Charlotte~君の為に……~   作:ほにゃー

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告白と再会

サラさんと会った翌日、俺は布団で目を覚ました。

 

寝ぼけた頭を覚醒させるため、風呂場へ行き、顔を洗う。

 

トーストを焼き、ハムエッグを作って朝食を食べ終え、俺は一息ついた。

 

「さて…………今日は何をしよう…………」

 

遣ることもないし、暇だ。

 

そう言えば、今日柚咲の奴、仕事休みって言ってたよな。

 

ちょうどいいし、遊びにでも誘うか。

 

スマホから柚咲を選び、電話を掛ける。

 

『もひもひ~、柚咲でふけろぉ~』

 

なんか食ってる?

 

朝飯中だったか?

 

「柚咲?俺だけど」

 

『ふぁ!?ひ、響さ…!ムグッ!~~~~~~~!!?』

 

詰まらせたみたいだ…………

 

数秒後、何かを飲む音が聞こえ、柚咲が電話口に出る。

 

『ど、どうしました?』

 

「ああ、今日暇だったら一緒に遊ばないかって思って」

 

ガラガラガッシャーン!!

 

電話の向こう側で何かが割れる音と、慌てる柚咲の声が聞こえた。

 

「あ~…………もしかして何かまずかったか?」

 

『いえいえ!そんなことないですよぉ!あ、遊びにですよね!全然いいですよ!』

 

「じゃあ、三十分後ぐらいに迎えに行くから」

 

『はい!待ってます!』

 

電話を切り、少し考える。

 

「………柚咲の奴、かなり慌ててたな」

 

何を慌ててたんだ?

 

そう考えてるうちに、時間になり、柚咲を迎えに行く。

 

「柚咲、迎えに来たぞ」

 

インターホンを鳴らし、ドアをノックすると柚咲が私服で出て来る。

 

「すみませ~ん。お待たせしました」

 

「よし、行こうぜ」

 

柚咲を連れ、やってきたのは雑貨屋だった。

 

最近できた店で結構色んな雑貨が売っており、中には女性向けの商品もあったりする。

 

柚咲は目を輝かせて店の中を見回る。

 

俺も何かいいものは無いかと物色しながら歩くと、あるものに目を付けた。

 

それは、猫のストラップだった。

 

その猫はジト目で相手を見つめてるような眼差しで、それが何処となく奈緒に似てる気がした。

 

「響さん、どうしたんですか?」

 

「いや、この猫のストラップ。奈緒に似てるなって思ってさ」

 

「あ………そ、そうですね…………」

 

「買って行って見せたらどんな反応するかな?」

 

そう言い、俺はそれを手にレジへと行く。

 

雑貨屋を後にし、俺達が次に来たのは服屋だった。

 

近々夏物を買おうと思ってたし、丁度いい。

 

柚咲が俺の服を選んでくれるとのことで、折角なのでお願いした。

 

「響さん、こんな服とかでどうですか?」

 

「色合いとか結構好みだな。デザインもいいし、これにするよ」

 

柚咲が選んでくれた服を購入し、店を出る。

 

「そう言えば、響さんが来てるその服は自分で選んだんですか?とてもいい服だと思いますよ」

 

「ああ、これか?残念だが、これは俺が選んだんじゃなくて奈緒が選んでくれたんだ」

 

「友利さんがですか?」

 

「ああ、入学前に俺の服が必要だってことで、選んでくれたんだよ。結構お気に入りなんだぜ」

 

「そうですか…………ふ~ん」

 

なんだが、さっきから柚咲の反応が薄い気がするな。

 

どうしたんだ?

 

「………響さん。ゲームセンター行きましょう」

 

そう言って柚咲はこの前俺と来たゲーセンに俺を引っ張って連れてきた。

 

「折角だし、前回のリベンジするか?」

 

「はい!」

 

前回やったシューティングゲームをし、そこから格ゲーを除き、前回を同じゲームをプレイした。

 

「またプリクラ撮るのか?」

 

「はい!」

 

そして、またプリクラの機械まで俺は来ていた。

 

女子と二人でプリクラはかなりきつかったからもう撮りたくなかったんだが、柚咲相手だと、どうも断り辛い。

 

前回と同じように機械の合成音声にしたがい、フレームを選び、ポーズを取り、写真を撮る。

 

『最後の一枚だよ。最後は好きなポーズで撮ろう……………』

 

「響さん」

 

「ん?なんだ」

 

『行くよ?3』

 

「私、響さんのこと」

 

『2』

 

「好きです」

 

「え?」

 

行き成りの言葉に柚咲の方を振り向こうとする前に、柚咲が近づき、俺の頬にキスをした

 

『1!』

 

それと同時に、シャッターが切られる。

 

「ゆ………柚咲?」

 

「お返事はいつでもいいですから。よく考えてください。響さんが何を選んでも私は恨みません。でも…………私を選んでくれたら嬉しいです」

 

そう言い残し、柚咲は俺を置いて走り出した。

 

「あ、柚咲!」

 

慌ててゲーセンを飛び出すが、辺りに柚咲の姿は見えなかった。

 

間に合わなかったか…………

 

それにしても、柚咲が俺の事を好き?

 

夢か?

 

試しに頬を引っ張るが、痛いから夢じゃない。

 

てか、選ぶって何をだ?

 

付き合うか付き合わないか?

 

でも、それだと最後の私を選んでくれたら嬉しいの意味と繋がらない。

 

まるで、柚咲以外に俺の事を好きな奴がいるみたいな言いぶりだ。

 

そう思った時、誰かが俺の肩を掴んだ。

 

「よぉ、響………久しぶり」

 

その声に驚き、俺は振り返る。

 

そこには見知った顔が居た。

 

「哲二!」

 

稲葉哲二。

 

同じ施設に居て、俺が能力で殺しかけた奴だ。

 


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