城下町のダンデライオン ~赤い弓兵~   作:じゃんぬ

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今回は茜のスカートの話。




茜のスカート

「さて、こいつをどうするかが問題だな」

 

昨日、『アーチャー』との戦闘のあとおちていたarcherと書かれたカード

 

そこから英霊が出現したと考えるのが妥当だろう。

 

この危険極まりないカードを放っておいて折角倒した『アーチャー』に復活されたら笑い話にもならない

 

幸いここは自室で、同室の茜は委員会の活動でいない

なのでこの部屋に入ってくるものもそうそういないだろう

 

投影、開始(トレース•オン)

 

創るのは昔、アーチャーだった頃使っていた概念武装の聖骸布

外界からの守りに長けたこの聖骸布ならば少なくとも外からのアプローチにより、英霊が召喚されるという事態は防げるだろう。

そして、このカードを悪用するかもしれない者からの探索も打ち切らせる事が出来る。

 

あとは、この世界の冬木におそらくいるだろう士郎の元マスターの同一人物に押し付ければいいだろう

まあ、その前にこの世界の彼女の人となりを見て知っておかなければならないだろうが。

そのための観察をしようとしてるのであってストーカーをしようとしているわけではない、断じて。

 

「まあ、一先ずはこれでいいだろう」

 

これを持ち歩いていれば少なくとも危険はない

部屋に置いておいて誰かが開いたなどという事があったりしたら目も当てられないので持ち歩かなければならないが。

 

「また、近いうちに冬木に行かなければならないな…」

 

感じた魔力は今回のこれ以外にも幾つかあったはずだ。

自分以外に解決に動き出している者が居ない場合、あのサーヴァントが居た世界からもし、サーヴァントが抜け出した、などという事が起これば何百、何千単位の命が消える。

 

今後の指針を立てつつ士郎はarcherと書かれたカードを制服のポケットに入れて学校に向かった。

 

 

 

 

 

 

異変は学校に茜が登校して来た時からだった。

 

「間に合ったー!」

 

「たまには遅刻くらいしたって平気だってのに」

 

「だって去年は皆勤賞だったんだよ。ここまできたら今年も皆勤賞狙いたいよー」

 

「やれやれ…相変わらずド真面目なんだから──────」

 

茜の親友の鮎ヶ瀬花蓮や兄の櫻田士郎含めクラス中がこの事態を異常だと思った。

士郎に限っては何処ぞの魔術師に幻覚を見せる魔術でもかけられたのか!?とか内心で慌て始める始末。

それも仕方がないだろう。

あの茜が、人見知りと恥ずかしがり屋の茜が、スカートを履かずに学校に来るという大事件が起こったからだ。

そして、クラスの全員が自分の異常を疑い始める。

 

結果誰もがこの状況を指摘する事を躊躇してしまった。

 

「(いや待て、明らかにこれは異常だろう。私がではなく茜が)」

 

このあまりの異常さに自分を見失い、『破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』を投影して自分に突き立てようとした士郎が正気に戻る。

 

「(あまりの自体に思わず取り乱してしまった…危なかったないろんな意味で)」

 

幸い、全員の目が茜に向かっているのと、自分が壁にもたれかかり壁と自分との間で投影をしていたので助かった。

 

「(こんなことで私の力が露見するなど笑い話にもならん)」

 

だがしかし、士郎が正気に戻ったとしても、状況は何も好転していない

誰も指摘しないのだから自分がおかしいのでは?と考えるそして、指摘できなくなるという完全な悪循環が出来上がっていた

 

「(出来るだけ速やかに、かつそれとなく茜に傷を残さないように指摘しなければならんな)」

 

でなければ最悪自殺するとか言いだしかねない。

 

「(となれば、茜が自分自身で気付くように誘導するとしよう。いくら兄妹とはいえ、異性だ。私や他の男子共に指摘されるよりは幾分かマシな筈だ)」

 

そうと決まったらと士郎は一人孤独な戦いに挑む。

このあと士郎はこの任務は想像以上に苦労したと語る

 

 

 

 

 

「(何故ここまでやって気付かないのだ…流石に鈍感が過ぎるだろう…)」

 

時は既に昼休み。茜がスカートを履いていないという噂は全学年に広まった。

これはもう手遅れだ、手の施しようもない。詰みである。

 

途中からは、士郎を同級生男子達が妨害して来たりと色々あったというのもあっただろう

 

『2年A組の櫻田茜さん。生徒会長がお呼びです。至急職員室まで来てください』

 

奏からの呼び出しの後、茜とその親友、花蓮そして、数秒後にこの教室の男子の殆どが茜から少し離れて付いて行き、教室からいなくなった。

 

「(今となってはどうも出来んな。せめて茜の心に大きい傷が出来ないように祈るだけはしておこう)」

 

この数分後、茜の叫び声が学校中に響き渡った。

 

 

後日、花蓮から事の顛末を士郎は聞いた。

何でも茜は登校中にカメラを避けてスカートが破れてしまったらしい。

そこで茜は茂みの中でたまたま持っていた短パンを履こうとしたところ、学校の予鈴が鳴りそのまま急いで来たので短パンを履き忘れていたのだが、本人は履いていると勘違いしていたらしい。

そして、階段前でそれにやっと気付いて…というわけだ。

 

そして、茜にどれ程の傷が残ったかは士郎に知る術は無い。

 

因みに茂みの中に置いてきてしまったというスカートは茜が取りに行ったところもう既に無かったという。

 

 




行くぞ英雄王、資金の容易は十分だ。と挑んだガチャ…まさか新しく追加された中でプロトクーフーリンしかでないとは…
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