ。葵は言ってしまえば私と同じだろう?私達から出す条件は君が勝った時に手に入れるポイントを光に譲渡すること、栞に私へのポイントの譲渡を禁ずること、この二つだ。これを了承すれば私達はこの勝負から手を引くと約束しよう」
「え!?何言ってるの!?私達負けちゃうじゃん!」
「よく考えろ、私達の当初の目的はこの取引で達成される。お前はポイントを手に入れ、私はポイントを押し付けられる心配がない上に無駄な労力を使わずにすむ。そら、お前にとっても得な話であって損な話ではないだろう?」
「そっか、ならいいや」
一瞬にして、丸め込まれた光。このまま取引が成立すると思われた。
士郎がその気になれば猫一匹捕まえるのはそこまで難しいことではない。こんな程度で苦戦していては英霊の名が泣く。
しかし、士郎は葵たちに勝ちを譲ると言っている。これは彼女たちにとって破格の条件と言えたのだが…
「う〜んそれもいいと思うけど、テレビ的にそれはダメだと思うからごめんね?」
「そうか、残念だ。ならばこんなくだらん勝負はさっさと終わらせるに限る」
そう言って士郎は一瞬にして猫との距離を詰め拾い上げる。
「へ?」
「え?」
「?」
この瞬間、士郎たちの勝利が確定した。
『第1回サクラダゲームは士郎様、光様チームの勝利となりました』
「目標が猫とか聞いてないんだけど…」
「鷹を捕まえろとも言ってないぞ」
「でもお父さんなんで引っ掛けるようなまねを…」
「その方が面白いと思ってなーテレビ的に。なのに葵と士郎はすぐ気づいちゃうんだもんなー。空気読めっ(笑)」
あはは、と葵は苦笑いをし、士郎は呆れている。この父親の性格はこんななのだから仕方がない。
「さ、パーティーへ行く準備をしようか」
「その前に、早速だがポイントの譲渡をしていいか?」
「いいぞ誰にするんだ?」
「ふむ…」
茜が手をバツの形にして私には押し付けるなと意思表示をして、逆に奏は私によこせと目を輝かせる。
「…………………………奏で頼む」
茜と奏が喜びながら取り敢えず平和的に話が終わった。
そろそろアーチャーさんの櫻田士郎としての学年が高校二年生になるのでfateと混ぜていこうかと。
何と混ぜるかはまだちゃんと決まってないですが、プリヤだったらダンデライオン二巻の途中からstay nightなら三巻の初め頃から入れてきます
意見があったらどうぞ〜