ゆっさりん!ゆっさりん!ゆっさりん!ゆっさりん!( ゚∀゚)o彡°
でも、友利落ちです
昼休みの時間。
いつも通り、高城と乙坂と昼飯を食べるために、机を移動させようとすると、飲み物が無いことに気付いた。
「悪い、飲み物買ってくるから先に食っててくれ」
そう言い、財布を手に廊下に出る。
一回にある自販機で水を買い、一口飲む。
喉が渇いてたから美味い。
すると、長髪の男子生徒が、俺の脇を通り、自販機でコーヒーを買った。
こんな生徒いたか?
長髪だし、いれば気付くと思うんだが。
まぁ、この学園に来てまだそんなに長くないし、知らない生徒が居ても不思議じゃないか。
キャップを閉め、教室に戻ろうとすると後ろから声が掛けられた。
「友利が校舎裏に連れて行かれた。早くした方がいいぞ」
「え?」
振り向くとそこに先程の長髪の男子はいなかった。
今のは………………それより、奈緒が校舎裏にってことはまた彼奴らか。
「くそっ!目を離すと直ぐにこれだ」
水を上着のポケットにしまい、校舎裏に向かって走り出す。
校舎裏に着くと案の定、奈緒がリンチに遭っていた。
「おい。お前ら、懲りずにまたリンチか?」
俺に気付くと、この前の女は笑ってこっちを見た。
「ふん、生徒会長様の犬っころのご登場ですか」
「その言い方は止めろ。俺には一之瀬って名前がある。ま、アンタらに名前なんか呼んでほしいとは思わないがな」
「そう言えるのも今の内さ。アイツが例の男だよ」
すると、近くに居た大柄な男が立ち上がり俺の前に立つ。
でかいな。
180はあるか?
「悪いがここで退場してもらうぜ」
「退けよ。俺は奈緒に用があるんだ」
「退くかよ。こっちは、金貰ってんだ。お前がどんな奴が知らないが、俺の能力を知ればビビるぜ。俺の能力は偏光能力って言ってな、周りの光を屈折させ自分の位置を錯覚させることが出来るんだぜ。これで、俺にはどんな攻撃も当たら」
「黙れ」
最後の言葉を言わせずに、俺は男の首を掴んで、能力で持ち上げる。
「あ……!!?………が!!」
「喧嘩するなら口より手を出せよ。しかも、ご丁寧に能力をペラペラと。お前の能力、こうして掴んでたら意味ないよな。自分の位置を錯覚させれても、こうして掴まれてるんだし」
そう言い、俺は首から手を離し、男を地面に落す。
「げほっ!がほっ!」
「今回は見逃してやる。だが、二度目は無いと思え」
「ひ………ひいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
男は、情けない声を上げると一目散に校舎へと逃げた。
「なっ!テメー、逃げてんじゃ」
「おい」
女どもに再び声を掛けると、女どもは体を震わせながら俺の方を見る。
「お前らは二度目だよな。なら、覚悟は出来てんだろ」
拳を鳴らし、ゆっくりと近づく。
「響、ストップっす」
俺が実力行使に出ようとすると、奈緒が止めに入った。
「それ以上、貴方の拳を汚す必要はありません」
「………分かった」
拳を下ろし、女どもをもう一度睨みつける。
「さっさと行け。もうこんなこと止めるんだな。もし、またやるってんなら、その時は奈緒が止めても俺は、お前たちを潰すからな」
女どもは我先にと言わんばかりに仲間たちを押し退けながら醜く逃げて行く。
「奈緒、大丈夫か?」
「前みたいに殴られただけです。大丈夫です。慣れてますから」
「慣れてるからって問題じゃないだろ」
俺は先程の水を取り出し、ハンカチに染み込ませ、奈緒の頬に当てる。
「つっ!」
「沁みるか?」
「ええ、まあ」
ハンカチを奈緒に渡し、俺は近くの物陰に視線を移す。
「居るんだろ?乙坂」
「……バレてたか」
乙坂が物陰から気まずそうに出て来る。
「物陰から女が殴られるのを黙って見てるとは、いい趣味してるな」
「ねぇよ、そんな趣味」
すると奈緒の携帯に着信が入った。
「協力者が現れます。行きますよ」
生徒会室へと三人で向かい、扉を開ける。
「ひゃあ!?どうしたんですか、その傷!?」
柚咲が奈緒の頬の傷を見て驚く。
「リンチにあってきました~」
「はわわわわ~!?病院に行かなくて大丈夫なんですか!?」
「慣れてるんで平気です」
「なら、お礼参りと行っとくか!」
急に美沙に変わった。
唐突に変わるのは止めてくれ。
ギャップがあり過ぎる。
「行かねーし、そんな必要ないっすよ」
「チッ、つまんねー」
そこで、協力者がいつも通り現れ、地図に水滴を落とす。
「能力は………空中浮遊」
そう言い、生徒会室を出て行った。
それにしても、今の声………さっきの奴と似てる?
「よし!来たー!」
奈緒は一冊の雑誌を机に叩き付け、俺達に見せて来る。
付箋が貼ってあるページを開き、内容を読む。
「フライング・ヒューマノイド発見?」
「この黒い影がその人だと言う訳ですね」
胡散臭い記事だが、特殊能力者となれば話は別だな。
「まだこんなオカルト誌にスクープされてるだけですが、このまま放置すれば大変なことになります。行きましょう」
「行くってどこに?」
「ここ山の中ですね」
「憶測ですが、空を飛ぶ特訓をしてるんでしょう。張り続けてればいつか現れるはず」
「張り続けるって何時まで?」
「もちろん、現れるまでです」
「FU〇K!!」
「ゆさりんにそんなこと言わせないでください!」
「では、まず私たちの食糧を買いに行きましょう」
すると高城が美沙に近づき、話掛ける。
「あの~、柚咲さんに戻っていただけないでしょうか?」
「ああん!?そんなことはあたしが決める!なんでテメーの指図を受けないといけねーんだよ!」
「こうなるからです!」
美沙が高城の胸倉を掴み脅し、高城が叫ぶ。
「お前らー、行っくぞー」
奈緒はマイペースだ。
「……大丈夫なのか?このチーム?」
乙坂の意見に思わず心で同意した。
まずは近くのスーパーへと行き、食料を調達に向かうと奈緒は買い物かごの中にトウモロコシを大量に入れてくる。
「なんでトウモロコシばっかなんだ?」
「バーベキューって言ったら焼きトウモロコシっしょ!」
「ちょっと待て!そんなことしたら煙でバレるだろ!」
バーベキューの言葉に乙坂が反応する。
「逆に向うから近づいて来るかもしれませんよ。後は、ステーキ用の肉に、スペアリブ、ウインナー」
「肉ばっかだな。野菜も食え」
「いいじゃないっすか、肉」
「ダメだ。乙坂、なんか野菜を持ってきてくれないか?」
「安心しろ。もう持ってきた」
乙坂の手には数種類の野菜があり、それを買い物かごへと入れる。
「お、獅子唐か。いい物選んだな」
「え~!獅子唐?」
「辛さが良いアクセントになるんだよ」
「貴方たちが食べてくれるならいいですけど」
何て言うか、奈緒の奴結構な偏食家だよな。
将来が不安になるぜ。
不満そうにする奈緒を宥め、俺達は買い物を進めて行く。
響SIDE END
「あのー、高城さん」
「はい!なんでしょう?」
「響さんと友利さんって仲良いですよね。ひょっとして…………お付き合いしていたりとか………」
「いえ、それはないでしょう。ですが、友利さんは一之瀬さんを、一之瀬さんは友利さんを互いに信じています。あの二人の関係は、俗な言葉では言い表せれない。そう思います」
「そうですか………そっか」