「待てこらー!」
「待つかぼけぇ!」
現在、俺は全力疾走してる。
今日も今日とて能力を悪用する能力者を捕まえ、脅し、能力を使わないように忠告する。
生徒会の活動だ。
「高城!裏から回ってくれ!挟み撃ちだ!」
「了解です!」
高城を裏から回し、俺も全力で走り、追いかける。
「捕まえました!」
前からやって来た高城になす術なく能力者は捕まった。
「そのまま押さえてろ!」
脚力を強化し、一気に近づく。
そして
「おらぁ!」
相手の後頭部に蹴りをぶちこみ気絶させる。
「よし、捕獲完了!」
「……やり方が、友利さんに似て来ましたね」
高城が能力者を解放しながら言う。
友利に似てきたとか勘弁してくれ。
その後、目を覚ました能力者には忠告+脅しで、今後能力は一切使わないことを誓わせ、俺と高城はその高校を後にした。
今日は俺と高城の二人だけだ。
例の協力者が示した場所が二か所あり、俺と高城、友利の二手に分かれ能力者の捕獲に回った。
「あぁ………疲れた………後、腹も減った」
「今日は昼前に出ましたし、お昼がまだでしたね」
互いに腹も空き、昼がまだだったこともあるので、近くの定食屋に入り遅めの昼食を取ることにした。
「学生が平日のこの時間に、こんな所にいたら不良に思われないかね」
「ご心配なく。我々は生徒会ですから」
そうだった。
生徒会活動なら内申へのデメリットは無いんだったな。
「それにしても、最近の貴方はやる気に満ちてますね。」
「そうか?」
「ええ、まるで友利さんの様に。まさに………右腕ですよ」
「右腕?」
聞きなれない言葉に耳を傾ける。
「知らないんですか?最近、噂になってますよ。生徒会に入った転校生は危険で、生徒会長の右腕。生徒会長に手を出したら痛い目に合う。そんな噂で学園は持ち切りです」
右腕ね………
生徒会の番犬や生徒会長の犬なんて不名誉な称号を貰ったりしたが、右腕とはかなり豪勢な称号だな。
ま、番犬や犬よりはマシか。
注文した定食を食べようとすると、俺の携帯に友利から着信が入った。
「最近では私ではなく貴方に掛けますね」
「そうかもな。どうした?」
高城に答えながら電話に出る。
『大至急、陽野森高校に来てください』
それだけを言って友利は電話を切った。
「どうしました?」
「大至急、陽野森高校来いとさ」
「では急ぎましょう」
出された料理を味わう暇もなく、俺と高城はかき込むように食べる。
金を払い、そして二人で全力疾走しながら陽野森高校へと向かう。
陽野森高校までは結構距離があり、着いたのは友利から電話を貰って三十分後の事だった。
「おっせーな!お前ら何年だ?」
訳の分からん問いを無視し、話掛ける。
「で、俺らを呼びよせてどうしたんだよ?」
「能力者と思われる人を見付けました。この男です」
そう言って、俺と高城に録画した映像を見せる。
そこには、まるで眠る様に椅子にもたれる男が映ってた。
数秒後、男ははっと目を覚まし、目の前の紙に書き込みを始める。
どうやらテストの様だ。
「小テストの様子です。恐らく、この男が憑依の能力者です」
「なら、授業が終わったら捕まえて、忠告すればいいだろ」
「そうなんっすけど、今日一日この男を観察した所、こいつ結構ゲスイ奴なんですよ。恐らく、絶対しらばっくれます」
「なら、有無も言わさない状況に追い込めばいいだけだ」
「ちなみにどうやって?」
「簡単だ」
俺はたった今思いついた作戦を二人に話すと友利はにやりと笑い、「その作戦でいきましょう」と言った。
高城は「性格まで友利さんに似て来ましたか」っと溜息を吐いた。