本日、最後の投稿です!
「起きて下さいませ。朝でございますよ」
毎日聞くメイドの声で夢から目覚める。目の前にはボクの顔を覗き込んでいる人が見える。良い夢を見ていたのに・・・
「おはようございます、レザ」
意識を覚醒させると、背中の位置を少し上げて目の前のメイドに挨拶をする。
「おはようございます、お嬢様。朝食の方はすでに準備が出来ております。ご主人様は玄関で待って下さっています。」
「お父様が・・・?」
まだ意識がはっきりしていなくて、聞き返してしまう。そういえば、今日はお父様が戦闘会議の見学をさせてくださるのでしたっけ・・・?
今は何時でしょう?
く、9時半!?
まずいですわ! 遅刻してしまいますっ!!
「お嬢様。そんなに焦らないで下さい。外出の準備はすでに済ませております。本日着る服はそちらのテーブルの上に用意しておりますよ」
「ご、ごめんなさい・・・・。今日のことをすっかり忘れてしまいまして・・・」
言い訳を考えようとしてみるけど、何も思いつきません。早くしなければお父様に叱られてしまいます!
着替えようと、ベッドから思いっきり飛び出す。ベッドにはまだ『寝る』という未練を残している気がしますが、今は急がなければまずいです。
ベッドから起き上がると、着替えが置いてあるというテーブルの方へ移動する。メイドの方は、ボクが起きたのを確認したので部屋を出て行った。
今日は戦闘会議の見学だけであって、晩餐会があるわけでは無いのでドレスなどではなく、少し動きやすい服装のようです。
服を着替え、部屋から出て早く階段を駆け下りる。
「お嬢様、そんなに慌てないでも時間はまだありますよ」
レザに注意されてしまう。今の私はそんなに慌てているのでしょうか・・?今の私は、どっちかというと始めて軍の人たちの行いを詳しく見ることが出来て嬉しいのかもしれません。
「ごめんなさい。でも、前からこの日を待ってて、すごく楽しみですの。軍の方たちがどういった行いをして、ボク達を助けてくださるのか、見せていただけるのがすごく嬉しいの。」
うそなんて、一言も言ってませんわ。でも、朝食はどうしましょう。お父様は、すごく前から待って下さっている筈なので、のんきに朝食なんて食べてられませんわ。
「お嬢様、朝食は時間がかかりますので、お弁当を用意しました。馬車の中で食べて行ってください」
と、ボクの考えを読み取ったのかレザがそう言ってお弁当箱を渡してくれた。
「ありがとう。では、行ってきますね」
「行ってらっしゃいませ」
玄関に近づき、挨拶をして玄関をでる。玄関前にはお父様の馬車が止まっていて、お父様が馬車の中で何かの本を読んでいるのが見える。
ボクは、馬車に近づいて申し訳そうにお父様に挨拶をする。
「おはようございます。お父様」
ボクの声が聞こえたお父様は本を閉じてこちらを見る。
「おはよう、テラト。時間がかかったね・・・」
□■□■
あの後、お父様は読書をやめて御者の方に馬車の出発を命じました。
今、ボク達はホルケンという小さな村の近くの道を通ってます。この道はマンプマイ王国とエレレン王国のどちらにも続いていて、多く利用されているようです。馬車の左右に多くの商人の方が歩いておられます。
お父様はボクの隣で何やら、難しそうな本を読んで顔を引き攣っています。本の題名は・・・『戦場によく使われる作戦及び、計算法』・・・?
本の題名だけを見てボクは『絶対に読みたくない』と本気で思いました。
と、馬車が進んでいると周りの人たちが叫びながら前へ走って行くのが見えます。何が起こったのでしょう??
「何があった?」
お父様が、叫びのせいで本に集中出来なくなったようで御者の方に訪ねました。御者の方はお父様の声を聞いても何も問い返して来ません。
お父様は頭に血が登ったのか、立って御者の方に近づきました。
「おい、だから----」
お父様が外に顔を出して言葉を止めました。どうやら、本当に驚くべき状況のようです。先ほどまで叫びながら走っていた人たちはもうすでに、見えなくなり、国道を進んでいるのはボク達だけのようです。
「ご主人様、大変な事態のようです。どうか、席について何かに掴まって下さい。速度を上げます」
御者の方は、しばらくしてから口を開きました。言葉を発声するのに時間をかけ過ぎた御者の方をお父さまを怒るかと思いましたが、お父様は御者の方の言う通りに席につきました。改めて顔を見ると真っ青です。
「お父様、いったい何が?」
「いいか、テラト。絶対に外に顔を出すな。それから、耳を塞げ」
お父様は、ボクに何を見たのか教えてくれませんでしたが、『見るな』『聞くな』と言ってくるくらいですから、よっぽどの事が起こっているのでしょうか。
ボクは、お父様の言葉に従い耳を塞いで馬車の窓から離れました。直後、馬車は急に速度を上げて走り始めました。馬車は大きく揺れていますが、早く走っているので仕方がないでしょう。
「お父様、何を見たのですか?」
耳を塞ぎながらも、放心状態のお父様に問いかけました。が、答えてくれません。
「助けてくれー!!」 『グシャ! ベチャベチャ』
「この、化け物!! グァアアアアアア!!!!」『グチュっ ベチャ』
耳を塞いでる筈なのに、遠くの音が正確に聞こえてしまいます。どうやら、モンスターが出現したようです。でも、兵士の声を聞いている限り、心配になってきます。そもそも、兵士の悲鳴の後に聞こえる水っぽい音は何でしょう・・・?
ボクは、恐る恐る窓から外を見てみました。そこには、多くの建物は倒れていて、火があがっています。原因であろうモンスターの方に目を向けると、多くの兵士が吹き飛ばされる所を見てしまいました。飛ばされた兵士は全員、意識を失ってしまって動きません。
「うりゃあああ!!!」
そんな中、すごい速度でモンスターに突っ込んでいく小さい影が見えました。その影は、モンスターに剣を振るうと、モンスターの方が飛ばされます。
あれは・・?
目を凝らしてよく見ると、兵士でもなんでもなく、ただの少年が長剣を振ってました。驚く他ないですが、モンスターの方は軽・く飛ばされただけで、反撃をされると少年の方が飛ばされてしまいました。
100メートルくらい飛ばされた少年は壁に背中をぶつけると、動けなくなってしまいました。まだ息をしているのが見えるので、死んでいないはずです。モンスターはその少年に近づくと触手のような太い片腕を上げます。
まさか、少年を潰すつもり!?
「逃げて!!!」
ボクは窓から体上半を出して力一杯に声を出しますが、聞こえないようです。悲劇を見ないように目を瞑ろうとすると---
「き、消えた!?」
少年が光に包まれて消えました。
モンスターは腕を振り下ろし、少年の背後にあった壁が崩壊。
そして突如、街のあちらこちらから光が空に向かって飛んでいきます!あれは、いったい・・・?
滅んだ家の下からも光が出てきては空に向かって飛んでいきます。
まさか・・・転移魔法!? でも、そんな術者は100年に1度生まれるか否かの問題ですよ!?
王国についたら、いろいろ大変な事になりそうです。
これは、楽しい見学どころじゃないですっ!!
今日は、ここまでです・・・
更新にはまったく期待しないで欲しいです・・・
学生である事があって、忙しいのです!
脱字や誤字があれば、是非感想までお願いします!